ジャヌビア/グラクティブ(シタグリプチンリン酸塩水和物)

  DPP-4阻害薬と呼ばれる新しい作用機序の2型糖尿病治療薬。
  血糖値が高い時にだけ作用するため低血糖を起こしにくい。
  1日1回投与でHbA1c、食後過血糖および空腹時血糖値を改善する。
  食事の影響を受けないため、食前・食後のいずれでも服用可能。
  体重への影響(体重増加作用)はほとんどない。



ジャヌビア/グラクティブ(シタグリプチンリン酸塩水和物)の作用機序

  シタグリプチンはインクレチンを分解する酵素のDPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ-4)を選択的に阻害することでインクレチンの作用を高め、血糖を低下させる。

  インクレチンは食事の摂取が刺激となり消化管の特定の細胞から分泌されるホルモン。インスリン分泌を促進する作用とグルカゴンの分泌を低下させる作用をもつ。


ジャヌビア/グラクティブの効能・効果
  2 型糖尿病
  ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る
  ①食事療法、運動療法のみ
  ②食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤(SU剤)を使用
  ③食事療法、運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用
  ④食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
  ⑤食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用 

α-GIとの併用が保険適応上認められていない。セイブル(ミグリトール);三和化学あたりと併用すると良いと思われるのだが。(←2011年5月よりα-グルコシダーゼ阻害剤との併用が可能になりました。)

現在、インスリンとの併用療法の適応追加について、臨床試験を進めているとのこと。


ジャヌビア/グラクティブの用法・用量
  通常、成人にはシタグリプチンとして50mgを1日1回経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら、100mg,1日1回まで増量することができる。



ジャヌビア/グラクティブ(シタグリプチン)の体内動態(グラクティブインタビューフォーム)

最高血中濃度到達時間:投与後2~5時間(25~100mg)
半減期(t1/2):9.6~11.6時間(25~100mg)
食事の影響:健康成人に、シタグリプチン50mgを食後に単回経口投与した場合、空腹時に比べてCmaxは37%増加したが、AUC0-∞及びTmaxに差はなかった。


シタグリプチンは代謝を受けにくく、主に腎臓から未変化体として尿中に排泄される。
 
  シタグリプチンの消失は主に腎排泄によるもので、能動的な尿細管分泌が関与している。シタグリプチンはP-糖蛋白質、有機アニオントランスポーター(hOAT3)の基質となる。
  hOAT3を介するシタグリプチンの取込みは、プロベネシド、イブプロフェン、フロセミド、フェノフィブリック酸、キナプリル、インダパミド及びシメチジンで阻害された。


   大型ピカ新。万有製薬がジャヌビア、小野薬品がグラクティブと別の商品名となっているのは薬局にとっては在庫の面でつらいところだろう。日本の糖尿病患者は890万人(2007年)、予備軍を入れれば約2000万人と増加傾向が続いていることから、どちらも相当売れると思われる。薬局では早めの在庫準備と知識の習得が求められることから勉強会の実施などを計画しておくとよいと思われる。ジャヌビアもグラクティブも発売は12月予定とのこと。グラクティブもジャヌビアも2009年12月11日に発売となった。)


  インクレチンには膵β細胞のアポトーシスを抑制する効果が知られており、膵β細胞の保護という観点からもいい薬剤と言える。また、食後に分泌されるインクレチンの分解を抑制するという作用機序は、SU剤と異なり、無理に血糖値を下げようとするものではないことから低血糖の発現率も低いことも大きな特徴と言える。


  DPP-4阻害剤の発売により糖尿病治療の新たな選択肢が1つ増えた。

他のDPP-4阻害剤
エクア(ビルダグリプチン)
ネシーナ錠(アログリプチン安息香酸塩)


次はヒトGLP-1アナログ製剤のリラグルチド(1日1回タイプの皮下注射用製剤)の発売が待たれる。リラグルチドはノボノルディスクが日本国内での承認を取得し、2010年内の発売を目指している。
→2010年10月発売済:ビクトーザ皮下注18mg(リラグルチド)GLP-1アナログ製剤


イーライ・リリーも承認を申請中である。日本国内では未発売。
米国での商品名:バイエッタ Byetta (エキセナチド)
→2010年12月発売済:バイエッタ皮下注(エキセナチド)


参考  ジャヌビア、グラクティブ 添付文書 インタビューフォーム 製品情報概要 万有製薬 小野薬品プレスリリース


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