4月も第2週に入り、きっとお子さんがいる家庭では、子どもも保護者も少しずつ新しいクラスの雰囲気になれ始めて来たことなのではないかと思います。

僕としては、もう今となっては関係がないのですが、 一応、小学校の教員として9年間働いてきた身ですので、 もし小学校の教員を続けていたら今頃、あんな事やこんな事に取り組んでいるんだろうなーと少なからずその場面を思い描いてみたりします。

きっとどの仕事もそうだと思いますが、教員の4月ってめちゃくちゃ大変なんですよね。

新しいクラスになるので、その子たちの事を知りたいと思うものの。クラスが新しくなったことで生まれる事務仕事がもう山のようにありまして。もう目の前の子どもどころではなかったりします。

教員の入れ替えがあるので、当然それに合わせて学校としてのを体制を作り直さなければいけないし。運動会はどうするんだ、遠足はどうするんだ、と言った各行時の話し合いや、今年度の教員の研修計画を考えたり。
英語やパソコンのアシスタントティーチャーなど、外部の教員との打ち合わせもあります。保護者との面談や家庭訪問もありますし、もうてんやわんやであっという間に1ヶ月、2ヶ月と過ぎ去っていきます。

外から見てるとなかなかわからないでしょうけど、学校の中って、表に出てこない仕事が山ほどあるんですよね。


それで、今回のエントリーの本題です。僕が学校の教員を辞めた一番ネガティブな理由。

それは、この仕事をこのまま続けていたら、心も体もボロボロになると思ったから!!

です。

まあ、日本の場合、本当に厳しい職業がたくさんあるので、学校の教員と言うのは決して厳しい部類に入る職業ではないのかもしれませんが。それでも、僕程度の人間には十分に厳しい環境でした。

もう本当に辛いと思うことは数え切れないくらいあったし、ずっとずっと続けている先生方を見ると、僕はもうそれだけで尊敬します。

多分、今現場で働いている人も決して楽に取り組んでいるわけではなく、心身ともにボロボロになりながら必死で仕事をされている方ばかりなのではないでしょうか。

んで、何がそんなに厳しいのかと言うことについて、簡単に書いてみます。
火事


1、100人入れば、その中の数人はもう本当に手がかかる。

しつけの問題なのか、本人の性格の問題なのか、発達障害の問題なのか、家庭や周囲の環境から来る精神的な不安定さによるものなのか、原因はさまざまあるかと思いますが、もう手に負えない!!と思いたくなるような子が、学年の中に何人かいたりします。

そう言った子が一人でもいるのといないのでは大違いで、一人いただけで周囲の雰囲気がガラッっと変わったりします。一昔前の金八先生で言うところの腐ったみかん理論とでも言いましょうか?(あれ、りんごだったっけ??)もうね、伝播するんですよね。

これがもうね本当に大変。何かその子が行動を起こすたびに、そのケアに当たらなければいけません。
休み時間はもちろん、下手したら授業中でもトラブルは起こりますし。学校から帰った後でも、公園などでトラブルを起こすこともあります。その場合、学校外だからという訳にはいかず、教員が出向いて話を聞き、指導を行ったりします。
平日だけでなく、休日でもトラブルは起こります。休みの日にそこまで出向くケースはそこまでないかもしれませんが、(まああるんですが)当然、休み明けに学校に行ったらその対応をしなければいけません。

自分のクラスにとてつもなく手がかかる子がいると、その1年間、下手したら2年間は全く心が休まりません。

本当に大変な仕事だなーと思います。


2、保護者のプレッシャーが大変。

上の話とも重なるんですが、クラスの中に一人でも大変な子がいると、当然、その子をなんとかしてください話が持ち上がります。当然、こちらも放っておいている訳ではなく、一生懸命に対応している訳ですが、いかんせん人間の行動ですから、完璧に管理なんてできない部分があるんですよね。

たとえば、どこかの部屋に監禁して、周囲と関わらないようにすると言うことが可能なのであればまだ簡単な話なのかもしれませんが、なかなかそういう訳にもいかないのが現状です。当然、その子にも学習する権利がありますし、どこかに監禁する事で一時的に問題が解決したとしても、それがどこまで長続きするかはわかりません。

そうすると、子どもがトラブルを起こす→対応する→保護者に連絡をする→一端解決する→悲しい事にまたトラブルを起こす→対応する→再び保護者に連絡するが、嫌気がさしている→なんとか説得する→ほっと落ち着いたのもつかの間、またトラブルを起こす→対応する→・・・

みたいなループに入っていくんですよね。


保護者の方の気持ちも痛いくらいわかるんですが、なかなかそんなにすぐに解決できるわけでもなくて。本当に平謝りの日々です。保護者の方の理解が得られるうちはまだ良いほうで。得られない場合には教育委員会など、どんどんと役所の上の方に話が行き、その都度話し合いの時間が増えていきます。これがね、もうね、雪だるま式に増えていくんですよね。


本当に大変だなと思います。

もちろん、保護者からのプレッシャーはトラブルを起こす子への対応だけでなく、いろいろな状況でありうる訳で。おっしゃることはわかるんですが、なかなかすぐにどうこうできるものばかりではないので、鬱になる教員が増えていると言うのはすごくわかる話だなーと思うし、自分も明日は我が身だなといつもそう思っていたし、実際何日か、下手したら何ヶ月か、明日が来たりしました。


3、そんな中で日々の授業に当たって、子どもの成長を支援し続けなければいけない。

子どものトラブル対応は、もちろん大切な仕事の一部分ですが、あくまでもそれはメインではなくて、勉強を教えるのが教師の本業ですから。教師がどれだけトラブル対応をやった所で、それは評価されるものではないんですよね。もしろ、トラブルが起こらないようにするのが良い教師の条件なんだと思います。

でもね、もうね。そうは言ってもトラブルは起こってしまいますし、朝から晩まで子どもや保護者のトラブルに対応して、下手したら教育委員会とのやり取りをしながら、やっと終わったと思ったところから授業の準備をして、終えた授業の処理をするって、本当に大変なんですよね。

本当に、心も体もボロボロになるなと思いました。

しかも、なんとか一生懸命に取り組んでその学年を次の学年に送り出しても、次は次でまた新しい大物がいたりするんです。一難去ったらまた一難とはこの事だなと思いました。


もちろん、国民の方々がお支払いした税金の中から、高いお給料をいただいていますし、社会保証的にもこれ以上ないほどの身分をいただいている訳ですから、どんなに大変な事でも誠心誠意勤めさせていただこうと思っていましたが。まあ、それでもやっぱり休みなく続けるのは大変でした。


んで、これって僕だけがそうなんじゃなくて、おそらく日本中どこの学校を見てもこうなっているのではないかなと思うんです。日本が構造的に抱えている問題が学校に集約されていると。

こうなる理由はいくつかあるのではないかと。(ただ、申し訳ないことにこれは僕の印象で、統計的に明らかになっているものではない部分がありますので、話半分で聞いておいてください。)


1、「100人入れば、その中の数人はもう本当に手がかかる」について。 

①親になりきれていいないような、適切な躾を家庭で行えない保護者が増えつつあるため、子どもが頻繁にトラブルを起こすケースがある。

②子どもがゲームなどを通して長時間を一人で過ごすケースが増えている事で社会性が十分に身についていないため、友達と上手く関わる事ができない子どもが増えている。

③母子家庭や両親共働きで、家にいる時間が本当に限られていると言う家庭が増えてきているため、子どもが十分に自分を受け止めてもらえる機会が減ってしまう事で、子どもの精神が不安定になるケースが増えている。

④厳しすぎる指導を行うとすぐに体罰と言われるように言われるなど、学校が取れる裁量が減っているため、抜本的な手が打てない。


 2、「保護者のプレッシャーが大変」について。 

①学校現場では、学校の意向よりも保護者の意向が優先される環境になっている。学校よりも保護者の方が立ち位置が上。

②日本全体が他者に厳しい風潮になっているのもあり、トラブルに寛容的でない保護者が増えている。

③社会全体で他者との関わりが希薄になっているためか、保護者の中には他の保護者と上手くつながることができない人が増えてきており、学校がストレスのはけ口になってしまうケースが増えている。



と言ったところでしょうか。

僕が今上に挙げた理由って、僕は日本の社会現象の縮図だと思っていて、日本が構造的に抱えている問題が小学校と言う現場に凝縮されているものだと思ったんですよね。

んで、僕はこれをずっとやり続けるのかと。1年やったら、また1年と、ずっとこれを繰り返すのかと、そう考えたら、いや、ちょっと待てよと思ったんです。

これ、学校の教員として子どものトラブルの火消し作業に当たるよりも、もっと根本的に解決する方法を考えたほうが良いんじゃないかと。

と言うのもあって、今回仕事を辞めて違う方向からアプローチすることに決めました。


保護者の方々や、同業者じゃない方から見れば、何を甘いことを言っているんだといわれてもおかしくないことだと思いますが、僕は日本の学校の先生はめちゃくちゃ大変な中を必死にがんばっている人が多いと思ってるんですよね。

だからこそ、教員の苦労をもっと多くの人に知ってもらいたいと思うし、また同時に教員という仕事の素晴らしさも多くの人にしってもらいたいと思っています。

以上、大変に長くなってしまいましたが、僕が教員を辞めた一番ネガティブな理由でした。(ちなみに、辞めた理由は他にもいくつかありますので、そこら辺はこれから小出しにしていく予定です)

ほんと、教員も保護者も、そして、子どもたちも、もっともっと安心してゆとりのある生活になったら良いなーと、今は心の底からそう思っていて。なんとかそこらへんで貢献できるようがんばっていきたい。

という訳で、最後までお読みくださってどうもありがとうございました。


追記 2016年8月21日
2016年9月24日に先生たちの働くを考えるためのイベント「超職員会議2016」を開催することにいたしました。

ホームページはこちらからご覧になれます。


超職員会議


2014年6月25日より、教員を辞めて次のステージで活躍されている方へのインタビュー記事の投稿を始めました。よろしければこちらもお読みいただけたらと思います。


大学の頃の先輩が教員を辞めて、次のステージでいきいきと活躍されているので、インタビューをさせてもらいました。



このまま教員を続けても良いのか、違う道を進んでみた方が良いのかと悩みを持っている先生方からの相談を多数いただいたので、先生相談サービスを始めています。

・どこからどう考えて良いのかわからなかったけど、問題が整理されました。

・辞めるにしても、続けるにしても、もう少し前向きな気持ちで仕事に向き合えるようになりました。

・自分にはもっと違う道があるのだろうなと思いました。

などなど、お陰さまで好意的な意見を多数いただくことができています。


1人でも多くの先生が、自分の描くライフスタイルを実現できるようにとサポートしていけたらと思っています。

現在、1回まで無料でお話を聞かせてもらっています。

もし興味がおありでしたら、bokudakegasiteiru@gmail.comまでご連絡ください。

(2013年8月27日追記)