1月にタイのチェンマイ県で実施しているHIV/AIDS予防教育事業の中間レビュー会議があり、東京本部から中田が参加しました。この事業では、単年度で6校の高等専門学校を対象にHIV/AIDS予防啓発のためのピアエデュケーターを育成し、ピア教育支援を行っています。

MTR01

タイの高等専門学校は、高校の代わりに進学する専門学校で、中学卒業したばかりの14歳くらいから20歳代の学生まで幅広い年齢層がいます。年齢層が混在する中で、性に対する経験も様々です。PHJでは、タイにおける性交渉開始の低年齢化や性感染症に罹る若年層の増加を鑑み、大学生よりもより情報が伝わりにくい高等専門学校においてピアエデュケーターを育成することにしました。今年は2年目です。

ピアエデュケーターは、集まった同年代のピア(仲間)に対して性教育を行うので、正しい性の知識のみならず、人前でのプレゼン力、相手の気持ちをオープンにするコミュニケーション力など様々な能力が必要です。そして、ピア(仲間)がHIVに感染しないように正しい行動へと導く、頼りになるリーダーとして育成されます。

今年もピアエデュケーターに会って、彼らの堂々としたプレゼンや作成された意識啓発のためのメディアの出来具合に驚かされました。対象校で活動が始まって半年ですが、集中的なトレーニングと実践によって著しい成長を感じます。彼ら自身の自主性や考えを取りこんで活動が進められるという点もやる気を引き出すポイントになっているのではないかと思います。

今年度は昨年よりも多くの性同一性障害の学生や、山岳民族出身でタイ語を母語としない学生など様々な個性を持つ学生がピアエデュケーターとして参加してくれました。ゲイの男子学生は、「自分たちは他の学生よりもリスクが高い行動をすることが多いので、それをきちんと仲間に伝えることは大事なことだとPHJの活動に参加して気がついた」と語ってくれました。 

MT01また、昨年の参加校に行ってきました。昨年後半に支援したピア教育ルームの様子や後輩ピアエデュケーターの活動の様子を伺ってきました。男子学生が多い学校では、性をオープンに語ってコンドームを配り、病気の蔓延を防ぐことは大切であると先生自ら語ってくれました。

伝わってきたのは、学生の性の現状に目をつぶらずに積極的に対策を行う姿勢。かつて、止まらないHIV感染の拡大と近親者の死で打ちひしがれた国であるからこそ、踏み込んだ対策へ取り組めるのでしょうか。日本でも見習うべきところが多くあると思います。

(海外事業担当 中田)