2018年04月25日

しかたなく

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ニホンカワトンボ 未成熟オス
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 40-150mm F2.8 PRO.

川のほとり、ハルジオンの群落で翅を休めるカワトンボたちに出会いました。

トンボは肉食性の昆虫なので、花に集まる理由がありません。そのため、花とトンボを組み合わせた写真はなかなか撮りにくいのです。この草むらは他に背の高い植物が少なく、仕方なく花に止まっているようで、こちらとしてはラッキーでした。

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ニホンカワトンボ メス
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 40-150mm F2.8 PRO.

湘南には「アサヒナカワトンボ」と「ニホンカワトンボ」という、外見では区別の難しい2種類(正確には2種+1個体群)のカワトンボが分布しています。そのため、かつてはカワトンボを撮影しても、果たしてどちらの種類なのか、確信がもてない状況が続いていました。しかし数年前、神奈川県各地のカワトンボのDNAが調べられたおかげで*、今では産地がわかれば種類がわかるようになったのです。基礎的な調査や研究、大事ですね。

*神奈川県を中心としたカワトンボの分布 - 苅部 治紀, 守屋 博文, 林 文男
神奈川県立博物館研究報告. 自然科学 (39) 2010.3 p.25〜34

2018年4月25日 神奈川県藤沢市



photombo at 22:02|Permalink 湘南 | トンボ

2018年04月24日

移ろい

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フタテンシロカギバ*
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8 + Nissin i40

雑木林の林床に、真っ白なガを見つけました。小さくもよく目立ち、そこだけ光を放っているかのよう。

帰宅後、これはシャクガだよなとあたりをつけて調べると、よく似た種はいるものの、なかなかこれだ!という種類に行き当たりません。降参してガの先生、阪本さんに泣きついたところ「シャクガとよく間違えられるけどカギバです」という返事。なんと科レベルで間違えていました。そっくりなんだけどな・・・。

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タイワンキシタアツバ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8 + Nissin i40

カラムシの生えた草むらを歩いていると、中型の黒っぽいガがいくつも飛び出します。飛ぶと後翅の鮮やかな黄色が目立ち、とてもきれい。しかし止まるとこのように、目立たない姿に元どおり。

よく似た種がいくつかいますが、これは黒い三角模様が特徴のタイワンキシタアツバ。天狗の鼻のように前に伸びた口器の一部(下唇鬚)もユニーク。

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フクラスズメ 幼虫
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8 + Nissin i40

キシタアツバを撮影していたら、すぐそばにフクラスズメの幼虫がいました。体長4cmほどでしたから、まだまだこれから大きくなります。

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オオシマカラスヨトウ*? 幼虫

ついこの間、鈴なりの花が咲いていたと思ったのですが、いまやすっかり葉を広げたキブシ。カラスヨトウ類の幼虫がいて、もうかなり育っていました。季節の移ろいは本当に早いもの。湘南のフィールドは、早くも初夏の様相を呈しつつあります。

2018年4月24日 神奈川県藤沢市

*ガの一部の同定は阪本優介さんにお願いしました。

photombo at 22:54|Permalink 湘南 | チョウ・ガ

2018年04月23日

また始まる

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ムカシトンボ オス
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 40-150mm F2.8 PRO.

渓流に彼らの季節がやってきました。ムカシトンボ。

例年だともう1週間ばかり後にはじまるのですが、やはり今年はどこのフィールドも季節が早めに推移しています。

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ムカシトンボ オス
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 12-40mm F2.8 PRO. マクロフラッシュSTF-8.

岸辺の植物やコケの生えたあたりを、まるで縫うように、これでもかというほど入念に調べながら飛ぶオス。産卵に来ているメスがいないか、慎重に探しているのです。

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ムカシトンボ メス
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 40-150mm F2.8 PRO.

もう1頭飛んできて同じような行動を・・・と思いましたが、少し様子が違います。腹部が太く、黄色い模様がよく目立つ個体。メスが産卵場所を探しにやって来たのです。

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ムカシトンボ メス 産卵
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 40-150mm F2.8 PRO.

やがて気に入ったコケを見つけると、そこに着地して産卵を始めました。5年とも6年とも言われる、ムカシトンボの一生がここでまた始まります。悠久の時を超えて受け継がれる、命のバトン。彼らが親になるまで、この渓流はよい環境を保てているでしょうか。

2018年4月22日撮影 神奈川県

[ トンボ撮影セット?]


photombo at 21:49|Permalink トンボ 

2018年04月22日

急がなくても

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フジ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 7-14mm F2.8 PRO

神奈川県北部の里山では、もうすっかりフジが満開に。ゴールデンウィークの景色です。

そんなフジの咲く木の下に立つと、辺り一面、ブゥーンと低く唸るような音が響き渡っていました。

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クマバチ オス
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO.

そう、無数のクマバチがフジの花の周囲で縄張り行動をしているのです。これらはすべてオスで、顔面が黄白色なのが特徴。おもいおもいの場所でホバリングしながら、メスがフジの花を訪れるのを待っています。

普段はいたっておとなしいハチなのですが、縄張り中のオスはお互いに近づきすぎたり、視界に怪しい影が入ると、たとえそれが別の虫(時には鳥)であっても猛然と追尾して追い払います。

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ウスバシロチョウ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 7-14mm F2.8 PRO, プロキャプチャーモード(H).

そんな荒ぶるクマバチを尻目に、ススーッとあくまで静かに、まるで滑るように草原を飛びまわるウスバシロチョウ。

虫たちはもう、春から初夏の面々に入れ替わりつつあります。そんなに急がなくてもいいのに。

2018年4月22日 神奈川県北部

photombo at 22:10|Permalink ハチ・アリ | チョウ・ガ

2018年04月21日

密かな楽しみ

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ギンボシスズメ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8 + Nissin i40

前半戦は雨に悩まされた春の沖縄遠征。しかし楽しみもありました。それは毎夕買い出しに行くコンビニの灯り。雨が少しの間だけやんだり、小降りになったりするとガが集まってくるのです。最近はどこのコンビニも虫の集まりにくい LED照明になってしまいましたが、ここはそうでないのかもしれません。

そして買い出しが終わると小さなタッパーにガを集めて宿に持ち帰り、簡易白バック撮影。数日前の記事も同じでような経緯で撮ったものです。そしてガの先生である阪本優介さんに、SNSを通じて「これなに?」「こっちは?」と同定をお願いするという次第。毎夜、阪本さんとの「これなに?タイム」が楽しみになっていました。以下、種名は基本的に全て阪本さんにご教示いただいたものです。

まずは小雨の中やってきた大物、ギンボシスズメ。

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コシロモンドクガ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8 + Nissin i40

大きな触角とフサフサの脚が愛らしいコシロモンドクガ。これはオス。なんとメスには翅がなく、飛べないらしいのです。毛玉のようなメス、見たかったなあと思いますが、当然灯りには飛んでこないのでなかなか難しそう。

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コウセンポシロノメイガ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8 + Nissin i40

美しいノメイガ。コウセンポシロノメイガだそうです。

コンセンポとはなんぞや?と調べて見ると、昆虫写真家・新開孝さんのブログが出てきました→こちら

なるほど、台湾の地名だったのですね。

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チャハマキ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8 + Nissin i40

普通種ながら茶金の光沢が美しいチャハマキ。

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アマミマルバネフタオ or コモンマルバネフタオ

小型ですが、とても存在感のある姿。フタオガの一種で、阪本さんによればアマミマルバネフタオかコモンマルバネフタオだろうとのこと。両種は解剖して交尾器を見ないと確実に区別できないそうです。

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キンウワバの一種
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8 + Nissin i40

これも似たものが多くて難しいキンウワバと呼ばれるヤガの一種。ミツモンキンウワバかヒメクロキンウワバだろうと教えていただきました。

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オオマエキトビエダシャク
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8 + Nissin i40

やや小ぶりなシャクガですが、おしゃれな模様と色使い。

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ハイイロヒトリ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8 + Nissin i40

大きなガですが、模様ないたってシンプルなハイイロヒトリ。

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ブドウスズメ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8 + Nissin i40

これはすごいのが来た!と喜んで撮影していましたが、よく見ると本土でも見かけるブドウスズメでした。まあ存在感と可愛らしさ?は一級品なので、よしとしましょうか。

沖縄滞在後半戦もこのガ撮りを続けたかったのですが、晴れて日中の活動が忙しくなると、気力体力が深夜までもたなくなってしまいました。というわけで、美しいガたちとの戯れは、ひとまずこれでおしまいです。

2018年4月17日〜18日 沖縄本島北部








photombo at 22:35|Permalink 国内遠征 | チョウ・ガ

2018年04月20日

ひとまず

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オキナワサラサヤンマ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 7-14mm F2.8 PRO, Nissin i40.

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オキナワサナエ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO.

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オオシオカラトンボ 沖縄亜種
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO.

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リュウキュウトンボ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 40-150mm F2.8 PRO.プロキャプチャーモード(H).

2018年4月20日 沖縄本島北部

photombo at 23:30|Permalink 国内遠征 | トンボ

2018年04月19日

取り戻す

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オキナワトゲオトンボ オス
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8.

沖縄は今日も晴れて暑いほどでした。雨でほとんど写真が撮れなかった前半戦を取り戻すべく、地道な撮影が続いています。これはオキナワトゲオトンボ。先日紹介したヤンバルトゲオトンボに非常に良く似ている上、混生することもあるのでややこしい存在。オスは翅の先に黒褐色の斑紋があることで見分けられますが、メスの判別はかなり困難です。

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オキナワコヤマトンボ メス
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 40-150mm F2.8 PRO.

林道を行き来しながら摂食飛翔していたオキナワコヤマトンボのメス。しばらく飛翔写真を頑張って撮っていると、ふっと付近の枝に止まりました。

今回の遠征ではオキナワコヤマトンボがなかなか見られず苦労していましたが、幸運なこともあるものです。

さて、沖縄遠征も明日の午後で終了。何かいいこと起きないかな・・・。

2018年4月19日 沖縄本島北部


photombo at 23:30|Permalink 国内遠征 | トンボ

2018年04月18日

迷うばかり

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ヒミツの川
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 7-14mm F2.8 PRO.

ようやく晴れた沖縄。朝5時に宿を出て山へ向かい、とある沢に入ります。ここは20数年前、僕が沖縄で学生生活を送っている時に見つけたヒミツの川。アクセスが悪いこともあり、まだ誰にも出会ったことがありません。その後も何度もここを訪れて撮影していましたが、ヒミツにしすぎて約10年ぶりに訪れた昨年夏、自分でも入り口が分からなくなってしまい、なんとたどり着けなかったのです。そんなアホな。

そこで頼ったのが、トンボ撮影の大先輩であり、何度も沖縄のフィールドをご一緒している喜多英人さん。このヒミツの川にもお連れしたことがあり、喜多さんはとても気に入ってご自身でもたびたび訪れておられるようです。

そして今回、沖縄入りの前に喜多さんに連絡を入れ、「ヒミツの川、入口どこでしたっけ・・・」とマヌケな質問をして教えていただいたのでした。恥ずかしい・・・。でもそのおかげで、今回は迷わずにたどり着けました。喜多さんに感謝。入口が分からなくなったのは、木々が生い茂って見た目の環境が変わっていたせいでした。

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リュウキュウルリモントンボ 羽化
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8.

さて、川に入ってさっそく見つけたのは、羽化中のリュウキュウルリモントンボ。落ち葉の堆積した川の淀みに幼虫がいて、その周辺で羽化が見られます。成熟した成虫は見られなかったので、ここではまだ発生の初期なのでしょう。

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リュウキュウトンボ 羽化
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8.

同じように、川の淀みで幼虫が育つリュウキュウトンボ。早起きした甲斐あって、羽化中の個体がいくつか見られました。しかしこちらは、既に成熟したオスがパトロールしていたり、メスが産卵に来たりと繁殖ステージに入っている個体も複数。いい季節です。

そうして朝の撮影を終え、ヒミツの川を後にして、日当りの良い草原へ。

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オキナワサラサヤンマ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 7-14mm F2.8 PRO, Nissin i40.

これが見たかった。オキナワサラサヤンマ。

晴天の日の日中にだけ、狭い範囲をなわばりとして緩やかに飛び回ります。最盛期かと思いましたが、もうピークは過ぎているようで、個体数はかなり少なめ。それでもしっかり楽しませてくれました。

晴れたら晴れたでどのトンボも一気に出てくるので、限られた時間の中で何を撮ろうか迷うばかり。昨日までのことを考えると贅沢な悩みですが・・・。

2018年4月18日 沖縄本島北部

photombo at 22:54|Permalink 国内遠征 | トンボ

2018年04月17日

あわてて隠れて

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ギンヤンマ ♀
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8.

今日も終日雨の沖縄。ロケハンでずっと林道を走り回っていましたが、写真の方はまったく成果のない一日でした。日没間際、小雨になったところで里の田園地帯を歩いていると、芭蕉の葉に大きなトンボのシルエット。雨やどりしているギンヤンマでした。ハイビスカスの花も沖縄っぽさを演出しています。

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ギンヤンマ ♀
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8.

おかしな角度でこんな場所に止まっているところを見ると、小降りになった時に産卵にきたものの、ふたたび本降りになり慌てて隠れたのでしょう。今夜はここで過ごすのかな。

2018年4月17日 沖縄島北部

photombo at 20:54|Permalink 国内遠征 | トンボ

2018年04月16日

いささか

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ヤンバルトゲオトンボ 未成熟♂
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8.

相変わらず天気が不安定な沖縄です。

今日は昼まではなんとか降らずにすみ、ときおり薄日も差したのですが、トンボに関してはいささか寂しいものでした。固有種では、ようやくヤンバルトゲオトンボが少し撮れたくらい。

P4161192
ヤンバルトゲオトンボ 未成熟♂
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 macro, マクロフラッシュ STF-8.

これに酷似したオキナワトゲオトンボという別種がいて、この場所は両者の分布域の境界付近なのですが、今日はヤンバルの方しか見られませんでした。曇りや小雨でも活動するトンボではあるのですが、気温も低いせいか、よい手応えが得られていません。

そして明日は終日雨の予報。フィールドワークが出来る程度の雨ならよいのですが。

2018年4月16日 沖縄県名護市

photombo at 23:37|Permalink 国内遠征 | トンボ
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