この度の東日本大震災により、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
地震直後、新聞、テレビで地震という自然の驚異と甚大な被害の様子を目の当たりにした時、本当に言葉を失いました。
けれど、日本は強い国です。あるイギリスの新聞記者が社説にこんな言葉を記しています『地球最悪の地震が世界で一番準備された国を襲った。犠牲は出たが、他の国ではこんなに正しい行動は取れないだろう、日本は文化的に感情を抑制する力がある。この優れた国民性と強い絆により、この国が立ち上がる日はそう遠くはないだろう』と。震災から1週間が経った頃、ふと新聞の一面に掲載された1枚の写真が目に止まりました。震災で両親が行方不明のまま、避難所で懸命に働く小学生の兄弟の姿でした。『この避難所には体の不自由なお年寄りもたくさんいます。今は出来ることをやるだけです』記者の問いかけにこう答えたそうです。電気もガスも水道も止まり十分な食料さえも無い状況で、寒さに凍えながらも必死に復興に向けて頑張っている被災地の人びと、そして、そんな状況にも関わらす、お互いを思いやり励まし合う姿を見て、逆に自分が勇気付けられるとともに、「日本は大丈夫だ」と確信しました。
今、私達にできる事はなんでしょうか?募金、献血、節電、、、。何かしたくてもどうして良いのか分からない気持ちをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
先日車を運転中に、あるローカルのラジオ番組を聴いていました。震災後まだ数日しか経っていないのに、いつもと変わらぬ軽快なパーソナリティーの声。「こんな時に不謹慎な!」最初は少し不愉快になりました。話していたのは、アメリカ出身のパーソナリティーでした。しかし、彼は、番組の最後に少し神妙な口調でこう結びました。『こういう時ですが、僕は今日、つとめていつも通りに放送をさせていただきました。皆さん、僕は思います。こういう時だから、日本が大変な時だから、自粛したいという気持ちはよく分かるけれど、どうかいつもの生活を続けてください。出かける予定があれば、どうか出かけてください。欲しい物があってそれを手にする事ができるのならどうか躊躇しないで下さい。被災した人達が立ち上がるには、それを支える元気な日本の経済基盤が必要なのです。幸いにも被害を直接受けていない他の地域の人々ができる事は、日本の経済活動をストップさせない事ではないでしょうか?人情にあつい日本の国民性僕は大好きです。ただ、その良さが、今後の日本復興の足かせになってしまうのがとっても心配です。』同時多発テロやリーマンショック、まさに国家の危機を体験したアメリカ人らしい考え方にハッとさせられました。
「いつもどおりである事」― 新聞やテレビの報道で目にする被害の深刻さを考えると、今の日本には難しい事かもしれません。まして、それが不可能な地域もたくさんあります。けれど、それがこれからの日本を支える原動力になるならば、私自身はせめてそういう心持ちで日々過ごしながら、自分達に今できる事を実行していこうと思いました。
そして、被災地の皆様が一日でも早く日常を取り戻せる事をただただ祈るばかりです。
ジュエリー山口
代表 山口憲夫