ぴおピアノ雑記帳

ピアノ、音楽関連の話題を主とした雑記帳blogです。

金子一朗 著  春秋社  2009年7月刊
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あれ?いまさら?
と思われた方もいらっしゃるかと。刊行時、結構話題になっていましたから。

早稲田中高のフルタイム数学教師という本業の傍ら、
ピアニストとして数多くのコンクールでの入賞歴を持ち、リサイタルでもCD発売でも大活躍中の著者による、自伝本、かつ、独学法指南本。
ワタクシ、著者とは個人的な接点皆無ながら、同い年ということもあって
当然、刊行後すぐ入手した……のですけれども、初読のときは

「うわ!専門的。私の手には負えない……」

と、しっぽを巻いて逃げちゃったのでした。💦
たまたま数日前、本棚の奥で眠っていた本書に遭遇し、再読してみた次第です。

まず思ったのは
……文章、うまいなあ。
……わかりやすく説明しようという情熱、すごいなあ。……ということ。
謙虚かつ向上心あふれる姿勢は、まえがきにも表れています。

コンクールで優勝するまでよりも優勝した後の方が何倍も大変であった。それまではアマチュアとして好きなペースで好きな作品を演奏していれば良かったのだが、優勝してからは、演奏の依頼がこちらの仕事の都合とは関係なくやってくることになった。(中略)
しかし、私は、慌ただしい現代社会で生活しながら、限られた時間でピアノ演奏を十分に楽しむことができる方法を見出したつもりである。ピアノという楽器は、一般には習得するのにとても困難が伴うものであると思われている。確かにそうであるが、その大部分は誤解と無駄によるものだと考えている。私がここに著したアプローチの方法は、一見すると難解に見えるかもしれないが、高齢になっても確実に新曲を暗譜し、公開の場で演奏できる方法であると確信している。


はい。難解でした。
楽譜の「分析の実践」という項目は、まさに猫に小判でございました。
でも、
参考になる表現を目次からちょっと拾ってみるだけでも
  • 弾かない指の脱力
  • 勢いより和声
  • 遠くに飛ぶ音
  • 曲の性格は調性で
  • 速く弾くにはゆっくり弾く
  • 微妙に異なる音高と強弱をイメージする
  • 楽譜の指示を守ると個性が生まれる
といった具合。
なるほど。せめて自分が弾いている曲の
「調性」(〇長調とか、△短調とか)ぐらいは、ちゃんと理解しよう
と思ったことでした。(レベル低すぎ!)

月に1回のレッスン。
このところ、ソロとアンサンブルと隔月交互で、今月はアンサンブル。
備忘録としてここにポイントを書いておくことにします。

 出だしが肝心。おいっちにぃ、さんしぃ、と数えているのが聞こえてくるような野暮な出方はしないこと!
 理知的に演奏べき曲なのか、牧歌的な響きを大事にする曲なのか、曲の出自までちゃんと考えて音を出す。
 ソリストに「どうぞ」と曲を差し出す前奏を。自分自身でも歌いやすい形を作るべし。
 フォルテは大音量ではない。豊かな響き。
 どんな場合も、基本の拍感ははっきりと。ぐちゃぐちゃにならないこと。

ふぅうう。
オイッチニイサンシイ、はダメだけれども、拍感はキープ。
そして、音を出す前のイメージがあってこそ、の世界です。
いや、もう、奥が深くて……道ははるかに遠いのでした。。。

平昌オリンピック、フィギュアスケート男子、
羽生結弦選手の金メダル(66年ぶり・2大会連続)、宇野昌磨選手の銀メダルという快挙に沸いている日本です。
私ももちろんその一人。
特に、ショパンのバラード1番にのせたショート・プログラムは圧巻だったと思いました。

けれども、それ以上に、朝日新聞17日の記事に感動しました。
「ミスを語り修正に生かす」
という見出し。
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引用されている羽生選手自身の言葉に関わる箇所を抜き書きしてみると
  • 「何年間もずっと一緒に付き合ってくれたジャンプなので。感謝しながら飛んでいました。」
  • 滑れない間、「色々なもので勉強してきた」「フォーム、イメージを固めていた」と言った。そして、練習再開時に「イメージを氷上に移した」のだと言う。
  • (跳び方を言葉にして綴ったものの)「最大公約数」を「連想ゲーム」のように、小学2年のころからつけ始めた「研究ノート」に記録する。つまり、成功や失敗した時に体の各部分がどう動いていたかを整理し、共通点を書き出すのだ。そして、ジャンプ成功のための「絶対に見つけなきゃいけないポイント」を絞っていく。だから、羽生は自分の精神状態や体の動きを、言葉で的確に言い表せる。
  • 特にミスした時ほど話す。「話すことで課題が明確に出る」と言い、「(自分の言葉が書かれた)記事を読み返すと、自分の考えを思い返せる。それは財産であり、研究材料。だから、しゃべる」
いやはや、恐れ入りました。
けがをしたということをプラスに変える精神力。
それを裏付ける理知性と、努力の継続。
ただものでない結果を出す者は、その準備、日ごろの心がけからして、ただものではないのでした。

昨年9月(→)に引き続き、
ネットのご縁でつながった面々5人で集い、弾き合い&聴き合い会を催しました。
前回の4人から5人の会となり、またお知り合いが増えました。
(あ、これは私にとって、のお話。私以外の4名は以前からのお知り合いです。^^)
ベーゼンドルファーのとっても素敵な音色にうっとり。
幸せなひとときでした。
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備忘録として、披露しあった曲目リストを残しておきます。

・ショパン:マズルカ Op.63-2
・ショパン:ワルツ Op.69-1
・ショパン:ノクターン Op.72-1
・シューベルト:即興曲 Op.90-3
・ショパン:ノクターン Op.27-2
・バッハ:フランス風序曲BWV831より Ouverture
・ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
・ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズOp.22(冒頭部)
・スクリャービン:8つの練習曲Op.42-4 嬰ヘ長調
・スクリャービン: 前奏曲Op.11-13 変ト長調
・ラフマニノフ:前奏曲Op.32-12嬰ト短調
・シューマン=リスト:献呈
・シューマン=キルヒナー:リーダークライスOp.39より悲嘆(Wehmuth)
・バート・バカラック:アルフィー
・任光=王建中:彩雲追月
・ギロック:Night song
・ショパン:ワルツ Op.70-3
・リスト:愛の夢 第3番
・スカルラッティ:ソナタ ホ長調 K.380

1冊でわかるポケット教養シリーズ
土田 京子 著    yamaha music media 2017年10月
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「さくさく理解」とは、とても言えませんが、
なんとなく和声法というものの全体像は見えました。
私にとっては、それで御の字です。

「属七」とか「属音」「下属音」とか、「ナポリの和音」とか、
単語としては耳にするものの、一体何者なのか、そのコンセプトがなぜ必要なのか、そこからして、ちんぷんかんぷんだった私です。恥。

ざっと一読したところで私が理解できたことは……
和音を作るにしても、
転調するにしても、
「Ⅴ」⇒ハ長調だと5番目の「ソ」を起点に、ソ・シ・レ・(ファ・ラ)と重ねる和音
の働きがいろんな意味で大きい。このVの和音をドミナント(属音)と呼ぶ。
筆者の言葉で言うと
「ドミナント(Dominant)というのは、一家の主。外でガンガン頑張って働くお父さんのようなもの。とっても強い。爆発力を持っています。(p.35)」
ということなのですね。

懸案項目(よく聞くけど私には意味不明…)だった
「属七和音」とは、この「V=音」の4音和音・ソシレファ(ソ~ファ=7度=)のこと
「減七の和音」とは、
V9(短調の属九和音)九度離れた5音のうち根音を省いたもの。シレファラ♭
この一番下〜一番上ラ♭の間が減七のため、この名前なんですね。
別名「ディミニッシュ」
4音すべて「短3度」でさまざまに変身可能なため、いろんな役目を果たすんだとか。

「ナポリの和音」は、
短調のⅡ度の和音の根音が半音引き下げられたもの。レ♭ファラ
ファラレ♭ という「第3音がバス」に来る形「6」(シックス)で使われるので
「ナポリの6の和音 Napooitan 6」と呼ばれるんだそうです。


ここで、和音のグループ分けをしておくと……
トニック(Tonic): 「Ⅰ」「Ⅳ」
ドミナント(Dominant):「Ⅴ」
サブ・ドミナント(Sub Dominant):「Ⅳ」「Ⅱ」


長3和音:「Ⅰ」「Ⅳ」「Ⅴ」
短3和音:「Ⅱ」「Ⅵ」
              &「Ⅲ」➡️「Ⅰ」「Ⅴ」和音の第3音をともに含むため、特別扱い
減3和音:「Ⅶ」➡️主音になれない響き。特別扱い。


この本で、や~っと分かったのは、7だ、5だ、3だ、と耳で聞くと同じ数字が
音と音の間の離れ具合(度)だったり、(属七、減七の「七」)
「ド」を1とするハ長調で見たときの音程だったり(Ⅰ、Ⅳ、Ⅴといった表記)
一つの和音をなす3つの音の並び方だったり(Naporitan6の「6」)と、多岐にわたること。

まったく楽典を学んだことがない人間は、
ここの初歩の初歩からから壁にぶちあたり、混乱するのですよ!(と声を大にして訴えたい)

それから、音階も下記のように様々な呼び名があって……あああ面倒くさい!
ドレミ・ド#、【イタリア語】
CDE・Cis(ツェーデーエー・チィス)【ドイツ語】
CDE・C# (シーディーイー・シ―シャープ)【英語】
ハニホ・嬰ハ 【日本語】

この本では、こんな方針でした。
「固有音名」を呼ぶときには英語
「移動音名」はイタリア語(音階のスタートの音は常に「ド」と呼ぶ)

そして、和音の状態を表す表記法としては、
「数字つき低音(Figured bass)」を使う。=ヨーロッパ伝統の表記法
(「基本形」「第1転回形」「第2転回形」という言葉は使わない)

数字つき低音の書き表しかた
「5」バスは根音=5度上に音がある(3度上にも)ドミソ等
「6」バスは第3音=6度上に音がある(3度上にも)ミソド等
「64」(縦に表記)バスは第5音=4度上と6度上に音がある  ソドミ等

和音のメンバーが増えて4音になると
Ⅴ7の和音=根音から短7度と音程が加わる
バスが根音:「7+」ナナ・プラス  ソシレファ
バスが第3音:「65(5に斜線)」減ゴロク=バスの減5度上と6度上に音
バスが第5音:「+6」プラス・ロク=バスの6度上に導音
バスが第7音:「+4」プラス・ヨン=バスの4度上に導音

Ⅱ7の和音もある。レファラド  レファ♭ラド

和音のメンバーが増えて5音になると
Ⅴ9の和音  
バス根音(5音のうち第5音か根音は省略)ソシレファラ、レ削除でソシファラ
バス第3音:減ゴ  ナナ
バス第5音:プラスロク  ゴ
バス第7音:プラスヨン  サン

ああああ、ギブアップ! 仕組みはわかっても、使いこなせる気が全くしません。

今年は、友人からこんな可愛いチョコをもらいました。
嬉しくて気分もアップ(๑>◡<๑)
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バレンタインの日に予約投稿したつもりが、設定ミスでこんな時間になっちゃいました。
ただいま、職場からの帰宅途中です。💦
私からは、今年は手作り無し。
お味重視で、見た目地味なタルトを家族宛に購入したのみ。
ってことで、画像無しです。 

先日、招待券によるピアノ・リサイタルというものに行ってきました。
当選したけれど都合がつかなくなった母から、譲り受けた券です。
正規の販売価格はかなりの高額。
会場は、名の知れた、都心の堂々たる大ホール。

招待客が大半とは思われますが、
大きな会場が8割がた埋まっていて、びっくり。すごいことです。

実は、初めからちょっと不安ではあったのです。
演奏者(初めて知るお名前の方)の経歴が、どこにも見当たらず。
学校も、師事した先生も、共演者も、名前は出てこない。
「ピアニスト。」
「ソリストとして、〇〇、△△(日本国内のホール名)などでリサイタル活動を行い、…大好評を博す。」
「海外でもヨーロッパやアメリカで演奏、□□交響楽団のコンサートマスターや、××交響楽団のチェリストなどと共演もしている。」


で、演奏は……
堂々たる大曲オンパレードのプログラムで、ちゃんと全曲暗譜されてました。
全曲、速めの速度で、指も回ってました。
以上。

感動は呼びませんし、聴衆も集中しては聞いていないとはっきりわかる状態。
解釈の差ではあるのでしょうが、
古典派の曲を、ペダルを多用して甘ったるさ全開で演奏したり(でも速度は速い)、
緊張感や厳かさが込められていると思われる休符を、ささっと、シレっと通過したり、
書き出すとキリがないのですが、私の頭の中は疑問符だらけになりました。

最後には、演奏者ご本人がマイクをとられ、
リサイタルで演奏する幸せについてスピーチされ、
会場からいくつもの特大花束を受け取られ……会場には不思議な空気が漂いました。

母に報告したら、
「あ~。以前にも歌のリサイタルで、途中で席を立って帰ったことがある。招待券って、変なのもあるから要注意。」なんだとか。
世の中、いろんな仕組み(仕掛け?)が存在しているのですね。
社会勉強になりました。

ららら♪クラシック
2018年1月19日(金)放送
「楽器特集コントラバス~一音にかける乙女たち」
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かなり前の放映、録画でやっと見ました。
聞き流す(見流す)つもりでいたのですが、深いコメントに思わず「なに、なに…」と居ずまい正して、しっかり見てしまいました。
私が「!」と惹かれたのは、次のような発言(by N響コントラバス奏者・矢内陽子氏)

空間が響く、その感じを聴いている
メロディーにお皿を差し出すように。出やすいように。

これ、
「主役にならず、陰で下支えするコントラバスの楽しみは?」
という問いに対する答えの1つ。
メロディーを下で支える役割として、
単純な音の連続を「鳴らす」タイミングがそれは重要なのだ、という話の具体例です。

それに対して、アップテンポの曲では

下に沈むようにひいてはいけない。
上に上に、「行って、行って」という意思を示す。
音楽を前に進める。一番後ろから全体を押していく
「自分たちが音楽を動かしている」と実感できる瞬間。


これ、アンサンブルの基本ではあるまいか!
と思いました。
コントラバスの楽しめる第一点目として
体全体で楽器の、床の、自分の身体の振動を楽しめる!
ということがまず挙げられていましたけれど、
「響き」に「振動」を感じるというセンス、他の楽器にも有効かもしれません。

ベートーヴェンが交響曲第9番の第4楽章でコントラバスにメロディーを奏でさせたことが、コントラバスにとって時代のエポックになったとは。
その後の時代になると、コントラバスの活躍する曲目もいろいろあるのですね。
勉強になりました。

マーラー:交響曲「巨人」第3楽章
プロコフィエフ:キージェ中尉
ボッテシーニ:二重奏曲
ラウバー:コントラバス四重奏曲
ルンズヴィック:アメリカン・バスィズ

平昌オリンピック開幕。
11日の午前中、初めてそのTV中継を見ました。フィギュア団体予選。
種目はアイスダンス。
まじまじと真面目にアイスダンスを見たのは初めてかもしれません。

シーズンによって、音楽の種類が規定されるとのこと、初めて知りました。
今シーズンはラテン音楽。
明るくノリのいい音楽が多くて楽しめましたが、しっとり系の曲想もあるのですね。
ダンスというだけあって、音楽との一体感がより求められているのがわかりました。
ジャンプがなく、スケーティングが厳しくチェックされる、とのこと、芸術面がより求められるとも言えそうです。

日本のペア、実力で後半の組に入り、
アジア人として初めて国際大会の表彰台にも乗っているとは、私には初耳。
なるほど、前に滑った国々の演技より格上に見えました。
なかなかやるじゃん!と思ったのですが、
その後に滑った方々は、さらに格上。
中でもカナダのペアが圧巻で、舌を巻きました。
見た目も迫力を感じるほどの美男美女ペアですし。。。一流はオーラも段違い。二人ともまだ22歳と聞いてびっくりです。
2018-02-11
パワーでぐんぐん押す派と、しなやか流麗派がいるって、音楽の演奏家とも似ています。
フィギュア個人の演技は、やたらジャンプばかり話題になるのに違和感を覚える私、
その点、アイスダンスはいいなあとも思いました。

演技中の得点表示(要素をこなす毎に、成功だと、失敗だと、競技中だとランプがTV画面左上に並んでいき、技術点の合計点も併せて表示される)って、初めて見ましたが、オリンピック用の特別表示なのでしょうか?それとも最近はこれがデフォルト??

いろいろ発見も多く、楽しめました。

2018年2月10日(土)14:00開演 16:10終演
@すみだトリフォニーホール

≪プログラム≫
シューマン:子供の情景 op.15
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第8番 変ロ長調「戦争ソナタ」op.84

ベートーヴェン:ヴラニツキーのバレエ「森のおとめ」のロシア舞曲の主題による12の変奏曲 イ長調 WoO.71ベートーヴェン::ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調「熱情」op.57

アンコール
バッハ:インベンション第14番 変ロ長調 BWV785 (2/16加筆)
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とても個性的な演奏でした。
跳ねるようなスタカートを多用し、透明な音色と空気感で独特の世界を創出していました。
作曲も指揮もする方と知って、なるほど納得。
ピアノを演奏しながら、まるで指揮をしているようなときも。

甘さに流れない、氷の世界を思わせるトロイメライ、
重厚肉厚さではなく、鋭さで切り付けてくるようなプロコフィエフ、
クリスタルな音色と、休止拍の伸び縮みで色合いを変化させるベートーヴェン、
どれも清新に響きました。
そして、個々のピースや楽章をどう繋いでいくかに心を配り、音楽全体をきっちりと構築しようとしている姿勢が印象的でした。

演奏を終えたムストネン氏、笑顔ながら、疲労困憊の様子に見えました。
すごい集中力のリサイタルでした。
楽譜を見て演奏するスタイルも、こだわりの表れなのでしょう。

終演後のサイン会には長い列ができていましたが、
男性の姿が多く、ソンジン君のリサイタルとは全く趣を異にして、興味深かったです。
氏の指揮や作曲のほうに心酔しているファンの方も多いのかなあ~などと思いました。

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