申し子
ムツアカネ
/ OM SYSTEM OM-1 Mark II, M. ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO.
高原の池でなわばり占有するムツアカネのオス。山好きな方なら背景がどのあたりか分かるのではないでしょうか。
ムツアカネは氷河期の遺存種と考えられているトンボで、北半球の寒冷地に広く分布しますが、日本では北海道と本州の冷涼地にだけ取り残されるように分布しています。
ムツアカネ 交尾
/ OM SYSTEM OM-1 Mark II, M. ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO.
交尾するムツアカネ。
本種はいわゆる赤とんぼの仲間(トンボ科アカネ属)ですが、オスは成熟しても赤くならずに黒化します。全体のシルエットや斑紋を見るとアキアカネに似ているのですが、実際には一回りほど小さく、飛んでいる姿にも独特の雰囲気があります。
温暖化が進み、この産地でも年々夏が暑くなっているのを実感する昨今。氷河期の申し子とも言えるムツアカネが、この先もずっとこの地で命を繋いでいくことができるのか。不安が募ります。
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