カンボジア、コンポントム州での「母子保健改善にむけた健康な村づくり事業」(2011年7月〜2014年7月実施)は昨年7月に終了し、全て現地に引き継ぎしました。活動のひとつである「救急搬送システム構築」は、2011年から始めたPHJとしても初の試みでした。今回は、引き継ぎ後の運用状況のご報告をしたいと思います。

tuktuk01救急搬送システムは、村から保健センターに行く時の交通手段がないという問題を解決するための取り組みです。村人が「ケアを受けたい!」と思った時に、保健センターまで遠い上に交通手段がないから、交通手段があったとしても(民間タクシーなど)料金が高くて支払えないから行けないという訴えがありました。命を救うためには医療機関から遠い村に住む人々でも安心して使えるような移動手段が必要です。そこで、PHJでは3年間の活動で、荷台を救急車に使えるように改造したトゥクトゥク合計7台を保健センターや村に寄贈し、比較的安い料金で医療機関まで搬送できるシステム構築を行いました。

支援した7台のうち、6台を所有する村や保健センターを訪問しました。6台ともきちんと使われていましたが、中でも保健センターから病院への搬送が頻繁に使われており、使用台帳の記録によると月の平均利用が約5件でした。分娩の異常や病気の急激な悪化が搬送の理由でした。必要な時にためらわずに搬送できると保健センタースタッフは重宝していました。

tuktuk02村から保健センターへの搬送は、利用件数は月平均で2−3回と緊急のケースとしては妥当な件数だろうと思います。特筆すべきは各システムを支える会員の数が増えている村があることでした。搬送システムを導入した村では任命された運営委員が会計管理や車両の維持管理など運営の中心を担っています。また、村人が会員となって月々会費を支払うことでシステムを金銭的に支える仕組みになっています。つまり、村人が継続してシステムの重要性を理解して支えていくことが大切なのです。運営委員である村長が積極的に村人に働きかけて会費を集めており、搬送システムが村に定着している様子がうかがえました。

引き継いだ後の継続は現地の人々の自由ではあるものの、「その後」というのは気になります。当たり前ではありますが、現地のニーズを汲んだ活動であったから、また村の人たちに受け入れられた仕組みであったからこそ続いて行くということをつくづく実感したのでありました。

最後になりますが、救急搬送システム構築は大塚製薬株式会社様よりご支援いただいた活動です。村人が必要としている取り組みを応援していただいて関係者一同大変感謝しております。ありがとうございました。

海外事業担当 中田