PHJカンボジア事務所に赴任した神崎がつづる現地での奮闘記、3回目。
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作者の紹介:神崎敏彦(1959年7月22日生まれ。)
プラントメーカー、商社勤務などを経て2019年8月PHJ入職。
2015年僧籍(浄土真宗)を取得。2019年9月から日本に家族を残しカンボジアに単身赴任。
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古人もすなるといふ日記といふものを、拙僧もしてみむと思ふてしてみるり。
【2019年10月27日】
行きつけ?の散髪屋さんです。
英語が通じませんでの、髪を指先でつかんで「ピー(クメール語で2)」と言いながら
心の中で「2センチくらい切ってね」と念じます。2センチしか残らなかったら大変ですから・・・。
何事も念じれば通じます。毎回ちゃんと2センチだけ切ってくれます。
ここでは、(私はお願いしたことがありませんが)他に「耳掃除(2ドル)、爪の手入れ(2ドル)」なども女性がしてくれます。
ここは男性サロンのようです。耳掃除なんか10秒で終わると思うのですが、わざわざここまで来る必要があるのかなあ。男性用顔パックもあるようです。これは6ドルと高め。中年のおじさんかパックをしている姿は、いまひとつ・・・。
店をでると、向かいはメコン川。9月に比べると水深が5メートルくらいは浅くなったのではないでしょうか。
こんなに川幅がある川の水深が、そんなに変わるなんて一体あの水はどこに行ったのか不思議です。
そう思いながら川面を見ていると、魚釣りの小舟が一艘。季節は違いますが、こんな詩を思い出しました。
「江雪」 柳宗元
千山鳥飛ぶこと絶え
万径人しょう滅す
孤舟蓑笠の翁
ひとり寒江の雪に釣る
【2019年11月2日】
しばらく前に、当事務所を出て右側の路上で男の子たちがビー玉遊びをしているのを目撃しました。
そうなると、女の子は何して遊ぶのかなあ、と考えるのが人の常です。
そして、ついに発見!
事務所を出て左側の路上で、「ままごと」遊びをしている女の子2人を見つけました。
野菜なのか雑草なのかわかりませんが、確かに料理支度をしている光景です。
ああ、なんと、なんと、どうして国は違えども子供たちは同じような遊びをするのでしょうか?
不思議に思う以上に「嬉しく」なります。
有り合わせの材料で遊びを思いつく子供たちの創造力と構想力は世界共通なのですね。
最近、その両方の力に陰りが見える私に、「力を与え賜え!」。
【2019年11月3日】
今年は秋になっても日本列島を大型台風が襲来し、
甚大な被害が出たことがカンボジアでも報道されています。
被害にあわれた方に、謹んでお見舞い申し上げます。
一日も早く平常の生活に戻ることができますよう、心よりお祈りいたします。
さて、一方で秋は結婚式のシーズンでもあります。
カンボジアでも雨季が明け、11月に入ると本当に過ごしやすい日が続いています。
そして、やはり当地でもどうやら結婚式シーズンはこの季節のようです。
で、どこで結婚式(披露宴)をするかといえば・・・。
はい、ご覧の通り。
道路に即席のテントを張って、その中にテーブルと椅子を置いて「式場に早変わり」です。
道路の一部を占領するのですから、通行は一時不自由になります。おまけに、ラウドスピーカーからはお経のような言葉が一帯に流れます。
しかし「おめでたい日に、野暮は言いっこ無し」がカンボジア流です。
おっと、披露宴に欠かせない食事はどうするのかって?ご心配なく。ちゃんと即席厨房が路上にできて、列席者にごちそうが振舞われます。
おふたりの門出を心よりお喜び申し上げます(来年の今頃は、どこかの披露宴に紛れ込んでみたいものです)。
【2019年11月10日】
バッタンバン州訪問 その1
カンボジアの水祭り(雨期明けを祝う)の祝日を利用して、タイと国境を接している北西部のバッタンバン州を訪問しました。
お目当てはバンブートレインです。
実は私、名前から察して竹林の中を進む列車かな、と思っていました。
実物を見て納得です。床が竹でできているんですね。
この列車は地元の人たちが共同で運行しています。実際に荷物を運ぶのかどうかわかりませんが、私が乗車した日は
観光客がひっきりなしで、とても荷物を運ぶ余裕はありませんでした。
線路は単線で、まさに一直線です。両側には熱帯のジャングルやヤシの木、田園風景が交互に展開します。
片道約20分なのですが、途中前方から列車が来るのか見えました。
あわや衝突!
かと、目を閉じましたが
なんと私はいったん降ろされ、乗っていたバンブートレインは解体されてしまいました。

対向車をやり過ごした後、再び組み立てて出発です。
相手が来たら道を譲れば良いのですね。
長閑な中に、生き方の基本を思い出させてくれるひと時でした。
【2019年11月10日】
バッタンバン州訪問 その2
街の中心から約15キロ、カンボジア名物トゥクトゥクで約20分のところにある観光名所です。
山肌を削って大きな仏様を彫っていました。石鎚とノミでの作業です。一体いつできるのかも気になりますが
垂直の岩肌に足場を作って作業する人たちは怖くないのだろうか、という思いが先行しました。
この石仏の約50メートル右側に大きなコウモリの巣があります。
夕方になると、そのコウモリが一斉に飛び立つのを見るために多くの人が集まります。
待つこと約1時間、17:55に最初のコウモリが飛び立ちました。すると後からあとから飛び出すは飛び出すは。
私は10分で飽きてしまいましたが、トゥクトゥクのおじさんによれば全てのコウモリが巣から飛び立つには1時間くらいかかるらしいです。
一体何匹のコウモリがいるのだろう。
黄金バットだけが知っているのかあ。
ワ〜ハハハ。