10.03.07 地球深部調査船「ちきゅう」

ちきゅうJAMSTEC2
地球深部調査船「ちきゅう」が一般公開で船内見学できると言うことで、一路静岡県清水港へ。
JR清水駅は駅前をうろちょろしたことはあるけど、港まで行くのは初めてで、初清水港。

おぉ、さすが港町。駅のすぐそばが港の入り江で運河状になっていて船が停泊できる環境。駅から15分も歩けば、ちきゅうの停泊できる大きな港が。
そして、港の近くにはエスパルスドリームプラザなるショッピング施設が。単なる買い物スポットかと思いきや、観光施設も兼ねているらしく、観光バスが何台も出入りして、1階にはおみやげコーナーや寿司横町なる寿司テーマパークが。
そして、夜には美しくイルミネーションされる観覧車まで。

と、清水まで来たものの当日あいにくの雨模様。しかも、風も結構強くて、見学公開してるのかなぁ、と心配になりつつ、現場へ。

遠景
エスパルスドリームプラザを抜けると、そこには巨大鉄塔(デリック(掘削やぐら))を携える、もはや船とは思えない工場がそこにあるのか?とさえ思える船体が。
とりあえず、遠目で写真撮ってから、岸壁に向かうと、ぞろぞろと人が集まってきて会場に向かう人の列が。これか、と思い列に付いていくと、どうやら半分は、海関係の資格の試験を受験する人たちだった模様(この辺もいかにも港町)。
デリック待ち行列JAMSTEC
そして、ちきゅうの見学会場に到着すると、目の前に広がる巨大な船体。今度は近めで写真撮ってから、早速列へ。12時に会場入りして、この時点で90分待ちの表示が(但し、実際はこんなに待ってません。乗船するまでに1時間弱で乗れたと思う)。
当日雨でしたが、可能な限り、上屋倉庫のひさし部分に列を形成していて、ナイス気遣い。
そんな感じで、インフルエンザ感染予防の為の問診票の記入と非接触の耳穴検温を受けてから乗船。

ちきゅうデッキ
船内移動中サイドブリッジより
外部デッキや、居住区域を右に左に移動しながら徐々に上って操舵室まで。
ちきゅう船内、入った時の最初の印象は「広い」。前に、南極観測等にも使われる、東京海洋大学の「海鷹丸(第IV世)」を見学したことがあるけど、それに比べて明らかに通路とか広いし、天井も高い。たぶん、海外の研究者が多いので外国人サイズに設計されているんだと思う。
ちなみに、ちきゅうの人員構成は、50名が船の運航に関わる船員。50名がボーリング操作等も行う日本の研究員、そしてのこり50人が世界中から研究目的で集まってくる研究員だそうです。
てなわけで、日本の船だけど、基本は英語表記。

操舵室
サイドブリッジ船首船首甲板
操舵室に入る前のサイドブリッジ。うひょー、高い。で、前後ともアジマススラスター船なんで、スラスターなんか要らないと思うんだけど、一応、バウスラスターも付いていて、再度ブリッジにはサイドスラスターコントロールが。

アジマスコントロール操舵輪
アジマススラスターコントロール。触れないようにケースが被さっているけど、初めて見た。シップシミュレーターで見たのと同じ形状をしていて感動。
で、アジマススラスター船なんで、これだけでコントロールしていると思いきや、普通のエンジンテレグラムと操舵輪も装備。そうか、普通に前に進む時はスラスターを一個一個コントロールするんじゃないんだね(てか、大型客船のアジマススラスター2機とかだったら普通にスラスターコントロールにすると思うんだけど、なんせ6機もあるんで、そこは簡易操船の為に操舵輪も付けたんだろうね)。
ちなみに、アジマススラスターのモーターの出力は1機4,100kW(5,710PS)で、船内の電力をまかなう発電機は計35,000kWです。
あと、印象的だったのはレーダー。船体中心に巨大な鉄塔があるので全周観測が出来ず、前方レーダーと後方レーダーに分かれているそうな。

その他のブリッジ装備
DPSコントロール船舶定位システムDSP

ナビいわゆるナビ

監視カメラ監視カメラ


ラボエリア
見学前は船ヲタ的に船に興味があったんだけど、中に入って見学していたらそんなのはどこへやら。ラボエリアの見学が凄かったです。
何がスゴイって、実際に船に乗って研究している研究員の人が直接説明してくれること。ここぞとばかりに色々聞いちゃいました。
で、ここは説明を見るのに夢中でほとんど写真がありません。

CTスキャナー
地底から採取したコアの試料を分析するために人間用のCTスキャナーが。試料を壊さないでそのまま検査するために必要なんだそうな。

微生物解析
何と地底の土の中には色々微生物が居るそうで。知らなかった。

マントル
地底科学をやっている人には常識なんだけど、マントルの色って緑色なんだよね。よく、地球の断面図とかでマントルは赤になってるけど、あれはウソです。
(この辺は、JAMSTECのサイトのQAのコーナーを見るとよく分るよ)


掘削鉄塔エリア
ドリルパイプ先端に掘削ビットを付けて地下10000mまで掘り進むドリルパイプ

ドリルビット地底を掘るドリルビット。他にも計4種類ぐらいあって使い分ける。

パイプダンバーライザーパイプを支えるダンパー

自転車と空気タンク自転車の後ろに写っている黄色いタンクはパイプダンパーをコントロールする空気タンク。で、自転車は船内用か船外用か不明。
ここで掘削パイプを組み立てて、海底奥底、地底7000mまで掘削する心臓部。
見学中もなにやら作業をしていて、資材のパイプの並び替えとか。

船尾資材エリア
ライザーパイプクレーン1クレーン2
船尾はほとんどが、掘削に必要な資材エリア。そして、パイプを移動させる為の巨大なクレーン4機を自前で装備。

救命ボート
救命ボート
完全密閉式の救命ボート。ちきゅうの場合、船自体のトラブルからの脱出よりも、海底掘削作業による不測の事故に対応することが重要で、救命ボートが完全密閉式なのは、万が一、ガスや石油噴出に引火して火災発生、文字通り全面火の海となったような場合でも脱出できるためのボート。

下船
船尾1船尾2
下船したら、見学記念のピンバッジを無料配布。しんかい6500の母船よこすかを見学した時もピンバッジ配ってたから、JAMSTEC、ピンバッジ好きだね。
そして、すでに入場は締め切られていて人の少なくなった岸壁で船首や船尾に回って撮影。うむ、なんか船底、独特の形状をしてるよ。おそらく、掘削停船時に潮流の影響を受けない為に、船底は洗面器みたいに真っ平らなんだと思う。
そうそう、待ち行列の時から印象的だったのは、独特の機械音。停泊中でも、電力をまかなうために発電機は稼働中なんだけど、それらの機関の音が、他の船とは全然違う独特の音。まさに、船ではなく、工場です。

ちきゅうの細かいことは、このレポよりも、
独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC ジャムステック)のHP
http://www.jamstec.go.jp/chikyu/jp/index.html
や、
日本マントル・クエスト(MQJ)ちきゅうの運行・掘削に関することを全面的に担当
http://www.mqj.co.jp/index.html
が詳しいですが、極めつけがこれ、
ちきゅう乗船者ガイドライン
http://www.j-desc.org/modules/tinyd0/rewrite/uploads/docs/expedition/GuidelineSP_Chikyu2008.11.pdf
ちきゅうに乗って研究する科学者のために書かれたドキュメント。下手な見学よりよっぽど乗った気になります。

おまけ
富士より1富士より2富士よりライトアップ
ちきゅう見学の後、せっかく清水まで来たんだから、駿河湾フェリーで土肥までの観光乗船を。
が、ちきゅうの見学会のおかげで通常使っているターミナルをちちゅうに貸して、駿河湾フェリーは一つずれた岸壁に仮設のテントで待合室を作って営業。
仮設テントで出港を待ってる時は、なんでそこまでちきゅう優遇されてるんだと、ちょっと納得いかなかったんだけど、フェリーが出港したらその考えは一転。
おぉ、ちきゅうに場所を譲ったおかげで、フェリーの入出航時に地上からの見学では見られなかった、ちきゅうの右舷側がばっちり。そして、時刻的に夜のライトアップされたちきゅうまで。
駿河湾フェリーありがとう。


Posted by RST at 2010年03月15日 17:24│Comments(0)
  コメントは、管理者による確認後ブログに反映されます。(半角400文字まで)