2005年05月21日

『サマリア』〜<奇蹟>の映画〜

Samaria『サマリア』
 
 
監督:キム・ギドク
出演:クァク・チミン ハン・ヨルム イ・オル
 
【あらすじ】
女子高生ヨジン(クァク・チミン)とチェヨン(ハン・ヨルム)は大の親友。
ふたりはヨーロッパ旅行の夢をかなえるため、援助交際を始めることにした。
ヨジンがお金とスケジュールの管理、見張りを担当し、チェヨンは男たちにホテルで会う。
そんな男たちを毛嫌いするヨジンとは裏腹に、彼らの普段の生活にまで興味が尽きない
チェヨン。いつしかチェヨンは出会ったミュージシャンに恋心を抱くようになり、
ふたりの調和の取れた関係も変化の兆しが見えてきた……
 
 
男から見ると、女性同士の友情関係というのは永遠の謎です。
今まで仲良くしていたと思いきや、ある日を境によそよそしくなったりと、
何か事件があったにしても、その関係のダイナミックな変化は驚くべきものがあります。
そういう女性同士の関係を、男目線で描いたのがこの作品です。
果たしてこの作品は私の疑問に応えてくれたのか、
以下、ネタバレありの長い長い感想が続きます。
未見の方はご注意ください。  


第一部 「バスミルダ」

冒頭の三分がラスト三分に負けず劣らず素晴らしいですね。
二人の、調和の取れた関係が見ていて心地よいです。

相手の男とチャットで交渉するヨジンの横で、
無邪気に旅行先のことをネットで見ているチェヨン。
ここで二人は見事に役割分担しています。
ヨジンは実務的なことを担当し、チェヨンは興味を外に外に向けています。
その後の二人も、その役割がくどいくらいに上塗りされてますね。
出会った男に対しても、ヨジンは何ら興味を持たず汚らわしいものだと考える一方、
チェヨンは興味津々。センサーの話題を振っても、一笑して切り捨てるヨジン。
地上にいるヨジンと、窓からヨジンを見るチェヨンの「視線の交錯」は、
『悪い男』でもおなじみな、「非対称な視線」となっています。

それにしても、第一部はキム・ギドクにしてはものすごく饒舌です。
二人は銭湯でも背中を流しながらしゃべっていますから。
このときの「私、穢れていないよね?」というのも、
いろいろ考える余地のあるセリフですね。

たしかに「社会的常識」に照らし合わせてみれば純度100%で穢れているのですが、
もしそんな常識を取っ払ったと仮定するならば、
それでもチェヨンは穢れていると言えるのか?
「魂のレベル」まで穢れていると言えるのか?
断定のできない、なんとも難しい問題ですね。

ともあれ、「風呂場で洗い流す」というシーンは、後々のモチーフになります。
「みそぎ」というか「洗い清める」イメージがここにはあります。

しかしながら、チェヨンの興味が行き過ぎたところが、破綻の始まりに……
チェヨンがある男に恋をしてしまったのです。
一度ほころんだら、大きなほころびになるのが自然な流れというもので、
「アリの一穴が一山を崩す」ように、チェヨンの悲劇に至るのです。
ヨジンには、チェヨンの微笑の意味を知らぬまま、疑問だけが残されることに。
結局、親友といっても、お互いのすべては理解できなかったということですね。
このとんでもない喪失感が、次のパートでは、ヨジンをあの行動に駆り立てるのです。


第二部:「サマリア」

親友を失ったヨジンの取った行動は、かつての客と会ってお金を返していくこと。
それはつまり、チェヨンのたどった軌跡から、
彼女が何を見聞き感じたかを分かるかもしれないと思ったからなのでしょう。
完全ではなくとも、少しは。
だからこそ、ヨジンはチェヨンのように意味なく笑ったり、窓から外を見てみるのです。

が、このパートの途中からは、物語はヨジンの父親視点で進むことになります。
このパパの演技が実に良いです。狂気をはらんだ男を演じきっていますね。
娘が男と一緒のベッドにいるところを、偶然発見したときの表情といったら!
この「窓から外を見る」というのも、この作品の重要なモチーフになっています。
部屋の窓のみならず、冒頭のパソコン(Windows)、そして車の窓と、
ラストに至るまで、窓から見えるものはだいたいが「よからぬもの」となっているのです。

そんなこんなで、父親がブチ切れたあたりからは、
かつてのキム・ギドクらしい演出で押しに押していきます。
父親のエスカレートする暴力。最初はヨジンの相手の男を平手打ちするだけだったのが、
やがて自殺に追い込み、ついには自ら手をかけてしまうことに……
コンクリートでフィニッシュブローを決めた後は、
またまたまた血を「洗い流す」シーンとなるのです。

はっきり言って、父親の行為はめちゅくちゃです。
が、それでもなお、その行為を全否定することにはためらってしまいます。
もとを正せば、娘の為を思っての行為なのですから。

父親が車のフロントガラスに投げつける「石」、フィニッシュブローの「石」と、
「石」には「暴力そのもの」を象徴してもいるのですが、
私は「石」から連想する別のイメージに重きを置きたいところですね。

そのイメージとは、「邪魔な石をあらかじめ除けてあげる」というイメージです。
自分にとって大切な人に降りかかるであろう困難を回避するイメージなのです。
『悪い男』でも、勝手に女を落としておきながら、
ヤヴァそうな客は前もってハネていましたし。

このあたりで思ったのですが、つまるところ、キム・ギドクのいちばん底にあるものは、
「人が人を思い・想う、プリミティブな感情」
つまり、ある種の「優しさ」なのではないのでしょうか。
社会に対する恨みが勝って、その「優しさ」が行為のレベルでは「暴力」となって現れるのが、
『悪い男』や、未見の『コースト・ガード』『受取人不明』であるような気がするのです。

おいおいと五つ六つツッコミを入れたいシーンがあったとしても、
この「優しさ」が底にあるかぎり、私はキム・ギドク作品を追い続けていきたいと思います。


第三部:「ソナタ」
「ソナタ」とは、韓国の大衆車の名前だそうですね。「H」マークがついていたから、
おそらくヒュンダイの車だろうと思っていたら、ビンゴでした。
ただし、日本車で言えば、カローラでもマーク兇任發覆、その間にあるカムリや、
HONDAのアコードのような海外戦略車とほぼ同じ車格だそうです。
パンフレットの監督インタビューにあるのですが、
「ソナタ」には「韓国での一般常識」の意味を込めているそうです。
なんと、キム・ギドクから一般常識という言葉が出るとは!

いやはや、以前のキム・ギドクとは違って、社会常識にたてつくのではなく、
常識は常識として厳然と存在するのだ、という姿勢の変化が見られますね。
常識があることを認めた上で、自分たちはどうするのか、このパートでは語られています。

とはいえ、このパートではセリフがほとんどありません。
セリフの代わりに、ものすごく饒舌なアイテムに注目してみましょう。
このパートのみならず、全編を通して登場するアイテム……

それは、「車」!
車は「移動」の象徴だと言えますね。
第一部では、ヨジンとチェヨンは社会常識の境界をうろうろと「移動」した挙げ句、
とどのつまり、チェヨンはあの世へ「移動」してしまった。
第二部では、ヨジンの父は、「移動」するヨジンを追いかけた挙げ句、
自らが社会常識とはかけ離れたところへ「移動」してしまった。
そして第三部では……

ヨジンと車の関係を見ても、こういう変遷があるので、簡単にまとめてみます。
1.学校へは父親の車で送ってもらう
2.チェヨンの一大事には、タクシーに乗って男のもとへ向かった。
3.その後病院へ戻るとき、男の車に乗ろうとするも、鍵がかかっているのも知らずに
ドアノブを引いてしまう。
4.第三部でも、一晩泊まって出発するとき、またもや車のドアノブをロック解除前に
  引いてしまう。

ここまですべてが「受け身的」なヨジン。自分一人ではどこへも「移動」できないのです。

が、父親がタバコを買いに車を離れたとき、初めて車に興味を持ちます。
ハンドルを恐る恐る触り、父親が「運転してみるか」と言っても、一度は断るものの、
ラストの「自動車教習」へとつながります。

その訓練に先だつ、車が山道でカーブを曲がりきれなくて立ち往生したのが、
ある意味この作品の肝とも言えるシーンでした。
父親が前輪につっかえた石(またも石!)を少し取りのけるも、ダメ。
そこで、ヨジンが立ち上がり、額に汗して細かい石を取り除いていくのです。
もともと父親は娘と心中でも、と考えていたのが、
この娘の姿を見て考えを改めたのでしょう。
この後にある、青みがかった幻想シーン(=死)の流れではなく、
河原の自動車教習(=生)へとつながっていくのです。

河原の教習は、石(くどいくらいに石!)を黄色に塗ってずらずらと並べて、
S字や方向転換コースを作り上げます。
指導がひとしきり終わると、
「パパはもうついていけない。これからはひとりでいくんだ」という
最後のメッセージを残し、迎えに来た警察の白い車に乗る父親。

ここからのラスト3分が、もうとんでもなく素晴らしい!
父親がヨジンを学校へ送っていくときに三度「奇蹟の話」をするのですが、
この3分間のインパクトこそ、「映画的奇蹟」なのではないか、
と思わずにはいられません。
何の変哲もない、ヨロヨロとした車の運転がここまで心に突き刺さるのですから!

キム・ギドクはパンフレットのインタビューで、
「奇蹟とは、ある物事を初めて心から『理解できること』」
と言っています。
このラストもそういう類の、「分かる人には分かる」ものなのでしょう。
私も「心から」理解できているかはまだ疑問符がつくのですが……

ヨジンのヨロヨロ運転では向こうを走る車には追いつかず、
ついにはぬかるみにはまりこんで出られなくなってしまいます。
この先に一瞬映る鳥の群れ。これも象徴的意味が込められていますね。
たった一匹の白い鳥が、黒い鳥たちの危険を回避するように、
白い車(=父親)が、黒い車(=ヨジン)を社会常識の枠に押しとどめているのです。
父親は、ヨジンに車の操縦法(=「移動」手段)だけ教えて、自ら去ってしまうことに。

窓から外を見てどうにもならないと観念したヨジンは、車の外へ出る、
その「引きの画」に、孤独に突き放されたヨジンを温かく見守るような
印象を受けますね。音楽もドンピシャリにはまっています。

というわけで、いろいろと考えてみたものの、結局は私の疑問も解明されないままです。
そもそもキム・ギドク自身もわからないものをわからないままに描いたようですから。
社会常識の「不定形」ではなく、人間心理の「不定形」にシフトチェンジした
この作品こそ、キム・ギドクのこれからの作風の指針となるように思います。

pfwfp at 22:46│Comments(28)TrackBack(32)clip!韓国映画 

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 「サマリア」での男と女  [ 藍空 ]   2005年05月21日 23:33
「サマリア」は援助交際によってお金を稼いで旅行に行きたいと思ってる女子高校生の話。といってしまえば、またまた拒否反応を示されるに違いない。大体、それでキム・ギドク監督は評価がいつも分かれてしまうような設定ばかり描いてるのだ。 が、ここでギドク監督が描いた
2. 「サマリア」  [ 藍空 ]   2005年05月21日 23:36
キム・ギドクの映画を見始めてまだ日は浅いのですが、もうずーっと見てるような気もします。とにかくおもしろいですね。
3. 「サマリア」  [ the borderland ]   2005年05月22日 00:06
昨年は「猟奇的な彼女」をたまたまDVDで見たのを皮切りに、劇場で10本、DVDで3本韓国映画を鑑賞したんだけど、キム・ギドク監督の作品は見たいと思いながら見逃していました。やっと今回、韓流シネマ・フェスティバルでごった返すなか、行ってきました。ちなみにこの作
4. サマリア  [ シネまだん ]   2005年05月22日 01:30
監督:キム・ギドク  出演:クァク・チミン ハン・ヨルム イ・オル  公式サイト     7.5点 3部構成で綴られた悲しみのギドクワールド    第1部「バスミルダ」。軽い気持ちで援交を始めるチェヨンと、見張り役をすることになるヨジン。2人は
5. 「サマリア」 死と再生の旅  [ BLOG IN PREPARATION ]   2005年05月22日 01:53
今日は映画の日。恵比寿にて「サマリア」を\1,000で鑑賞。キム・ギドク監督。客入りはもうひとつ。少女が辿るイニシエーションを描いた作品だと感じた。作品は三部構成になっていて、それぞれ「バスミルダ」−「サマリア」−「ソナタ」とタイトルがつけられている。 親友の.
6. 『サマリア』  [ 映画大陸 ]   2005年05月22日 15:06
 いつも仲良しのヨジンとチェヨン。  チェヨンはネットで知り合った男性と援助交際を続けている。そんな行動を不潔だと思いながらも見張り役として彼女の援助交際をサポートしているヨジン。  ある日チェヨンが利用しているホテルに警官が取り締まりに入る。警官に捕ま
7. サマリア [置いてきぼりの少女・・・哀しく美しい映画。好きな台詞は?]  [ 自主映画制作工房Stud!o Yunfat 映評のページ ]   2005年05月22日 22:42
2005/4/20 観てから二週間もたった。 この映画を語るにふさわしい言葉を模索してきたが、思いつかない。 ボキャブラリイが足りない 一つはっきりしてるのは、これはまぎれもなく「最高の映画」なのだ。 感想は小出しにして、時間をかけて完成させようと思う とりあえず印象
8. サマリア  [ 見なきゃ死ねるか!聴かなきゃ死ねるか! ]   2005年05月23日 22:04
監督:キム・ギドク 英題:Samaritan Girl キャスト:イ・オル、クァ
9. サマリア samaritan girl  [ LM * The Letters about a MOVIE. ]   2005年05月25日 03:16
前略、元気ですか?この前の日曜日、久し振りに映画を見て来ました。 「サマリア」という映画です。最近、いろいろな映画賞を取りまくりの、キム・ギドクという、韓国の映画監督が撮った映画。
10. サマリア  [ Dalmatian Dot-matrix printer ]   2005年05月28日 23:57
映画「サマリア」を観に行ってまいりました。 終映ギリギリでしたが、予告で見た時からずっと見たかったんですよ。 だってキム・ギドグ監督だし(彼の映画「悪い男」は私的昨年度ベスト1でした)、 ビジュアルこんなだし、内容も仲良し女子高生の片割れ:チェヨンが
11. 純粋すぎて痛い愛のかたち◆『サマリア』  [ 日々の記録と、コラムみたいなもの ]   2005年05月30日 05:57
5月27日(金)名演小劇場にて 以前にも書いたことがあるが、私は巷の"韓流ブーム"に関しては、ささやかな疑問を抱いていて、韓国のイケメン俳優たちが来日する度に空港に集まって大騒ぎしている人たちをテレビで見ると、正直に言ってうんざりする。 先日、名古屋でも『韓
12. サマリア  [ cheapの日記 ]   2005年06月02日 22:07
ネットカフェで援助交際の相手を探すヨジン(クァク・チミン)とチョヨン(ソ・ミンジョン)。 二人の女子高生の夢は受け取った金で、一緒にヨーロッパ旅行をすることだ。 援助交際はその手段。チョヨンが客をとり、ヨジンはそれを嫌いながらも見張り役として行動をともにし
13. サマリア  [ 金言豆のブログ ・・・映画、本、イベント情報等 ]   2005年06月10日 16:27
★本日の金言豆★援助交際は韓国でもあるが、日本ほど報道されることがなく、問題視されていない。(監督談) 「出会い系サイト規制法」「淫行条例」「児童売買春・児童ポルノ禁止法」「売春防止法」「児童福祉法」「ブルセラ禁止条例」「青少年育成条例」・・・いわゆる青
14. サマリア Samaritan Girl(2004)  [ jajaの映画日記 ]   2005年06月10日 17:03
キムギドク金基徳という名前を聞くと、もうひとりの韓国映画監督キムギヨン金綺泳の名と思わず混同しそうになります。(というか、わたし最初じっさいに混同してました。ギヨンは既に亡くなってるはずなのになんで新作が出てくるんだろうって…(笑)。そもそも世代が違うし、
15. 『サマリア』、何事も断罪しない映画  [ cinemabourg* ]   2005年06月22日 12:38
『サマリア』というタイトルは、三章に分けられた本編の第二章のタイトルでもあります。ということは、この第二章が最も重要な章であるのかというと、そう簡単に結論を出すことが出来ません。この問いはそのまま、『サマリア』が何を描きたかったのかという問いに直結するの
16. 『サマリア』  [ Rabiovsky計画 ]   2005年07月09日 20:31
『サマリア』公式サイト 監督:キム・ギドク 出演:クァク・チミン 、ソ・ミンジョン 、イ・オル 、    クォン・ヒョンミン 、オ・ヨン 2004年/韓国/95分 『サマリア』を東京と地方の時間差を感じながらもやっと見ること ができました。この映画の中心とな
17. サマリア  [ いつか深夜特急に乗って ]   2005年08月16日 20:07
「サマリア」★★★★(盛岡フォーラム2) 2004年韓国 監
18. キム・ギドク「春夏秋冬そして春」「サマリア」  [ CODE_NULL ]   2005年09月15日 22:24
池袋の文芸座にて二本立て上映(〜9/11)。 両作品とも2度目の鑑賞となる。 -- 以下、ネタバレ注意 -- 「春夏秋冬そして春」 何の予備知識もなく初めてこの映画をみたとき、「春夏秋冬そして春」というタイトル と最初にスクリーンに映し出される山の中の湖に浮かぶお堂の...
19. サマリア(DVD)  [ ひるめし。 ]   2005年10月20日 20:09
この痛みを抱いて生きる CAST:クァク・チミン/ソ・ミンジョン/イ・オル ベルリン国際映画祭の銀熊賞(監督賞)受賞の肩書きにつられて借りてしまった。 援助交際をテーマにした3部構成で成り立っている作品。 う〜ん・・・・最初から最後までよくわからなかったわ・・・...
20. 映画「サマリア」  [ ある在日コリアンの位牌 ]   2005年10月27日 10:25
?ハピネット・ピクチャーズサマリア ?  今、世界的に注目される監督の1人であるキム・ギドク監督。この作品でベルリン映画祭銀熊賞(監督賞)、続く『3-Iron(空き家)』でヴェネチア映画祭監督賞を制し、残りカンヌ映画祭で監督賞を取れば、3大映画祭の3冠達成...
21. 『サマリア』  [ よんふぁ広場 ]   2005年10月29日 16:55
本日は、この作品について。
22. NO.117「サマリア」(韓国/キム・ギドク監督)  [ サーカスな日々 ]   2005年12月05日 19:50
私たちは遠からずみんな狂ってしまうかもしれない。 韓国の「北野たけし」などと呼ばれることもあるキム・ギドク監督。いつも、「加虐と被虐そして自虐」と自ら述べているように、荒々しい問題提起の作風で物議を醸してきた。その、ギドク監督が前作「春夏秋冬そして春」で...
23. 『サマリア』の風景  [ Days of Books, Films ]   2006年01月26日 23:29
遅ればせながら『サマリア』(DVD)を見た。なんという画面の艶やかさ。ことに手持
24. サマリア★★☆  [ ホン嫌いな書斎 ]   2006年01月28日 21:24
一時の韓流ブームとは別次元で屹立し続ける 孤高の映像作家、キム・ギドク。 『サマ...
25. サマリア  [ impression ]   2006年02月18日 23:09
ペルリン国際映の画祭で最優秀鑑督賞である銀熊賞を受賞した私一押しキム・ギドク監督作品。 この監督の世界観が好き。  第1章の「バスミルダ」、第2章の「サマリア」、第3章の「ソ〈
26. 『サマリア』’04・韓  [ 虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映画 ブログ ]   2006年02月18日 23:47
あらすじヨジンは父と二人暮らしの女子高生。彼女の親友は同級生のチェヨン。ヨーロッパ旅行に行くお金を集めるために援助交際をしている。客を取る事をさして問題とせずに、屈託のない笑顔でインドの伝説の娼婦バスミルダ気取りのチェヨン。そんな親友を心配して見張り役...
27. 「サマリア」(04韓国)  [ Happy Together ]   2006年02月20日 09:00
10代の純粋で危うい時期に体験した親友の援交と死が、少女を罪滅ぼしへの旅へ誘い、少女の父親もその後を追っていく・・・
28. 映画『サマリア』  [ 茸茶の想い ∞ ??祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり?? ]   2006年04月22日 03:04
原題:Samaritan Girl この映画、公開されたとき、二人とも可愛くて、特にチェヨン役の子が魅力的でいい、観たいと思いつつ見逃して、・・思い出したようにやっと観た・・・。 相手の家さえ知らないのに、いつも二人で時には抱き合いキスさえしちゃうほど仲のいい...
29. 「サマリア」居心地の悪い、心地よさ  [ soramove ]   2006年05月17日 21:53
「サマリア」★★★wowow鑑賞 クァク・チミン、ハン・ヨルム主演 キム・ギドク監督、2004年、韓国 映画を監督で見ることは殆ど無いが 韓国のキム・ギドク監督は 「魚と寝る女」に出会ってから なるべく見るようにしている。 きっと観客動員は少ないだろうなと ...
30. サマリア  [ 39☆SMASH ]   2006年06月05日 13:44
『サマリア』 あらすじ 『父親と二人暮らしをしている女子高生ヨジン。彼女の親友は同級生のチェヨンだったが、チェヨンはいつからか援交に走るようになっていた。ヨジンは親友の行動を嫌悪しながらも、チェヨンが心配で見張り役として行動をともにする。そんな...
31. サマリア  [ 。○o。.1日いっぽん映画三昧.。o ○。 ]   2006年07月25日 14:19
やっと見ました!キム・ギドク発「サマリア」です。 援助交際で二人分の旅費を稼い
32. 『サマリア』みましたぁ!  [ 韓ドラのたまり場 ]   2007年02月17日 12:34
『サマリア』クァクチミン/ソミンジョン(ハンヨルム)共演 사마리아(Samaria).....2004年キムギドク監督作品 junsanga的評価 ★★★★☆(4つでいいのか!と思いつつ) 【1】おっとけー...いきなりの女子高生の援○交際がテーマになっていて...

この記事へのコメント

1. Posted by 朱雀門   2005年05月22日 00:22
トラックバックありがとうございました

詳細なレビューを読ませていただき、脱帽するばかりです。

窓、風呂場、車・・・

あるモチーフを少しずつ形を変えながら再現するのは、音楽的手法ですね(窓は気づきませんでした!)。
3つのストーリーにつけられたタイトルから、クラシック音楽みたいだなと感じながら観ました。

過去の作品も見てみたいです。
2. Posted by カヌ   2005年05月22日 00:24
う〜ん、深いですね。
娘2人はまだしも、父親のことが理解できなかったです。
>社会に対する恨みが勝って、その「優しさ」が行為のレベルでは「暴力」となって現れる。
これが答えなのかなと思いました。
3. Posted by Ken-U   2005年05月22日 02:23
丞相さん、おじゃまします。

「石」については「春夏秋冬そして春」でも印象的なつかわれかたをしてました。なにか人間の「業」が詰まっている塊というか。
ヨジンとチェヨンの関係も興味深いですね。チェヨンはもうひとりのヨジンという位置づけでぼくは理解しました。

ぼくはこの作品を、死と再生の旅を描いた物語だと捉えています。細かい部分も含めて、もういちど観て整理してみたい作品です。それでも様々はとり方ができる作品なんでしょう。そこも魅力のひとつなんでしょうね。

こちらは好きなブログのひとつなので、ちょくちょく読ませていただいてます。
4. Posted by HONDO   2005年05月22日 13:27
こんにちは。TB有難うございました。
私のブログなどは比べ物にならないぐらい細かく、詳しいですね。敬服します。
これからもお邪魔することはあると思いますが、どうぞよろしくお願いします。
『サマリア』は私の今年の洋画部門の癸姥補です。本当に強烈でしたね。

それでは!!(^^)/
5. Posted by 丞相   2005年05月22日 21:05
>>朱雀門さん
こんばんは。コメントありがとうございます。
クラシック音楽ならば、『サマリア』はさしずめ「ボレロ」のようでしたね。
同じモチーフを繰り返し繰り返し、しぶといぐらいに繰り返していくところが似ていたと思います。
あのラストの盛り上がりも、今までの積み重ねがあったからこそなのでしょう。
6. Posted by 丞相   2005年05月22日 21:12
>>カヌさん
こんばんは。毎度のTB&コメントありがとうございます。
正直、私も父親の心理については理解が及びません。
何というか、他人の心理が分からないことこそ、
この作品の登場人物の原動力になったように思いますね。
ツッコミどころも多々あるのですが、ラストはやはり感慨深いものでした。
7. Posted by 丞相   2005年05月22日 21:24
>>Ken-Uさん
こんばんは。コメント、TBありがとうございます。
私もKen-Uさんのブログはよく読ませていただいてます。

たしかに、『春夏秋冬そして春』では、石が「業」をダイレクトに表していましたね。
石の問題も含めて、キム・ギドク作品の特徴は「換喩的世界」であるように思います。
最近の村上春樹の小説と同じように、やたらとメタファーで押し切っている印象がありますね。

メタファーだから、これが正解だ!というのはないので、
個々人でメタファーの受け取り方が違うのも当然のことですね。 
8. Posted by 丞相   2005年05月22日 21:30
>>HONDOさん
こんばんは。コメントありがとうございます。
HONDOさんがご覧になった韓国映画の中では、
私は近々『スカーレット・レター』『コースト・ガード』を見る予定です。
かなり重い作品なのは承知の上で、見ずにはいられないですね。

私も『サマリア』は今年の洋画ナンバー1候補となっております。あのラストの素晴らしさは、何度言っても言い足りないぐらいですね。
9. Posted by yyz88   2005年05月23日 22:10
いつもお世話になります

私にとってはこれが一番最初に鑑賞したキム・ギドク作品だったのですが、非常に深い映画だと思いました。その後、何作か彼の作品を見てますが、独特の世界観に酔いしれているところです。

実際のところ、本作の解釈は如何様にも出来るのではないかという気がしますが、他の作品同様、ロングショットを印象的に使う監督で、しかも無言の映像で何かを語りかけてくるような感じがとても気に入ってます。

この作品はDVDを持ってるので、近いうちに再度チェックしてみたいと思ってます。
10. Posted by 丞相   2005年05月24日 23:19
>>yyz88さん
こちらこそ、いつもお世話になっております。
キム・ギドクというのは、ハマると他の作品を片っ端から見てみたくなりますよね。
私も、『受取人不明』と『コースト・ガード』が見たくてたまりません。

個人個人で、作品の解釈が違うのもまた面白いですね。
『サマリア』では、パソコン、インターネットなどの機械に注目された方もいました。
『空き家』『弓』などの最新作も、できるだけ早く日本で公開されてほしいですね。
11. Posted by hotaka   2005年05月29日 00:55
TBありがとうございます。逆にこのサマリアはまだ見てないんですよ。
アメリカでは、まだ音沙汰ないですね。こっちの方は。ただキム・ギドク監督は
アメリカ(のインディーズ業界)でも、注目度は高まってきていると感じます。
悪い男も一週間限定でしたが、公開されましたし。
春夏秋冬そして春なんかも、かなり評価高かったようです。
12. Posted by 丞相   2005年05月29日 08:51
>>hotakaさん
こんにちは。こちらこそ、TBありがとうございました。
アメリカでは今月10日に『サマリア』DVDが発売されたそうですよ。
キム・ギドク好きなら買っても絶対に損はさせない作品なので、
Amazonなどでチェックしてみてください。

13. Posted by cheap   2005年06月02日 22:20
TBありがとうございました。
とても詳しいレビューに感心しきりです。
「空き家」「春夏秋冬そして春」そして「サマリア」を見て感動し、あらためてキム・ギドク監督に関心を持っています。
「悪い男」を見た時は正直ひいたんですが、もう一度見る気になりました。
14. Posted by 丞相   2005年06月03日 08:31
>>cheapさん
こんにちは。TB、コメントありがとうございました。
私が見たキム・ギドク作品のなかでは、『サマリア』が一番
バランスの取れた作品だと思いますね。
『悪い男』も、それはそれで良いのですが・・・。
『空き家』の日本公開まで待ちきれないので、そのうち
韓国本場のDVDを買おうとすら思っています。
15. Posted by かし   2005年06月11日 06:59
どうもはじめまして。
トラックバックありがとうございました。
他の映画の感想もとても興味深く読ませていただきました。
これからも覗かせていただきます!
ギドク作品では悪い男が一番好きです。ヒロインも凄く好みでして・・
16. Posted by 丞相   2005年06月11日 17:10
>>かしさん
こんにちは。コメントありがとうございます。
私は、『悪い男』でキム・ギドク作品を初めて見て、
その後『サマリア』ですっかりギドクにはまってしまいました。
『悪い男』も、もの言わない男の演技が素晴らしいですし、
ヒロインも素敵でしたね。
『コースト・ガード』『受取人不明』は未見なので、いずれは特集上映なりDVDなりで見たいと思います。

17. Posted by rabiovsky   2005年07月09日 23:24
ギリギリ見れました!公開期間がやはり東京や大阪とは比べ物
にならないぐらい短いです。
隣映画館では(同じ系列の映画館)『エレニの旅』を上映して
いるなんともいえない高校時代からお世話になっているところ
なのです。私も冒頭のチャットのシーンとラストはとても好きです。
あの現代のクルマの名前は「ソナタ」というのですか!
この映画はかなり意見が割れてますね。
私は傑作とまではいいませんが、好きですよ!
18. Posted by 丞相   2005年07月10日 21:05
>>rabiovskyさん
大阪でも、『サマリア』は実質2週間程度の公開でしたよ。
公開して2週間経ったところで、レイトショーに回されました。
キム・ギドクの人気も、まだまだ草の根レベルなところですね。
この映画の評価の分かれどころも、登場人物の不可解さをどう捉えるかに
かかっているようです。私は、行動原理がわからなくても十分満足できたのですが。
ところでヨジンのお父さん、『春クマ』にも出ていましたね〜
あ、『春クマ』の人だ!と小躍りしてしまいました。
19. Posted by code_null   2005年09月15日 22:28
こんばんは。
軽い切り口で始まりながら、何とも深い映画でした。
この監督の作品はまだ2つしか観ていませんが、他の作品も
要チェックだと思っています。
穏やかで、あり得ないくらい優しい父親の豹変ぶりが、大変
印象的でした。
また来させていただきます!
20. Posted by 丞相   2005年09月16日 08:39
>>code_nullさん
こんにちは、TB&コメントありがとうございました。
キム・ギドク監督作品は、いちどはまると病みつきになりますね。
私もはじめは人に勧められて見たものの、すっかりはまってしまいました。
キム・ギドク作品といえば、『悪い男』は外せません。
こちらはどこのレンタルショップにも置いてあるはずです。
最高傑作と名高い『受取人不明』も12月に発売・レンタルされるので、楽しみにしておいてください。
21. Posted by code_null   2005年09月16日 21:41
貴重な情報ありがとうございます!
チェックしておきます。
本当にはまってしまいそうな予感。
22. Posted by 丞相   2005年09月17日 17:07
>>code_nullさん
こんにちは、再びコメントありがとうございます。
キム・ギドクは、はまる人にはとことんはまるタイプの監督ですから、
ぜひ他の作品で、ギドクワールドをお楽しみになってください。
23. Posted by kimion20002000   2005年12月05日 23:14
TBありがとう。
とても、興味深いレヴューですね。

どこかで、この映画の終わり方は、絶望の中の小さな希望を感じさせます。
この監督の、監督らしからぬ「成熟」なのかもしれません。
24. Posted by 丞相   2005年12月06日 09:42
>>kimion20002000さん
こんにちは、こちらこそ、TB&コメントありがとうございます。
キム・ギドク監督の作品は、さまざまな解釈ができるところが興味深くもありますね。
この作品のラスト3分は、たしかにほのかな希望を感じさせるものでした。
ただの車のヨロヨロ運転に、あれほどの寓意をこめるとは、ただごとじゃありません。
来年には『空き家』も日本で公開されるので、ぜひ楽しみになさってください。
25. Posted by リーチェン   2006年02月20日 09:10
丞相さん、こんにちは〜

いまだにあのピアノメロディーが頭から離れません(笑)

石・・・確かに石は意味深いものがありましたね。
その他にも、読んでなるほど!と思うところが多々あり、
返却までにもう一度見直したいと思います。

「春夏秋冬そして春」と「サマリア」を見て思うことは、
前は仏教の教え、そしてこちらはキリスト教の聖書の部分を引用したような、普遍的な宗教の物語にどこかなぞらえている印象を強く受けました。

 きっと聖書のことをよく知っていれば、また別の見方もできたような気がします。聖書も、罪を贖うとか、さまざまな旅が登場しますから。
26. Posted by 丞相   2006年02月21日 00:03
>>リーチェンさん
こんばんは、いつもお世話になっております。
どうしてもリーチェンさんの記事にTBできないのですが、それは、
私の記事のどこかにNGワードが入っているせいなのでしょうか。
ともあれ、ラスト3分は凄いですよね。私はこのラストシーンを、
ずいぶんとヘビーローテーションしていました。
このラストが胸に迫るのも、それまでの細部の積み重ねがあってのことなのでしょう。
車が生き物のように見えましたね。

リーチェンさんのコメントでふと気づいたのですが、『春夏秋冬そして春』は仏教、
『サマリア』はキリスト教とくれば、お次の『うつせみ』はイスラム教が背後に
あるのかもしれません。いつになく意味不明な展開も、私がイスラム教について
まったく知らないことによるのでしょうか。
春の公開まで、じっくりと考えてみることにしますね。
27. Posted by リーチェン   2006年02月23日 20:17
丞相さん、こんばんは〜

「サマリア」再見しました。
やはり”石”ですね・・・(笑)

第1章では、人の形をした石(十字架を鋏んだ男と女の像や家族のような数体の像)ばかり。
第2章では、おっしゃる通り、父親の攻撃の材料。
車に石を投げられた男を待ち伏せした父親に、ひたすら謝るシーンのあとに、さりげなく映った父親が手に握っていた石。
つくづく観客をフェイク(騙す/驚かす)するのが上手い監督だと思いました。
そして第3章、焼き芋をもらって食べる机も石、ご指摘の石たち・・・ 
石だけでも、これだけ使い方を変えているのは何か意味があるんでしょうね。

>TB、禁止ワードは大丈夫だと思います。よかったらもう一度トライしてもらっていいですか?
28. Posted by 丞相   2006年02月24日 08:27
>>リーチェンさん
こんにちは、ふたたびコメントありがとうございます。
『サマリア』は、はまる人にははまってしまう作品ですよね。
私も、このラストシーンをずいぶんとヘビーローテーションしたことがあります。
車や石など、同じアイテムでもちょっとずつ意味合いをずらして描いていくのが、
キム・ギドクの演出法なのだと思います。「音楽的」な演出とも言えますね。
『うつせみ』では、石がダイレクトに登場することはないのですが、
石を進化させたようなアイテムが物語の鍵となっています。
こちらも、ご覧になったときに注目してみてください。

TBのほうは、いまだできないようで・・・。このところのLivedoor Blogの調子は
以前にも増して悪く、gooブログに出入り禁止なのはもちろん、
Livedoor Blog同士ですらうまくTBできないことが多々あります。
会社本体のいざこざでBlogどころはないでしょうが、気長に待つことにします。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔