2018アルメニア
2019年03月14日
不便な旅 その最後 ありがとう
多分20㌔以上は歩いたはずだ(7時間は歩いてる)
でもギュムリはどこ
っていうくらい変わらない景色の中にいるボク

車もメッキリ通らなくなった片田舎のさびれたガソリンスタンド(閉店中)

道の端に咲く可憐な命
あぁボクには心なしか喜んで見えるよ 爽快な風に踊って揺れて
日の光を浴びて輝いてる草花と緑の木々
猛スピードで通り過ぎていたら絶対に感じられない命の声

ちゃんと生きているね よし と指さし確認
午後4時くらいだった‥‥突然車がボクの前方に停まる
タクシーではなさそうだぞ
多分休憩か運転交代かなんかだろう
通り過ぎようとしたら ドライバーのおじさんが何か言ってる
多分どこの国の人間だとか何してるんだと訊いているんだと思う
わからないけどとりあえず笑顔であいさつした
どうやら家族で移動しているようで後部座席にも助手席も女性と子供が座っている
会話が成立してないと分かった後部座席の女性が車から降りてきて英語を話し出した
あなた何してるの?どこに行こうとしているの?よかったら乗せていくわと優しい申し出だ
でも満席だったしギュムリまで歩いてると答えたら
女性は申し訳なさそうに 私たちはギュムリまで行かないわという
いいんです ダイジョウブですどうもありがとう
確かに疲れてはいたけどまた親切な人に出会えた そして元気になった
女性は続けて食べ物は?水は?あるの?ととても親切だ
朝歩き始める前に詰所で朝食を済ませていたし
おじさんAからカチカチのパンも頂いて途中で食べた 水は持っていたが少ししか入っていない
のを見た女性はこれを持っていきなさいと
ミニサイズのチョコクロワッサンが3個(その内の1個は食べかけだった)
入った袋とミネラルウォーターを持たせてくれて‥‥ボクは断り切れずにそれを受取った
気を付けてね と言って車に乗り込む時ボクが持っていた
パンパンのゴミ袋をよこしなさいと言って引き取ってくれて‥‥
車はゆっくりと離れていき 少しずつ小さくなってやがて見えなくなった
暫くの間一体何が起きたのかわからなくてボクは茫然と立ちすくんでいた
やがて 確かにボクの手に握られているチョコクロワッサンと水が
現実へと引き戻してくれた時 涙をこぼして泣いているボクがそこにいた
ボロボロ涙が出て鼻水を垂らし食べかけの歯型のついたチョコクロワッサンにかじりついた
止める事なんかできなかったし止める必要もなかった ボクは泣き止むまで泣き続け
しょっぱいチョコクロワッサンを食べながら歩き続け
ようやく泣き止んだ頃 今度は1人の農夫と出会う
畑作業しているおじいちゃんだった
笑顔であいさつすると おじいちゃんはそばに寄ってきて
屈託のない笑顔でとりとめのない話でもしているんだろう
日本人だと告げるとその笑顔が一層輝き あんまり素敵な笑顔を
くれるから写真を撮った

カッちょええイカしたじいちゃん
そしたらすぐに車が停まった なんで停まったのかは分からない
じいちゃんの知り合いだったのかも知れないしそこが停まるべき場所だったのかもしれない‥‥
とにかくその車はギュムリに行く車だったんだ 農夫のじいちゃんはここから先はこの車が
お前を連れていくお前はもう十分歩いたよ もう歩く必要はないよ‥‥
そんな優しい笑顔でボクの肩に手をくれた あったかい手だった
ボクはその車に乗り込みアルメニアの旅を振り返っていた
優しい人達の優しい笑顔と親切が次々浮かんでくる
景色のように流れ去っていくけど
彼らと通わせた心の触れ合いはずっと消えずにボクの中で留まるんだ

ボクを乗せてくれた運転手はここが隣国アゼルバイジャンとの戦いで
散った兵士達の眠る場所だと教えてくれた
不便な旅で自由な旅 心の声に従って歩き出した旅はもうすぐ終わる
終わるけどまたすぐに始まる ボクの中の本当のボクが
そういっているのが聞こえるんだ

20㌔先のギュムリまで乗せてくれた最後のドライバー おじさんは
古いお金の収集家で乗り込むなりボクにソヴィエト時代の古い紙幣を
くれた ボクはお返しに日本の100円玉をあげた
感謝を込めておわり(とりあえず)

ギュムリのセントラル 無事到着
↓

徒歩の旅ランキング
でもギュムリはどこ


車もメッキリ通らなくなった片田舎のさびれたガソリンスタンド(閉店中)

道の端に咲く可憐な命

あぁボクには心なしか喜んで見えるよ 爽快な風に踊って揺れて
日の光を浴びて輝いてる草花と緑の木々
猛スピードで通り過ぎていたら絶対に感じられない命の声


ちゃんと生きているね よし と指さし確認

午後4時くらいだった‥‥突然車がボクの前方に停まる
タクシーではなさそうだぞ

通り過ぎようとしたら ドライバーのおじさんが何か言ってる
多分どこの国の人間だとか何してるんだと訊いているんだと思う
わからないけどとりあえず笑顔であいさつした
どうやら家族で移動しているようで後部座席にも助手席も女性と子供が座っている
会話が成立してないと分かった後部座席の女性が車から降りてきて英語を話し出した
あなた何してるの?どこに行こうとしているの?よかったら乗せていくわと優しい申し出だ
でも満席だったしギュムリまで歩いてると答えたら
女性は申し訳なさそうに 私たちはギュムリまで行かないわという
いいんです ダイジョウブですどうもありがとう
確かに疲れてはいたけどまた親切な人に出会えた そして元気になった
女性は続けて食べ物は?水は?あるの?ととても親切だ
朝歩き始める前に詰所で朝食を済ませていたし
おじさんAからカチカチのパンも頂いて途中で食べた 水は持っていたが少ししか入っていない
のを見た女性はこれを持っていきなさいと
ミニサイズのチョコクロワッサンが3個(その内の1個は食べかけだった)
入った袋とミネラルウォーターを持たせてくれて‥‥ボクは断り切れずにそれを受取った
気を付けてね と言って車に乗り込む時ボクが持っていた
パンパンのゴミ袋をよこしなさいと言って引き取ってくれて‥‥
車はゆっくりと離れていき 少しずつ小さくなってやがて見えなくなった
暫くの間一体何が起きたのかわからなくてボクは茫然と立ちすくんでいた
やがて 確かにボクの手に握られているチョコクロワッサンと水が
現実へと引き戻してくれた時 涙をこぼして泣いているボクがそこにいた
ボロボロ涙が出て鼻水を垂らし食べかけの歯型のついたチョコクロワッサンにかじりついた
止める事なんかできなかったし止める必要もなかった ボクは泣き止むまで泣き続け
しょっぱいチョコクロワッサンを食べながら歩き続け
ようやく泣き止んだ頃 今度は1人の農夫と出会う
畑作業しているおじいちゃんだった
笑顔であいさつすると おじいちゃんはそばに寄ってきて
屈託のない笑顔でとりとめのない話でもしているんだろう
日本人だと告げるとその笑顔が一層輝き あんまり素敵な笑顔を
くれるから写真を撮った

カッちょええイカしたじいちゃん
そしたらすぐに車が停まった なんで停まったのかは分からない
じいちゃんの知り合いだったのかも知れないしそこが停まるべき場所だったのかもしれない‥‥
とにかくその車はギュムリに行く車だったんだ 農夫のじいちゃんはここから先はこの車が
お前を連れていくお前はもう十分歩いたよ もう歩く必要はないよ‥‥
そんな優しい笑顔でボクの肩に手をくれた あったかい手だった
ボクはその車に乗り込みアルメニアの旅を振り返っていた
優しい人達の優しい笑顔と親切が次々浮かんでくる
景色のように流れ去っていくけど
彼らと通わせた心の触れ合いはずっと消えずにボクの中で留まるんだ

ボクを乗せてくれた運転手はここが隣国アゼルバイジャンとの戦いで
散った兵士達の眠る場所だと教えてくれた
不便な旅で自由な旅 心の声に従って歩き出した旅はもうすぐ終わる
終わるけどまたすぐに始まる ボクの中の本当のボクが
そういっているのが聞こえるんだ

20㌔先のギュムリまで乗せてくれた最後のドライバー おじさんは
古いお金の収集家で乗り込むなりボクにソヴィエト時代の古い紙幣を
くれた ボクはお返しに日本の100円玉をあげた
感謝を込めておわり(とりあえず)

ギュムリのセントラル 無事到着
↓

徒歩の旅ランキング
photon_5d at 18:12|Permalink│Comments(0)
2019年03月13日
その20 美しい地球
翌朝交代職員の車に乗って再びトンネルを抜けたけど結局
彼らがトンネルの出入り口で何をしているのかそれは最後まで不明だった
しかし不思議だった‥‥あんた本当はここで何してるんだ
と思わせる不思議なヒトだった‥‥Bの方はただのアル中だけど
Aの方だ(写真を異常に嫌う人だったので残念だが写真はない)
年齢は60歳くらいだろうか‥‥詰所の壁には家族の写真や信仰している
キリストやマリアの写真があったのだけど その他にヘンテコな
絵があって 訊くとどうやら夢の中の世界だという
シュールレアリスムってやつだ
シュールレアリスムっていったら真っ先に思いつくのが
有名なスペインの画家サルバドール・ダリだ
(ボクの中では)
彼は絵を描く時に現実と夢の中間に入り込んだ時の世界を捉えるため
椅子に腰かけスプーンを持ったまま眠ると聞いたことがある
(床に落ちたスプーンの金属音で現実世界に戻るため)
Aがどんな風にして夢と現実のあいだの世界を描き出すのかその
方法は知らないが ボールペンで描き出されたその世界には
不思議な太陽や689という数字や天国地獄を象徴した図柄が
描かれていた 色々説明してくれるのだけどアルメニア語だから
わからない ただ真ん中の数字の8は永遠を表し
6と9はシンメトリー(回転対称性)を表しているということだけは
なんとなく理解できた 写真を撮れなかったのが残念だ(絶対ダメと言われた)
とにかくお世話になりました

雨のち晴れのオレの道
トンネルはスピタック町から5㌔くらい走った所にあって
最終目的地のギュムリまではまだ40㌔くらいあった
ボクはこの距離を歩いていこうと朝から張り切っていたんだな
もう車を捕まえるのはほぼ不可能だろう いやもうおなか一杯
というのが正直な気持ちだった
こんなに沢山の親切を受けてここまで来れたことでボクはタスキを
渡された駅伝でいう所の最終走者的な気分でいて後はオレに任せろ
ブッチギリでゴールするからって完全に逝っちゃってたんだと思う どっか別の次元に

13㌔のバッグとボクと旅の空
ひたすら足を交互に繰り出し 大声で歌を歌っても誰にも迷惑かからない
時間は何とも有意義で説明しがたい楽しさがある
歩き出して3時間 歌うのにも飽きてきた時刻は昼間近
突然もっと有意義なアイデアがひらめいた
ゴミ拾いしようぜ 
せっかくこんなに美しい星を歩いているんだ なのに
道には余りに沢山のプラスチックが‥‥自然が泣いているじゃない
みんなで拾おうボク一人じゃ到底拾いきれないゴミの量なんだもの
もしも歩くなら ついでにちょびっと拾って歩いてみてもいいと思う
という思いでゴミ拾いを始めた
次の町のゴミ箱を渡り歩くようにしてゴミを拾う
時々車が停まってくれたけどみんなタクシーばかりで
お金がないというと 停まって損したみたいな顔をする
とはいえポッケにはまだ3千円くらいあった
3日前にイャラバンを発った時持っていた5千円は初日で3千3百円に
なったものの それからは殆ど使っていない
このまま行けば2千円でアルメニアを旅するって
題名の本が書けそうだぞ 書かないけど
つづく
こいつもついでにみんなで押そう
↓

徒歩の旅ランキング
彼らがトンネルの出入り口で何をしているのかそれは最後まで不明だった
しかし不思議だった‥‥あんた本当はここで何してるんだ
と思わせる不思議なヒトだった‥‥Bの方はただのアル中だけど
Aの方だ(写真を異常に嫌う人だったので残念だが写真はない)
年齢は60歳くらいだろうか‥‥詰所の壁には家族の写真や信仰している
キリストやマリアの写真があったのだけど その他にヘンテコな
絵があって 訊くとどうやら夢の中の世界だという

シュールレアリスムってやつだ
シュールレアリスムっていったら真っ先に思いつくのが
有名なスペインの画家サルバドール・ダリだ

彼は絵を描く時に現実と夢の中間に入り込んだ時の世界を捉えるため
椅子に腰かけスプーンを持ったまま眠ると聞いたことがある

(床に落ちたスプーンの金属音で現実世界に戻るため)
Aがどんな風にして夢と現実のあいだの世界を描き出すのかその
方法は知らないが ボールペンで描き出されたその世界には
不思議な太陽や689という数字や天国地獄を象徴した図柄が
描かれていた 色々説明してくれるのだけどアルメニア語だから
わからない ただ真ん中の数字の8は永遠を表し
6と9はシンメトリー(回転対称性)を表しているということだけは
なんとなく理解できた 写真を撮れなかったのが残念だ(絶対ダメと言われた)
とにかくお世話になりました


雨のち晴れのオレの道
トンネルはスピタック町から5㌔くらい走った所にあって
最終目的地のギュムリまではまだ40㌔くらいあった
ボクはこの距離を歩いていこうと朝から張り切っていたんだな

もう車を捕まえるのはほぼ不可能だろう いやもうおなか一杯
というのが正直な気持ちだった
こんなに沢山の親切を受けてここまで来れたことでボクはタスキを
渡された駅伝でいう所の最終走者的な気分でいて後はオレに任せろ
ブッチギリでゴールするからって完全に逝っちゃってたんだと思う どっか別の次元に


13㌔のバッグとボクと旅の空
ひたすら足を交互に繰り出し 大声で歌を歌っても誰にも迷惑かからない
時間は何とも有意義で説明しがたい楽しさがある

歩き出して3時間 歌うのにも飽きてきた時刻は昼間近
突然もっと有意義なアイデアがひらめいた


せっかくこんなに美しい星を歩いているんだ なのに
道には余りに沢山のプラスチックが‥‥自然が泣いているじゃない
みんなで拾おうボク一人じゃ到底拾いきれないゴミの量なんだもの
もしも歩くなら ついでにちょびっと拾って歩いてみてもいいと思う
という思いでゴミ拾いを始めた

次の町のゴミ箱を渡り歩くようにしてゴミを拾う
時々車が停まってくれたけどみんなタクシーばかりで
お金がないというと 停まって損したみたいな顔をする
とはいえポッケにはまだ3千円くらいあった
3日前にイャラバンを発った時持っていた5千円は初日で3千3百円に
なったものの それからは殆ど使っていない
このまま行けば2千円でアルメニアを旅するって
題名の本が書けそうだぞ 書かないけど
つづく
こいつもついでにみんなで押そう
↓

徒歩の旅ランキング
photon_5d at 18:45|Permalink│Comments(0)
2019年03月12日
その19 判断基準
全く言葉が通じない上にヴォッカ一瓶軽々飲み干しちゃうアル中ときた
ボクの心配をよそにわれ関せずの酔っ払いぶりだ
Bは焦るボクを横目に詰所の前の自家菜園場から
トマトやキュウリをもぎってまぁこれでも食って少し落ち着けとなだめる
落ち着いていられるかっていうの
お前のせいで
明日はどっちだ状態になっちゃったんだ でもすごくおいしい無農薬野菜だ
しかしBと会話を続けるうち分かって来た
どうやらBはここでは眠ることができない が
反対のボクが来た入り口側の詰所ならベッドがあるから
そこで眠れと言っていたんだ そしてさらには
明日グルジアに行くから 連れて行ってやるとも言っている
そうなの
いや違うかもしれない
何しろ雰囲気で進んでるだけの話だ 確かなやり取りなど少しも
出来ていない 全部雰囲気でテキトーな会話なんだから
早とちりするなよカセイ
ともかくもう夜だし この日産車でまたトンネルを抜けて
反対側にいく事だけは間違いなさそうだ
ボクはBがヴォッカを飲み終えるのを待った そして車は来た道を戻った

反対側に着くとAが待っていてボクを詰所に招き入れてくれた
そしてやっぱり自家菜園のトマトやキュウリ 自然に生えてる
小桃をもぎ取って カチカチのパンと一緒にボクに食べろと用意してくれた
ボクが夕食をもてなしてもらっている間Bはどこかに行っていて
戻って来た時片手には新しいヴォッカの瓶が握られていた
ボクのためにショットグラスになみなみと注いで吞め吞めうるさかったが
それより疲れて
眠りたい
眠るまでの間3人で話をしながら どうやらBは翌朝本当にグルジアまで
いく事がほぼ確実と判明した

詰所でヴォッカをカッ食らうB
これはグルジアに向かうボクにとって絶好のチャンスだったのだけど‥‥
運命の分かれ道だったのかも知れない ボクの頭は合理的で快適で便利さを求めていた
心は不便でも もう少しアルメニアという国を見て回りたいと言っていた
そんな時は心の声に従おう 保険も保証も確かなものなど元々ないじゃない
未来を約束するものは力を奪う幻だ
ボク達みんなが持っている未知の力 自分でさえ気が付かない
本当の力で目の前の困難を乗り越えていこう それがボクの旅だ
つづく
何と言っても一番の心配はBの飲酒運転だ
↓

徒歩の旅ランキング
ボクの心配をよそにわれ関せずの酔っ払いぶりだ

Bは焦るボクを横目に詰所の前の自家菜園場から
トマトやキュウリをもぎってまぁこれでも食って少し落ち着けとなだめる
落ち着いていられるかっていうの

明日はどっちだ状態になっちゃったんだ でもすごくおいしい無農薬野菜だ

しかしBと会話を続けるうち分かって来た
どうやらBはここでは眠ることができない が
反対のボクが来た入り口側の詰所ならベッドがあるから
そこで眠れと言っていたんだ そしてさらには
明日グルジアに行くから 連れて行ってやるとも言っている

そうなの


何しろ雰囲気で進んでるだけの話だ 確かなやり取りなど少しも
出来ていない 全部雰囲気でテキトーな会話なんだから

早とちりするなよカセイ

ともかくもう夜だし この日産車でまたトンネルを抜けて
反対側にいく事だけは間違いなさそうだ
ボクはBがヴォッカを飲み終えるのを待った そして車は来た道を戻った


反対側に着くとAが待っていてボクを詰所に招き入れてくれた
そしてやっぱり自家菜園のトマトやキュウリ 自然に生えてる
小桃をもぎ取って カチカチのパンと一緒にボクに食べろと用意してくれた

ボクが夕食をもてなしてもらっている間Bはどこかに行っていて
戻って来た時片手には新しいヴォッカの瓶が握られていた
ボクのためにショットグラスになみなみと注いで吞め吞めうるさかったが
それより疲れて

眠るまでの間3人で話をしながら どうやらBは翌朝本当にグルジアまで
いく事がほぼ確実と判明した

詰所でヴォッカをカッ食らうB
これはグルジアに向かうボクにとって絶好のチャンスだったのだけど‥‥
運命の分かれ道だったのかも知れない ボクの頭は合理的で快適で便利さを求めていた
心は不便でも もう少しアルメニアという国を見て回りたいと言っていた
そんな時は心の声に従おう 保険も保証も確かなものなど元々ないじゃない
未来を約束するものは力を奪う幻だ
ボク達みんなが持っている未知の力 自分でさえ気が付かない
本当の力で目の前の困難を乗り越えていこう それがボクの旅だ
つづく
何と言っても一番の心配はBの飲酒運転だ

↓

徒歩の旅ランキング
photon_5d at 17:07|Permalink│Comments(0)
2019年03月09日
その18 ナビゲーションシステム
なになにおじさん何かようか
ロシア語だから全然わからないんだけどぉ
おじさん必死なんだ ともかくコイコイとボクの腕を引っ張るから
めんどくさいけどトンネルの出口の所まで戻った
色々すったもんだがあったけど 要約すると
おじさんはボクがギュムリに行くことを知っていた
それはつまり トンネルの入り口で車を拾ってくれたおじさんAの
同僚ってことだ(以下トンネル出口のおじさんをBとする)
AはBにボクがトンネルを抜けることを知らせていたんだ
日本人がやってくるぞと知らされていた‥‥
Bはそれを聞いてボクにある相談事を依頼しようとして呼び止めていたんだ

トンネル出口の水色が詰所でBの車が停まってる
荷物をひとまず車の脇に置けといったBはボクを助手席に乗せ
自分は運転席に乗り ダッシュボードの純正のナビゲーション
パネルを示してどうしたらナビゲーションが機能するようになるのか
教えろと言っていたんだ
なるほど 見ると操作ボタンも 液晶表示も全部日本語だ
しかもいつ買ったのか知らないが 来る日も来る日も必死に機能させようと
してきたんだろう ボタンの文字が何度も押し続けたせいで こすれて
消えかかっているじゃぁないか‥‥その努力と苦悩の日々が伺える消えようだった
ボクもそんなに車に詳しくないし 自家用車も持ってないから
わかんないよ
でもナビを機能させるにはアンテナや付属品のナビCDが
いることくらいわかる Wi-Fi接続も必要かもしれない
パネル操作していくと 電話機と接続しろというメッセージも出る
ところがBにはごくごくシンプルな携帯電話のみでインターネットできないし
車にはアンテナもついてない 困ったときのフリーダイヤルも載ってるけど
意味がない 八方ふさがりだ
純正でナビシステムが搭載されている限り買った時点で何らかの
付属品が付いてきたに違いないんだ まだチャンスはあるかもしれない
ボクはBにそれを必死で伝えた Bは理解したのか助手席のボックスを
あけてCDを取り出すが みたら楽ナビマップ東日本バージョン
全く役に立ちそうもないや
アルメニアの車屋さんに行ってアンテナつけろ
そして アルメニアのナビCDを買え それがなきゃ絶対無理
それをわからせるのに一体何時間費やしただろう‥‥気が付くと
もう辺りは真っ暗になっていた
ふざけんなよじじぃ
(多分ボクと大して変わらない年齢だろう)
こんなに寒くなって真っ暗で無理だと分かってオレを放り出すのか
今日はここで寝るからな
と詰所を指して 寝かせろの交渉を始めるも
Bはムリムリここは寝る場所じゃないと言いながら
自分は寒さをしのぐためにヴォッカをゴクゴクラッパ呑みしてる
寝袋あるから詰所の脇のスペースでもいいと言っても一向
聞き入れてくれない どうしよう‥‥全くとんだ災難に見舞われてしまった
つづく
寝る前に押す
↓

徒歩の旅ランキング
ロシア語だから全然わからないんだけどぉ
おじさん必死なんだ ともかくコイコイとボクの腕を引っ張るから
めんどくさいけどトンネルの出口の所まで戻った

色々すったもんだがあったけど 要約すると
おじさんはボクがギュムリに行くことを知っていた
それはつまり トンネルの入り口で車を拾ってくれたおじさんAの
同僚ってことだ(以下トンネル出口のおじさんをBとする)
AはBにボクがトンネルを抜けることを知らせていたんだ
日本人がやってくるぞと知らされていた‥‥
Bはそれを聞いてボクにある相談事を依頼しようとして呼び止めていたんだ

トンネル出口の水色が詰所でBの車が停まってる
荷物をひとまず車の脇に置けといったBはボクを助手席に乗せ
自分は運転席に乗り ダッシュボードの純正のナビゲーション
パネルを示してどうしたらナビゲーションが機能するようになるのか
教えろと言っていたんだ

なるほど 見ると操作ボタンも 液晶表示も全部日本語だ
しかもいつ買ったのか知らないが 来る日も来る日も必死に機能させようと
してきたんだろう ボタンの文字が何度も押し続けたせいで こすれて
消えかかっているじゃぁないか‥‥その努力と苦悩の日々が伺える消えようだった
ボクもそんなに車に詳しくないし 自家用車も持ってないから
わかんないよ

いることくらいわかる Wi-Fi接続も必要かもしれない
パネル操作していくと 電話機と接続しろというメッセージも出る
ところがBにはごくごくシンプルな携帯電話のみでインターネットできないし
車にはアンテナもついてない 困ったときのフリーダイヤルも載ってるけど
意味がない 八方ふさがりだ

純正でナビシステムが搭載されている限り買った時点で何らかの
付属品が付いてきたに違いないんだ まだチャンスはあるかもしれない
ボクはBにそれを必死で伝えた Bは理解したのか助手席のボックスを
あけてCDを取り出すが みたら楽ナビマップ東日本バージョン

全く役に立ちそうもないや
アルメニアの車屋さんに行ってアンテナつけろ
そして アルメニアのナビCDを買え それがなきゃ絶対無理

それをわからせるのに一体何時間費やしただろう‥‥気が付くと
もう辺りは真っ暗になっていた

ふざけんなよじじぃ

こんなに寒くなって真っ暗で無理だと分かってオレを放り出すのか
今日はここで寝るからな

Bはムリムリここは寝る場所じゃないと言いながら
自分は寒さをしのぐためにヴォッカをゴクゴクラッパ呑みしてる

寝袋あるから詰所の脇のスペースでもいいと言っても一向
聞き入れてくれない どうしよう‥‥全くとんだ災難に見舞われてしまった

つづく
寝る前に押す
↓

徒歩の旅ランキング
photon_5d at 18:40|Permalink│Comments(0)
2019年03月08日
その17 あれ
更に歩き続けるとギョッとする光景が
ボクは頭を抱え込んで立ちすくんだ あれだ ボクの大っ嫌いなあれが
ぽっかり大きな口をあけている

あれを出口から撮影 入り口も大体こんな感じ
やってらんねぇ
酔いも一気に醒めた どうしよう前に進めない‥‥
でもよく見ると入り口の所に人がいる トンネルの手前には詰所みたい
なのがあってどうやら料金所で人が常駐しているのかも知れないぞ 行って
訊いてみようと思った途端足の震えも止まった
分かったことは2つあった 1つはそこは料金所ではない(ならなんだ
)
そしてもう1つは 歩いてトンネルを抜けることは出来ない
とにかくトンネルの前でロシア語しか話さないおじさん言う事を
理解しようとするボク この先はやはりボクの特殊能力(テレパシー)
を使っての解説が必要だろう
ボク「ギョムリ ギョムリに行きたいの歩いて」(ギュムリだ)
おじさん「へぇー歩きでか そりゃまた随分豪儀だな しかしこのトンネルは
歩いて通れんぞ」
ボク「ほかに道はないのかな」
おじさん「うん あるにはあるが‥‥人通らんし危ないぞ
何かあっても誰にも見つけてもらえんからの」
とおじさんはトンネル脇の崖っぷちを指さした(道ってどれだよ
)
ボクはしゃがみこんで タバコに火をつける おじさんにも一本勧める
おじさん「まぁ待ってろ 今オレが通りかかる車を停めてやる そいつに乗って
トンネルを抜けろ それくらいならどこかの誰かが面倒見てくれるさ」
ボク「うん スパシーバ(ありがとう)」
ほどなく1台のワゴンタイプのポルシェが停まってボクはおじさんに手を振って
500mあるだろうトンネルの向こう側に抜けたけど見渡す限りの空と丘と長く曲がりくねった
道路だけ あぁロシア語が話せたらきっとこのポルシェでもっと距離を稼げたはずだ
‥‥なんて思いながら歩き出すと後ろの方(トンネル付近)で大声が響いているのが聞こえた
でもトンネル出口で道路工事していて作業者もいたので 彼らが何か言いあっているのだろうと
思ったから無視した
でもその声はボクを追いかけてくるように大きくなって 余りにしつこいんだ
何事だと ようやく足を止めて振り返ったら 間違いなく男がボクを呼び止めているぞ
なんか文句でもあるのか
何にも悪い事した覚えはないんだけど‥‥
男は手招きしてトンネルの方を指して何かをしきりに訴えていたんだ
それが何なのか分かるのは 次回だ
つづく
何か落としたわけじゃない
↓

徒歩の旅ランキング

ボクは頭を抱え込んで立ちすくんだ あれだ ボクの大っ嫌いなあれが
ぽっかり大きな口をあけている

あれを出口から撮影 入り口も大体こんな感じ
やってらんねぇ

でもよく見ると入り口の所に人がいる トンネルの手前には詰所みたい
なのがあってどうやら料金所で人が常駐しているのかも知れないぞ 行って
訊いてみようと思った途端足の震えも止まった
分かったことは2つあった 1つはそこは料金所ではない(ならなんだ

そしてもう1つは 歩いてトンネルを抜けることは出来ない
とにかくトンネルの前でロシア語しか話さないおじさん言う事を
理解しようとするボク この先はやはりボクの特殊能力(テレパシー)
を使っての解説が必要だろう

ボク「ギョムリ ギョムリに行きたいの歩いて」(ギュムリだ)
おじさん「へぇー歩きでか そりゃまた随分豪儀だな しかしこのトンネルは
歩いて通れんぞ」
ボク「ほかに道はないのかな」
おじさん「うん あるにはあるが‥‥人通らんし危ないぞ
何かあっても誰にも見つけてもらえんからの」
とおじさんはトンネル脇の崖っぷちを指さした(道ってどれだよ

ボクはしゃがみこんで タバコに火をつける おじさんにも一本勧める
おじさん「まぁ待ってろ 今オレが通りかかる車を停めてやる そいつに乗って
トンネルを抜けろ それくらいならどこかの誰かが面倒見てくれるさ」
ボク「うん スパシーバ(ありがとう)」
ほどなく1台のワゴンタイプのポルシェが停まってボクはおじさんに手を振って
500mあるだろうトンネルの向こう側に抜けたけど見渡す限りの空と丘と長く曲がりくねった
道路だけ あぁロシア語が話せたらきっとこのポルシェでもっと距離を稼げたはずだ
‥‥なんて思いながら歩き出すと後ろの方(トンネル付近)で大声が響いているのが聞こえた
でもトンネル出口で道路工事していて作業者もいたので 彼らが何か言いあっているのだろうと
思ったから無視した
でもその声はボクを追いかけてくるように大きくなって 余りにしつこいんだ
何事だと ようやく足を止めて振り返ったら 間違いなく男がボクを呼び止めているぞ
なんか文句でもあるのか

男は手招きしてトンネルの方を指して何かをしきりに訴えていたんだ
それが何なのか分かるのは 次回だ
つづく
何か落としたわけじゃない
↓

徒歩の旅ランキング
photon_5d at 17:27|Permalink│Comments(0)