2009年12月31日

『海角七号 君想う、国境の南』〜虹連と奄美くん〜

Kaikaku7gou『海角七号 君想う、国境の南』公式サイト

監督:ウェイ・ダーション
出演:ファン・イーチェン 田中千絵 中孝介 シノ・リン レイチェル・リャンほか

 

【あらすじ】(goo映画より)
ミュージシャンの夢敗れ、台北から故郷の恒春に戻った青年アガは、郵便配達の仕事についたものの、無気力な日々を送っていた。そんな時、日本から中孝介を招いて行われる町おこしのライブに、前座バンドとして駆り出されることに。オーディションで集められたメンバーは寄せ集めで、練習もままならない状態。ひょんなことからマネージャーをする羽目になった日本人女性・友子とも、衝突してばかりだったが…。


今年の3月末から毎日欠かさず見るようになった『saku saku』も、年末年始の時期は
2週間もの間放送がなくて、寂しいかぎりです。
それにしても、実家に帰り、レコード大賞や紅白歌合戦の出演者をじっくりチェック
してみると、先々代MCの木村カエラ、コブクロ兄さん、「アンジェラ姉さん」こと
アンジェラ・アキ、いきものがかり、平原綾香、レミオロメンなど、
『saku saku』にゆかりのあるアーティストがかなり多くいることに驚いてしまいました。
改めて、『saku saku』が音楽番組であったことに気づいた次第です。

これほど『saku saku』を見ているのであれば、12月16日(水)に開催された
「クリスマスしようZ」には参加するしかない!と思いたち、もろもろの用事で
忙しいさなか、時間を割いて、関内の横浜文化体育館で開催されたこのイベントに
参加してきました。私の席は12列目と、かなり前方に位置していて、
出演者の姿もよく見えました。

開始前にはカンカンによる、もろもろの注意事項のアナウンスがあり、
「野村監督の口まね」と「サクサカーにしかわからないギャグ」の合わせ技で、
場内はかなりウケていました。

開始すると、黒幕先生、続いて三原勇希が登場し、横浜文化体育館にちなんで、
まずは「文化」と「体育」のコーナーがありました。
「文化」のコーナーでは、三原勇希のピアノ生演奏と黒幕先生の「にせハマっ子ブルース」
「体育」のコーナーでは、元高校球児のカンカンがダイビングキャッチを披露し、
野球つながりで、カリフォルニア米がナックルを投げるなど、
しだいに番組さながらのゆるゆるなステージになっていました。

かしこまって座りながらこのようなステージを見るのはキツいような…と
思っていたのですが、後半にDEPAPEPEが登場して演奏を始めるいなや、
会場の雰囲気が一転しました。
さすがにプロのミュージシャンの演奏は違っていて、「音楽の力」の凄みを実感した
ものです。
DEPAPEPEが3曲ほど演奏すると、シークレットゲストが登場するということで、
私はこれまでの『saku saku』のゲストのなかでは、おキレイな「Michi先生」を
生で見たかったのですが、舞台に現れたのは「奄美くん」こと、中孝介ではないですか!次に歌う「きよしこの夜」1曲だけのために中くんは来てくれたとのことで、
中くんのしっとりとした歌で、なおいっそうクリスマスらしいイベントになりました。

その後、黒幕先生たちがステージに再度現れ、中くんをいじり倒していました。
さんざん中くんのことを「奄美くん」と言っても、怒るどころか、みずから「天然」で
あることを認めている中くん、そして、中くんが何を話しても、
無理矢理「黒糖生キャラメル」に話をもっていこうとする黒幕先生。
最後に、中くんが出演している『海角七号〜君想う、国境の南』を紹介しても、
黒幕先生は「黒糖生キャラメル」のことばかり言っていました。

私はそもそも『海角七号 君想う、国境の南』は、去年の秋ごろに本国での
高い評判を聞いて、ずっと見たいと思っていました。
さらに、外国ではオリヴィエ・アサイヤス、日本では是枝さんや横浜聡子先生も
リスペクトしている侯孝賢が、「この十数年来で最高の台湾映画だ」と絶賛していれば、
いやがおうにも期待も高まります。
それで公開初日の初回に、シネスイッチ銀座に突撃してみると、再び中くんを生で
見ることになりました。黒幕先生がいないと、中くんは普通に話せることも新たな発見
だったのですが、主演の田中千絵もキレイな女優さんでした。

『海角七号 君想う、国境の南』のウェイ・ダーション監督は、エドワード・ヤン
の弟子であり、エドワード・ヤンの『カップルズ』の助監督をつとめたということも、
あとで調べてわかりました。
たしかに、『ヤンヤン 夏の想い出』のように、老若男女のキャラクターを配置して、
作品に幅をもたせるのは、エドワード・ヤンの手法と似ていると思います。

私は『海角七号』はエドワード・ヤン、あるいは侯孝賢の作品には及ばないと思いつつも、
この2監督の作品をのぞけば、たしかに侯孝賢の言うとおり、
「この十数年来で最高の台湾映画」でありそうなことも納得しました。
台湾映画は、初見ではその良さがはっきりとわからず、二度・三度と見るうちに、
良く見えるものだという印象が私にはあるのですが、『海角七号』は、
まさにその台湾映画の傾向にあてはまるものです。
台湾映画は、たとえば『冬冬の夏休み』は「あおげば尊し」ではじまり「赤とんぼ」
で終わるというように、「親日的」な作品が多く、
この点でも『海角七号〜君想う、国境の南』は台湾映画らしいと言えます。

『海角七号』は、あくまでも初見では、前半の展開が、まさに『saku saku』のクリスマス
イベントさながらにゆるく思えたのですが、中盤以降、「音楽映画」としてのエンジンが
かかってからは、尻上がりに良くなってきました。
再見すると、前半の見え方も、また違ってくるであろうと思います。
中くんは、ともすれば棒読み演技に見えるのですが、実のところ普段もあのような口調
なので、私は意外と不自然に思えませんでした。中くんがふと「虹」についてつぶやく
のも、「虹連合会」、略して「虹連」コーナーのある『saku saku』好きのツボに
ハマるものです。

あと、今年の映画では『イングロリアス・バスターズ』や『千年の祈り』と同じように、
複数言語が錯綜している点も、私のツボに入りました。
台湾語のセリフには冒頭に「・」がつけられ、作中の少なくとも3分の1は日本語の
セリフだったはずです。
この作品は、マイケル・ムーアの『キャピタリズム〜マネーは踊る』と同様に、
実質的には来年の作品となるのですが、私の今年の映画〆としては、
申し分のない作品となりました。



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1. 『海角七号/君想う、国境の南』 「小島友子」の謎  [ 映画のブログ ]   2010年01月07日 22:58
 劇中、日本企業の要求にさらされる台湾企業では、こんなセリフが飛び交う。  「日本人は面倒だから」  「日本が厳しいの知ってるでしょ??.
2. 『海角七号??君想う、国境の南』  [ Days of Books, Films ]   2010年01月11日 12:34
「コンサートもの」とでも呼べばいいのかな、主人公が紆余曲折をへてコンサートを成功

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