marmaladeの読書日記

読み終わった本の備忘録

「神様の住所」 九螺ささら 朝日出版社

 短歌集。
 でもただの短歌集ではなく、文章(エッセイ)もついています。
 独特の世界観にあふれた短歌、そして表現法も謎めいていたり、不可思議であり、
 つかみどころがなかったり。
 とにかく、いろんな意味で刺激を受けました。
 初めて目にする言葉もたくさんでてきました。
 この方は普段から本や辞書などからいろんな言葉を掬い取っているんだろうな。
 方や私は、意味がわからないどころか読めもしない言葉を、
 流してしまっています。

「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」
                         渡辺一史 文春文庫

 子どものころ筋ジストロフィーと診断され、18歳で車イス生活となり、
 35歳でとうとう人工呼吸器をつけることになった鹿野靖明さん。
 24時間介護が必要な状態となると、考えられるのは、施設か実家での生活。
 しかし鹿野氏は“自立”にこだわり、道営のケア付き住宅の部屋を借り、大学生、
 福祉・看護学生、主婦、社会人のボランティアによる介助を受けながら
 生きることを選ぶ。
 この本では、鹿野さんとボランティアの人々のことが描かれています。
 感情むき出しの鹿野氏の態度はときにわがままと受け取られ、鹿野氏と
 鹿ボラの関係が悪くなることもしばしば。
 しかし、お互いさらけ出すことで障碍者-健常者、介助者-被介助者という
 関係ではなく、ただの個人対個人という付き合いになり、それが鹿野氏、鹿ボラ
 の人々にさまざまな影響を及ぼしています。
 高齢者だけでなく障碍者についても、まだまだ日本には問題が山積みしている
 ようです。
 大泉洋さん主演で映画化されたのをきっかけにこの本を読みましたが、
 あまりにも障碍者について知らなすぎると反省しました。
 

「八日目の蝉」 角田光代 中公文庫

 不倫相手とその妻の娘を連れての、3年半に及ぶ逃亡劇。
 第一部では、希和子が薫を連れて東京から名古屋そして小豆島へ渡り、
 捕まるまでの逃亡の日々が。
 第二部では、大学生になった恵理菜(薫)からの視点へ移ります。
 子どもをさらった希和子、希和子と不倫関係にあった丈博とその妻恵津子、
 恵理菜の妹真理菜・・彼らの怒り、戸惑い、悲しみ、憎しみといった
 さまざまな感情が痛いほど伝わってきます。
 そして特定の人物に限らず、全員の気持ちがわかるので、物語の世界に
 どっぷり浸かってしまいました。
 ずっと気になっていた「八日目の蝉」、ようやく読みましたが、予想以上に
 心にぐっとくる作品でした。
 小説を読んだことだし、今度は映画も見てみたいです。

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