2011年01月08日

『アンストッパブル』〜どや顔ワシントン〜

Unstoppable『アンストッパブル』公式サイト

監督:トニー・スコット
出演:デンゼル・ワシントン クリス・パイン ロザリオ・ドーソン ケヴィン・ダン ジェシー・シュラムほか




【あらすじ】(goo映画より)
ペンシルバニア州のとある操車場に停車中の最新式貨物列車777号が、整備士の人為的ミスによって無人のまま走り出してしまった。積荷は大量の化学薬品とディーゼル燃料。操車場長のコニーはとてつもなく深刻な事態が発生したことを認識し、州警察に緊急配備を依頼する。その頃、勤続28年のベテラン機関士バーンズと職務経験4か月の車掌コルソンは、この日初めてコンビを組み、旧式機関車1206号に乗り込み職務に就いていた…。


「映画初め」は、その年に最初に見る映画というだけでなく、その年にわが身に
ふりかかることをも予言するものでありうることを、去年の映画初めに
『(500)日のサマー』を見て思い知りました。
たとえば、夏に催された飲み会は、『(500)日のサマー』の(28)日目の飲み会と、
一次会の店のたたずまいのみならず、二次会での話の内容も似ています。
とりわけ、酔っぱらった男が女性に突っ込んだ話をして不機嫌になったり、
最後は酔っぱらった男+不機嫌になった女性+私の3人が一緒に帰ることになるという
シチュエーションまで似ていました。

それで、今年の映画初めはどの作品にするべきか、去年の秋からいろいろと新作映画を
慎重にチェックしていたところ、『ナイト&デイ』の予告編でトニー・スコット監督の
『アンストッパブル』が年明けに劇場公開されることを知り、この作品を映画初めに
することに即決しました。
『アンストッパブル』で見るべきところは多々あれど、私は、
ようやっと暴走列車を止めた末に、デンゼル・ワシントンが見せる「どや顔」。
これこそが「縁起もの」であると期待して、
新宿ピカデリーで『アンストッパブル』に臨みました。

(以下、ネタバレがあるので、未見の方はご注意ください)



まず、「列車が爆走すること」は「映画的」ということ以上に、
「映画の源流」であったことを、爆走する列車を見て思い出しました。
「映画の源流」とは、もちろんリュミエール兄弟が蒸気機関車が駅のプラットホームに
入ってくる様子を撮影した『列車の到着』です。

『アンストッパブル』の真の主役は、デンゼル・ワシントンでもクリス・パインでも
なく、爆走する列車ではないでしょうか。
前日に『デジャヴ』のDVDを再見したので、『アンストッパブル』でも
トニー・スコット作品ではよく見られるシーンが散りばめられていたことが
わかりました。私がざっと拾ったところでは、

・突っ込みどころ満載のストーリー
・子供がはしゃぐ姿
・無駄にクラッシュする車
・あきらめない男
・デンゼル・ワシントンの「どや顔」

といった点があります。

去年劇場で見た映画には、「男気」をたたえている映画が異様に少なく、
誰よりも男気にあふれていたのは、『マチェーテ』のミシェル・ロドリゲス姐さん
という体たらくだったので、『アンストッパブル』の二人の男気にはぐっときました。
「男気さえあれば、おのずと女性はついてくる」という楽天的なスタンスも、
トニー・スコットらしいと思います。
『アンストッパブル』での娯楽映画の面白さの突き詰め方は、
タランティーノの『デス・プルーフ in グラインドハウス』に匹敵するほどであり、
私は現役の監督だとトニー・スコットを「世界最高のアクション映画監督」と
位置づけたい気分です。

『アンストッパブル』の爽快さに満足して、その後新宿ピカデリーに置いてある
フライヤーをチェックしていると、5月に山下敦弘監督の最新作『マイ・バック・ページ』
が妻夫木聡と松山ケンイチのW主演で公開されることを、初めて知りました。
日本映画は、ほかに横浜聡子先生の短編作品『おばあちゃん女の子』や、
秋には『アウトレイジ2』が劇場公開され、しかも、矢口史靖監督の最新作が
現在撮影中で早ければ年内に劇場公開されそうなので、
今年の映画、とりわけ日本映画は盤石の態勢であると、映画初めにして思います。



トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 『アンストッパブル』  [ Rabiovsky計画 ]   2011年01月09日 14:18
『アンストッパブル』公式サイト 監督:トニー・スコット 出演:デンゼル・ワシントン、クリス・パイン 2010年/アメリカ/99分 おはなし Yahoo!映画 操車場に停車中の最新 ...
2. 『アンストッパブル』 45年前の日本人は正しかった!  [ 映画のブログ ]   2011年01月11日 08:14
 『アンストッパブル』の冒頭のカットに、ピンと来た人も多いだろう。  朝の操車場。  仕分線に並んだ多くの列車。  ガタタン、ガタタンと、貨車の触れ合う音が響く。  これは、黒澤明監督が撮ろ...
3. 『アンストッパブル』  [ 京の昼寝〜♪ ]   2011年01月13日 12:37
  □作品オフィシャルサイト 「アンストッパブル」□監督・製作 トニー・スコット □脚本 マーク・ボンバック □キャスト デンゼル・ワシントン、クリス・パイン、ロザリオ・ドーソン■鑑賞日 1月10日(月)■劇場 109CINEMAS川崎■cyazの満足度 ...
4. 『アンストッパブル』 労働者階級の英雄  [ Days of Books, Films ]   2011年01月13日 15:07
Unstoppable(Film review) 列車が暴走する。2人の男がそれ
5. 「アンストッパブル」燃えるぜ??!  [ シネマ親父の“日々是妄言” ]   2011年01月14日 19:26
[アンストッパブル] ブログ村キーワード  デンゼル・ワシントン×トニー・スコット5作目のタッグ!「アンストッパブル」(20世紀フォックス映画)。この前のコラボ作「サブウェイ123 激突」に続いて、“燃える男の鉄ちゃん魂ムービー”でございます。  その日、職務経...
6. 映画:アンストッパブル  [ よしなしごと ]   2011年01月27日 22:57
 暴走した列車を止める映画ってこれまでも何度も映画化されたのに、なぜいま??アンストッパブルでした。
7. 「アンストッパブル」(UNSTPPABLE)  [ シネマ・ワンダーランド ]   2011年06月22日 20:48
「トップガン」や「デジャヴ」「サブウェイ123激突」などの作品で知られる英国出身で、米アクション映画界の鬼才、トニー・スコットがメガホンを執ったデンゼル・ワシントン主演のパニック・アクション・ムービー「アンストッパブル」(2010年、米、99分、FOX映

この記事へのコメント

1. Posted by rabiovsky   2011年01月09日 14:17
TB&コメントありがとうございました。

映画で列車をどう撮るかで映画が決まってしまう、監督の才能の
試金石であるのは「映画の源流」だからかもしれませんね。
『アンストッパブル』はどう考えたって主役は暴走する列車で
それに右往左往する人たちが絡んでくるという感じでしょうね。
それがまたうまく機能している映画でしたし、
トニー・スコットらしい映画でもありましたね。

丞相さんが言う様に、子供がはしゃぎ、無駄にパトカーがクラッシュしてました(笑)
突っ込みどころ満載だったし(笑)
だけどすごく魅力的なんですよね〜。そこが不思議。
>「男気さえあれば、おのずと女性はついてくる」という楽天的なスタンス
伝統的なアメリカ映画のようです。

今年はアメリカ映画も日本映画も期待が持てる映画が多い感じみたいですね。
今年は何かありますよ。不意に変な映画が公開されることを期待しています。
2. Posted by 丞相   2011年01月10日 00:00
>>rabiovskyさん
こちらこそ、いつもTB&コメントありがとうございます。

『アンストッパブル』は、プロットがシンプルだからこそ、
真の演出力が問われる作品ですね。
メインの男二人の関係も、浅くもなく深くもなく、絶妙なバランス感覚
で描かれていたと思います。
何よりも、暴走する列車のごとく、冒頭からラストからノンストップで
見せきる勢いがありました。冒頭のコマ落とし映像から、この作品は
良い作品だという確信がありましたよ。

それにしても、無駄にパトカーがクラッシュするシーンは、
なぜか笑えてしまいますね。警察のだらしなさも、突っ込みどころと
しているのではないでしょうか。それを魅力にしてしまうところが、
トニー・スコットのなせる技だと思います。

あと、帰省時に、関西で先行上映されていた『その街のこども 劇場版』
( http://sonomachi.com/ )を見ようと思っていたのですが、
その時はシネリーブル神戸の夜の回しか上映されておらず、
見そびれてしまいました。
今度の週末からその他地域でも見られるようなので、私は見るつもりですよ。
rabiovskyさんの地元だとサロンシネマで上映されるので、
よければチェックしてみてください。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔