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梯子段(急な階段)を上がって2階に寝室があるお家。
登ろうとすると踏板の奥行がわずか15cmの為に、踵は宙に浮いた状態。
降りる時にはささら桁(階段板を支える側板)の天端を両手で握り、踏板にお尻を着きながら一段一段下りてゆく。
懐かしい感覚ではあったが、、、実に怖い!
手すりを付けて欲しいという相談を受けたのだったが、手ごわい改修依頼だった。
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幸いに、ささら桁に奥行があったので、踏板を僅か3cmだけだったが、小口に角材をビスで固定し、踏み面を18に広げた。
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更に小口にノンスリップを接着取り付け。踏み面が18.5cmに拡張できた。
これだけでも、階段を昇降してみると、上がる問いにも踵の反力を感じる事ができ、違和感なく2階に登ることが出来た。
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いよいよ、手すりの取り付けだったが、階段の角度が急だった為、手すりの取付け高さが極端に低くしなければならなかった。
設計ではささら桁天端から20cm程度上がった高さに手すりがあれば良いかな?っと思って書いてしまったが、いざ、工事しようとしたら、異常に低く感じてしまい、利用者に協力いただき、高さを再確認すると、20cmでは高いという訴えがあり、結果はささら桁天端から16cmの高さに手すりを取り付けした。
直営(外注せずに自分で行う事)だから出来る重要な微調整。

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2階に登りきった先端は手すりの勾配なりにスタンドポールを立てて押さえるようにした。
類似の相談は過去にも何度かあったのだが、危険すぎる階段という事で、寝室を1階に変更していただく事が多く、今回、初めて住宅改修という機会を得た。
掃除とかたずけを終えてから、利用者さんに階段の昇降をやっていただいた。
黙って様子を伺っていた。
違和感なくスムーズに上がり下がりが出来ていたのを確認できた!
私自身、初体験でもあり、とても時間も要し、疲れた工事ではあったが充実感も得られた。
「やりがい」も感じた工事であった。
類似の階段では、転落してしまい骨折したり、ガラスに頭ごと転落して血だらけの大怪我をしたりという事故を聞いていた。
梯子段と言われる急な階段改修の具体的なイメージを確立できたように思える。