2010年03月09日

意見

前々回の記事で紹介した大阪市のパブリックコメント(略称「海浜施設条例施行規則の改正等」)の募集期限が昨日(8日)まででした。
私はぎりぎりになって作業を開始した為、事前に書こうと考えていた内容を全て盛り込めずやや残念な出来となりましたが、とりあえず以下に私が書いたパブコメを公開しておきます。
尚、一応念のために書いておきますが、文中に何度も出てくる「市民」という言葉は大阪市のパブコメだからといって大阪市民のことだけを指しているのではなく、より広い意味で社会の構成単位としての個人を指して「市民」と表現しています。

「海浜施設条例施行規則の改正等」に関する意見

今回提案のあった「海浜施設条例施行規則の改正等」に関し、基本的には改正案に賛成します。
しかし、本来的な意見を言わせてもらえれば、海面に限らず自然の水辺と言うものは本来誰のものでもない公共の財産であり、我が国ではその水辺の公共性を損なうような著しい原状の変更を伴わない範囲内においての自由利用が保障されている筈です。
しかし、現在大阪市下においては公共の財産たる自然の水辺(海岸線)は全て人工の垂直護岸によって固められ、固められ埋め立てられた土地は一部特定の企業・団体による占有が認められた結果、一般市民にとっては利用どころか公共の財産である筈の水辺に近付くことすら困難になり、今ではかろうじてその一部が釣り人により利用されるだけで、かつて多様であった水辺利用の形態は失われました。
この現状が何を意味しているかと言えば、一部特定の企業・団体による公共財の事実上の占有であり、自然の水辺が持つ公益的機能の破壊です。
もちろん、行政が守るべき公益とは水辺利用の自由だけではありませんから、他に優先すべき公益がある場合には、一定程度市民の権利が制限されることがあるのも止むを得ないことであり、何が何でも市民の権利を優先させるべきとは思いません。
しかし、全ての海岸線が埋め立てられ、埋め立てられた土地が一部特定の企業・団体に占有されている大阪市の現状においては、最初から市民に権利行使の余地はありません。こうなると最早、どちらが優先かというレベルの問題ではなく、一部特定の企業・団体が公共財の事実上の占有をしているのに、市民の権利を守るべき行政がむしろ水辺から市民を排除しようとすることによって、一部特定の企業・団体による公共財の事実上の占有が是認されてしまうという不公平な状況になっています。
この不公平な状況を是正するためには本来ならば、公共財の事実上の占有をしている一部特定の企業・団体を制限すべきであるのに、今回の意見募集の対象となった条例においても制限の対象となっているのは一般の市民であって、公共財の事実上の占有をしている一部の特定企業や団体ではありません。
繰り返しになりますが、私は今回の条例改正案に賛成していますし、条例改正にあたり大阪市がこのような意見の公募を行ったことに感謝もしています。それはこの条例の改正が僅かながらでも大阪市の水辺利用のあり方、さらには自然の持つ価値を見直す第一歩となる可能性があると考えるからです。しかし、大阪市がこの不公平な状況を本当に理解して本気で是正しようと考えているのかは、今回の案件だけではまだ判断出来ません。
ですから、最後に今後の方向性として大阪市には市民のための行政という原点に立ち返り、社会と自然の繋がりを断つような市民の権利の制限だけでなく、そこから利益を得る企業や団体にも相応の権利の制限と義務の履行を求めるバランスの取れた議論と行政運営を強く希望して私の意見とします。

phantom3xv at 00:11│Comments(0)TrackBack(1)この記事をクリップ!釣り関連 | 環境関連

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