-海光-

三浦半島においての岸からの釣りで最も難しいとされるターゲットの1つ、ヒラスズキ。

普通のスズキとは少し違ったこの魚。
市場での値段も全然違うし、味も違う。

過去、マグレ的に小さいのを釣ったのみで
きちんと狙って釣った事は無く
最近の釣りに対する発作的な衝動が俺の身体をヒラスズキに向けた。

6/23
城ヶ島、風は無くウネリが少々。


ルアーはmariaのsquash95S。
よく飛ぶし、よく泳ぐ。

仕事終わりの夕方一時間足らずが勝負の為、サラシを見ながら投げる投げる。

ダメかなーと思いだした頃
一度、足元の岩陰からフッと黒い影が現れた。

ルアーをとめて、波で生まれた気泡の中で待つ。

すると魚は反転。根の影へと消えていった…。

しかし、影は明らかにスズキのそれ。

初日から気配が感じ取れ、気分上々。

6/24
城ヶ島、風は少しの南西、ウネリも少し強し。


昨日の事を思いながら、波を待ち大きくサラシが広がった瞬間に投げる。

引き波を利用し、ここぞという所でルアーをステイさせ、波間で行き場を戸惑う小魚を演出する。

すると3投目でゴン!
小さいがヒラスズキだ。
ぐいぐい寄せてこれる40~50cmほどのサイズ。

足場が高く、さてどうしようかなと一瞬悩んだ瞬間に大きくエラ洗い。

制御しようと竿の向きを変えた瞬間にフックアウト。

マジかよ…!


無念のバラしであったが、攻め方は間違っていないらしい。

バラしたトコで大粒の雨がポツポツきたので撤退。


帰り道に色々と妄想する。

次こそは…。

来週の天気予報を考えながら、一匹目に思いを馳せる。

釣りは本当に面白い。

装備なんか竿もリールも合わせて1万円くらい。

個人的に大事なのは糸とルアーセレクト。

スキルで差が出る釣りは好きだ。

タノシイナ。

本日、50日ぶりの休日。



久々に働いたなーと確かな感触。

大雨の屋外を見ながらタバコに火をつけ、朝は何を聞こうかCDをガサゴソしている瞬間に幸せを見いだす。

昼からは都内に繰り出し、会うべき人に会い、レコ屋を巡り、貼られた値札とそのレコードが持つ奥深さが釣り合うのかを曇りなき眼でジッと睨み、もっと良質な盤は無いのか、また違う棚をガサゴソ。

何件か回り、手に入れた3枚のレコードを喫煙ルームのあるカフェで見つめながら、ニヤニヤ。完全に不審者。

街の人々は俺が送る当たり前の生活を本当に羨ましがる。

都会の心身を消費するような生活は俺にもよく分かる。

けれど田舎には田舎の踏ん張りどころもあるんだと最近になって話せるようになった。

感性は十人十色だから、一重には言えない。

けれど、俺は今のこの生活リズムがとても気に入っている。

ほとんどが海で、たまに街。
自然の中で働き、文化的趣向を保ちながら、独自の生き方を発信する。


次は大学で特別講義があるから、また頑張らなきゃな。

この3日間、所属している漁協の青年部で年に一度の旅行で沖縄に行っていた。

沖縄本島。


俺自身は生まれも育ちも大阪だが、
この身体を流れる血は100パーセント沖縄のモノだ。

自身のルーツを見つめる旅は20歳前後の時に死ぬほどやった。
自分が何者なのか、大阪人なのか沖縄人なのか。

アイデンティティを保てなくなりそうで、当時は一年に何度も沖縄に訪れては酒と夜遊びで心の穴を埋めようと躍起になった。

結局、その問題は様々な経験の果てに少しずつ沈静化していった訳だが久々に沖縄に来て

那覇の夜を彷徨い、あの頃の自分自身に再会した様な感じに襲われた。

未完成で不完全で、些細な事で激しく浮き沈みしていた当時を思うと、今は少しだけしっかりしたのかなとバーカウンターでウイスキーを飲みながら考えてみる。

最終日、わずかな自由時間でレンタカーに乗り本島の南へ車を走らせた。

糸満市を抜けて、平和記念公園に車を停めたら、入り口にいるお婆から献花を買い

海側へと歩いてゆく。

19歳の時に敢行した旅の終点もやり、ここだった。
数年の時を経て、
人生の主軸が「旅」から「海」へと変わった今。

献花を備え、あの時と同じアングルで写真を撮って貰った。


帰りの飛行機でその写真を見ると、なるほど。
少しだけアイデンティティを手に入れたような顔つきの自分がいる。


大阪に。沖縄に。横須賀に。

身の置き場は沢山あっても別にいいらしい。

今日も安心して眠れそうだ。

このページのトップヘ