都市伝説

2020年05月31日

歯車 序章

ドホーク市の家族の家まで10キロあるかないかくらいのスメェルという手前の町で車を降りた

ここは運転手が住む町で今日はここまでしか行かないが今晩ウチに泊まって宴会して明日の朝ドホークに連れて行ってやると言う親切なクルド人運転手はイスラム教の開祖で預言者のムハンマドの誕生日が近づいてるからみんなで一緒に厳かにムハンマドを祝福しようじゃないかという雰囲気で招待してくれいて ボクは申し出についていく気満々だった

悪い人でないのは直観でわかるそれにこの小さな町も魅力的な名前だここら辺はシュメール文明が繁栄していた地域でスメェルとは日本のスメラミコトと同じ統治者という意だ 何かみっかるかもしれない(例えば十六弁菊花紋章のレリーフとか) そんな気持ちでウィリアムになんとかならないか訊いてみたのだけど···· 
あの時もし一人でスメェルの町に残ってウィリアムとは数日後に落ち合う事にしていたら こんなにガタガタに歯車が狂うことはなかった···· 

取り調べの順番が来るのを他の容疑者と一緒に座って待っている時ボクはそんなことを考えていた チャンスを逃したから運命が変わった どこからともなく送らてきたメッセージや心の高揚感を無視した事が原因となってひどい結末になった 全て心の弱さが招いた自分自身にボクは腹を立てていた

つづく

あるいは運命は変わってない
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photon_5d at 11:11|PermalinkComments(0)