ピエール the パフォーマー

慶應義塾奇術愛好会OB、Pierre the Performer のブログ。代表を務める手品サークル「東京マジック&フレンズ」の紹介や、手品の効率の良い上達方法、手品のコーチング方法などを独自の切り口から記事にしています。

伸びる手品サークルの特長

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伸びる手品サークルの特長

多くの手品サークルでは、先輩が新人に基本的な技術を教え、それが代々継承されていく形式で運営がされています。しかし、どんなに技術的に素晴らしい先人がいたとしても、その技術が後輩に上手く伝承されていないことが多いです。

原因は色々考えられますが、多くの場合、新人を向かい入れる体制や技術指導法が、サークルに確立されていないことが多いように感じられます。

私が考える、模範的な手品サークルとは「会員の士気が高く、活動実績や受賞歴が豊富」だと考えています。そのようなサークルになるには、何が必要であるかを考えてみました。



指導者が優れているサークルは伸びる

サークルの良し悪しは、指導者の良し悪しで8割が決まります。

すぐれた指導者とは、「手品の上手い指導者」ではありません。たしかにマジシャンとしての能力はある程度は必要ですが、実は一定レベル以上になると必要ありません。

なぜなら、手品技術はゲスト講師を呼ぶなどして外注が可能だからです。むしろ指導者に必要となるのは手品を教える能力の方になります。

手品サークルには、様々な年代と性別の方が在籍しており、会場に演技を観に来るお客様の層も広いです。それら全ての層に適した配慮をできる方でないと、会員は付いて来ないのです。

士気の高いサークルの練習風景は活気に満ち溢れています。そこにいるだけでやる気が引き出され、誰に言われることもなく、皆が自分の練習を熱心に行います。個々の熱意がお互いを刺激し合うことで、相乗効果が生まれ、サークル全体のやる気を引き上げている様子は強い団結力を生みます。この雰囲気は一朝一夕で作れるものではありません。指導者への信頼の積み重ねが寄与している部分は大きいです。



やる気を引き出せるかどうかが全て

結局、手品にどっぷりハマって、成功体験を積んでいただけないと、なかなか手品の楽しさを会員に分かっていただけません。技術だけでなくメンタル面のケアもできないと、個々の才能を開花させることは難しいです。こういった指導者のスキルを持つ方がいる組織は少ないです。

メンタル面のケアは、社会人になってから身に付く方が多く、学生時代から出来る方は少ない傾向があります。そのため、高校や大学のマジックサークルでは、OBOGがその役割を担うことでカバーしている場合も見受けられます。

メンタルケアと聞くと、落ち込んだ人を励ますことや、モチベーションの少ない人を復帰させるようなイメージを抱く方が多いかもしれません。そういった面もたしかにありますが、メンタルケアとは、やる気のある方をさらにやる気にさせること等も含むことを忘れてはいけません。

指導者として、会員にどんなことをすればモチベーションになるのかを考えてみました。あくまで一例となりますが、皆様のサークルに適合するものがあれば、是非お試しください。


・発表会を開催する(ステージ、クロースアップ、他)
・ゲスト講師を迎える
・最新のレクチャービデオやコンベンションの上映会を開催する
・有名マジシャンの出演するステージを皆で観に行く
・他のサークルと合同練習を開催する
・他のサークルとステージでコラボする
・会員が全員参加できる「OO強化月間」のようなキャンペーンを開催する。
例:「苦手克服強化月間」個々の会員が自分が克服したい苦手な手品や、演技中の癖を発表し、会員同士で克服するために「お互いに激励したり」「出来ていない時には指摘をする」活動。
・マジックショップ巡り(団体割引を事前に交渉し、応じていただけたショップに皆で行く)
・日頃から会員全員とコミュニケーションをとる(結局これが最重要!)



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ラリホー効果のあるマジック

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ラリホー効果のあるマジック

手品の舞台を観に行って、気が付いたら寝ていたという経験はありませんか?

失礼だと承知はしていますが、私にはあります。

演技内容が退屈すぎて寝てしまう訳なのですが、こういった眠気を誘う演技にはどんな特徴があるのかを考えてみました。

1.静かな音楽、単調なリズムを使用している。
2.ルーティン内で似たような現象が続いている。
3.手品現象が分かりづらい。
4.期待感・わくわく感に乏しい。

以上のような特徴がみられます。

なぜ、これらの要素を含むと眠くなってしまうのでしょうか?


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眠くなる原因は「馴化(じゅんか)」

馴化とは、同じ刺激を受け続けると、その刺激に対する反応が鈍くなり、刺激として感じなくなってしまうことです。

これって、すごく恐ろしいことですよね?

だって、手品とは不思議さと驚きに特化した芸能であるはずなのに、観客が演技を刺激として感じなくなってしまっているということなのですから。別の言い方をすると「観客の脳がその演者を驚きの対象として認識していない」ということになります。


多少偏見を含みますが、眠たくなる演技の多くは「幻想的」「アート的」「しっとり、おだやか、シリアスな雰囲気」といった要素を含むことが多いです。

手品は驚きと不思議さを期待される芸能ですので、そこを最優先にルーティンや演出を組むことが王道です。しかし上記のような要素を最優先にしてしまうと、どうしてもマジック的な部分が薄れます。繰り返しになりますが、観客が期待しているのは、不思議さと驚きです。その演者が何を表現しようとしているのかを、わざわざ考えてくれるお客様は少ないです。


では、お客様を眠くさせないためにはどうすればいいのか?

それは冒頭で触れた「眠くなる手品の共通点4つ」の逆をやればいいのです。

1.静かな音楽、単調なリズムを使用している。
→BGMに強弱や変化を織り交ぜる。効果音を使うのもあり。
 
2.ルーティン内で似たような現象が続いている。
→似た現象が続かないようにルーティンを組む。前後の演者と内容が被らないようにする。

3.手品現象が分かりづらい。
→変化はお客様に思ったほど、伝わっていません。分かりやすくて大きな変化を心がけましょう。
分かりにくくて、インパクトも弱い現象なら、ルーティンに入れるべきかを考え直す。

4.期待感・わくわく感に乏しい。
→最後のクライマックスに期待感を残すようにルーティンを組みましょう。
終盤を盛り上げるには、序盤と中盤がしっかりしている必要があります。「このマジシャンには期待できる!」と観客に思わせることが出来ればいいのです。補助的な手法としてBGMや照明効果の変化で期待感を煽るという演出も効果的です。 


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良い演技を構成する6要素

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良い演技を構成する6要素

優れた手品の演技は、マジシャンの技量とルーティンの完成度で決まることが多いです。世界のトップマジシャン達は、考えぬかれたルーティンを複数もっており、客層や会場によって使い分けをしながら、多くの観客を魅了します。

そのような優れたルーティンは一朝一夕で作れるものではありませんが、そんな優れた演技には共通点が幾つかあります。本日は優れた演技を要素する6要素をご紹介いたします。

それらは、
1.キャラクター性・特徴性
2.演技と音楽の相性
3.演技とビジュアルの相性(衣装、メイク、道具の色やデザインなど)
4.自然さ(表情、活舌、道具の扱い、何気ない所作など)
5.テンポ
6.最大インパクト・クライマックスの強さ になります。



最重要は6番の「最大インパクト・クライマックスの強さ」
6要素のすべてが重要となりますが、最重要となるのが「クライマックスの強さ」です。残りの5要素は、クライマックスを最高のものにするために存在すると言っても過言ではない。それ程、重要となります。

演技内で最大の歓声、最大の驚き、最大の拍手をいただける、そんな強烈な現象が手品には必要不可欠であり、お客様はそれを期待しています。

クロースアップで1つの手品に3分の時間をかけた場合、お客様が不思議に感じるのは最後の30秒程度です。最初の2分半は、「何が起きるのかのワクワク感を、どんどん膨らませるための時間」にあたります。これはステージマジックでも同じで、最後の大きな現象を強化するために、演技の序盤と中盤があるのです。

序盤、最初の現象でお客様の関心を引き寄せて、中盤の山場で盛り上げれば、最後のクライマックスまでのお膳立てが完成します。オーソドックスな構成ではありますが、優れています。


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