PHJカンボジア事務所に赴任した神崎がつづる現地での奮闘記、4回目。
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作者の紹介:神崎敏彦(1959年7月22日生まれ。)
プラントメーカー、商社勤務などを経て2019年8月PHJ入職。
2015年僧籍(浄土真宗)を取得。2019年9月から日本に家族を残しカンボジアに単身赴任。
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古人もすなるといふ日記といふものを、拙僧もしてみむと思ふてしてみるり。
【2019年10月20日】
プノンペンの名前の由来はなんだろう?
プノンはクメール(カンボジア)語で「丘」の意味だそうです。
その昔、市内を流れるトンレサップ川に小さな仏様の像が流れつきました。
仏像のある祠は、現在ワット・プノンが建立されており、プノンペン市内の観光名所のひとつになっています。
川上から流れてきた桃を拾ったおばあさんが「桃太郎」を授かった話に似ているなあ(私は岡山生まれ)と思いながら国は違えど、川とか山とか自然は我々人間の生活を形作る際に大きな影響を与えているのだなと改めて感じました。
そう言えば、川上の上は神に通じます。
紙も昔は大変貴重なものでした。何か偉大なものが川の上流に棲んでいる、という古人の思いは
紙も昔は大変貴重なものでした。何か偉大なものが川の上流に棲んでいる、という古人の思いは
日本でもカンボジアでも同じだったんでしょうね。
【2019年11月18日】
PHJの事務所があるコンポンチャム州は農業が盛んです。
米や野菜だけではなく、コショウやコーヒーといった商品作物を大型農園(プランテーション)で栽培しています。
私たちが活動している地区に行く途中にも、バナナやゴムの木のプランテーションがあります。
まっすぐに続く道路沿いに、一辺が1キロもあろうかというプランテーションが続きます。
バナナの写真の青色の袋の中には実が入っています。
日本でも桃やブドウに農家の方が袋掛けをしますが、それと同じですね。
日本でも桃やブドウに農家の方が袋掛けをしますが、それと同じですね。
カンボジアの市場で見るバナナは所謂「モンキーバナナ」ですが、この写真のバナナは輸出用で、日本で我々がイメージする大きさのものです。
ゴムの木の幹には黒っぽいお椀のようなものが見えます。幹に切り込みを入れて、にじみ出るゴムの樹液を受け取ります。
「へー、ゴムの原料ってこうやって採るんだ」と今更ながら知りました。
ところで、この二つの写真とも幅広の道路沿いから撮影しました。
つまり、誰でも簡単に木々に近づけるわけです。
つまり、誰でも簡単に木々に近づけるわけです。
私はスタッフに「フェンスも無いし監視人もいないようだけれども、誰かバナナやゴムの樹液を盗んだりしないのかなあ」と聞いてみました。
スタッフ曰く「あはは、そんなことをする人なんていないですよ」と何故そんなことを訊くのかさえ不思議な様子でした。
(筆者注:スリやひったくり、置き引き事件などは他国同様に少なくありませんから、くれぐれもご注意ください。)
腑に落ちない私の脳裏を横切ったものは
「まわりを きびしくかこひたりしこそ すこしことさめて このき なからましかば と おぼえしか」(徒然草 第十一段)という一節です。
吉田兼好さんが、この場にいて囲いのない木々を見たら何と言うだろう。
「カンボジアは 良おすなあ、風情があって」でしょうか(笑)。
【2019年11月20日】
私たちが活動する地域(村)は事務所のあるコンポンチャム市内から車で約1時間から1時間半のところにあります。
道幅は狭く、一部舗装されてないことで凸凹があったりと、四輪駆動車に乗っていても
前に進むより上下に運動している時間の方が長いのではないか、と思うような場所もあります。

その道中にはいくつか橋がありますが、その中のひとつが雨期後半の9月に壊れてしまいました。
あまりの大雨で路肩が崩れてしまい、その影響で橋も崩落してしまったのです。
それ以降約2か月間に亘って、村に行くには30分から1時間余分な走行をする程の大回りをしなくてはなりませんでした。
が、やっと最近「仮設の橋」が架かり以前と同じ工程で村にアクセスできるようになりました。
本格的な橋の架け替えには、財源をどこから調達するか目途が立たないので、数年はかかるだろうと言われています。
しかし、橋の周囲にはたくさんの人々が住んでいて、日常生活には欠かせないインフラストラクチャーです。
橋は単なる建造物というだけではなく、互いを結ぶ「絆」の役割を果たします。
この土地にも再び絆が結ばれる日が一日も早く来ますように。
(筆者注:コンポンチャム市のメコン川に架かる大きな橋は日本の援助で建設されました。その名も「きづな橋」です。)
【2019年11月24日】
「水祭りの」後の週末に「クリーン アップ キャンペーン」に参加するため、プノンペンを訪問しました。
そこでキャンペーンが始まる前の早朝のプノンペンを散歩してみました。
市場はこれから商売の準備中。その後ろにそびえる高層ビルは、前日は土曜日ということもあって深夜まで賑わったのでしょう。
心なしか疲れた表情に見えました。明け方まで騒いだ分、これからしばらく眠りにつくのかもしれません。
新旧の対立というよりも、太陽と月の関係、互いを補完する関係のように見えました。
河畔に着いたら、なんと日の出に遭遇できました。早起きは三文の得、とはよく言ったものです。
振り返ると、遊歩道にはすでに多くの市民が集まり体操をしたり、運動器具(備え付けのものがある!)を使ったりしていました。
プノンペンでも健康への関心が高まっているようです。
圧巻は、ご存じ「太極拳」です。扇子の持ち方など、先生の厳しそうな指導が印象的でした。
そういえば、コンポンチャムでもメコン川河畔で毎夕おばさまたちがテンポの良い音楽に合わせて体を動かしています。
当事務所のスタッフからは「所長も参加したら」と言われますが、あの中に入って行ける位度胸があれば、私の人生もっと違ったものになっているだろう、と思いながらお茶を濁しています。
さて、いよいよ「クリーン アップ キャンペーン」。
プノンペンに住む日本人が中心となって、住まわせていただいているお礼に市内各地を掃除するイベントです。
今年は約1,400人の人々が集まり、私もJNNC(Japan NGO Network Community)の一員として参加しました。
当日は三上カンボジア大使、プノンペン都知事などVIPの来賓を招いた一大イベントでした。
カンボジアの多くの街では、道路沿いには(他の途上国に比べて)あまりごみが落ちていません。
毎朝自宅や店の前を掃き掃除している人が目立ちます。
一方で急速に襲ってきた商業化・工業化の波はこの国にも大きな影響を与えており、かつ人々の意識が追い付いていない部分もあります。
私もプノンペン市内を流れる大河トレンサップ川の川べりに降りてみましたが、ペットボトルの空き瓶が「山のように」投棄されており
圧倒されてしました。当日の掃除で皆さんと大分回収しましたが、それもほんの一部でしょう。
世界的に見たときに、数十年後には海や川に投棄されたプラスチックがそこに住む魚の量よりも多くなる、というレポートもあるそうです。
プノンペンの日本人小学校に通う子供たちの絵を見ながら、
「地球にやさしく、なんていうのは人間の思い上がりだな。地球は45億年以上も生きてきたし、今後もかなり長い間生き続けるだろう。温暖化やごみ、有害物質など環境について手を打たなくて滅びるのは、人類種だよな」と思ったものでした。
【2019年12月4日】
12月4日、5日と2日間にわたり当事務所向かいのご家族のお嬢さんの結婚式がありました。
「隣のよしみ」で、私たちにも招待状をいただきました。
カンボジアの結婚式は最近でこそ2日間で終わるものの、少し前までは5日間続くこともあったそうです。
翌日は朝7時から大勢の人が盛装して、花嫁さんの家から新郎の待つ家(遠方出身の場合は、花嫁の家のそばに民泊します)にお菓子や果物をもって行列します。1時間ほどして皆さんが戻ってきました。
その後、音楽やお経(のように聞こえる)のにぎやかな音が辺りに長時間鳴り響きます。
結婚式当日の昼食は近親者だけで食べるようです。
結婚式当日の昼食は近親者だけで食べるようです。
そして夕方からはいよいよ披露宴で、今回は市内の高級ホテルで行われました。
当事務所のスタッフも普段とは違う装いで登場。
披露宴会場には約1,000人の招待客が、思い思いに出されたご馳走をいただきます。
日本のような来賓挨拶などはなく、食事の後はダンスを楽しむ人が沢山いました。
披露宴では列席者がダンスをする、のがカンボジア流のようです。
当事務所のスタッフも普段とは違う装いで登場。
披露宴会場には約1,000人の招待客が、思い思いに出されたご馳走をいただきます。
日本のような来賓挨拶などはなく、食事の後はダンスを楽しむ人が沢山いました。
披露宴では列席者がダンスをする、のがカンボジア流のようです。
1時間くらいご馳走をいただいた後に、お祝い金(日本に似ていますが、祝儀袋は招待状に入っていました)を受付に渡して会場を後にしました。
【2019年12月8日】
シュムリアップ市で行われた「アンコールワット インタナショナル ハーフマラソン 2019」に参加しました。
主催者によれば世界25か国から参加者が集ったそうです。スタート/ゴールは世界遺産アンコールワットの入り口正面にも設けられました。
スタート時刻の午前6時30分には、朝日を背にしたアンコールワットのシルエットが浮かび上がり、幻想的な絵巻を堪能しました。
アンコールワットはシュムリアップ市内から5キロ以上離れたところにあります。私は寺院近くのホテルを予約しましたが、それでも3.5キロ。
おまけに早朝暗い中を歩いて道に迷ったら大変とばかりにトゥクトゥクを事前予約。
ところが、翌朝はアンコールワットまでの道が他のランナーを運ぶトゥクトゥクや乗用車で大渋滞!
「これなら、道に迷うことなくスタート地点に着けたなあ」と、トゥクトゥク代金USD5ドルを散財したような気分になりました。
アンコールワットや周辺の森、池を見ながら心地よくランすることができました。
頂いた「完走メダル」は生涯の宝物です。
















