2013年01月26日

憧れの水族館・アクアマリンふくしまへ ― 前編 ―

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アクアマリンふくしま

福島に来た目的はこちら。訪れた人は皆、素晴らしい、素晴らしいと言い、また金魚の展示や飼育・繁殖に力を入れている他に例を見ない水族館として名を馳せる、アクアマリンふくしまです!以前から訪れてみたい場所の筆頭だったのですが、なかなか実現しませんでした。いざ、憧れの水族館へ!

築山の向こうに見えるコンクリートの建物と、それを覆う美しいガラスのアーチが目印です。
朝9時からオープンしているので、9時半には到着してその入り口をくぐりました。すでにドキドキ。

実は昨年、ちょっとしたことから、ここにお勤めのゲンゴロウ好きな平澤さんという方と知り合い、今回はここでお会いできる予定でした。ところが昨日になって平澤さんに急なお仕事が入り、「昼過ぎには戻りますが、お会いできなさそうです・・・」というメッセージ。さすがに僕たちも朝から午後まで水族館にはいられない・・・残念ですが仕方ないですね・・・と返信したのですが、思わぬ展開に。でもそれはずっと後のお話。

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館長メッセージ

入口にはまず館長さんからのメッセージ。そう、ここアクアマリンふくしまは、先の大震災で地震と津波の大きな被害を受け、休館した時期があったのです。短期間で一見それを感じさせないところまで復旧させているのは、ひとえにスタッフや地域の方々の努力の賜物でしょう。そのことに思いを馳せ、胸が熱くなります。

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さて、入口を入ると、まずは魚類や水の生物の進化を紹介する、古生代の海のコーナー。インパクトある巨大な古代魚が天井からお出迎え。

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三葉虫

展示ケースには三葉虫やアンモナイトの化石が。子供のころ、こういった古代の生物が大好きだったなあ、などと思い出しながら眺めていました。

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オウムガイ

もちろん生きた生物の展示もあります。古代からその姿をほとんど変えていないというオウムガイ。アンモナイトの祖先にあたるそうですが、後から出現したアンモナイトがすでに絶滅しているのに対し、こちらは現在も生き続けています。うーん、貝殻が美しいので横から撮りかったのですが、撮れたのはなぜか水槽に張り付くようにしてこちらを見ている顔だけ。これじゃあ何の生き物か分からん・・・。

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ヌタウナギ

隣にはヌタウナギ。「ウナギとは関係ない生き物です」みたいな解説がありました。かつてテレビで見たヌタウナギは、その名の通りヌタ(ぬめぬめした粘液)を出してのた打ち回る恐ろしい生き物でしたが、ここではただ寝ているだけといった感じで、至って平和な様相。捕まえたりして刺激を与えると阿鼻叫喚の世界が繰り広げられるとのことです・・・。

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チョウザメ

これも古代からの生き残りだというチョウザメ。キャビアの親という知識しかありませんでしたが、チョウザメのチョウは、体側に一文字並んだ大きな鱗が、蝶の形に見えたから・・・なんだそうです。知っていましたか?僕ははじめて知りました。言われてみるとそう見えなくもない、かな。

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シーラカンスの化石

この水族館の展示の中でも、ものすごく前面に押し出されている気がしたシーラカンス。しかし後であることに気が付いて愕然とするのでした。

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ナメクジウオ!

そしてナメクジウオ。こちらもナメクジとは関係なく、ウオとついても魚ではありません。実はこのナメクジウオ、すべての脊椎を持つ生物のご先祖様といっても過言ではない生物です。かつてはホヤがそうだと言われていたのですが、最近の研究でその座を奪ったのだとか。シャーレに入っているその姿は予想外に大きく(3cmくらい?)、先入観もあって誇らしげに見えました(黄色い矢印の先)。

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スポッテッドガー

これも古いタイプの魚なのかな。観賞魚でよく見かけるスポッテドガー。そういえば10年ほど前、近所の池で泳いでいる1m近いこの魚を見て度肝を抜かれたことがありました。誰かが飼いきれなくなって放流してしまったものでしょう。とんでもない話ですね。

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オオサンショウウオ

脱力、という言葉がぴったりなオオサンショウウオ。ただ、小さなカワムツが同じ水槽の中にたくさん泳がされているのですが、オオサンショウウオの近くを通過するとき、妙にピリピリとした緊張感が漂うのです。己の運命を知っているカワムツが何かを伝えようとしているのか・・・。

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未知への階段?

さてさて、次に長いエスカレーターに乗り、上のフロアに向かいます。でもよく見たら壁面にかかっているのはシャレコウベではないですか・・・。

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ふくしまの水辺

気を取り直して上の階。ここは福島の水辺を観察できるように作られた展示スペース。水槽はもちろん、周囲の植生などもよく考えられていて、福島の自然を知るよい手がかりになりそう。

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小川水槽

なかでも気になった小川の水槽。展示板に昆虫の名前がいろいろ。水温はかなり低そうで、目立った活動をしている昆虫は見当たりません。しかし目を凝らすと、ミズカマキリやアメンボなど、いろいろ見えてきます。そして・・・。

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タガメ

泥の中に頭を突っ込んでいたタガメ。越冬態勢なのかな?しばらく見ていましたが、ピクリとも動きませんでした。よく見ると、左奥にやはり頭を突っ込んでいるゲンゴロウのお腹が見えます。

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イトヨ

湧水の水辺を再現した水槽で、中層に浮かんでいたイトヨ。ピタリと一転にとどまる姿は、ホバリングする昆虫を思い起こさせました。

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中流水槽

河川の中流域を再現した水槽。大きなウグイやオイカワがたくさん泳いでいました。いかにも里の川といった感じで和む光景。アユも入っていることになっていましたが、季節が季節だからでしょう、その姿は見えませんでした。

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目の前に

そして少し進むと、目の前に巨大な水槽が!ここは黒潮と親潮のぶつかる「潮目の海」を再現したもの。覗き込むまでもなく、何かの群れがこちらに突進して来る・・・

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イワシ玉

イワシの大群です。太陽の光を浴び、角度によってキラキラと輝いて本当に綺麗。大きな水槽の中を絶えず一方向に泳ぎ続けているので、一か所で待っていると数分おきにイワシ玉の来襲を受けることができるのですが、思わず座り込んで何度も何度もイワシ玉を堪能してしまいました。素敵すぎる・・・。あまりに素敵すぎて、このあと訪れた回転寿司屋で「イワシ!」とオーダーしてしまったほど。肉厚で臭みも全然なくて、ひたすら美味しかった・・・。

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トド

それはさておき、また進んでいくと、「北の海獣と海鳥」といったような展示に行き当たります。ゴマフアザラシという、それはもう可愛いアザラシもいるのですが、なんといっても目を引かれたのはこのトド!この下手な写真では大きさが伝わらないのですが、それはもう大きいのです。そのトドがグルグルと水槽の中を泳ぎ続けているのですから、もう大迫力!

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ウミガラス

遠くから見てペンギンや!と失言をしてしまったのは秘密です。お洒落なデザインのウミガラス。水槽の中に何羽もいて、その無邪気な表情を見せてくれました。ペンギンと間違えたことは気付かれていないようです。よかったよかった。

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エトピリカ

エトピリカ! いつかは見てみたいと思っていた鳥なのですが、まさか水族館の水槽越しに対面を果たすことになるとは。何が気に食わないのか、この個体はずっと水槽に蹴りを入れていました。

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カツオのぼり

機嫌の悪いエトピリカに別れをつげて進みます。吹き抜けのホールを見下ろすと、そこにたなびいていたのは鯉のぼりならぬカツオのぼり。さすが。

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オセアニック・ガレリア

企画展示のスペース、オセアニック・ガレリア。手前から奥へ、さまざまなテーマの展示がしてあります。

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アリ入りの琥珀

ところどころ、つまみ食いのような見方をしてしまいましたが、気になったものをいくつか。まずはアリの入った琥珀。いいなー、欲しいなー、と思いますが、きっと驚くほど高価なのでしょうね・・・。透明の展示ケースの中に入れてあり、さらに虫めがねでのぞくように展示されているのですが、虫めがね越しの撮影は難しい・・・。

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後光射す「胴長」

後光が差していた胴長。穴や破れが見受けられ、いかに修羅場をかいくぐってきた胴長なのかが窺われます。きっとこれの持ち主は、山も谷も越え、藪をこぎ、ただひたすらに採りたい生き物を追って水辺へと突進していったのでしょう。わかります、その気持ち・・・。

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‘マルコ’こと、マルコガタノゲンゴロウ

おそらくその対象のひとつだったと思われる希少種、マルコガタノゲンゴロウ。その道の人からは‘マルコ’と呼ばれ、親しまれてきました。これ、最初に少しご紹介した平澤さんが愛してやまない虫でもあります。

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マルコ

しかし数あるゲンゴロウの中でも、このマルコは各地で減少が著しく、環境省の定めるレッドリストにおいて絶滅危惧IA類(もっとも絶滅の恐れが高いもの)に指定され、さらに2011年4月からは国内希少野生動植物種に指定され、採集・譲渡・売買などは禁止されました(いわゆる種の保存法)。

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交尾するマルコ

ここ、アクアマリンふくしまでは、許可を得てそのマルコを飼育しており、繁殖、増殖させることを目指しています。がんばれ、平澤さん!そんなことを思っていたら、目の前でガッチリ交尾しているではないですか!たくさん卵を産むんやで、と言い聞かせておきました。

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ニホンウナギ

その隣でなにやらほくそえんでいたニホンウナギ。これまた数を減らしている生き物ですね・・・。

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南極とオホーツク海の氷

こちらは南極の氷とオホーツク海の氷。解説には「南極の氷と北極の氷」と書いてあったのですが、どうやら北極の氷はオホーツク海の氷と似ているそうです。はい、そういうことで。

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バックヤードツアー受付

ここで順路を外れ、トイレに立ち寄ったら、目の前に「バックヤードツアー受付」の文字が。これは行くしかない!ということで、さっそく申込み。3分ほど待っていたら、ボランティアガイドの方が「じゃあ行きましょう」と。あ、そんな気軽に行けるものなんですね。

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バックヤードへ

暗くて細い階段を降り、扉を開ければそこは冷たいコンクリート壁に覆われた1本の通路。ここがバックヤードの大動脈。

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続・バックヤード

水温を管理する機械や水生生物の飼育に欠かせない濾過装置など、整然としたバックヤードに驚き。かつて小さな施設で魚の世話をしていたことがありますが、それとは規模も設備も比べ物になりません。当たり前か。しかし機能を突き詰めた設備というのは美しいものですね。ずっとそんなことを感じながら見学していました。

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チョウザメ水槽の上

上から水槽をのぞきます。実はこれ、最初の方に見ていたチョウザメの水槽。ここでガイドさんからクイズ。「チョウザメって何年くらい生きると思います?」 ぼくは「20年くらいですかねー」と答えたら、ガイドさんはニヤリ。
「平均したら200年位生きるらしいですよ」。平均ってことはないだろ!と心のなかでツッコミつつ、チョウザメすごいね・・・と感嘆。

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海獣たちのエサ一覧

廊下に張られた海獣たちの体重とエサ量の表。先ほど見てきたトドのイチローくん、体重582kgでエサは19.8kgですか。お見それしました。

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搬入用クレーン

博物館の裏(サービスヤード)では、ここから魚や機材を搬入するんですよーとのご説明。地震で地盤が沈下し、ガタガタになったアスファルトを剥がしてあるので、大型車などは大変そう。ちなみに上から突き出しているのがクレーンで、魚の入ったコンテナを吊り上げ、潮目の海の水槽に入れるのだとか。

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擬岩

バックヤードツアーでこれまたガイドさんがニヤリとしたもの。「この擬岩、もってみてください」と言われ、持ち上げてみてびっくり。片手の指2〜3本で持ち上がる軽さ。FRPで出来ていて、中は空洞なのです。その出来の良さにも自信たっぷり。「石屋さんが展示を見て、本物の石と間違えたほどです!」とのこと。確かにどの展示を見ても、擬岩であることを意識させるところはありませんでした。

と、ここで30分ほど続いたバックヤードツアーも終了。盛りだくさんの内容で、かつわかりやすく解説していただけたので、たいへん楽しい経験ができました。また別のガイドさんにもお願いして、バックヤードを見てみたいと思うほど。きっとガイドさんごとに個性があって楽しいんじゃないでしょうか。

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東南アジアの水辺

ここで順路に戻ります。東南アジアの水辺を再現した展示。気温も湿度も高く、おまけにミストシャワーが降り注いでいるので、あっという間にレンズが真っ白に曇りました。自動的にソフトフォーカス。

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ダトニオ
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トランスルーセントグラスキャット

いつもは観賞魚店の素っ気ない水槽で見かける魚たちが、おそらく自然に近いだろう環境の下で気持ちよさそうに泳いでいました。レンズを拭き拭き、湿気と戦いながらの撮影。

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マングローブの海

こちらは亜熱帯〜熱帯域の河口に広がるマングローブ林を再現した展示。美しいミドリフグやユーモラスな動きのベニシオマネキ、ミナミトビハゼなどが見られましたが、いかんせんレンズがすぐに曇ってしまって撮影できません。ここはレンズ越しよりも、自分の目で見た方が100倍きれいで楽しいです。

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マングローブの海の魚たち

同じくマングローブの生える海の魚たち。胸ビレの黒いオニボラ、というボラの一種やヒメツバメウオが泳いでいました。かつて少しだけ住んでいた八重山の海を思い出します。
ところが後で平澤さんに聞いたところ、このマングローブの根は擬岩と同じで、偽物なんですよー、とのこと。全く気づきませんでした。どこまでもよく出来てる!

さて、これで半分くらいかな?
あまりの楽しさに写真を撮りすぎたことを後悔しつつ?、後編へ続く・・。

写真全て/ OLYMPUS OM-D E-M5, M. Zuiko Digital ED 9-18mm F4.0-5.6 & M. Zuiko Digital 14-42mm F3.5-5.6 II R
2013年1月26日 福島県いわき市 アクアマリンふくしま

photombo at 22:55│ 雑記 | 国内遠征
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