2019アルバニア

2023年03月27日

里の民と山の民

降ろされた街はジロカストロという山の斜面にへばり付いて根付いたような城下町だった
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頂上にはモチロン城が怪しくそびえていた

そしてあのゾクゾクさせるアルバニア国旗もはためいていた

ボクはジロカストロという町の名前があんまりカッコイイという理由だけでしばらくいることに決めた

バチバチ戦争してたような いやそれすら起こさない威圧感で悪名高きって感じがするんだ(テキトー)
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カリオストロ的なジロカストロ城内

城の中には沢山武器や砲台が準備万端でその出番を未だに待ち続けているように状態を保ってあった ほんの前まで本当にやってたみたいだ 今やボクには国旗が海賊旗のように見えている

だけども人々はみな優しく穏やかで旅人を迎えてくれて聞いてた話と違う

ギリシャにいた時は好戦的で厄介なイメージばかり吹き込まれたけど彼らがそう思う気持ちもわかるんだ

この気持ちは近年まで日本にも実在してた山岳民族が時々里に降りて自分達の工芸品を里の食べ物と交換してた感覚と近い

里(ギリシャ)の人間にすれば野蛮で奇妙に見えるかもしれないけど相手は一応人間で需要と供給のバランスが取れてるから交流はする けど何が悪い事が起こると山の人達(アルバニア)をまず疑わう そして少しずつ悪い印象が塗り重なってそういう見方をするなら上等だよって悪業する輩もうまれてこじれていつしか彼らは姿を消した····(想像)

里の民にしてみれば幾分も便利で安定した生活システムを構築して余裕かもしれないけど山の民(アルバニア)は違って山には食べ物がなくなる時期が毎年やってくるんだから不利だ

東北の人間だってちょっと昔は冬の間出稼ぎに都会に行く生活だった 何ヶ月も家族がとうちゃんの帰りとお土産を待っていた····演歌だ

里で暮らす定住者にとってジプシーみたいな山の民はよそ者で警戒されて疑われて煙たがられて当然で

山の民にとっては快適で安定感があって計画的な佐都での人生に憧れて生き方を変えた人も沢山いた(多分)それでも変わらなかったし混じわらなかった人達もいて

そしてボクはその彼らの住む世界にやってきた(かもしれない)


つづく


どっちがいいかはそれぞれ
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photon_5d at 18:37|PermalinkComments(0)

2023年03月22日

初めてのアルバニア

2019年5月のはじめ東ヨーロッパのアルバニアに入った

初めてきた 初めてっていうのはどれもそこそこ衝撃があるもんだ

例えば初めてお酒を飲まされた時

ボクはまだ4歳でまだヤンママだった母親がふざけて自分で漬け込んでいた梅酒を飲ました時の記憶はまだ残ってる 体が熱っぽくなってこんなの2度と飲まないと思ってた事も

あとは初めて迷子になった時とか

初めてオッパイ揉んだときとか

そして初めてのアルバニアでいきなりボクは衝撃を受けた その国旗のカッコ良さに

何だか知らないけど心の奥にズシンと響き思いが込み上げてくるぜ 熱いやつだ  

何だかどっかで知ってるような ずっと昔ボクの魂はこの紋章と関わってるような 結構深く そんな懐かしいような高揚だ

ボクのハートはその言葉通り国旗の中心で周囲を鋭く睨み敵を寄せ付けないドラゴンみたいな二匹のワシの鉤爪に鷲掴まれあっという間に別の世界に踏み込んだことを感じたよ まったく空気が変わったんだ

一山超えると世界はいつもガラリと変わるのをボクは沢山経験してる 山は世界を隔てる境界で異世界への扉でもあるということだ

ここギリシャとアルバニアの国境は丁度山の頂上にありボクはそこから眼下に霞む景色を眺めてた

道はずっと下っていてその道がどんどん細くなってその細いのが遠くの方で平坦になってそれがずっと向こうの山と山の間に消えて伸びていた

殆ど山ばっかりだ そしてダイナミックな大空にフカフカした沢山の雲が何だか乗れそうな気にさせてくれて浮かんでた 

その下り道を軽い足取りで歩いてたら勝手に一台止まった 

すごく幸先がいいけど何言ってるの全く理解できない地元の若者でベンツだ 高いのか安いのかよくわからないクラッシックカーだけどまぁ乗れと言ってるみたいだから乗った

そしたらすぐ別の女性を乗せた

ああ ボクは間違って白タクに捕まってしまい最後は面倒くさい金銭トラブルに巻き込まれ 早い話がカツアゲされちゃうのかと覚悟した

運転手は隣で相変わらずお構いなしに話してくるけどそのヴァイブスはポジティブで陽気だったからまぁいいかと思ったけどアルバニアの金はまだ両替してないからユーロを取られると思ったらまた気が沈んだ

車は約10キロ走って古い城がある町でボクを降ろしたっていうかこれ以上は先に行かないみたいだ

相乗りの女性は途中で降り彼女はそこまでの料金を払っていた コインが23枚だったのをこの目で見た 大した額じゃない しかしこれでますますユーロは払いたくない お釣りやるからと言われても払いたくない そういうトラブルは過去何度かあった 全部酷い目にあってきた

と思って身構えていたんだけど1円も請求してこなかった 若者は最初から最後まで全く同じヴァィブスでボクを頼んでもない町に連れてきてくれて 終始陽気でずっと喋っていてくれてた 

クラクションを2回鳴らして来た道を走り去ってくベンツを見送りながらあいつはなんでタダでボクを乗せて自信満々でここに降ろしたんだろう····

って考えてた 

きっとアイツはそれをずっと喋ってたに違いない


つづく

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photon_5d at 22:36|PermalinkComments(0)