ピアノ工房の休憩室

ピアノ調律師です。ジャズベーシストの真似事も少しやっております。(^_^;) ピアノの事、仕事で携わったピアニストの話、演奏活動を行っているジャズの話等々書いて行きたいと思います。お気軽に足跡を残して行って下さい。

2008年07月

京都紀行 最終回

f97c2210.JPGたった3日間の京都調律ツアーでしたが、今回は調律以外にも夜の食事や観光にと盛り沢山で大変楽しい時間でした。

九州の田舎からやって来る調律師に全幅の信頼を寄せて、大事なピアノを委ねて下さるT先生をはじめ京都の皆さまには心よりお礼申し上げます。

今年も誠心誠意お仕事をさせて頂きました。来年もまた頑張ります、今後とも宜しくお願い致します。ありがとうございました。


写真は京都タワー

京都紀行 その4

ebf3f0c1.JPG7月5日、いよいよ京都最終日。この日は毎回の京都での調律をお世話して下さるピアノ講師T先生のピアノ調律。毎年京都にお伺いさせて頂くようになったのは、T先生のピアノがきっかけでした。

ある方を通じて知り合ったT先生、使用しているYAMAHAのグランドピアノからカチャカチャと異音が出る事があり「毎年来られる調律師さんに修理をお願いするのだが原因が分からないと言われる。何とかならないものでしょうか?」とご相談を受けた事が始まりでした。

京都と熊本と700kmも離れたところに住んでいますから「ちょっと拝見させて下さい」という訳にも行かず、どんな症状かをメールで何度かやり取りしました。その結果おおよその原因が分かったので「修理出来ます」(私)「では来て下さい」(T先生)となった訳です。「1件だけのために来て頂くのは申し訳ないので私の生徒さんもご紹介します」という先生のお気遣いで、初回は6件のお宅の調律を行う事で一昨年からの京都調律ツアーが始まりました。

T先生のピアノですが、一昨年は異音の修理と調律方法の一新。異音は鍵盤の奥側に歪になった部分があり、隣の鍵盤と触れる事がありカチャカチャと音が出る事が原因でした。これは鍵盤奥側を削る事で解消出来ました。

調律に関してもお悩みだったようで「全体のバランスが今1つ良く無い事、特に次高音と高音が暴れるような感じでとても気になる」という事でした。これは全ての弦の張力のバランスを取るために一旦全ての弦を少し弛め、あらためて調律を行う。更にもう一度最終調律を行うという、2度の調律を行う事により音のバランスを取る事が出来ました。この年の作業は5時間にも及びました。

また昨年は、一昨年気になっていた鍵盤の深さを調整する事がメインの作業でした。T先生のピアノは鍵盤が少し浅く、ピアノの持つ力を100%出せていませんでした。このピアノは基準値よりもほんの少し深く設定すると良い音になると判断しましたので、そのように調整したところ音量はもちろん音質も飛躍的に良くなりました。この年は都合4時間の作業でした。

さて、今年はピアノを激変させるような作業はもうありません。でも、これはとても良い事なんですね。ピアノが正常に動作し発音しているからこそ調律作業を行うだけで済む訳です。2時間かけて丁寧に調律を行い今年の作業は終了です。このT先生のピアノの調律こそが京都にお伺いする理由でありメインイベントなのです。

この日私は夜8時の便で帰る事になっていました。お昼に作業が終了しましたので空いた時間は例年出来なかった京都観光を行う事にしました。幸いT先生もこの日はお休みだったので、有難い事にご一緒して頂きました。

まずは腹ごしらえをしてから行動、とりあえずお昼ご飯です。先生が「以前から気になっていた」という近所のタイカレー店へ行きました。お店の名前は「Siam」(シャム)なかなか美味しかったです。 http://gourmet.kansai.com/G0001762 


お腹が落ち着いたところで、次は2年前にお土産で頂いて凄く美味しくて夢にまで見た(笑)「ちりめん山椒」を製造販売しているお店に連れて行って頂きました。お店の名前は「五辻の昆布」ちりめん山椒を無事手に入れる事が出来ました。 http://www.itutuji.com/  


それから今回の京都行きで私が個人的にどうしても行きたかったところがあり、そちらへおつき合いして頂きました。バスに乗り祇園の八坂神社前で降りて目的地へ向かいます。


八坂神社前でバスを降り、塗り替えられて朱の色も鮮やかになった八坂神社の境内へどんどんと入って行きます。神社の裏は枝垂れ桜で有名な円山公園ですが、そちらへは行かず神社の中を南へ抜けるとそこは石塀小路。

石塀小路は京都でも有数の観光スポット。山手には高台寺や新選組でお馴染み御陵衛士屯所跡、反対側には老舗料理旅館などが立ち並んでいます。石塀小路を進み突き当たりを右に曲がり、また左へ行くと清水寺へと続く有名な観光スポット二年坂、産寧坂。左へ曲がると目も眩むほどの急坂で、これが司馬遼太郎の「竜馬が行く」でお馴染み、坂本竜馬など維新の志士達が闊歩したと小説に書かれている維新の道です。

私たちはこの維新の道をどんどん登って行きます。うだるような暑さの中をヒイヒイ言いながら登り切って右へ入ると、そこが私がどうしても訪れたかった↓「維新ミュージアム 霊山歴史館」です。 http://www.ryozen-museum.or.jp/
維新ミュージアムというネーミングはどうかと思いますが・・・。(笑)

何故ここに行きたかったか。1つは読書好きな友人に「せっかく京都へ行かれるなら浅田次郎の壬生義士伝を読まれると良いですよ、とても良い本です」とお薦め頂いていた事。この本を読んで違った角度から幕末を考えるようになり、展示物をより興味深く見る事が出来ました。

もう1つの理由は何年か前にNHK大河ドラマで新選組をやっていましたが、当時小学生、現在中学二年生の娘が何故か新選組ファンであるからです。(笑)それで記念になるようなものをお土産に買おうという、まぁ親バカな理由なんです。(汗)

娘は新選組がどんな組織であったかおそらくは知らないでしょう。どうも藤原竜也が沖田総司を演じた事で興味を持ったようです。イケメン好きなんでしょうね。(苦笑)あろう事か新選組が現在もあるならば入隊したいという超が30くらい付く世間知らずな娘です。(爆)

そんなどうでも良い話はともかくとして、京都に住んでいながらT先生も歴史館はご存知なかったそうです。結構興味深く隅から隅までご覧になり楽しまれたようで、大変な道を歩かせてしまったと心配していた私も少し安心しました。

そんなこんなで毎年調律に訪れている京都ですが、仕事でお伺いするようになって初めて観光が出来ました。おつき合い頂いたT先生、ほんとうにありがとうございました。


写真は八坂神社。

京都紀行 その3

4ba8813e.JPGMちゃんに案内されて先斗町のお店「豆風」に到着するとお店の入口でT先生が待っておられました。このお店は豆腐をメインとする料理屋で、この季節は加茂川に平行して流れる禊川に納涼床を出しています。お二人は川床料理のお店に連れて行く事は私に内緒にしていて、川床は今回のサプライズだったようです。

京都の建物の多くはうなぎの寝床と言われるように、間口が狭く奥行きがあります。昔は間口の広さで税金を決めていたそうで、現在もその名残りで間口が狭いのだそうです。ここ豆風も同じで、幅1mくらいの通路を奥へ入って行くと店の玄関がありました。

店へ入るとすぐ右側が厨房、その奥に座敷が一間あり、更に奥に進むと鴨川と平行して流れる禊川の上に川床がありました。初めて経験する川床は眺めが良く、川風が何とも気持ちよく最高の気分です。禊川に面する先斗町通のお店の幾つかが川床を持っており、沢山の川床が川に突き出しています。この眺めは京都ならでは、季節感もたっぷりで京の風物詩と言えるでしょう。

この店に案内してくれたT先生とMちゃんも京都人ですが、実は川床は初めてなのだそうです。最近は多少リーズナブルになった川床料理ですが、ちょっと前までは中々のお値段がしていたとの事。京都らしさを味わって貰おうと頑張って川床に連れて行って下さったのでしょう、お二人の気持ちがとても嬉しいですね。雰囲気の素晴らしさ、眺めの良さと相まって感動致しました。

さて、注文を済ませいよいよお待ちかねの料理です。まずは先付けとして四角のお盆に小鉢を4つと出汁巻き卵。南瓜の煮物、さつま芋の煮物、葉もの野菜と油揚げの煮物、胡瓜の酢の物など、どれも美味しかったですよ〜。お次は京都の夏といえば鱧(ハモ)ですね、鱧の梅肉添えと生湯葉のお造り。豆風は名前の通り豆腐がメインのお店、生湯葉のお味は流石です。

次は豆風自慢の一品、出来立ての豆腐です。土鍋に入れた国産丸大豆の豆乳に苦汁を注ぎ入れ凝固させた、ホントに今出来たばかりの豆腐。薬味を添えて醤油かお塩で頂くのですが、濃厚な大豆の味がより引き立つのはお塩ですね、もう絶品!

その後もサラダ、京野菜と鱧の天麩羅、甘辛い湯葉餡をご飯にかけたもの、締めに柚子のシャーベットと冷たいほうじ茶、もうお腹一杯になりました。美味しかった〜!

日が落ちるに連れて川風が冷たくなり、ちょうど良い涼しさの川床で頂く料理は最高でした。皆さんも京都に行く機会があれば一度お試し下さい、オススメです!


写真は禊川の納涼床です。

京都紀行 その2

b3c1d645.JPG7月4日朝、意外にも早く目が覚める。梅雨明け間近の晴天による暑さの所為かも知れません。

さて、この日の午前中は右京区鳴滝のIさん宅。とても閑静な住宅街で何だか豊かな気持ちになれる感じの場所です。昨年までは西大路三条からバスでお伺いしていたのですが、今年は嵐電で行ってみる事にしました。

通称「嵐電」は正式には京福電鉄嵐山本線と言い、熊本で言えば菊池電車といったところでしょうか?もっと趣きがあるかな。三条口から電車に乗るのですが、三条口〜山ノ内〜天神川までは京都でも唯一の路面電車になり、それから先は専用軌道を走ります。

三条口の電停に着くと直ぐに電車が来ました。山ノ内〜京福天神川〜蚕ノ社(かいこのやしろ)〜太秦(うずまさ)〜帷子ノ辻(かたびらのつじ) 帷子ノ辻駅で京福北野線に乗り換えますが、これもダイヤを上手く組んであるのか電車は直ぐに来ました。帷子ノ辻〜常盤〜鳴滝とあっと言う間に到着。

Iさん宅は鳴滝駅から徒歩2分。過去2年は結構な時間を掛けてバスでお伺いしていましたが、乗り換えがあっても比べ物にならないくらい電車の方が早い事に初めて気づきました。

さて、肝腎のIさん宅の調律ですが、こちらのお宅のピアノは浜松の工場までわざわざ足を運ばれて選定したと言うKAWAIの特注グランドピアノです。2年前はまだ新しく生硬い印象でしたが、今年はピアノの熟成が進み質感のある、弦の太さを十分に感じさせる重厚な音になっていました。

Iさん宅ではお子さん2人とIさんの3人でこのピアノを弾かれており、Iさん自身はレッスンを受けているT先生から「そろそろ生徒を取って教えてはどうか」と言われる程の腕前です。誰からも好かれる明るいIさん、今年も気持ちよく調律させて頂きました。来年もまた宜しくお願いします、ありがとうございました。

この日も好天に恵まれ暑い日です、汗をたっぷりかいたのでシャワーを浴びに一度宿に帰る事にしました。今までならば次のお宅に伺うのも時間を気にしなければいけないほどでしたが、嵐電での移動は時間が掛からないからこそ出来る事ですね。おまけにちょっとだけ観光気分も味わえます、一石二鳥かな?(笑)

シャワーを浴びてスッキリしたところで次の調律先、若いOLさんのMちゃん宅へ向かいます。MちゃんのピアノはKAWAIのアップライト。ちょっと音が硬かったのだが、昨年ハンマーに針を刺して少し音質を柔らかくしたらとても良い音で鳴ってくれるようになりました。1年経っても良い状態を保っており一安心。

この日はMちゃんと、毎年調律をお世話して下さるMちゃんの先生でもあるT先生と3人で夕ご飯を食べましょうという事になっていました。私にはどんなお店で食べるのか秘密にしてあり、Mちゃんの案内で京都の繁華街へ向かう事に・・・。

続く。


写真は「嵐電」
太秦のあたりです。

京都紀行 その1

d89a4eab.JPG7月3日〜5日まで滞在した京都での盛り沢山の出来事を本日より書いて行きたいと思います。タイトルは京都紀行ですが、実際は調律の仕事でお伺いしましたので旅行記ではありません、悪しからず。

まず最初に去年もお伺いさせて頂いた京都市伏見区のAさん宅。午前10時にお伺いするという事で、熊本からだと朝1便の飛行機でも間に合わないので今回は夜行バスを利用しました。

熊本を夜7時に出発し「久留米」「JR博多駅」「神戸三ノ宮」「JR大阪駅」を経由して翌朝8時にJR京都駅に到着。

それからJRで長岡京まで行き、長岡京駅からバスで「久我の社」へ。
バスを降りて徒歩5分でAさん宅へ到着。こちらのお宅のピアノは購入後2年くらい、まだ新しいものです。調律終了後は阪急の駅までAさんに車で送って頂きました。Aさん有難うございました。

東向日駅から阪急電車に乗り込み「西院駅」へ。宿もこの西院駅の近く、暑くてかなり汗をかきシャワーを浴びたくなったのでとりあえず宿にチェックインする事にしました。
シャワーを浴びさっぱりしたところで次のお宅へ向かう。

次のお宅も去年お邪魔したSさん宅。宿の最寄りのバス停「西大路三条」からバスに乗り「西ノ京円町」で下車。

西大路通りを東へ御所方面へ5分ほど歩き、路地を入ったところがSさん宅だが何と路地へ入る目印をすっかり忘れており、また分からなくなってしまった。

実はこのSさん宅、昨年も場所が分からず1時間ばかり彷徨い歩くという苦い経験をしている。

これは地図に目印を付けていたのだが目印の場所が違っていて、今年は目印も付け直したし大丈夫と思っていたが、後から分かったのだがそれも間違いだったのだ。

このSさん宅は西陣織りで有名な西陣の南の端に位置し、南北の縦の通りに対し東西に無数の同じような路地があり、他所から来た人間にとっては正に迷路。住宅の中から時折機織りの音が聞こえるのが如何にも西陣らしい。

地元の方から伺ったのだが西陣の人は声が大きいそうだ。機織りの機械がパタパタと五月蝿い中で育つので、会話は自然大きな声を出さないと相手に聞こえない。西陣の方全てがそうでは無いだろうが、地域の特色を表す面白い話ではある。

さて、こちらはそれどころではない。Sさん宅に電話を入れるが去年同様お婆ちゃんが留守番されていて場所の説明がなかなかおぼつかない。この調律をコーディネートして下さってるT先生もSさん宅に行かれた事が無く場所はご存知ない。

Sさんのお婆ちゃんから電話で伺った路地へ入る目印を散々歩き回って探し出し、辿り着いたのは約束の時間を1時間過ぎた頃だった。バスを降りて1時間半歩き回った事になる。

出がけにシャワーを浴びた意味など全く無くなってしまうくらいの汗だく状態でSさんのお婆ちゃんに謝りつつ、出して頂いた冷たい飲み物がこの上なく美味しく、有難いやら申し訳ないやら・・・。

心優しいSさんのお婆ちゃん、暖かく迎えて下さっておかげさまで調律も無事終了。ほんとうにありがとうございました。今回はデジカメ持参だったので、帰りしなに路地へ入る目印をカメラに納めました。来年は間違えないようお伺いしたいと思います。

写真は西大路通、円町あたり。

7月の演奏予定

本日まで仕事で京都へ出かけておりましたので、今月の演奏は第2週目からSTART。
そのため今月は少なめです。皆さま、今月もどうぞ宜しくお願い致します。

7月10日(木)AFRO BLUE
渡辺 由紀(vo)山口 泰一郎(p)
古荘 昇龍(b)
http://www.afroblue.jp/sche.html

7月11日(金)酔ing
松成 香織(p)木村 好来(ds)
古荘 昇龍(b)
http://swing-live.jp/top.htm

7月18日(金)AFRO BLUE
薛 えりこ(vo)野本 秀一(p)
木村 好来(ds)古荘 昇龍(b)
http://www.afroblue.jp/sche.html

7月20日(日)「Jazz In おくら」096-325-9209
伊豫 洋明(g)木村 好来(d)
古荘 昇龍(b)
http://www17.plala.or.jp/okura/

7月25日(金)酔ing
「酔ing Selected Singers」
るぅ(vo)福田 満美(vo)
野本 秀一(p)木村 好来(ds)
古荘 昇龍(b)
http://swing-live.jp/top.htm

9月20日(土)「Jazz In おくら」096-325-9209
吉永 邦幸(g)園田 智子(p)
古荘 昇龍(b)
http://www17.plala.or.jp/okura/

10月22日(水)酔ing
小島のり子(fl)園田 智子(p)
木村 好来(ds)古荘 昇龍(b)
アフターセッションやります、皆さま
どうぞご参加下さい!
http://swing-live.jp/top.htm



ライブは追加になることもあります、決まり次第随時追加して行きます。皆さまのお越しを心よりお待ち申し上げます。m(_._)m






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