ジョン・ウォルターズとイクセイヴィアーのFight Without Honorはイス、テーブル、ハシゴを使った凄まじい乱戦に。イクセイヴィアーにとってのROHベストマッチと言えるくらいの充実した内容だったが本編で書いた通りラストが残念。
後に設立されるピュア・レスリング王座の先駆けとなったFeild of Honorの決勝は純レスリングとはかけ離れた乱戦模様。せっかくレスリング中心のリーグ戦を行ってきたにも関わらず直前で無理矢理遺恨を作り、試合の焦点を絞りづらくしてしまった。18分もかけながらも見所が全くないダラダラとした展開、完全に試合の構築の仕方に失敗してしまった。
マイケル・カッペラが会場の外にいるホミサイドを捕まえる。ホミサイドはコリノの言っていることなど全部クソだ、今夜コリノをぶち殺してやる。今夜はCode Of Honorは関係ない、ダークサイドの自分を見せると言う。カッペラは立ち去ろうとするホミサイドにコリノと同じようにカメラを同行させてもらうように頼む。
CMパンクとレイヴェン、8ヶ月に渡り血で血を洗う抗争を繰り広げてきた2人の最終決着戦。ブリスコ兄弟への報復を狙うサモア・ジョーはAJスタイルズと組んでタッグ王座に挑む。また遂にFeild of Honorの決勝進出者も決定する。
マイケル・カッペラとレフェリーがリング上。カッペラは今夜のCMパンク vs レイヴェンの試合形式を抽選で決めると言いレフェリーが持っている封筒の中から一つを選ぶ。封を開けて中の紙を見てカッペラは今夜の試合形式は金網戦でると発表する。
そこへCMパンクが現れカッペラとレフェリーを追い払う。パンクはルーシーの写真を持ったまま話し始め、「WRATH OF THE RACKET」('03.8.9)で何者かに襲われROHを去ったルーシーの写真とこのマイクと共に今夜レイヴェンを倒すと宣言。
コルト・カバナの「Good Times, Great Memories」、ゲストはジュリアス・スモークス。ジュリアスが歌い始めるとカバナはハーモニカを吹いて一緒に歌い始める。
チェーンレスリングで互角の攻防、ホミサイドがコーナーに押し込みチョップを打ち込むとウォルターズはホミサイドの顔を押しのけスナップメアから首四の字固め。ホミサイドが抜け出し平手打ちを喰らわせるとウォルターズも張り返してスープレックス、グラウンドの攻防となりホミサイドがスナップメアからサッカーボール・キックを打ち込むとウォルターズもやり返す。ロープワークからウォルターズがドロップキックを放つと場外へ出たホミサイドにトペ・スイシーダを決める。
リングに戻るとウォルターズはホミサイドを倒し鎌固め、ホミサイドが抜け出しコーナーに上るがウォルターズが捕えスーパープレックス。ウォルターズは場外戦でやってしまったのか背中に大きな裂傷があり出血している。コーナーに突っ込んできたウォルターズをホミサイドが迎撃すると後頭部へのダイビング・ニードロップ、ネックブリーカーを決めてカバーするがカウント2。パイルドライバーを決めてカバーするがウォルターズがロープに逃れる。ホミサイドはロープに走りウォルターズの後頭部へラリアット、正面からも狙うがウォルターズがかわしてジャーマン・スープレックス、一回転して着地したホミサイドがドロップキックでウォルターズを場外に落とすとロープに走りトペ・コンヒーロを決める。
リングに戻りホミサイドがコーナーへ突っ込むがウォルターズが迎撃してミサイル・ドロップキック、打撃の応酬からホミサイドがエースクラッシャーにいこうとするがウォルターズがかわしバックスライド、ホミサイドが一回転して起き上がりパイルドライバーを狙うがウォルターズがバック・ボディ・ドロップで投げ飛ばす。ラリアットにいこうとしたホミサイドを背中に担いで腰を落としてのチンブリーカーを決めカバーするがカウント2。ロープに振ろうとしたところをホミサイドがドロップ・トーホールドで倒しエルボードロップ、コーナーからトルネードDDTを狙うがウォルターズがかわす。ホミサイドはコップキラーを狙うがウォルターズが背後に着地してからダブルニー・バックブリーカー、さらにドラゴン・スープレックスを決めるがカウント1で体勢が崩れてしまう。ホミサイドはウォルターズの後頭部に自分の頭部を押しつけ衝撃を加えるとロープに走りラリアット、STFをキメるとウォルターズがタップしホミサイドの勝利。
ホミサイドはマイクを取ると明日スティーブ・コリノを引退させてやる、さらに明日の試合が終わるまではCode Of Honorを封印すると言う。
WINNER:ホミサイド (11:33) 評価:4
マット・ストライカーのプロモ。Feild of Honorを勝ち上がり自分の目標であるROH世界王座を手に入れる。昨年から自分は様々な強敵相手に実力を証明してきた。今夜自分こそが最強だと証明してやると言う。
Scramble Match
The SAT VS スペシャルK(ディキシー & クラウディ w/ その他のメンバー) VS カーニッジ・クルー VS ファスト・エディ & ホットスタッフ・ヘルナンデス
エディとジョエルが素早い攻防を見せるとロックが入ってきて2人を倒す。スペシャルKの2人がロックに殴りかかるがディビートが加わり2人でスペシャルKを攻撃。そこへヘルナンデスが入ってくるとクラウディにチョップを連発、クラウディはサンセット・フリップを狙うがヘルナンデスはビクともせずクラウディの首を掴むとクラッカー・ジャックでリングの端まで投げ飛ばす。ディキシーがヘルナンデスに飛びかかるがヘルナンデスがキャッチしシットダウン・パワーボム、ヘルナンデスが寝転がり両足を天井に向けるとエディが足の上に立ち発射台のように飛ばされたエディがディキシーの上に落下(『キャプテン翼』の立花兄弟のスカイラブ・ハリケーンの要領と言って解ってもらえるだろうか)。
カーニッジ・クルーはヘルナンデスを背後から捕えダブル・バックドロップ、エディにカーニッジ・プレックスを決める。ディキシーがディビートを場外に落とすとロックにフェイス・バスター、クラウディがコーナートップからダイビング・レッグドロップを決めてカバーするがカウント2。SATが入ってくるとクラウディにウォッシング・マシーン、ディビートがSATを場外に落とすと入ってきたヘルナンデスをノーザンライト・スープレックスでコーナーに投げつける。ジョエルがディビートにエースクラッシャーを決めるとホセも入り2人でヘルナンデスにエンズイギリを連発、ドゥームスデイ・デバイス式のDDTを決めカバーするがエディがカット。ディキシーがジョエルにフェイス・バスター、エディがホセにツームストン・パイルドライバー、ロックがディキシーにスイング・ネックブリーカー、ヘルナンデスがロックをラリアットでなぎ倒す。ヘルナンデスはエディを抱え上げるとボーダー・トスで場外に放り投げリングサイドでやり合っていた全員をなぎ倒す。さらにロープに走るとノータッチでトップロープを飛び越えてのダイビング・ボディプレスを決め観客は大歓声。ハイドロがコーナーに上るがSATがカット、スパニッシュ・フライを決めると試合に関係ないハイドロをカバー、何故かレフェリーもカウントし3つ入りSATの勝利。(どうやらSATのウォッシング・マシーンで戦闘不能になったクラウディの代役としてハイドロが戦っていたらしい)
WINNER:The SAT (9:09) 評価:3
BJウィットマーのプロモ。「WRATH OF THE RACKET」('03.8.9)でROH世界王座にあと一歩のところまで迫ったがトップに上り詰めることは出来なかった。今夜は敗者としてここを去るか勝者として再びトップへ這い上がるかどちらかだ。今夜俺は敗者として去るつもりはない、今夜は俺の夜だと言う。
ダン・マフのプロモ。BJウィットマーは自分の敵ではなくコルト・カバナはただのコメディアンだ、自分が誰よりもこのFeild of Honorを必要としている。自分がこのFeild of Honorを勝ち上がり再びプロフェシーが食物連鎖の頂点に君臨すると言う。
イクセイヴィアーのプロモ、Feild of Honorを制するのは全てにおいて最高のこの俺だと言う。そこへジョン・ウォルターズが現れ今夜Feild of Honorの決勝進出を懸けて戦う選手達をリスペクトするがお前だけには敬意のかけらも感じない、これまで自分に対しズル勝ちをしてきたがもう一度だけ自分と戦えと言う。イクセイヴィアーはズルではなく自分の方が上だからだと言うとお前の地元ボストンでやってやると挑戦を受ける。ウォルターズが正々堂々戦うことを誓えと握手を求めるがイクセイヴィアーは鼻で笑いその場を去る。
Feild of Honor Aブロックの決勝進出を懸けて次回大会で戦うマット・ストライカーとイクセイヴィアーが睨み合っている。ストライカーは「お前と俺が互いをどう思ってようが関係ない、誰も俺を止められない」と言えばイクセイヴィアーは「俺は全てにおいて最高の男だ。俺はROHのチャンピオンだった男だぞ、俺に勝てると思ってるのか?」と言う。
イクセイヴィアーがその場を去ろうとするとジョン・ウォルターズが立ちはだかる。ウォルターズはもう一度だけ自分と戦えと対戦を要求、今度こそお前を倒すと保証してやると言い、イクセイヴィアーは「どこでもやってやる」と言いその場を去る。
ダン・マフのプロモ、マフは首にコルセットを巻いて病院にいる。「前回の『GLORY BY HONOR』で俺はROH史上最も残虐な試合に出場した。ダ・ヒット・スクワッドとカーニッジ・クルーの試合は互いに憎しみ合う4人の男達が生き地獄を味わった凄惨なものだった。今夜は『GLORY BY HONOR II」が行われるが俺は再び心の中に激しい憎悪を抱いている。カーニッジ・クルーへ?違う、ロウキーお前にだ。お前のせいで俺はROHのビッグマッチの当日にこんな場所に座っている。お前にヤラレた首が治ったら俺は必ず復帰する。クリストファー・ダニエルズ、お前は今夜運命の時を迎える。サモア・ジョーを倒しROH世界王座をプロフェシーに取り戻すのだ」
マフは携帯電話を取り出すとアリソン・デンジャーから随時連絡が入ることになっていると言う。
マーフィー・レック・センター名場面集。旗揚げ戦の3WAY戦、ロウキー VS クリストファー・ダニエルズ VS アメリカン・ドラゴンのハイライト。
控え室でAJスタイルズがジミー・レイヴにアドバイスをしている。
Feild of Honor
BJウィットマー VS ジミー・レイヴ
チェーンレスリングの攻防からBJがサイド・スープレックス、グラウンドで捕えるとレイヴが抜け出しロープに走るがBJがラリアットを打ち込みレイヴを一回転させる。垂直落下式ブレーンバスターを決めカバーするがカウント2、コーナーで打撃を打ち込むと対角線に振ってジャンピング・ニーを決める。再びコーナーに振って突っ込むがレイヴがかわすとハンマーロックの体勢からBJに肩をコーナーにぶつける。そのまま対角線を走るがBJが切り返してドラゴン・スープレックス、レイヴが起き上がると打撃を連発してBJを殴り倒す。レイヴはエプロン上でアーム・ブリーカーを決めると場外に落ちたBJにエプロンで助走をつけてからランニング・ニーを打ち込む。
レイヴはBJをリングに戻すとコーナートップからダイビング・ハリケーンラナ、そのままクロス・アーム・ブリーカーをキメる。BJが抜け出すとスナップメアからサッカーボール・キック、ローリング・エルボーを狙うがレイヴが受け止めるとTボーン・スープレックスを決め両者ダウン。レイヴはBJを捕えるとノーザンライト・スープレックスでコーナーに投げつける。コーナーに乗せて自らもトップロープに上るがBJがレイヴを捕えると雪崩式のスーパー・パワーボム、3カウント入りBJの勝利。BJはFeild of Honor初戦を勝利で飾り、対するレイヴは2連敗となった。
WINNER:BJウィットマー (9:23) 評価:2・5
激化するレイヴェンとCMパンクの抗争はROH史上初となる金網戦に突入。クロックワーク・オレンジ・ハウス・オブ・ファン・スティール・ケージ・マッチと名付けられたレイヴェン考案の地獄の檻からパンクは無事に生還することが出来るのか。
またROH初のリーグ戦「Feild of Honor」が遂にスタート、8名の選手が2ブロックに別れ頂点を目指す。
CMパンクのプロモ。初対決でレイヴェンを倒して以来レイヴェンは様々なパートナーを連れてきては自分を潰そうとしたがことごとく失敗した。そしてドッグ・カラー・マッチでもレイヴェンの挑戦を退けたがレイヴェンとトミー・ドリーマーは自分の口にビールを流し込んだ。レイヴェンは自分を倒すことは出来ない、今夜この手を血に染めると言う。
カメラがカバナに移るとカバナは「面白いコメントを期待しているのなら諦めろ、今夜の俺は真剣だ。今夜から始まるFeild of Honorを勝ち抜き俺はスーパースターへの階段を駆け上がるんだ」と言う。
Field of Honorへの出場権を賭けた試合。チェーンレスリングからいい動きをみせアームドラッグの掛け合い、互いにジャンピング・ヒールキックを決めると観客は2人に拍手を送る。BJが突っ込んできたストライカーをヒップトスでトップロープ越しに放り投げるとそのまま2人で場外に転落。ストライカーはBJをフェンスに叩き付けると痛めている左脚にドラゴン・スクリュー、リングに戻すと脚攻めを開始。ドラゴン・スクリューからストライカー・ロックをキメるがBJがロープブレイク、今度はアンクル・ロックに捕えるがBJが前方に回転しストライカーを場外に放り出す。
BJはリングサイドでネックブリーカーを決めるとストライカーをリングに戻しスナップメアからサッカーボール・キックを連発。ギロチン・チョークをキメて動きの止まったストライカーをカバーするがストライカーはロープに脚を掛ける。BJが攻勢に出てネックブリーカーやスープレックスを決めるが3カウントは奪えない。ストライカーをコーナーに乗せスーパープレックスにいこうとするが、ストライカーがサンセット・フリップ・パワーボムでBJをマットに叩き付けて両者ダウン。
2人は立ち上がってチョップの打ち合い、ストライカーがネックブリーカーからビッグブートを決めてカバーするがカウント2。ロープに振ろうとするがBJが切り返してエクスプロイダー、カバーするがストライカーが2で返す。BJはローリング・エルボーにいくがストライカーがかわしてTボーン・スープレックス、これもBJが2で返す。ストライカーのエルボーをBJがブロック、垂直落下式ブレーンバスターを決めカバーするがカウント2。コーナーに振られたBJがストライカーをバックエルボーで迎撃してコーナーに上るがストライカーがカット、BJを抱え上げ雪崩式のデスバレー・ドライバーを決め観客は大歓声。ストライカーがカバーするがカウント2でBJが返す。コーナーに振られたストライカーはトップロープを飛び越えエプロンからBJを迎撃、コーナーに上るがBJがロープを揺らしストライカーは股間をターンバックルに打ち付ける。BJは最上段からスーパープレックスを決めてカバーするがまたもやストライカーがキックアウト。エルボーの打ち合いからストライカーがビッグブートを打ち込むがBJがスーパーキック。エクスプロイダー’98にいこうとするがストライカーが逃れローリング・エルボーの相打ちで再び両者ダウン。
ダウンカウントが6まで進むとここでゴング、試合は15分間の時間切れ引き分けとなった。マイケル・カッペラがリングに上がり2人を賞賛、本来なら両者失格でField of Honorには参戦出来ないのだがファンの声を尊重し2人のField of Honor出場を認めると言う。2人は共に相手へ敬意を示し健闘を誓い合う。
時間切れ引き分け (15:00) 評価:4
Scramble Tag Team Match
スペシャルK(イジー & ディキシー w/ その他のメンバー) VS バックシート・ボーイズ VS カーニッジ・クルー(ロック & ディビート) VS The SAT
Field of Honorの予選試合。グラウンドでの激しい攻防からスリムJがハリケーンラナ、ロープに走りショルダー・タックルにいくがレイヴは倒れない。ロープに走ろうとしたレイヴの髪を掴んでマットに倒すがロープワークからレイヴがラリアットを打ち込みスリムJを場外に落とす。レイヴがリングサイド降り捕えるがスリムJはバックキックでのローブロー、リングに戻りトップロープに飛び乗るがレイヴに突き飛ばされリングに墜落。
レイヴはリングに戻りベリー・トゥ・ベリーを決めてカバーするがカウント2。スリムJは軽い身のこなしから反撃するがレイヴが上手い切り返しから裏DDTを決める。スリムJはレイヴの顔面にハイキックを打ち込むとロープに走ってのスイング・ネックブリーカー、レフェリーの視線を逸らしレイヴの股間を踏みつける。スリムJが素早い動きから丸め込みを連発するがレイヴが起き上がり顔面へのランニング・ニー、カバーするがカウント2。
レイヴはバックブリーカーからバックドロップを決めそのままホールドするがカウント2。コーナーへ突っ込むがスリムJが迎撃、ダブル・アンダーフックからトルネードDDT風のパイルドライバーを決めるがレイヴが2で返す。レイヴは投げっ放しジャーマンとパワーボムを決めるがカウント2。切り返しの攻防からロープに走ったレイヴがフロム・ダスク・ティル・ドーン、クロスフェイスで締め上げるとスリムJがタップし試合終了。
WINNER:ジミー・レイヴ (8:56) 評価:2
マイケル・カッペラがロウキーにインタビュー。ロウキーはROHに戻ってこれたのは喜ばしいこと、スペシャルKの連中はCode Of Honorを侮辱し自分のようなファイターを侮辱している、あいつらに敬意というものを教えてやる。そしてそれはプロフェシーに魂を売ったダン・マフも同じことだ、いつか自分とマフはリングで向き合うことになるだろう。今ROHではサモア・ジョーが王者として君臨しているが自分はROH王座を取り返す為に帰ってきたと言う。
カッペラが前回大会の控え室でホミサイドとジュリアス・スモークスと何があったのかと尋ねると、ロウキーは「いいか、お前はただ自分の仕事をすればいい。それは俺の言葉を正確に観ている者に伝えることだ。俺はもう一度ROH王座を取り戻す」と言う。
スペシャルK(ディキシー、ハイドロ、エンジェルダスト、ブライアンXL & マイキー・ウィップレック w/ その他のメンバー) VS The SAT & バックシート・ボーイズ
ポール・ロンドンのプロモ。「今夜は俺にとって最後のROHのショーとなる。そしてこのプロモの時間を与えてもらい光栄に思う。ROHで過した時間は自分のキャリアの中で最も特別なものだった。『UNSCRIPTED』でのマイケル・シェインとのストリート戦は暴力的な試合で互いを潰し合った。だが俺とシェインは親友同士だ、俺はシェインに感謝している。
ブライアン・ダニエルソンとの試合はまさに最高のものだった。『EPIC ENCOUNTER』の試合を俺は決して忘れない。PPVだった訳でもなければデカいスタジアムでやった訳でもない、だがそんなことは関係ない。俺たちは42分間戦い続けROH史上最高の試合をやってのけたのだ。ダニエルソンよ、お前は世界最高のレスラーだ。俺の限界を押し上げてくれて感謝している、ありがとう。
AJスタイルズと戦った『NIGHT OF THE GRUDGES』の試合は俺たちの最初で最後の一騎打ちとなった。あの試合は俺の人生の中でもお気に入りの試合だ。AJはあの試合で俺の新たな一面を引き出してくれた。そしてレスラーとして、エンターテイナーとして、そしてアスリートとして試合のクオリティを高めようとしていた。そしてAJ、ロウキーと戦った1周年大会での3WAY戦は自分にとっての試練だった。肉体的にも精神的にも試されたこの試合は自分のレベルを上げる為の厳しい戦いだった。俺がROHのリングでやってきたことに何一つ偽りはない、ありがとう。
イクセイヴィアーとROH王座を賭けて戦った時、俺もファンも俺が王座を奪うことを望んでいたが俺は試合に敗れてしまった。今夜俺はもう一度ROH王座に挑む。ファンは俺のROHでの最後の試合だと思っているだろうがリングの上では何が起こるか分からない。俺は自分の為、そしてファンの為に今夜ROH王座を獲得する。俺は今とても充実した気分だ、必ずやり遂げてみせる。
Thank you Ring Of Honor.」
この大会の前日に父親を亡くしたマフは入場時に胸を叩いて天を指差す。リングアナのコールが終わると同時にマフが殴りかかり試合開始。
マフはジョーにストンピングを連発するとキャノンボール・セントーンにいこうとするがジョーが場外に逃げる。マフはロープに走るとリングサイドのジョーにトペ・スイシーダを決める。リングに戻りマフは踞るジョーの顔を足蹴にして挑発、さらに平手打ちをするとジョーが平手の連発からのエンズイギリで反撃。場外に出たマフをフェンスの前に座らせてオレ・キックを狙うがマフがその場を離れ回避、しかし突っ込んできたマフをジョーがブートで迎撃すると再びイスに座らせてからオレ・キックを決める。「One more time」の歓声に応えてもう1発決めるとイスで殴りつけてからリングに戻す。
ジョーはバタフライ・スープレックスから腕への関節技、スナップメアからチョップ、キック、ニードロップのコンボを決めカバーするがカウント2。顔面へのキックラッシュにいくとマフのラリアットをかわして投げっ放しのジャーマン・スープレックス、しかしマフはすぐに起き上がるとラリアットを打ち込みジョーを倒す。マフはジョーをコーナーに追い込むと右脚をロープに掛けさせキャノンボール・セントーンの2連発、ラリアットで倒しカバーするがカウント2。バーニング・ハンマーにいこうとするがジョーがかわしてスリーパー、マフはジョーをコーナーにぶつけて抜け出すと再びスリーパーを仕掛けてきたジョーをサイド・スープレックスで投げ飛ばし両者ダウン。
ジョーはコーナーに突っ込んできたマフにSTジョー、パワーボムからSTFをキメるがマフがロープに逃れる。マフは突っ込んできたジョーに掟破りのSTジョー、コーナーに乗せてからバーニング・ハンマーの体勢に捕えるがジョーが抜け出してエンズイギリ。ドラゴン・スープレックス・ホールドを決めると3カウント入りジョーの勝利。
WINNER:サモア・ジョー (10:36) 評価:3・5
ジョーはマフに敬意を示し土下座をして礼、マフも同じく土下座で頭をリングにつける。ジョーは天を指差しリングを降りマフは大歓声の中天に向かって腕を突き上げる。
マイケル・カッペラがホミサイドにインタビュー、ジュリアス・スモークスもいる。ホミサイドは今夜の試合でトレント・アシッドを潰してやると言う。カッペラがホミサイドに「Do Or Die」でのサモア・ジョーとのROH王座戦で惜しくも王座を逃したが、ロウキーがジュリアス・スモークスがセコンドにいたせいで負けたと言っていたことを伝える。するとジュリアスが怒り出し「ジャッキー・チェン気取り」のロウキーを今夜のショーが終わった後叩きのめしてやると言う。
Four Corner Survival
BJウィットマー VS トニー・ママルーク VS ジミー・ジェイコブス VS アレックス・シェリー
ジム・コルネットのプロモ。これを見ているレスリングファンは何故自分がROHのDVDに出ているか驚いているかもしれないが自分は8月9日のデイトン大会に出場すると言う。コルネットは「Next Big Thing(次代の大物)」について話す、70年代はリック・フレアー、80年代はミッドナイト・エクスプレス、90年代はSMWが「次代の大物」だった。では現代ではどうか。自分はOVWでブロック・レスナーを始めとする「次代の大物」達を育ててきた。果たしてROHは「次代の大物」なのか、この私に証明して見せろと言う。
メインのホミサイドとトレント・アシッドによるFight Without Honor戦はTLCマッチのような試合となった。テーブル、ハシゴ、イスを使った派手な攻防の連続に場内もなかなかの盛り上がりを見せた。最後が微妙な丸め込みで締まらないラストになってしまったのが残念 、あとROHでは特に抗争していた訳ではない為いきなりこの対決がメインで組まれるのがかなり唐突に感じてしまった。
総評
AJスタイルズとポール・ロンドン、ROHのトップ選手である2人の一騎打ちは本当に素晴しい名勝負となった。序盤はひたすら心理戦、場外戦を挟んでリングに戻ってからはロンドンがひたすら脚攻めを行う展開に。そして終盤はテクニックを超えた意地のぶつかり合いという攻防で非常に激しい試合となった。全編に渡り2人の素晴しい動きが随所に見られ2人のテクニックとセンスを堪能できる好試合。
最後が引き分けという形で場内もブーイングが起こるなど若干盛り下がってしまったが、2003年のMatch of the yearと言っても過言ではない程の最高の名勝負だった。
BJはCode Of Honorに乗っ取り握手を求めるがプロフェシーのメンバーであるマフはこれを拒否し平手打ち、ゴングが鳴り2人は張り手とエルボーの打ち合い。マフがチョップを連発するがBJはマフを捕えいきなりエクスプロイダー。ロープに振ってジャンピング・ニーを狙うがマフがロープに捕まり場外に逃げる。そのまま入場ゲートの方に歩いていくがBJが追いかけリングサイドに連れ戻してフェンスに投げつける。3回フェンスに叩き付けられたマフは4回目を切り返し逆にBJをフェンスにぶつける。
ここからマフのペースとなり、リングに戻ると一方的にBJを攻め込み試合の主導権を握る。チンロックをキメられたBJはマフの腹部にエルボーを打ち込むとスナップメアからサッカーボール・キックを連発、ジャンピング・ニーを予告してロープに走るがマフがクローズラインでなぎ倒す。マフはコーナー下のBJにフェイス・ウォッシュからロープに走りヒップアタック、キャノンボール・セントーンにいこうとするがBJが立ち上がってカウンターのジャンピング・ニーを決める。マフをコーナーに追い込みジャンピング・ニーを連発、対角線に振ろうとするがマフが切り返す。BJはトップロープを掴んで飛び上がりマフをかわそうとするが、突っ込まずに待ち構えていたマフがBJの背後を捕えハーフネルソン・スープレックスで脳天からマットに突き刺す。
起き上がったBJが殴りかかるがマフがかわしもう一度ハーフネルソン・スープレックス。バーニング・ハンマーを予告し抱え上げるがBJが抜け出して投げっ放しジャーマンを決める。BJはコーナーに上るがアリソンがリングに上がり背後から攻撃、BJは股間からターンバックルに直撃。レフェリーを引きつけていたマフがBJを捕えるとバーニング・ハンマー、3カウント入りマフの勝利。
WINNER:ダン・マフ (9:10) 評価:2・5
マフがリング上でアピールしているとジュリアス・スモークスが登場、マイクを持ってリングに上がると「お前はダ・ヒット・スクワッドのメンバーでホミサイドの弟子だったはずだ、何やってんだ」みたいなことを言う。マフが「俺はプロフェシーの一員だ、Code Of Honorはクソだ」と言い2人は口論。そこへロウキーが登場、ロウキーは先日の英国遠征「FRONTIERS OF HONOR」で負傷した左腕を首から布で吊るしている。マフは驚きの表情で逃げるようにリングを降りる。
ロウキーはマイクを持つと腕が完治したらマフをぶちのめすと宣言、プロフェシー入りしたマフに「神のご加護を」と言う。ロウキーは今度はジュリアスに用があると言う。ロウキーはこのROHのリングはお前のようなチンピラが上がる場所ではない、何ならストリート風にヤってやろうか?と言う。ジュリアスが上着を脱ぎ捨て2人は一触即発になるがここでホミサイドが入ってきて2人を止める。
ロウキーは今夜ここに来たのはホミサイドがキャリアで最大の瞬間をむかえるからだと言う。ホミサイドはROH王座を獲る為に集中しなければならない、その為にはお前のような奴がいては目障りだと再びジュリアスに詰め寄る。ホミサイドが2人を引き離しロウキーはリングを降りてバックステージに戻る。するとリングにトレント・アシッドが駆け込んできて振り返ったホミサイドにヤクザキック、アシッドは素早くリングを降りて逃亡。
フランキー・カザリアン、ジミー・レイヴ、ジョン・ウォルターズなどフレッシュな顔ぶれが多数登場。ROHへの生き残りを懸けたまさに「Do Or Die」の攻防を展開した。実際この「Do Or Die」はこの後若手選手のトライアウトの場としてシリーズ化し、ROHのショーとは違った形で第4回まで行われることになる。そしてオースチン・エリーズ、ロドリック・ストロング、マット・サイダル、デリリアスといったその後ROHの中心選手となっていくレスラー達がこの「Do Or Die」からデビューしていった。
ROUND ROBIN CHALLENGE再び。クリストファー・ダニエルズ、ポール・ロンドン、アメージング・レッドの3人が総当たり戦で激突。三つ巴の戦いを制し最後に勝者として立っているのは果たして誰なのか。
プロフェシーのプロモ。クリストファー・ダニエルズが「前回この会場に来た時にはプロフェシーは全ての王座と権力を持ちROHを手中に収めていた。しかしその日ロウキーはフェンスの支柱とイスを使ってイクセイヴィアーの肋骨を破壊し、俺はAJスタイルズのスタイルズ・クラッシュによってテーブルに沈められた。奴らはそのショーのタイトル(「REVENGE ON THE PROPHECY」)の通りプロフェシーへの復讐に成功した。しかし3ヶ月が経ち今俺たちは「狩られる側」から「狩る側」となった。今夜がプロフェシーの新たな始まりの夜であり、全ての者に報いを受けさせる」と言う。
日本から帰国し久し振りにROHに登場したドノバン・モーガンは、日本から帰ってきたらいつのまにか自分はタッグ王者ではなくなっていた、しかし今夜3人を相手に自分の実力を証明すると言う。ダニエルズはアリソン・デンジャーと共にスティーブ・コリノをこき下ろす。そして新メンバー”暗殺者”ことダニー・マフ(マフィア改め)を紹介、マフはくだらないCode Of Honorをぶっ潰すと宣言。
ダニエルズは「今夜から俺たちの狩りが始まる。俺はアメージング・レッドを倒しタッグ王座を奪われたのがまぐれだったと証明する。そしてポール・ロンドンを倒し奴のTOP 5ランキングのポジションを奪い去る。何故なら俺たちは「狩る者」でありお前達に神罰を与える者なのだ」と言う。
ROUND ROBIN CHALLENGE
クリストファー・ダニエルズ(w/ アリソン・デンジャー) VS アメージング・レッド
プロフェシーが大喜びでバックステージに帰ってくる。ダニエルズは控え室で休んでいるアリソンを気遣いジョーとシェインを倒し仕事を為し終えたと報告。カメラに向かうと「どうだROHよ。前回のピッツバーグ大会ではプロフェシーがやられたが今回は我々が神罰を下してやった。サモア・ジョーを初防衛の舞台でリングに沈め、モーガンと共にシェインにしかるべき報いを受けさせた。そして最も重要なことは俺がROUND ROBIN CHALLENGEを制したことだ。このままTOP5ランキングを駆け上がりサモア・ジョーの王座を奪い取ってやる。スティーブ・コリノよ覚悟しておけ、プロフェシーの神罰が下るぞ」
サモア・ジョーのプロモ。ダニエルズに静かに宣戦布告。
総評
2回目となったROUND ROBIN CHALLENGE、今回も好試合の連続となった。ダニエルズ vs レッドはスピード感のある素晴しい試合。前回大会でAJスタイルズに一方的に絡んでいったロンドンはパートナーのレッドにスタイルズ・クラッシュを決めてメッセージを送った。
決勝となったダニエルズとロンドンの一戦は序盤の心理戦がやや冗長だったが終盤にかけ盛り上がったいい試合となった。
ダニエルズが壁に向かって「That Which does Not Kill You Makes You Stronger」とつぶやいている。カメラに向かうと、この1週間はプロフェシーにとって最悪の日々だった。自分はタッグ王座とFWA王座を失いプロフェシーは権力そのものであったROH王座を手放した。だが悲観する事はない、自分達は常に先を見据えている。自分はサモア・ジョーのROH王座を狙い、ドノバン・モーガンと共にタッグ王座を取り返す。そして常にアリソン・デンジャーが自分達のバックアップし、さらにプロフェシーにはもう一人新しいメンバーが加わる。最後に笑うのはプロフェシーだと言って再び壁に向かう。
スティーブ・コリノがPCでROHの結果を見ている。ホミサイドがルシャスにコップキラーを決めたことに「品性のかけらもない奴だ」と言う。コリノはもうすぐROHに復帰すると言うと「I got two words for you,"Dare Me".」
ロウキーとダ・ヒット・スクワッドのプロモ。ロウキーとマフィアがどちらが喋るかで揉めるが結局ロウキーが喋ることに。ロウキーは「スペシャルKは俺たちを、そしてROH、Code of honorを侮辱している。今夜俺たちはお前らに敬意というものを叩き込んでやる」と言いさらに続けようとするがマフィアが遮りロウキーの前に立って勝手にプロモを締める。ロウキーはムッとした表情でマフィアを見るがマックがなだめる。
ベストバウトはロウキー、ロンドン、AJの3WAY戦。旗揚げ公演のメイン戦の3WAYでの名勝負と双璧の素晴しい一戦だった。3人のスピードを活かした目まぐるしい展開から複雑に絡み合う攻防。激しい当たりや場外への危険なダイブ攻撃、3人だからこそ出来る素晴しい攻防を随所に見せ、この3人だからこそ出来る最高のプロレスを見せてくれた。まさしくMatch of the yearの名に相応しい最高の試合。
ダニエルソン vs ジョーの2回戦やブリスコ兄弟対決もなかなかの好勝負。そして普段はオープニングた中盤に位置される大人数でのスクランブル戦がメインを務めた。30分を超える激闘を繰り広げ、多少の粗はあったが1周年記念大会を見事に締めくくった。
前回大会「FINAL BATTLE 2002」で新ユニット "THE GROUP" 結成を表明したスティーブ・コリノ。プロフェシーからシンプリー・ルシャスを引き抜いたコリノはさらに新メンバーを紹介。現れたのは一時期プロフェシーに帯同していたサモア・ジョーだった。
THE GROUPとプロフェシーは控え室で接触。得意げな表情のコリノに対しクリストファー・ダニエルズはプロフェシーの新メンバーとしてコリノの妹であるアリソン・デンジャーを紹介する。一触即発になるコリノとダニエルズを両チームのメンバーが分ける。