今年もやってきました江戸東京博物館の『発掘された日本列島2017』展。(7月23日まで)
今回のテーマの一つは『発掘された水中遺跡』
近年の発掘調査で注目すべき遺跡を一挙に公開する、毎年行われているこの展覧会、
常設展料金の600円で見られるというのもとってもお得!
そんな中から個人的に興味の引かれたものをちょっとご紹介。
日本史のなかでも一大エポックメーキング的出来事の元寇の戦い。
日本という国が初めて外国から侵略を受けた衝撃的なこの戦いを知らない人はいないでしょう。
絵巻物や実際に戦闘に参加した武士たちの証言も多く記録に残されています。
その中で元寇が使用した武器のひとつが『てつはう』
絵巻物でも元寇が火薬の仕込まれた丸い陶製のものを投げつけて、
地面で破裂するさまが描かれています。
しかし実物は日本にもモンゴルにも中国にも残されていないため、
実際にはどの程度の破壊力があったのかは今ひとつわかりませんでした。
それが海中から引き上げられてX線写真に写してみると・・・
中には鉄や陶器の破片が仕込まれていることが判明しました。
これまでは、破裂音や閃光で、
「当時の武士や馬はびっくりしただろうね!
でも威力はそれほどなさそうだから、
たぶん元寇が兵を引く際の目くらまし的な使い方をしたんだろうね」
というのが定説でしたが、
by SONY DSC-RX100M3
近年、実物を発見して初めて充分に殺傷能力があることが判明したんですね。
いやあ、やっぱり実物を見てみないと本当のところはわからないものなんだな、と実感しました。
日本の歴史や考古学に興味のある方にはお勧めの展覧会ですが、
もし土曜日や日曜日に行かれるのでしたら、
午前と午後に文化庁の方の誰でも聞ける展示説明があるので、
そちらもぜひお聞きすることをお勧めいたします。
ただ展示品を眺めるよりは10倍楽しく見られるはずですよ。(^ω^)
東京都墨田区JR両国駅前、東京都江戸東京博物館にて。