2008年12月

2008年12月31日

社会を根本的に変えた日


ヘンリー・フォードが新しい生産方法として初めて組み立てラインを生み出したまさにその日、社会そのものが根源的に変化したといってもいいすぎではない。大量生産が技術と経済を変えた。それは技術と経済を変える原動力となった。
『産業人の未来』1942p94 ダイヤモンド社

 

D1のコメント

T型フォードを世に出してちょうど百年、大量生産という仕組みが経済を変え、社会を変えた。産業社会を招来させた。そして今アメリカの自動車産業が衰退のときを迎えようとしている。1965年頃から始まった断絶の時代がもう10年もすれば終わるとドラッカー博士は予見した。その時には自動車産業はどうなっているのか。時代の変わり目の日がいくつかある。インターネットが世に現れた日もその一日に違いない。1960年代に起源を持つこの技術は経済を変え、社会を変えた。社会は知識社会への脱皮中である。



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2008年12月30日

社会の緊張の一つの理由


今日の産業社会の現実は、かつての商業社会とその市場から生まれたものでありながら、初めから、商業社会が基盤としていた基本的な前提とは相容れないものだった。しかし、それにもかかわらず、一九世紀を通じて商業社会は、成長を続ける産業社会の現実を支配し、組織し、まとめあげていた。もちろんかなり早い時期から緊張は見られた。
『産業人の未来』1942p23 ダイヤモンド社

 

D1のコメント

産業社会を「知識社会」に、商業社会を産業社会と読み替える。一九世紀を二〇世紀と読み替える。今の現実に符合する。産業社会の仕組みの一つが大量生産工場である。いま世界の自動車、電機産業が大きな打撃を受けている。理由は一世代前の社会の制度や組織を基盤にしているからである。アメリカ自動車労働組合と経営者サイドとの軋轢はその象徴だ。ドラッカー博士は組合の現代的意味を牽制機能だと喝破した。これら二大産業を基盤としている日本も危うい。その緊張―ストレスは最高値に達している。生き残りをかけて環境問題など産業へイノベーションを図れるかが鍵となる。歴史は繰り返す。今大きな転換点に差し掛かっている。



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2008年12月29日

権力と権威


機能する社会では、権力は権威として現われる。権威とは腕力に対置されるものとしての正義である。正統な権力だけが、この権威をもって社会の前提たる自己規律を実現しうる。
『産業人の未来』1942p36 ダイヤモンド社

 

D1のコメント

内閣支持率が低下している。権威が低下している。権力基盤が脆弱ゆえ低下している。そして社会の自己規律が崩壊しつつある。実体経済を担うべき企業がなりふり構わず雇用調整を行う。格差社会という言葉に潜在していた崩壊のシナリオが始まった。新しい時代の価値や目的を示し権威を取り戻すにはまず政治が変わらなければならない。



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2008年12月28日

社会の質的側面


いかなる社会においても、何が決定的に重要であるかを定量的に示すことはできない。人間の数を数え、納税額を計算し、所得水準を比較することほど無意味なことはない。決定的な重要さとは政治的な意味合いのものである。すなわち純然たる定性的尺度である。
『産業人の未来』1942p31 ダイヤモンド社

 

D1のコメント

量の多寡が社会の性格を決めるものではない。質的なもの、例えば社会が目指す方向、理想的な人間像が社会の性格を決める。イギリス国民の大半が紳士だったわけではない。紳士を理想とした。江戸時代を武家社会という。しかし武士はほんの一握りだった。



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2008年12月27日

政治の二本柱


政治の世界では一方の柱として信条、目的、希求、価値に関わる目的の世界があり、もう一方の柱として事実、制度、組織にかかわる現実の世界がある。目的の度を強めていけば哲学や倫理となり、現実の度を強めていけば比較人類学やジャーナリズムとなる。
『産業人の未来』1942p25 ダイヤモンド社

 

D1のコメント

制度改革や組織再編だけが政治の仕事ではない。進むべき道を示すことも一方の仕事として重い責任を負う。信条、目的、希求、価値を明示してはじめてリーダーシップを発揮することができる。世界が進路を失いつつある今、最も大切な仕事である。



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