2018アブハジア
2019年06月19日
その21 終わらない夜 後編
終わってしまったことをブチブチ言ってもしょうがないだろう‥‥
ボク「お前の言い分は分かる そしてその優しい気持ち 確かに両替するほどでもない
そのロシアルーブルを家族に感謝の気持ちで渡したかったかもしれないが
お前はこの家族の気持ちをちゃんと考える必要がある 彼らはそんなつもりで
お前を受け入れたのか?向こうの気持ちになって見れば失礼な話だ そして渡すタイミングも
間違えた お前は全部最初から間違っていた
」
とかなんとか大人ぶって酔いに任せて説教じみた話をボクはローマンにしていて
ローマンっていったらもうやけ酒気分でそうだよケーシーの言う通りだよ だけど
一旦出したモノを引っ込めるなんて‥‥できないよボク
うなだれてテーブルの縁に肩肘をついて2本の指でグラスを引っかけるような持ち方で
男は絶望感をつまみに酔いつぶれていた 隣のボクはというと
何だか前にも一度ベルギーの場末のパブのような吞んだくれの溜まり場で
ローマンの話を聞きながら説教していたことがあったんじゃないかって
ふとそんな気持ちになった
ローマン「ウィリアムはいいよ あんなにみんなと楽しくやって言葉も話せて
会話できてさ ボクにできる事なんてさ‥‥どうやってお返ししたらいいのか
‥‥彼らの親切をもらうばっかりで‥‥ヒック‥‥わかるだろケーシー
」

ウィリアムに惹きつけられている家族
分かるけどさぁ‥‥でもさぁ‥‥なんかいい解決方法ないものかなぁ‥‥って
考えならチビチビやっていたその時ウィリアムがボク達に向かってお前らさっきから
呑んでばっかりでなんだその閉鎖的な態度は って怒り出したのだ
親切な家族をないがしろにして それがお前らのこの家族に対する恩返しってやつか
突然の訪問でイヤな顔一つも見せずこの人たちはオレタチ一介の旅人にあらん限りの
もてなしで迎えてくれてるのにお前ら呑んでばっかりで
その上オレの目からはどう見たって陰気臭くなってる こっちまでシラケる とかなんとか‥‥
やべぇ‥‥ウィリアムの言ってること正しい でもこっちも一杯一杯だ‥‥確かにボク達
怠けているところある ウィリアムに任せっきりだった だって君あんまり盛り上げるの
上手いんだもん‥‥でも‥‥そしたらローマンの奴余計な一言‥‥
ローマン「君はロシア語がわかるからいいよ だけどボクはちんぷんかんぷんだもん
喋れない人の気持ちはわかるまい‥‥ヒック
」
ウィリアムはカチンときた
「そういう問題じゃない 気持ちの問題だオレがちゃんとしたロシア語を喋っていると
思ってるならそれはとんでもない間違いだ 他人のオレ達をこんなに温かくもてなして
くれてる家族の事をちゃんと考えたらとてもじゃないがオレはお前(ローマン)みたいに
厚かましく飲み食いできない オレの言ってることわかるだろケーシー?」
オレに振るのかぁ
ローマン「ボクだってこの家族の温かさを十分解ってるよ だからボクなりに出来ること
したかったんだよ でも作戦が失敗に終わって八方ふさがりなんだよ」
‥‥やべぇまた空気が淀んだ エムザーも感じているようだ 言葉なんかわからなくたって
この空気は世界共通
ウィリアムは気分悪いわ ってボクを誘って一服したいと表に出て行ってボクもタバコを
持って追いかけた
ウィリアム「すまないケーシー場をかき乱すようなことをしちまったよ でも言わずには
いられなかったんだ せっかく家族がオレタチのために料理を振る舞いワインをごちそう
してくれているのにあいつ一人ジメっとしやがって‥‥オレはどうするべきだった?黙って
いる方が賢明とお前は言うか?」
ボク「えー‥‥(何て言ったらいいか)いやウィリアムボクは言いたいことがあるなら
言うべきだと思う例え空気を壊してしまったとしても君の言動は何というか自然の
成り行きで つまり天災みたいなものだろ
」
ウィリアムはタバコを深く吸い込みながら落ち着きを取り戻したようだった
そこにエムザーも加わった 彼はマリファナを持っていた(農家あるある)
彼はちゃんと事の成り行きを把握している 言葉を超えて分かり合っている(と思う)
ウィリアムも決して感情的に怒ったのではなくてむしろ家族を慮っての言葉だ
しっかりして正義感がある‥‥ボクはこの26歳の男が好きになっていた
ローマンは24歳で同じ年代だけどウィリアムから見たら子供で弟的で愛情を持って
吐き出た言葉だ ボクにはできない強くて深い愛が込められているんだ
思い出せば初めてこいつと出会った時からボクはなんとなくウィリアムの中に
魅力を感じていて それは何だかよくわからなかったけどボクが持っていないモノを
持っている類の魅力だった‥‥それはボクが未だ理解しきれない愛だと思う 愛なんて
理解するものじゃないし考えても解らない気持ちだし恐らくウィリアムも理解していない
ものだろう‥‥体に沁み込んでいるものだ 愛をたっぷり注がれて育った人間だけが成せる
多分ボクとローマンは彼ほど愛の多い人生を生きて来なかったのかも知れない‥‥
マリファナがキマって宴の二幕が開け部屋に一人残っているローマン
(奴はタバコも吸わない)と合流して夜中の2時過ぎまで吞み続けて吸い続けて
子供達もママも全然眠ろうとしなくてみんなテンション上がりっぱなしで

カフカス地方の乾杯で第二幕が開く

午前二時の天使の寝顔
それで三時になってボクはもう眠ると一人テントに戻った(愛を知らないから)
エムザーは今日は眠らせないぞって眠りに就こうとするボクのテントを
揺さぶって子供みたいに無邪気にはしゃいでいたけどボクが出てこないから
諦めて戻っていった
ボクはテントの中でそれがおかしくてゲラゲラと
笑っていたものの本当に疲れていて明日の事を考えている
そしたらウィリアムがやって来てテントの外からボクに言った
「おいケーシー起きろ 起きやがれこのアンポンタン 何眠ろうとしてやがる
今日という日は二度とやってこないんだぞ もう二度と巡ってこないこの瞬間を
精一杯楽しまないでどうする?お前はそれでも旅人か?旅人っていうのは瞬間を
楽しむ人生を選んだ人間だ オレタチは旅人だろう明日のことなど考えるな今を生きろ
」
そう叫んで部屋に戻っていった
ボクは言葉を返さず目を閉じたのだけど奴の言葉は強く胸に突き刺さって
眠れなくなった
ちくしょう ボクはまた宴に参加した
つづく
悔しいけどお前は正しい
↓

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ボク「お前の言い分は分かる そしてその優しい気持ち 確かに両替するほどでもない
そのロシアルーブルを家族に感謝の気持ちで渡したかったかもしれないが
お前はこの家族の気持ちをちゃんと考える必要がある 彼らはそんなつもりで
お前を受け入れたのか?向こうの気持ちになって見れば失礼な話だ そして渡すタイミングも
間違えた お前は全部最初から間違っていた

とかなんとか大人ぶって酔いに任せて説教じみた話をボクはローマンにしていて
ローマンっていったらもうやけ酒気分でそうだよケーシーの言う通りだよ だけど
一旦出したモノを引っ込めるなんて‥‥できないよボク

うなだれてテーブルの縁に肩肘をついて2本の指でグラスを引っかけるような持ち方で
男は絶望感をつまみに酔いつぶれていた 隣のボクはというと
何だか前にも一度ベルギーの場末のパブのような吞んだくれの溜まり場で
ローマンの話を聞きながら説教していたことがあったんじゃないかって
ふとそんな気持ちになった

ローマン「ウィリアムはいいよ あんなにみんなと楽しくやって言葉も話せて
会話できてさ ボクにできる事なんてさ‥‥どうやってお返ししたらいいのか
‥‥彼らの親切をもらうばっかりで‥‥ヒック‥‥わかるだろケーシー


ウィリアムに惹きつけられている家族
分かるけどさぁ‥‥でもさぁ‥‥なんかいい解決方法ないものかなぁ‥‥って
考えならチビチビやっていたその時ウィリアムがボク達に向かってお前らさっきから
呑んでばっかりでなんだその閉鎖的な態度は って怒り出したのだ

親切な家族をないがしろにして それがお前らのこの家族に対する恩返しってやつか
突然の訪問でイヤな顔一つも見せずこの人たちはオレタチ一介の旅人にあらん限りの
もてなしで迎えてくれてるのにお前ら呑んでばっかりで
その上オレの目からはどう見たって陰気臭くなってる こっちまでシラケる とかなんとか‥‥
やべぇ‥‥ウィリアムの言ってること正しい でもこっちも一杯一杯だ‥‥確かにボク達
怠けているところある ウィリアムに任せっきりだった だって君あんまり盛り上げるの
上手いんだもん‥‥でも‥‥そしたらローマンの奴余計な一言‥‥

ローマン「君はロシア語がわかるからいいよ だけどボクはちんぷんかんぷんだもん
喋れない人の気持ちはわかるまい‥‥ヒック

ウィリアムはカチンときた

「そういう問題じゃない 気持ちの問題だオレがちゃんとしたロシア語を喋っていると
思ってるならそれはとんでもない間違いだ 他人のオレ達をこんなに温かくもてなして
くれてる家族の事をちゃんと考えたらとてもじゃないがオレはお前(ローマン)みたいに
厚かましく飲み食いできない オレの言ってることわかるだろケーシー?」
オレに振るのかぁ

ローマン「ボクだってこの家族の温かさを十分解ってるよ だからボクなりに出来ること
したかったんだよ でも作戦が失敗に終わって八方ふさがりなんだよ」
‥‥やべぇまた空気が淀んだ エムザーも感じているようだ 言葉なんかわからなくたって
この空気は世界共通

ウィリアムは気分悪いわ ってボクを誘って一服したいと表に出て行ってボクもタバコを
持って追いかけた

ウィリアム「すまないケーシー場をかき乱すようなことをしちまったよ でも言わずには
いられなかったんだ せっかく家族がオレタチのために料理を振る舞いワインをごちそう
してくれているのにあいつ一人ジメっとしやがって‥‥オレはどうするべきだった?黙って
いる方が賢明とお前は言うか?」
ボク「えー‥‥(何て言ったらいいか)いやウィリアムボクは言いたいことがあるなら
言うべきだと思う例え空気を壊してしまったとしても君の言動は何というか自然の
成り行きで つまり天災みたいなものだろ

ウィリアムはタバコを深く吸い込みながら落ち着きを取り戻したようだった
そこにエムザーも加わった 彼はマリファナを持っていた(農家あるある)
彼はちゃんと事の成り行きを把握している 言葉を超えて分かり合っている(と思う)
ウィリアムも決して感情的に怒ったのではなくてむしろ家族を慮っての言葉だ
しっかりして正義感がある‥‥ボクはこの26歳の男が好きになっていた

ローマンは24歳で同じ年代だけどウィリアムから見たら子供で弟的で愛情を持って
吐き出た言葉だ ボクにはできない強くて深い愛が込められているんだ
思い出せば初めてこいつと出会った時からボクはなんとなくウィリアムの中に
魅力を感じていて それは何だかよくわからなかったけどボクが持っていないモノを
持っている類の魅力だった‥‥それはボクが未だ理解しきれない愛だと思う 愛なんて
理解するものじゃないし考えても解らない気持ちだし恐らくウィリアムも理解していない
ものだろう‥‥体に沁み込んでいるものだ 愛をたっぷり注がれて育った人間だけが成せる
多分ボクとローマンは彼ほど愛の多い人生を生きて来なかったのかも知れない‥‥
マリファナがキマって宴の二幕が開け部屋に一人残っているローマン
(奴はタバコも吸わない)と合流して夜中の2時過ぎまで吞み続けて吸い続けて
子供達もママも全然眠ろうとしなくてみんなテンション上がりっぱなしで

カフカス地方の乾杯で第二幕が開く

午前二時の天使の寝顔
それで三時になってボクはもう眠ると一人テントに戻った(愛を知らないから)
エムザーは今日は眠らせないぞって眠りに就こうとするボクのテントを
揺さぶって子供みたいに無邪気にはしゃいでいたけどボクが出てこないから
諦めて戻っていった

笑っていたものの本当に疲れていて明日の事を考えている

そしたらウィリアムがやって来てテントの外からボクに言った

「おいケーシー起きろ 起きやがれこのアンポンタン 何眠ろうとしてやがる
今日という日は二度とやってこないんだぞ もう二度と巡ってこないこの瞬間を
精一杯楽しまないでどうする?お前はそれでも旅人か?旅人っていうのは瞬間を
楽しむ人生を選んだ人間だ オレタチは旅人だろう明日のことなど考えるな今を生きろ

そう叫んで部屋に戻っていった
ボクは言葉を返さず目を閉じたのだけど奴の言葉は強く胸に突き刺さって
眠れなくなった


つづく
悔しいけどお前は正しい
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2019年06月18日
その20 終わらない夜 前編
車は目的地の民家の目の前まで運んでくれて ゲートをくぐって
すぐにローマンがボクに言った
「ここに来たのは前回とても言葉では言い尽くせない親切な歓待を受けたからなんだ
ボクにお返しできるものといったら何もないけど‥‥」
と言って絵葉書セットを取り出しその中に挟み込んだお金を見せてこれをお土産に家族に
渡したかったと言った
「お金はボク達がこの家を出た後で気づいてくれるようにそっと隠す‥‥」

家の裏庭 広大なブドウ畑と家畜と果樹園

売り物の豚ちゃん
家族は大人数(パパママ男3女4)の田舎あるあるで玄関口に出てきてローマンとの
再会に喜んでいる モチロン関係ないボクとウィリアムにも
日も暮れてからの
アポなし押しかけでボクとウィリアムは恐縮しながら庭の一角にテントを設置している
と近所からも続々集まってきて見知らぬ観光客のボク達をテレビか映画の中から
現れた有名人を見るようなまなざしで少し恥ずかしそうに遠巻きで見つめている
ロシア圏を半年旅してロシア語を大分身につけた隊長ウィリアムが一生懸命打ち解けようと
彼らの笑いを誘っているのが眩しくボクの心に光を放っていた
家長のエムザーの第一印象はぶっきらぼうで寡黙な男だった
が宴が始まり自家製ワインで乾杯してママのごちそうが振舞われ吞み続けるうちに
思った以上にさばけている事が発覚した
顔からは分かりにくいが心はいたずら好きの子供っていう感じだ

乾杯するウィルとローマンと家長のエムザー
酔いが回る頃家族はウィリアムに任せてローマンとボクは食べて呑んで2人で会話していた
その内容があのお金のことだった
ローマン「ダメだ‥‥できない‥‥ちくしょうできないよボクには」
宴が始まる前 家に入るなりローマンはお金を挟んだ絵葉書セットを家族に
渡しちゃったんだ それですぐ見つけられちゃったんだな
翌日家を出る時渡せばよかったのに‥‥エムザーは戸惑って何だこの金は
と
ローマンに詰問してきた それで受取れないって言って‥‥気まずい空気が流れたんだ
それを打ち消すように乾杯が始まってローマンは突き返されたっていうか
テーブルの上に置かれたままになっている行き場のなくしたお金を見つめながら
ボクにはこのお金をひっこめる事なんて出来ないって
落胆していた
ウィリアムは盛り上げようとして子供達に英語を教えたり踊ったり歌ったりおどけて
ピエロを演じてる 昔役者養成学校に通っていたと言うだけあってパフォーマンスが
キレキレだった

子供をあやす一生懸命のウィリアム
でも勧められるワインを呑み続けみんな酔っぱらってきてウィリアムが宴の席で
突然怒り出した
つづく
みんなグデングデン
↓

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すぐにローマンがボクに言った
「ここに来たのは前回とても言葉では言い尽くせない親切な歓待を受けたからなんだ
ボクにお返しできるものといったら何もないけど‥‥」
と言って絵葉書セットを取り出しその中に挟み込んだお金を見せてこれをお土産に家族に
渡したかったと言った
「お金はボク達がこの家を出た後で気づいてくれるようにそっと隠す‥‥」

家の裏庭 広大なブドウ畑と家畜と果樹園

売り物の豚ちゃん
家族は大人数(パパママ男3女4)の田舎あるあるで玄関口に出てきてローマンとの
再会に喜んでいる モチロン関係ないボクとウィリアムにも

アポなし押しかけでボクとウィリアムは恐縮しながら庭の一角にテントを設置している
と近所からも続々集まってきて見知らぬ観光客のボク達をテレビか映画の中から
現れた有名人を見るようなまなざしで少し恥ずかしそうに遠巻きで見つめている

ロシア圏を半年旅してロシア語を大分身につけた隊長ウィリアムが一生懸命打ち解けようと
彼らの笑いを誘っているのが眩しくボクの心に光を放っていた

家長のエムザーの第一印象はぶっきらぼうで寡黙な男だった
が宴が始まり自家製ワインで乾杯してママのごちそうが振舞われ吞み続けるうちに
思った以上にさばけている事が発覚した
顔からは分かりにくいが心はいたずら好きの子供っていう感じだ

乾杯するウィルとローマンと家長のエムザー
酔いが回る頃家族はウィリアムに任せてローマンとボクは食べて呑んで2人で会話していた
その内容があのお金のことだった

ローマン「ダメだ‥‥できない‥‥ちくしょうできないよボクには」

宴が始まる前 家に入るなりローマンはお金を挟んだ絵葉書セットを家族に
渡しちゃったんだ それですぐ見つけられちゃったんだな
翌日家を出る時渡せばよかったのに‥‥エムザーは戸惑って何だこの金は

ローマンに詰問してきた それで受取れないって言って‥‥気まずい空気が流れたんだ

それを打ち消すように乾杯が始まってローマンは突き返されたっていうか
テーブルの上に置かれたままになっている行き場のなくしたお金を見つめながら
ボクにはこのお金をひっこめる事なんて出来ないって

ウィリアムは盛り上げようとして子供達に英語を教えたり踊ったり歌ったりおどけて
ピエロを演じてる 昔役者養成学校に通っていたと言うだけあってパフォーマンスが
キレキレだった

子供をあやす一生懸命のウィリアム
でも勧められるワインを呑み続けみんな酔っぱらってきてウィリアムが宴の席で
突然怒り出した

つづく
みんなグデングデン
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2019年06月14日
その19 迷信
白い鳩の話に戻ろう‥‥ウィリアムの願掛けに応じて現れたかのようなあの鳩
幸福と平和の象徴であることはスピ(リチュアル)界じゃ常識だ
そいつを信じボク達は勇んで車を捕まえ お祭り会場に立ち寄りもし
ローマンがお世話になった家族の住む家までその日の内に着くために
最善を尽くそうと一致団結していた‥‥でもみんな鳩の事はすぐに忘れた
に違いない(車を捕まえる事で頭が一杯
)
ヒッチハイクは難儀した 会場を後にして乗り継いだ車は3台
距離にして150㌔ 要した時間約6時間 その内道路に立っていた時間は4時間
くらい
始める前ローマンはバックパックから子供達へのお土産にとこれまでの旅で買い
集めてきた国旗の中からすでに購入済みのアブハジアを取り出し
「これを走ってくる車に見せながらヒッチハイクしようよ」とヒラヒラさせながら
2枚あるうちの1枚をボクに渡して微笑んだ

一台目の運転手
ボクはそいつを持っていた安全ピンで自分の胸に張り付け名案だと張り切って
始めた
それで首都のスフミまではわりかし簡単に戻ってくることが出来たのだけど
そこから流れが変わったのか旗を振っても全く停まってくれない

二台目の運転手は公安警察の上級職員で走り屋仕様の車に乗っている
やけに親切な男だった 途中きれいな水の流れる川へ観光がてらと立ち寄ってもくれた

アブハジア国の国旗
スフミまで乗せてくれた2台目の運転手はスフミの街を知り尽くしている
ような言い方で一番車を捕まえやすい場所に行くと街の外れまで運んでくれた
しかし結果的に止まったのはボク達の勢いのほうだった 運が尽きたのか‥‥
歩くにしてもまだ目的地まで100㌔弱残ってる 何としても停めてみせる
と国旗をはためかせているとさすが都会だ 珍しい生き物を見つけた時のような
視線ばかり通行人から集まってきた いいさ別に邪魔しないでくれるなら見たいなら
見てくれていいと先頭に立って旗を振りアブハジアバンザーイ
ってやってるボクの後ろからウィリアムが来て言った
「もうあきらめよう」
ローマンもやってきた「ここはダメな場所だよ歩きながら続けよう」
ボクは歩いていたって止まっていたって一緒じゃないかなぁと少し考えたけど
言う通りにした
旗は背中のリュックに張り付け4時間粘った場所を離れる事にした
ローマンは後ろ向きでやって来る車を見ながら歩き ボクはそのすぐ後ろで
多分停まんないだろうと思ってたけど間もなくローマンが気合で引き寄せた
ガーゥの家族の家の目の前まで連れて行くよと言ってもくれた
運転手はカップルで3カ月自家用車で旅をしているボクらと同じウクライナからの旅行者だった
ということはアブハジアの国旗を見て停まったわけじゃないのか‥‥
ともかくどうにかボク達はガーゥまでその日の内に着くことが出来たのだった

2人はあの白い鳩が象徴している平和で幸せで優しさ一杯のエネルギーを放っていた
もしかしたら鳩はこの事を暗示していたのか‥‥
つづく
かまうこたぁねぇ押しちまいな
↓

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幸福と平和の象徴であることはスピ(リチュアル)界じゃ常識だ

そいつを信じボク達は勇んで車を捕まえ お祭り会場に立ち寄りもし
ローマンがお世話になった家族の住む家までその日の内に着くために
最善を尽くそうと一致団結していた‥‥でもみんな鳩の事はすぐに忘れた
に違いない(車を捕まえる事で頭が一杯

ヒッチハイクは難儀した 会場を後にして乗り継いだ車は3台
距離にして150㌔ 要した時間約6時間 その内道路に立っていた時間は4時間
くらい
始める前ローマンはバックパックから子供達へのお土産にとこれまでの旅で買い
集めてきた国旗の中からすでに購入済みのアブハジアを取り出し
「これを走ってくる車に見せながらヒッチハイクしようよ」とヒラヒラさせながら
2枚あるうちの1枚をボクに渡して微笑んだ


一台目の運転手

ボクはそいつを持っていた安全ピンで自分の胸に張り付け名案だと張り切って
始めた

そこから流れが変わったのか旗を振っても全く停まってくれない


二台目の運転手は公安警察の上級職員で走り屋仕様の車に乗っている
やけに親切な男だった 途中きれいな水の流れる川へ観光がてらと立ち寄ってもくれた

アブハジア国の国旗
スフミまで乗せてくれた2台目の運転手はスフミの街を知り尽くしている
ような言い方で一番車を捕まえやすい場所に行くと街の外れまで運んでくれた
しかし結果的に止まったのはボク達の勢いのほうだった 運が尽きたのか‥‥

歩くにしてもまだ目的地まで100㌔弱残ってる 何としても停めてみせる

と国旗をはためかせているとさすが都会だ 珍しい生き物を見つけた時のような
視線ばかり通行人から集まってきた いいさ別に邪魔しないでくれるなら見たいなら
見てくれていいと先頭に立って旗を振りアブハジアバンザーイ

ってやってるボクの後ろからウィリアムが来て言った
「もうあきらめよう」

ローマンもやってきた「ここはダメな場所だよ歩きながら続けよう」
ボクは歩いていたって止まっていたって一緒じゃないかなぁと少し考えたけど
言う通りにした

ローマンは後ろ向きでやって来る車を見ながら歩き ボクはそのすぐ後ろで
多分停まんないだろうと思ってたけど間もなくローマンが気合で引き寄せた

ガーゥの家族の家の目の前まで連れて行くよと言ってもくれた

運転手はカップルで3カ月自家用車で旅をしているボクらと同じウクライナからの旅行者だった
ということはアブハジアの国旗を見て停まったわけじゃないのか‥‥
ともかくどうにかボク達はガーゥまでその日の内に着くことが出来たのだった


2人はあの白い鳩が象徴している平和で幸せで優しさ一杯のエネルギーを放っていた
もしかしたら鳩はこの事を暗示していたのか‥‥
つづく
かまうこたぁねぇ押しちまいな
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photon_5d at 16:52|Permalink│Comments(0)
その18 謎の記念日
車を捕まえにメインロードまで出てきたけどローマンとウィリアムは
喫茶店に入って景気づけに一杯やろうと話を進めていた
それで実際にヒッチハイクを始めたのはお昼近くだ 30分くらい頑張って乗り込んだ
車はミニバスで多分団体観光客を乗せて走り回るツアーバスだと思う
とてもキレイで広々スペース 乗り心地は抜群だったがボク達は目的地から外れた
運動場みたいな場所に連れていかれた

立派な門構えの運動場
すでに沢山の人が集まっていてお祭り騒ぎ 警察車両もいればTVクルーも駆けつけてる
し大統領も観覧に来ているとのこと
連れてこられたのも何かの縁だから
しばらく見学することにした
それにしても大変な数の人だ さぞかし大切な記念日なのだろう‥‥

ウマの競争が始まろうとしている所

横にいたローマンが大統領を探しに行こうと誘ってきてボク達は最も人が集まっている
野球で言ったらバックネット席のような眺めのいい所へ人混みをかき分けるようにして
向かう所

みんなこの日を楽しみにして来たのだな‥‥パーティーだ
大統領は見つからなかったけどボク達を珍しがる人で囲まれてすぐにTVカメラも来て
インタビューが始まって 旅行の目的とか国籍とかアブハジアはどんな国だと訊かれて
最後にカメラに向かってアブハジアの言葉でセリフを言わされた 短い言葉をローマンと
2人声を合わせて笑顔で叫んでオッケーをもらったが最後までその意味は解らなかった
多分アブハジアサイコーとかハッピーフェスティバルくらいの意味だと思う

キレイな緑色の目をしている美人キャスターにインタビューを受けているところ
時刻は昼の2時を回っていて今日中にガーゥまで戻る予定でいるボク達は
新たに車を捕まえるため運動場を後にした

運動場まで乗せてくれたドライバーとウィル
つづく
独立記念日ではないらしい
↓

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喫茶店に入って景気づけに一杯やろうと話を進めていた

それで実際にヒッチハイクを始めたのはお昼近くだ 30分くらい頑張って乗り込んだ
車はミニバスで多分団体観光客を乗せて走り回るツアーバスだと思う
とてもキレイで広々スペース 乗り心地は抜群だったがボク達は目的地から外れた
運動場みたいな場所に連れていかれた


立派な門構えの運動場
すでに沢山の人が集まっていてお祭り騒ぎ 警察車両もいればTVクルーも駆けつけてる
し大統領も観覧に来ているとのこと

しばらく見学することにした

それにしても大変な数の人だ さぞかし大切な記念日なのだろう‥‥

ウマの競争が始まろうとしている所

横にいたローマンが大統領を探しに行こうと誘ってきてボク達は最も人が集まっている
野球で言ったらバックネット席のような眺めのいい所へ人混みをかき分けるようにして
向かう所

みんなこの日を楽しみにして来たのだな‥‥パーティーだ
大統領は見つからなかったけどボク達を珍しがる人で囲まれてすぐにTVカメラも来て
インタビューが始まって 旅行の目的とか国籍とかアブハジアはどんな国だと訊かれて
最後にカメラに向かってアブハジアの言葉でセリフを言わされた 短い言葉をローマンと
2人声を合わせて笑顔で叫んでオッケーをもらったが最後までその意味は解らなかった
多分アブハジアサイコーとかハッピーフェスティバルくらいの意味だと思う


キレイな緑色の目をしている美人キャスターにインタビューを受けているところ
時刻は昼の2時を回っていて今日中にガーゥまで戻る予定でいるボク達は
新たに車を捕まえるため運動場を後にした

運動場まで乗せてくれたドライバーとウィル
つづく
独立記念日ではないらしい
↓

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2019年06月13日
その17 白い鳩
外人って基本的に朝からハイテンションだと思う
朝から大音量で音楽聴くのが好きだったり
酒好きで朝昼間から酔っぱらう
その日の気分に大きく流されるから前日決めた予定なんてすぐ翻ったりする
これらは全てウィリアムに当てはまるからそのように定義してみたら
ボクも相当いい加減な外人だと言う事に気が付いた
廃墟での翌朝ボク達は来た道を戻るという結論で合意した
昨晩のボクはローマンがどうしても行きたい所があるという話を聞いていて
そこはジョージアに戻る途中の村人の家で
ボクもお世話になったマムゥカ家族の住むガーゥの外れにあって往路でその家族に
一晩もてなしてもらったのでお礼を兼ねてもう一度立ち寄り
一晩過ごしたいのと主張していたこと
という事でガーグラがボクが来る事の出来たアブハジアの一番北の町となった
ロシアとの国境近くまで行きたかったけどビザ有効日数あと2日じゃ仕方ない
それで3人ともジョージアから入国しているのでジョージアに戻らなければならなかった
ロシアから入った人はロシアに戻らなければいけないのが決まりだそうだ
アブハジアの旅は終わろうとしていた‥‥
ウィリアムとローマンはいつも朝歯を磨く ボクは寝る前に歯を磨く どっちが
イイかっていったら断然寝る前に磨くのが歯にイイに決まってるじゃないか
(どっちかっていうより朝も夜も磨け
)

朝ごはんを済ませ荷支度しながら歯を磨いているバカ(≒敬称)
この後でステップを踏み踊りながら海に向かってボクに背中を向け歯を磨き何を思ったのか
大きな声で海に向かって叫び喋り出した
「ここからオレタチは帰り道にむかう ヒッチハイクの神様がいるならどうかオレタチに
幸運をもたらすようお願いしたい 振り返ってみたら楽なヒッチハイクじゃなかった気がする
だからお願いする今日は順調にオレタチをガーゥまで運んでほしい お願いします神様
聴いていたら返事を下さい 何かのサインを示して‥‥」
朝っぱらから何言ってんだこいつ
って眺めていたその瞬間突然白い鳩が
飛んできてウィリアムの目の前を飛びぬけていった
って驚いたんだけど 一番ビックリしたのは本人だ
「おいぃぃぃっ鳩が飛んで来た
神様が返事をした おい見たか今のケイシー
なんてことだ神様が‥‥オレタチを祝福したぞ
」
確かにボクも見た
というわけで本当に神様が返事をしたのかどうか検証する意味でこの日のヒッチハイクを
記してみたい でも次回
つづく

やつは恐らくこんなのをイメージしている
↓

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朝から大音量で音楽聴くのが好きだったり

その日の気分に大きく流されるから前日決めた予定なんてすぐ翻ったりする

これらは全てウィリアムに当てはまるからそのように定義してみたら
ボクも相当いい加減な外人だと言う事に気が付いた

廃墟での翌朝ボク達は来た道を戻るという結論で合意した
昨晩のボクはローマンがどうしても行きたい所があるという話を聞いていて
そこはジョージアに戻る途中の村人の家で
ボクもお世話になったマムゥカ家族の住むガーゥの外れにあって往路でその家族に
一晩もてなしてもらったのでお礼を兼ねてもう一度立ち寄り
一晩過ごしたいのと主張していたこと

という事でガーグラがボクが来る事の出来たアブハジアの一番北の町となった
ロシアとの国境近くまで行きたかったけどビザ有効日数あと2日じゃ仕方ない

それで3人ともジョージアから入国しているのでジョージアに戻らなければならなかった
ロシアから入った人はロシアに戻らなければいけないのが決まりだそうだ
アブハジアの旅は終わろうとしていた‥‥

ウィリアムとローマンはいつも朝歯を磨く ボクは寝る前に歯を磨く どっちが
イイかっていったら断然寝る前に磨くのが歯にイイに決まってるじゃないか

(どっちかっていうより朝も夜も磨け


朝ごはんを済ませ荷支度しながら歯を磨いているバカ(≒敬称)
この後でステップを踏み踊りながら海に向かってボクに背中を向け歯を磨き何を思ったのか
大きな声で海に向かって叫び喋り出した

「ここからオレタチは帰り道にむかう ヒッチハイクの神様がいるならどうかオレタチに
幸運をもたらすようお願いしたい 振り返ってみたら楽なヒッチハイクじゃなかった気がする
だからお願いする今日は順調にオレタチをガーゥまで運んでほしい お願いします神様
聴いていたら返事を下さい 何かのサインを示して‥‥」
朝っぱらから何言ってんだこいつ

飛んできてウィリアムの目の前を飛びぬけていった



「おいぃぃぃっ鳩が飛んで来た

なんてことだ神様が‥‥オレタチを祝福したぞ

確かにボクも見た

というわけで本当に神様が返事をしたのかどうか検証する意味でこの日のヒッチハイクを
記してみたい でも次回
つづく

やつは恐らくこんなのをイメージしている
↓

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photon_5d at 12:31|Permalink│Comments(0)