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2020年02月

香り漂う

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カシワオビキリガ* 交尾
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II、M. ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 macro. マクロフラッシュSTF-8.

梅花の香り漂う夜の林に、ふと見上げた枝に交尾中のカシワオビキリガ*。この枝自体は樹種不明な枯れ枝ですが、背後にたくさん花をつけた梅の木があったので、なんとか画面に入れようと四苦八苦して構図決め。

しかしそのまま撮ると梅花には光が当たらず、背景が真っ暗闇になってしまうので、マクロツインフラッシュの片方の発光部を手に持ち、花に向けて発光。もう一方はレンズに装着したままガを照らしています。簡易的なライティングですが、ある程度はイメージ通りに撮ることができました。とっさにこうしたことができるのも、ツインフラッシュの利点の一つです。

湘南の梅の花は、そろそろ盛りを過ぎつつあります。毎年のことながら、季節は駆け足で過ぎていきます。

2020年2月28日撮影 神奈川県藤沢市

*阪本優介さんに同定していただきました。

応用範囲の広いマクロツインフラッシュ

宵は三椏

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マエアカスカシノメイガ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II、M. ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 macro. マクロフラッシュSTF-8.

この冬何度目かの夜の観察へ。厳しい冷え込みもなく、だんだん春の気配が濃厚に。路傍に植栽されたミツマタ(三椏)が花を咲かせており、何か虫がきていなかと探してみると、マエアカスカシノメイガが吸蜜中。

ほぼ年中見られる普通種ですが、この気品に満ちた佇まいはとても魅力的。ミツマタの花もよく似合っています。

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シロテンエダシャク
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II、M. ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 macro. マクロフラッシュSTF-8.

次に現れたのはシロテンエダシャク。口吻を伸ばして吸蜜している様子がよくわかります。

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シロヘリキリガ*
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II、M. ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 macro. マクロフラッシュSTF-8.

最後はシロヘリキリガ*。翅の色模様がミツマタの花と相まって、どこか妖艶な雰囲気さえ漂わせていました。

仲春の季語でもあるミツマタの花はこれからが盛り。きっとまた色々な虫たちがその花を訪れ、艶やかな姿を見せてくれることでしょう。

* 阪本優介さんに同定していただきました。

2020年2月28日 神奈川県藤沢市

昆虫のすごい世界へ・・・

動き出す

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シロテンエダシャク
/ OLYMPUS TG-5, フラッシュディフューザー FD-1.

雑木林を散策していると、擬木の杭に大きめのガが。なんとなく見覚えあるけど、なんだっけ・・・と答えが出ないまま帰宅し、僕の蛾の先生である阪本優介さんに質問すると「シロテンエダシャクの変異です」と即答いただきました。もう春のガの出番。

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ゴマフリドクガ 幼虫
/ OLYMPUS TG-5, フラッシュディフューザー FD-1.

ヤツデの葉の裏では、ゴマフリドクガの幼虫がまだ越冬中。ヤツデは食草ではないはずなので、本来の食草が芽吹く頃に移動するのでしょう。もうしばらくの辛抱かな。

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ヨコヅナサシガメ 幼虫
/ OLYMPUS TG-5, フラッシュディフューザー FD-1.

一方で、活発に歩き回っていたのはヨコヅナサシガメの幼虫。イモムシやケムシを喜んで捕食する連中です。南方系の外来種ですが、在来の虫たちよりも先に動き出すとは恐ろしい・・・。

2020年2月27日 神奈川県藤沢市

昆虫撮影に最適なコンデジとフラッシュディフューザー

釘付け

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ユスリカの一種
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II、M. ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 macro. マクロフラッシュSTF-8. トリミング.

水辺に張り巡らされた金属製の手すりの上に小さなユスリカが。一見すると黒く地味な虫でしたが、マクロレンズで拡大してみると、ふわふわとした羽毛のような触角と、構造色で虹色に輝く翅がとても美しい。

しかしこれが意外に敏感で、もう少し大きく写そうと近づいた途端、サッと飛んで逃げてしまいました。仕方なく他を探すと、すぐにまた別の個体が。

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ユスリカの一種と・・・
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II、M. ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 macro. マクロフラッシュSTF-8. トリミング.

しかも今度は近づいても逃げません。いいモデルを見つけたなとファインダーを覗きましたが、なんだか様子がおかしい。ユスリカの胸のあたりに何か見えます。ダニ?

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テングダニに襲われるユスリカの一種
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II、M. ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 macro. マクロフラッシュSTF-8. トリミング.

拡大してみるとやはりダニがいて、しかも尖った口先でユスリカを刺しているようなのです。びっくりして調べてみると、このダニはテングダニという捕食性のダニで、小さな昆虫などを襲って食べる種類なのだとか。テングの名はその尖った口先を天狗の鼻に見立てたもののよう。

それにしても、これほど小さなダニが自分の何倍もありそうなユスリカを捕食しているのには驚きました。ユスリカもユスリカで、なんとか逃げるなり抵抗するなりできなかったのかと思ってしまいます。

しかし推理してみるに、ダニは気づかれないようにゆっくりゆっくりと近づいてそっと口先で刺し、その瞬間にユスリカは動けなくなってしまったのでしょう。手すりの上で繰り広げられる小さきものたちのドラマに、すっかり目が釘付け。

東京都西部

手すりの虫といえばコレ!- 手すりの虫観察ガイド -

南向き

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キタテハ
/ iPhone XR

一年を通して日当たりの良い南向きの斜面。こうした場所はその周囲の似たような環境と比べても、昆虫や植物の発生が早いようです。それだけ日照や気温といったものが彼らに与える影響は大きいのでしょう。まだ2月だというのに活発に飛び回るキタテハたち。

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クビキリギス
/ iPhone XR

クビキリギスもあちこちに。ときおり他個体と干渉するのか、ギチチッという弱い鳴き声まで聞こえてきます。さて次にここを訪れる時は、どんな虫たちが顔を見せてくれるでしょうか。まだ何度も寒の戻りはあるでしょうが、徐々に徐々に、春めいてきた湘南の里山。

それにしても今のスマホはよく写ること・・・

2020年2月23日 神奈川県

スマートフォン向けマクロレンズ / 広角レンズなど

領域

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イシノミの一種(オカジマイシノミ?)
/ OLYMPUS TG-5 tough + フラッシュディフューザー FD-1.

クヌギの樹皮で見つけたエビのような昆虫、イシノミ。樹皮の凹凸の間に体を隠しながら、時折りササッと走るように素早く移動します。過去に見たイシノミ類に比べるとずんぐりした太めの体型で模様が不鮮明。オカジマイシノミという種類ではないかと思いますが、どうでしょうか。

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イシノミの一種(オカジマイシノミ?)
/ OLYMPUS TG-5 tough + フラッシュディフューザー FD-1.

イシノミの仲間は面白い顔をしているので(失礼!)、ググッとアップで狙ってみました。これはTGシリーズに搭載されている「顕微鏡モード」と「超解像ズーム」を組み合わせた超高倍率での撮影。ブレを抑えるためにストロボを使い、専用ディフューザーFD-1で光を拡散することで、レンズ前1~2cmの被写体もしっかりライティングできます。

ここまでの倍率になると、通常の一眼カメラとマクロレンズとの組み合わせでも撮ることができない特殊撮影の領域。それが今や片手に持ったコンパクトカメラでパッと撮れてしまうのですから、すごい時代になったものです。

2020年2月24日 神奈川県

接写ならこれ一択!の防塵防水タフカメラ


TGシリーズ専用のフラッシュディフューザーFD-1

気合

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テングチョウ
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO + MC-14.

地元の里山を散策していると、どこからか風に吹かれた1枚の枯葉がビューン!と飛んできました。そしてそれは数m先の細い枝にピタリと着地。あれ、と思うまもなく見覚えのあるシルエットがふわりと翅を広げ、鮮やかなオレンジ色が目に飛び込んできました。テングチョウ。

いまだ真冬に越冬している姿を見たことがないのですが、例年この時期にはちゃんとこうして見かけるようになります。どこで冬を過ごしているのか・・・

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クビキリギス

真冬の居場所がわからないといえば、このクビキリギスもそう。成虫越冬するキリギリスの仲間で、やはり早春になると丈の短い草地に現れるのですが、厳寒期にそれらしい場所を探してみても、ほとんど見つかることはありません。かと思えば気温ひと桁の夜にフユシャクを探して歩いていると、ふいに街灯の下にいたりして、どうにもつかみどころのない虫と言えます。

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キタテハ

今日は日当たりのよい草地で多くみられたキタテハ。こうした大きめの昆虫が活動を始めると、撮る側も気合が入るというもの。いよいよ春がそこまで。

2020年2月23日 神奈川県

おすすめ昆虫図鑑

運の尽き

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カニグモの一種
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II、M. ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 macro. マクロフラッシュSTF-8.

林床に積もった落葉をめくって虫探し。一枚のクヌギの枯葉をペロッと裏返すとクモの姿が。カニグモの一種、ヤミイロカニグモのメスあたりでしょうか。

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カニグモの一種 アリを捕食
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II、M. ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 macro. マクロフラッシュSTF-8.
トリミング.

さらに接近してよく見ると、どうやらお食事中の様子。食べられているのはアリのよう。カニグモは真冬でも出歩いているのを見かけることがありますが、アリは近頃の暖かさに誘われて活動をはじめたばかりだと思うのですが、そこでクモに見つかってしまったのが運の尽き・・・。

2月18日撮影分 神奈川県

クモの図鑑とハンドブック


ポケットサイズでも内容充実の昆虫図鑑

はずなのに

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クサカゲロウの一種
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro, FL-LM3.

街灯に飛んできていた、美しいクサカゲロウの一種。とりわけその妖しく光る複眼には、えも言われぬ魅力があります。なぜそんな色に。

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ホソウスバフユシャク(?)
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro, FL-LM3.

同じ灯りに来ていたInurois属のフユシャク。似たものが多くて難しいのですが、時期からしてホソウスバフユシャク、でしょうか。見分け方を覚えたはずなのに、1年見ていないのですっかり忘れています。そうです、毎年これの繰り返し・・・。

2020年2月20日撮影分 神奈川県藤沢市

光沢の強い昆虫も美しくライティング。ストロボディフューザー「影とり」


接写でのディフューザーの使いこなしをしっかり解説

シンプル

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ヒロバフユエダシャク オス
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro, FL-LM3.

久しぶりに夜の観察へ。曇り空の暖かな夜でしたが、すこし風があって虫の活性は低め。それでも桜の木を中心に、ヒロバフユエダシャクがいくつも見られました。晩冬に現れる大型の美しいフユシャクで、オスの翅はライトで照らすと白っぽく反射するので夜の林の中でもよく目立ちます。

しかしいざ撮ろうとすると、普段使っているマクロストロボの電池が切れており、替えの電池も車に置いてきてしまったことに気づきました。仕方なくカメラに付属してきた小型ストロボ、FL-LM3を直接カメラに装着してシンプルに1灯ライティング。それでもディフューザーを使ったこともあって、思いのほかよい仕上がりに。小さな外付けストロボでも持っていれば何かと役立つものです。

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ヒロバフユエダシャク メス
/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M. ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro, FL-LM3.

メスも数頭見られました。フユシャクのメスらしく、オスと同じ種類とは思えないこの姿。こうして背面から撮ると、痕跡程度に残った翅の様子がよくわかります。

コーリングや産卵をしている個体もいましたが、残念ながら交尾は見られずじまい。こればかりはタイミング次第なので、もう何度か通うしかなさそうです。

2020年2月20日 神奈川県藤沢市

内蔵・小型ストロボでも美しくライティング。ディフューザーの定番「影とり」

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