汎用性と専門性は反比例する。あざらしは今までの経験からそう結論を出した。

汎用性とは、多くの事柄に対応できることだ。その代わりに、個々に対してはどうしても浅くなる。
専門性とは、限られた範囲に限り絶大な効果を発揮するもので、圧倒的な力を持つものの使用機会は限られる。

このふたつは相反するもので、どちらかが高まればもう片方は低くなる。反比例だ。
 
汎用性と専門性を併せ持つことでより多くの事柄に本気で対応するとしたら、専門性が高いものを多く集め、汎用性が高いもので纏めるのが良いだろう。

この理屈を人間に当てはめると、専門性が高い人間を集め、汎用性が高い人間がそれを纏めるルールを作る、ということになる。
専門性が高い人間は汎用性が低いため、個々でコミュニケーションを取るよりも自分の得意なことに集中する方が効率的だ。
汎用性が高い人間は専門性が低いため、より多くの事柄に対応できるようにルールを作り、専門性が高い人間のサポートをすることになる。
この時大事なのが、「互いを尊重する」ということだ。どちらかが欠けては成り立たない関係なので優劣は無い。貶め合うより支え合うことで、より発展するだろう。
 
あざらしはそんな世界をずっと夢見ている。