昨年も実施したチェンマイ県でのHIV予防教育事業フォローアップを行いました。チェンマイ県内5ヵ所の高等専門学校を訪問し、事業終了後の活動の様子を聞き取り、視察しました。

チェンマイは折しも雨期の真っ最中で毎日雨続きでしたが、旅程は問題なく進むことができました。

支援が終わって3年後の訪問でしたが、各学校で校長先生をはじめ、学生クラブの担当教員、学生クラブのリーダーの学生たちに出迎えていただき、歓迎を受けました。PHJが開設を支援したピア教育ルームで聞き取りを行ったところ、各学校では、それぞれ状況は異なるものの、上手に学生クラブの活動とHIV予防教育事業を合わせて継続していることが分かりました。その中で特に心に残った活動を紹介します。

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1.学生たちは進学のため農村から都市部に出てきて、様々なリスクや誘惑に直面します。違法薬物、性感染症、若年妊娠、喫煙・飲酒、学業不振や人間関係から生じる精神疾患など様々なケースがあります。

ある学校では、先生が学生を観察し、リスクの程度に応じて3つのグループに分けています。リスクが高いグループと判断された学生たちは、優先的にリーダーシップ教育を受けて、他の学生たちがリスクに遭わないように教え導く役割を担います。自分自身がリスクに直面した経験があるため、自分事として問題を深く理解でき、他の学生がリスクに遭わないようにサポートできるようになります。かつ自分の問題を解決する強さを身に着けることができるというメリットがあります。

先生たちは学生が学業でいい成績を修めるようにサポートすることに加えて、先輩として、一人ひとりの学生がよりよい人生を送ることができるよう導くことに喜んで取り組んでいるようでした。PHJと活動をして学んだことを深めて、より発展させるような活動をされており、とても印象に残る学校でした。

PHJが支援したピア教育ルームは、学生が先生に悩みを相談できる場所として皆に認識され、使われているといううれしい報告でした。学生ピアもまだ卒業していない人たちがおり、学生リーダーとして活躍していました。

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2.別の学校では、学生の問題に正面から取り組み、"To Be Number One"というロイヤルプロジェクトの一環としてHIVエイズ予防教育活動を続けていました。"To Be Number One"自体は、違法薬物撲滅運動ですが、HIVエイズなど性感染症予防も関連する問題として含まれています。比較的PHJが支援していた時の活動を同じ形態の活動を継続しているようでした。

その活動のおかげで、昨年全国の高等専門学校を対象に行われたHIVエイズ感染予防活動の優秀校に選ばれ表彰されたそうです。担当の先生から北タイでは2校しか選ばれていないことを報告していただき、私もとても誇らしく思いました。

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どの学校でも各ピア教育ルームで、あるいは担当教員がコンドーム配布を続けており、学生たちは多少恥ずかしがりながらもコンドームを持って帰っているそうです。性教育、抗体検査、予防キャンペーンも継続されていましたが、加えて、性についてオープンに話し合える関係作り、先生による親身なアドバイスなどが学生の「予防意識」を高くし、実際の感染を減らす原動力になっていると思いました。

今回の訪問で、PHJが活動の中で強調していた学生への性教育で重要な姿勢が引き継がれ、各学校が自立して活動を継続していることを確認することができました。時間を割いて訪問を受け入れてくださった先生や学生の皆様には感謝しかありません。ありがとうございました。

(海外事業部 中田)