心の詩

2020年04月08日

引き寄せてトゥナイト

主要道路を歩くボク達の左手にザーホの街明かりが見える 道路は街より小高い所を走っていて殆ど全体を見下ろす形で歩いていた 
ボク「おいあそこに十字架が見える
ウイリアム「あぁ 教会だぜありゃ」 

トルコに入ってから時々話題にしていた事があった

テントをタダで手にして以来本気で願えば叶う引き寄せの法則ってあるかも知れないと考え始めたボクはウイリアムに叶えたい願いドンドン出していこうと伝え それ以来出てくる願いと言えば大型トレーラーをヒッチハイクしたい(引き寄せ済み)とか モスクで寝たい(引き寄せ中)とか誰がカメラちょうだい(図々しい)だ 

ウイリアムはそんな都合のいい話あるかぁって信じてないがテントが欲しくて立ち寄って来た全ての街のアウトドア用品店やデパートを探し歩いて強い気持ちを持ち続けた結果叶ったんだ 残りの願いも叶うと強く信じつつ今はあの教会を引き寄せる

一旦下ってから街外れの段を上がり丘の上の十字架のふもとに来た時教会の鉄扉の前に沢山のカギをジャラジャラさせながら灯りの下でキーホルダーを持つ子供がいた キーボーイは教会の小間使いで英語が喋れなかったがすぐ同学年の仲間(小間使い)が数人集まって来てコミュニケーションが取れ それによってボク達は責任者のいるすぐ近くの教会会館へ案内されG5首脳会談のような部屋のG7首脳会談のような椅子に腰掛け紅茶を飲みながら神父の自慢話など聞かされて終始和やかな雰囲気の中で今晩の寝床を引き寄せた

「貴方はカトリック教徒ですか?」という神父の質問にバッサリNOと答えた瞬間の神父の眉がピクリとした時はしまったと思ったがYESとも言えない 神様を信じてる気持ちはカトリックだろうがムスリムだろうが関係ないとそう思ってバッサリ言った 

その点ウイリアムの方なら母ちゃんがイタリアーナで敬虔なカトリックの家庭で育ってる 奴もガキの頃は母ちゃんとミサに言ってたみたいだけど今は縁遠い位置にいて神父と話しながら罪の意識が浮かんでいたといった 

ボク「お前神様信じてないの」 
ウイリアム「そういうわけじゃない オレのおばさんで霊感の強い人がいて不思議な話は何度か聞かされたし神様も霊魂も否定はしない でも神ってなんだ創造者っていうからにはオレ達が知ってるモノ知らないモノ全てを創り動かしてるってことだ つまりオレ達は神の手の内ってことだろ それで祈りに何の意味があるんだって思うようになった」 

ベッドの中でウイリアムはそんな話をしてた ザーホの夜も一段冷え もっと南へ下りたいとボクは思っていた
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にぎやかなザーホの繁華街

つづく


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photon_5d at 15:51|PermalinkComments(0)

2020年02月28日

満月にほえろ! 中編

戦わずして双方暮らせる道はないのか····
(映画もののけ姫より抜粋)

トルコって思ったより込み入っている 初めにそう思ったのはウィキペディアが開けなかった時 カースって街にいた時だ(でもURLの先頭www.の後に数字の0を付けろと教えてもらった)

その町外れに古代アルメニア王国の史跡が残っていてウィリアムが行きたいって言うから下調べしようとして発覚した ウィキれなくするって調べられると困る事が書いてあるってことかトルコはあからさまに国民に間違った歴史を教えているのだろうか(というより捉え方の違いだ)

イスラム教なんだ ボクたち日本人と常識も日常も違うんだ理解出来ない事は沢山あると思う(タブン) でもこれから行こうとしているハッサンキーフという村は太古の昔に壁に大きな穴を開けて人が住んでいた形跡と歴史があるが1年後にはダムの底に沈むというんだ

なんでまたそんな貴重な土地(日本で言ったら京都か)を沈めなきゃならないんだ何でも地理学的にエネルギーが溜まりやすいのか水力発電にモッテコイの場というが····

モハメッドの家には2泊することにして最後の夜はボクが料理を作ったウイリアムは毎日美味しいご飯をお母さんに作ってもらって育ったろうから片付け係モハメッドは高級紅茶をトルコの専用のヤカンとポットを使って正しい淹れ方ってやつでご馳走してくれて 次の街ディヤルバクルに住んでいる大親友のアリーという男を紹介してくれた彼はすぐさまアリーに電話すると2日後にオレの兄弟が到着するから丁重にもてなしてくれと英語で話しアリーは電話の向こうで了解してくれた 電話を切った後でモハメッドは言った「クルドの事を知るならディヤルバクルは外せない」

そこはかつてアルメニアの王国があり旧市街の周りには世界第2位の長さを持つという高い城壁が張りめぐらされているクルド人にとっての故郷と言われる街だった

つづく

なぜかは知らない
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photon_5d at 07:04|PermalinkComments(0)

2017年05月27日

のんちゃん

夢を乗せて 未来乗せて
走り続けよう 君を連れて行こう‥‥

思うことならいつもおんなじさ
君と好きだというこの気持ちだけさ

夜も朝も昼も雨も雪も
君のいる所へは来ないのさ

心ドキドキ 気持ちワクワク
涙キラキラ 手と手ポカポカ 

素直でいよう 隠さないよう
口づけしよう 見つめていよう

君の光 心のヒカリ
包まれて 喜び
今君のもとへ‥‥

ジュースを買おうと自動販売機の前に立ったら‥‥

いつも缶コーヒーを選ぶボクの人差し指のすぐ下に今は のん こと
改名した能年玲奈がカルピスを片手に握ってボクを見つめている
人差し指に力を入れさせない そのつぶらな眼差しは明らかに何かを訴えていたよ

カルピス買えってことか

カワイイけどね そんなに見つめてもボクは買わないよ
買って欲しいなら それ相応の顔ってものがある(どんな顔だよ)
でも君の顔は どちらかというと買うの?買わないの?って顔だ
っていうか‥‥飲むの?飲まないの? か
っていうか‥‥カルピス持ってるだけで何も要求してない顔だ
そんな風に見えてきた

私は、好きだから。

ポスターにはそう書かれている

えぇっ ボクでよければよろしくお願いします(ちがうちがう)

それにしてもカワイイ‥‥無欲の眼差しというか微笑というか
そんな顔してくれてるだけで もうカルピスいらない
ボクはその笑顔を見るためだけで幸せに生きてける
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小一時間向き合っていた問題のポスター

そんな女の子がボクの目の前にいるぞ

随分長い間ボク達は見つめ合って語り合っていた
もう自動販売機の前に座り込んでいるボクの時間は永遠だ
そして 途中で誰かジュースを買いに来てボク達の仲を切り裂こうものなら
今のんちゃんと大事な話をしてるんだから邪魔するなぁって怒っていただろう

きっと都会じゃこんなことしてたら通報されちゃうかもしれないけど
ボクとのんちゃんのいる所は東京のようにゴミゴミしたところじゃないからセーフ 丁度のんちゃんの後ろの風景みたいな所だ セーフに任せていると自分の変な所がどんどん浮き上がってくるけどなんにも変なことなんて ありはしないのだ(逆切れ)

ポスターは人に見てもらうためのものじゃないか(そうだ)
気になるんだから気にして何がいけないんだ(そうだ)

カワイイ女の子がいたらカワイイって言えばいいじゃないか見つめ続けていいじゃないか

それだけなのに気持ち悪がられたり気分を害して 事件にまで発展する都会は
人が多すぎるからいけないのだ こんなすごいポスターに都会じゃ気が付かないのもあわただしい毎日のせいか

ボクはのんちゃんにそんな疑問も投げかけたよ

でものんちゃんはただ 笑ってくれていた

その笑顔と一緒にこぼれてくる温かさや 優しさや緊張をほぐしてくれるアルファ波なのかマイナスイオンなのか 放射されるエネルギーこそ女性の持つ癒しの力と魅力と気付かせるのんちゃんに頷きにやけるボク

そして男にとって それが一番必要なリラックスの源だ
仕事で疲れても 嫌なことがあっても狩りに出かけて獲物が取れない日だったとしてもみんな忘れさせてくれる 女性の持つ大切なエネルギー
もう絶対に 悲しませちゃダメと のんちゃんに頭を下げ未来を担う若者達に向けて冒頭の詩を カルピスではないジュースを飲みながら作った
メロディーをつけるのは君達だぞ

おわり


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photon_5d at 18:33|PermalinkComments(0)

2012年09月11日

特技

30歳を過ぎた辺りからボクには特技と呼べるものが身に付いた

それもいくつかあるのだけれど、何と言っても一番は

蜘蛛の巣に引っかかることだ

まぁ 大体一日多い時で5回か6回

外に出ない日は引っかけられることもないが 外に出ると必ず引っかかるようになった

不思議なのは蜘蛛の巣が張ってありそうな藪とか
細い路地とか 神社や寺の参道や境内などではなく
割と大きな道路を歩いている時や 自転車で通過するときにやられることだ
そしてさらに不思議なのは その蜘蛛の巣ポイントを
ボクより前に通っている人がいるにもかかわらず
ボクが通ると引っかかること

酷い時になると たかだか5mくらい先をボクより先に通過した人がいるのに
その人は何事もなく通過して ボクが後ろからその場所を通過すると
あの超うっとおしい見えないネバネバの糸が
鼻先や目元や頬のさらっとしたところに絡まってくる

これは特技以外何物でもないだろう だが待てよ

一日5 6回蜘蛛の巣にかかる人など案外多いのかもしれない
引っかかっていながらも 取り立てて話題にするほどのイベントにならないから
誰も口にしないだけだとしたら・・・
実際ボクもこんなつまらない話はしないし

と考えたらもう一つ違う特技も言っておかずにはいられなくなる

これも30歳を過ぎた頃から突然身に付いた

買い物をする時なんだが・・・
スーパーに行くとして 買い物かごを取って
一通り物色してカゴの中にポンポンと放り込む

すいてそうなレジを見つけて並ぶ お姉さん いらっしゃいませ と商品を打つ

金額がレジに出る

777円ですみたいな

ありゃ最初の頃は随分盛り上がったものだ 若さも手伝ってガッツポーズしながら
レジのお姉ちゃんに きたぁぁぁあ って
織田裕二みたいに叫んだりした

111円から始まり888円 999円 2222円などフィーバーで確変で連チャンしていくうちに
だんだん感動も薄れていく                 061
最初の頃はうれしくて記念にしていた昔のレシートはちょっと黄ばんでる

数がそろったところで どうと言う事でもないのだ
実際その日何かいい事があったという記憶もない

レジ打ちの仕事に携わっている人など 恐らく一日
数回は目撃しているだろうから
こっちが熱くなってもそのリアクションは思いの外冷静だ
その冷静なまなざしの奥で

まぁた出ちゃったよゾロ目・・・とか
おいおいそんな嬉しそうな目でこっちをみるなよ・・・

とか あんましさわぐなよ こっちも恥ずかしいんだよ・・・

とか涼しい顔の向こうで考えているんだろうな・・・なんて思う

となるとこれもあんまり優遇される特技ではないのかもしれない

と考えたらもう一つ別の特技をいわずにいられるかと言う事になる

これは40歳過ぎて目も霞んで老眼が始まったころからだ

噛んでるガムを飲み込むようになった
これは特技じゃないか・・・

となると 残ったのは歩いて遠くにいけるくらいか


おわり

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photon_5d at 15:03|PermalinkComments(0)

2012年04月18日

苦労を買う

流れが止まったのは置いといて…
そういえばこの間川崎のドラえもんミュージアムに行ってきた
001
大人も子供も楽しめるドラえもんミュージアム

ドラえもんを生み出したのは故藤本弘さんこと藤子・F・不二雄氏
自分も楽しめて みんなも楽しめるそんな漫画を描きたいと
願って生まれたドラえもん
悩んで苦しんで生まれた傑作は 世代を超えて多くの人に親しまれている
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ミュージアムの外壁に開いたのぞき窓

ドラえもんミュージアムに行くと 生前の藤本弘さんが出演していた番組を観ることができる

そこで藤本弘さん(以後ヒロシ)が言ってた言葉がボクの心を強く打った
インタビューアーが マイクを向けてヒロシに質問したんだ

もしも ドラえもんから道具を出してもらえるとしたら どんな道具が欲しいですか?

ヒロシは笑っていたよ それでこう答えた

(漫画を描くときに)悩まず どんどんアイデアが出てくる道具を出してほしいな
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沈んでいるジャイアン

005
浮き上がったイケメンジャイアン 

やっぱり相当苦しんで悩んで 漫画を描いているんだヒロシは‥‥って思った
それと同時に そんな道具ほんとは望んでいないんだヒロシは‥‥って思った
そして苦しみこそが 人間を生かす力であることを
誰より知っている人なんだと教えられたよ

そんなヒロシ 最後の最後まで苦しみ悩み描き続け
最後は机に向かって漫画を描きながらの
体勢で静かに息を引き取った
間違いなく幸せな最後だったろう‥‥お疲れ様でした

どんなに楽しい事ばかりを選ぼうと どんなに自由を望もうと
生まれて生きているボク達は苦しみから逃れられない
だけどもそれがいかに大事な苦痛だということを知る人は少ない
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ドラえもん映画第1作目に登場する恐竜ピー助 のび太が育てた
 
苦しまないと人を喜ばせることはできないのだろうね
沢山悩んで苦しみぬいた後の笑顔ってのはやっぱり人を幸せにするし
何だか安心させる
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ありがとうパーマンまたね

運命が人生を決めているといったって 何もしないでたどり着けるゴールはない
苦しい時はヒロシを思い出そう そしてボクもがんばろっと



おわり


photon_5d at 23:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0)