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2017年09月

この秋も

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オオルリボシヤンマ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 300mm F4.0 IS PRO.

秋晴れの空の下、新潟へ日帰り取材に。3時間半のドライブを経て目的地に到着すると、オオルリボシヤンマが悠々と青空を舞っていました。本当に写真映えするトンボです。

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オオルリボシヤンマ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 300mm F4.0 IS PRO.

これまであまり良いチャンスに恵まれなかったのがウソのように、今シーズンはあちこちでオオルリボシヤンマの良いシーンに巡り合えました。その要因のひとつは、間違いなく新しい撮影機材。E-M1 Mark IIと300mm PROレンズの組み合わせが、こうした場面をいとも簡単に切り取れるようしてくれました。

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オオルリボシヤンマ 産卵する♀
/ OLYMPUS OM-D E-M1 , KIPON マウントアダプター EF- MFT AF, Canon EF 8-15mm F4L Fisheye, マクロフラッシュSTF-8.

そして産卵するメスたちも、今日は間近で撮れました。2枚目は翅の下にレンズを潜り込ませるぐらいの距離感。いつ逃げるかというドキドキも、撮影をいっそう楽しいものにしてくれます。

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オオルリボシヤンマ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 300mm F4.0 IS PRO.

そんなオオルリボシヤンマですが、さすがにもうシーズン終盤。多くの個体は翅が破れたりして、老成した姿を見せています。この秋も、楽しませてくれてありがとう。

2017年9月30日 新潟県

たわわ

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オオアオイトトンボ ♂
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 12-40mm F2.8 PRO.

たわわに実をつけたカキの木と、そこで縄張りを張るオオアオイトトンボ。

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オオアオイトトンボ 連結産卵
/ OLYMPUS OM-D E-M1 , KIPON マウントアダプター EF- MFT AF, Canon EF 8-15mm F4L Fisheye, マクロフラッシュSTF-8.

夕暮れ時、水辺に生えた木々の枝に止まり、産卵するオオアオイトトンボのカップル。生木の樹皮に産卵する、トンボとしては珍しい生態を持ちます。

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オオアオイトトンボ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 40-150mm F2.8 PRO + MC-14.Nissin i40.

他のカップルがいると、そこに集まって産卵する習性があるため、ときにはこんなシーンも。

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/ OLYMPUS OM-D E-M1 , KIPON マウントアダプター EF- MFT AF, Canon EF 8-15mm F4L Fisheye, マクロフラッシュSTF-8.

オオアオイトトンボは日没後も暗闇の中で産卵を続け、長いものでは翌朝になっても産卵していることが知られています。恥ずかしながら、僕はまだ夜間の産卵を撮影できていないのですが、そろそろ狙ってみたい・・・。

2017年9月29日 静岡県東部

渋い黒

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サトユミアシゴミムシダマシ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 , KIPON マウントアダプター EF- MFT AF, Canon EF 8-15mm F4L Fisheye, マクロフラッシュSTF-8.

大きな池のほとりを歩いていると、1本の棒杭を黒い虫が昇り降りしているのが目に入りました。遠めにはクワガタのメスのように見えましたが、近づくにつれてずっと脚が長いことが分かりました。サトユミアシゴミムシダマシのようです。

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サトユミアシゴミムシダマシ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro, マクロフラッシュSTF-8.

ゴミムシダマシとしては非常に大きく、体長が2.5cmほどもあります。ユミアシの名は、前脚の脛節が弓なりに湾曲していることから、だそうですが、この写真ではよく分かりません。撮り方に工夫が必要でしょうか。

艶消しの、どこか皮革製品にも見えるような渋い黒。その質感に魅せられます。

2017年9月25日撮影分 静岡県西部

遠く

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マダラヤンマ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 300mm F4.0 IS PRO.

ふたたび信州へ。狙いはこのトンボの産卵シーンでしたが、1日待ってチャンス2回。いずれも茂みに潜り込まれ、胴長で池に入って追いかけるも、直前で逃げられて撮れずじまい。

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マダラヤンマ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 300mm F4.0 IS PRO.

かろうじてオスの飛翔は採れたものの、交尾すら見かけずに終わってしまいました。今シーズンのマダラヤンマは手ごわかった。

片道約3.5時間の道のり。帰りは自宅がやけに遠く感じました・・・。

2017年9月27日 長野県

[ マダラヤンマを撮るなら ]

八つ当たり

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オオスズメバチ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II , KIPON マウントアダプター EF- MFT AF, Canon EF 8-15mm F4L Fisheye, マクロフラッシュSTF-8.

季節の進行とともに、樹液の出る木がいよいよ少なくなってきました。

残り少ないそんな木の周りには、スズメバチが飛び交っています。ここもほんの1cmほどの樹皮の裂け目から、わずかな樹液が出ているポイント。当初は大きなオオスズメバチが1頭で独占していましたが、やがてもう1頭、明らかにこぶりの個体がやってきました。コガタスズメバチ?と思うほどのサイズ差でしたが、よく見るとこれもオオスズメバチ。先にいた個体と挨拶を交わし、仲良く樹液を貪ります。

ところが、あまりに樹液の出が悪いせいか、大きな個体が小さな個体に対して「あっち行け!」と言わんばかりに何度も頭突きのような行動を。すると小さな個体はイライラが限界に達したのでしょうか、なんと目の前にいる大きな個体ではなくて、そばで構えている僕のカメラに飛びき、攻撃をしかけてきたのです。こりゃ完全に八つ当たりです。

これにはとても驚きました。なぜならオオスズメバチは餌場では大人しいのが普通で、今まで攻撃を受けたことはほとんどありません。しかしこの小さな個体は1度ならず2度、3度とこちらを威嚇してきます。徐々にそれは激しさを増し、カメラよりも僕を狙い始めたので、さすがにこれはヤバイと引きあげることにしました。

最後の一度などはパン!という音と共に肩にぶつかってきたので、針が刺さらなかったのは運がよかっただけかもしれません。彼女らを刺激しないようにゆっくり後ずさりする間も、体を左右に揺らして距離を測りながら、追いかけてくるオオスズメバチ。久々に変な汗をかきました。

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アブラゼミ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II , KIPON マウントアダプター EF- MFT AF, Canon EF 8-15mm F4L Fisheye, マクロフラッシュSTF-8.

ターゲットをアブラゼミに変えて。こちらは平和そのもの。まだかなりの数が残っていて、晴れた日中にはミンミンゼミやツクツクボウシとともに、元気に合唱しています。

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オオカマキリ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II , KIPON マウントアダプター EF- MFT AF, Canon EF 8-15mm F4L Fisheye, マクロフラッシュSTF-8.


樹上から、文字通りの上から目線で威圧感たっぷり。大きなお腹が目立ち始めたオオカマキリ。こういう姿を見ると、秋が深まっていくのを実感します。

2017年9月26日 神奈川県藤沢市

時間切れ

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ベニイトトンボ 連結態
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro, STF-8.

真夏を思わせる陽射しの中、静岡方面へ足を延ばしました。すっかり日も傾いた午後の水辺に、ベニイトトンボのカップルが。産卵を始めるのではないかと待機していたのですが、この直後に連結を解いてしまいました。時間切れだったようで残念。

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ベニイトトンボ ♂
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro, STF-8.

低い角度からの陽射しを浴びて、半ば透けて見えるオス。同属のキイトトンボに比べ、遅い時期まで活動しているベニイトトンボ。今年もまだチャンスはありそうですから、次はもう少し早い時間帯に訪れてみましょう。

2017年9月25日 静岡県西部

つんのめる

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P9240581
ギンヤンマ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 40-150mm F2.8 PRO + MC-14.

先の台風の影響で迷入種でも来ていないかと、海岸からさほど遠くない水辺を散策しました。しかし本命は見つからず、やたらと目に付いたのはギンヤンマ。例年8月下旬に一気に増えるのですが、その理由は在来個体群の2化目に加え、やはりこれも、南方から台風などに乗って多くの個体が流入しているのだと思います。

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ギンヤンマ 連結産卵からの飛び立ち
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 40-150mm F2.8 PRO + MC-14. プロキャプチャーモード(L).

もう9月下旬ということもあり、今日はすこし擦れた個体が多かったのですが、いろいろ面白いシーンが見られました。プロキャプチャーモードで狙った、連結産卵からの飛び立ち。水しぶきがすごい。

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ギンヤンマ 連結産卵からの飛び立ち
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. Zuiko Digital ED 40-150mm F2.8 PRO + MC-14. プロキャプチャーモード(L).

ほとんどのケースでメスが先に離陸するため、こんなふうにオスがつんのめることもしばしば。それでもこの状態から墜落せず、体勢を立て直して飛んでいくのですから、やはりトンボの飛翔能力というのは素晴らしいものがあります。

2017年9月24日 神奈川県茅ヶ崎市

暗い沢

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P9220505
キイロスズメバチ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II , KIPON マウントアダプター EF- MFT AF, Canon EF 8-15mm F4L Fisheye, マクロフラッシュSTF-8.

上空を木に覆われた暗い沢に入ってトンボを探していると、足元から黄色い影がいくつも飛び立ちました。キイロスズメバチです。どうやら川岸に水を飲みに来ているよう。しばらく観察していると、次から次へとひっきりなしにやってきては、着地してから10数秒ほど吸水し、また飛んでいきます。

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キイロスズメバチ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II , KIPON マウントアダプター EF- MFT AF, Canon EF 8-15mm F4L Fisheye, マクロフラッシュSTF-8.

その着地や飛び立ちの様子をなんとか撮ってみようと、カメラを構えたのはよかったのですが、これが意外と難しい。

普段はやたらと攻撃的な彼女らが、なぜか水場ではたいへん臆病で、カメラを近づけると逃げてしまうのです。まるでハンミョウを撮るときのように、そっとそっと近づくのですが、そうしている間に吸水が終わって飛んで行ってしまったりと、なかなかうまくいきません。

それでも1時間ほどチャレンジしているうちに、数回だけよいタイミングでシャッターが切れました。うーん、場所によってこんなにもハチの性格?が変わるとは。

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これは!
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II , KIPON マウントアダプター EF- MFT AF, Canon EF 8-15mm F4L Fisheye, マクロフラッシュSTF-8.

ハチを撮ろうと水辺に這いつくばっているときに、変なものに気がつきました。ウサギの耳を思わせる透き通った何か・・・これは!

というわけで、マエグロハネナガウンカです。こんな場所にいるイメージがありませんでしたが、何をしているのでしょうか。しばらくシャッターを切っていると、ふいに何かに弾かれるようにピンッと飛び去りました。しまった、見失ったと思いましたが・・・。

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マエグロハネナガウンカ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II , KIPON マウントアダプター EF- MFT AF, Canon EF 8-15mm F4L Fisheye, マクロフラッシュSTF-8.

周囲を探すと、すぐ近くの木の幹に止まり、こちらを見下ろしていました。撮影する角度のせいか、あの美しい光沢が出ませんでしたが、見た目に近いのはこちら。しかしいつみてもヘンな虫。

2017年9月22日撮影 神奈川県藤沢市

消長

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P9220240
ノコギリクワガタ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II , KIPON マウントアダプター EF- MFT AF, Canon EF 8-15mm F4L Fisheye, マクロフラッシュSTF-8.

9月も下旬に入り、雑木林を歩いた時の樹液臭も、微かなものとなりました。それでもクヌギやコナラを1本1本チェックしていくと、おお、いたいた。立派なノコギリクワガタです。

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ノコギリクワガタ
/ OLYMPUS OM-D E-M1, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro, FL-LM2.

湘南では6月下旬ころから出現するノコギリクワガタですが、いわゆる真夏にはその姿がぐっと減ります。そして9月に入るとまた数が増えてきて、10月いっぱいまで活動するという、不思議な出現のしかたを見せます。

これには、真夏のあいだ樹液酒場を独占する、カブトムシとのバッティングを避けているという説があるのですが、その消長を見ていると、なるほどと思うことが多々あります。

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コクワガタ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II , KIPON マウントアダプター EF- MFT AF, Canon EF 8-15mm F4L Fisheye, マクロフラッシュSTF-8.

人影を見るとスタスタ逃げ出すコクワガタ。ノコギリに比べるとかなり臆病で神経質な印象を受けます。

撮影中、ブーンと嫌な羽音がしたと思ったら、クワガタの背後に黄色い影。さいわいすぐにどこかへ飛んでいきました。

P9226544
コクワガタ
/ OLYMPUS OM-D E-M1, M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro, FL-LM2.

かなり小ぶりで、どこか愛らしさを感じさせるオス。どちらの個体も樹液まみれです。この雑木林のコクワガタは、5月に入ったあたりから10月下旬までその姿を見せてくれます。

だんだん秋めいてきた湘南の雑木林ですが、クヌギやコナラに細々とでも樹液が出ている限りは、まだ彼らが楽しませてくれそうです。

2017年9月22日 神奈川県藤沢市

邪魔者

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P9110419
何がいるかな・・・
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II , KIPON マウントアダプター EF- MFT AF, Canon EF 8-15mm F4L Fisheye, マクロフラッシュSTF-8.

1本のコナラの木の根元。樹液が滲み出していて、あの虫が来ています。

実はまったくその存在に気づかなかったのですが、すぐ近くまで行ったところで、バサっと翅を開閉する姿を見、ようやく「あ、いたの!?」となりました。

P9110424
ルリタテハ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II , KIPON マウントアダプター EF- MFT AF, Canon EF 8-15mm F4L Fisheye, マクロフラッシュSTF-8.

その正体はそう、ルリタテハです。
見事な擬態ぶりで、じっとしていれば気づかれずに済むだろうに、なぜ翅を広げて自己主張してしまうのか。

観察していると、他のチョウやスズメバチが至近距離まで近づいてきたときに、「それ以上近寄るな!」と威嚇しているよう。どうやら僕も、完全に邪魔者扱いされたようです・・・。

2017年9月中旬撮影 神奈川県藤沢市

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