自然界に存在する「自然放射線」のお話、高自然放射線地域に住む人々


執筆 - カラパイア: パルモ

 原爆体験のある日本にとって、放射線や放射能という言葉を聞くと、もうそれだけで恐怖を感じてしまうわけですが、自然界には人類の誕生以前から「自然放射線」が存在しています。自然放射線は、大気や、大地、宇宙線などから放出されますが、食物などにも含まれており、人類は年間、平均約2.4ミリシーベルト(日本は約1.5)程度の自然放射線を受けています。これはあくまでも平均値で、住む地域によっては「大地」から、かなり高いレベルの自然放射能の下で生活している人たちがいるようです。
 
■ 世界各地の大地から受ける年間自然放射線量

 大地には、多くのカリウムや微少のウランなどを含まれています。カリウムには0.012%の割合で放射線を発生するカリウム-40(放射性同位元素)が含まれています。このカリウムという物質は動物や植物が生長するためには欠かすことのできないものなのだそうです。

 大気から受ける自然放射線の量は、世界平均で年間0.5ミリシーベルト、日本だと0.43シーベルト(訂正: ※6さんありがとうございます) 0.43ミリシーベルトだそうですが、イランのラムサールでは、その20倍にあたる10.2ミリシーベルトの中で生活している人もいます。


世界各地の大地から受ける年間自然放射線量

世界各地の大地から受ける年間自然放射線量


 ラムサールはラジウム濃度の高い温泉のある高自然放射線地域。2位のブラジル、ガラパリはチタン鉄鋼ジルコナイト・モナザイトという溶けにくく硬いカリウムを含む鉱物が、海に注ぐ多くの川によって下流に運ばれ、そこに成層して川や海に沈積し海から波とともに小さな砂石として浜に戻って来たといわれています。 3位のインド、ケララもカリウムを含む黒い砂の海岸地帯。4位の中国、陽江では、放射能が高い粘土地層でのレンガ造りの家により、家の中ではラドン濃度もガンマ線量も対照地区の3~4倍あるそうです。

 
 放射線の影響はわずかな量であっても体に悪いと信じる人は多く存在しますが、実際このような高自然放射線地域には多くの人びとが何世代にもわたって暮らしています。高自然放射線地域に住む人々を対象とした研究調査(中国陽江)によると、一般的な地域に住む人々となんら変わりはなかったそうです。それどころか結核だけは、高自然放射線地域の死亡率が明らかに低かったそうです。(via. 高自然放射線地域における疫学研究)


身の回りに存在する放射線 東京電力

身の回りに存在する放射線 東京電力


 ということで、自然界には多く存在し、またなくてはならない存在である放射線。。これまでの調査研究から数百ミリシーベルト(数十万マイクロシーベルト)以上を受けた場合に影響が出ることがわかっています。しかし200ミリシーベルト(20万マイクロシーベルト)以下では、影響は確認されていないということだけは、覚えておいたほうがいいかと思います。

 ちなみに、天然に存在するラジウムを含んだラドン温泉には通常の200倍以上の放射線を含んでおり、日本では島根県の池田、山梨県の増富、鳥取県の三朝、兵庫県の有馬などでは4万倍以上の放射線が含まれています。他にも、日本全国で選んだいわゆる「名水百選」(環境庁が選定)に含まれる水に含まれるラドンの量は平均でも通常の水の20倍を越えているそうです。(via. 放射線の話)

 それでもやっぱり気になっちゃうのが放射線。今回の原子力発電所事故により、自分の住んでいる地域にどれくらいの放射線物質が飛んできているのか気になる方は、以下のグーグルマップを参照に、住んでいる地域の近くのマークをクリックして調べることができますよ。マップの数値の見方は、東大病院放射線治療チーム のツイートを参考にしてください。



■ 東北関東大震災・非公式・放射性物質モニタリングポストMAP / Japan quake radioactive material monitoring post MAP


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