ぴおピアノ雑記帳

ピアノ、音楽関連の話題を主とした雑記帳blogです。

ラジオ講座を聴いての覚え書きです。(ストリーミングはこちら

カルチャーラジオ 芸術その魅力(ラジオ第2 毎週水曜 午後8時30分 | 再放送 毎週水曜 午前10時)
<シリーズ> アメリカン・ミュージックの系譜
慶応義塾大学教授…大和田俊之
 
 第3回【ヨーロッパ系アメリカ人の民謡~カントリーミュージックの誕生】(4月19日放送)

女性ポップ歌手、テイラー・スウィフト。
ツイッターのフォロワーが、世界で第3位か第4位。
ヒット曲 "You belong with me"(カントリー・ポップ) 
バンジョー、スティールギター、といった楽器がポップス的なサウンドの中に入ってくる。
歴史的に見ると、カントリーミュージックは保守派、共和党と親和性が高い。
ところが今はその性格が弱くなっている。

【歴史】
1.イギリス文化史研究家が、米国アパラチア山脈に英国より古い歌が残っていることを発見
 
フラシス・ ジェームス・チャイルド(米国人)
  『イングリッシュ・アンド・スコティッシュ・バラード』
(1857年)
学問的な本 詩だけ305編 歌い継がれた曲のレパートリー採集、変容の記述

2.反近代主義(「古い英国」への回帰)運動で、アパラチア山脈に籠って音楽採集
セシル・シャープ(英国人)
 『English Folk Songs of the Southern Appalachian』
(1917年)
ノスタルジーがテーマ。学術的ではなく一般に開かれた本(楽譜、ピアノ伴奏譜付き)

3.その後、イギリス文化と見られていたものがアメリカのものとして書き換えられていく
=カントリー・ミュージックの誕生

4.カントリー・ミュージックというフレームワークの誕生
現在のビルボード・チャートの分類
①総合チャート、②ブラックミュージックチャート、③カントリーミュージックチャート
実は、②③の最初の録音のプロデューサーは同一人物。
黒人コミュニティ、地方の白人コミュニティ、という購買層を発見した。

「カントリーミュージック」というフレームワークは第二次大戦後の確立。
それまでは、オールドタイムミュージック、マウンテンミュージック等と呼ばれ
個々バラバラに存在していて、これらを統一するフレームワークは存在しなかった。

ロックンロールの台頭後、
それまで細かく分裂していた音楽が、ナッシュビルに集結し、ここを拠点にまとめられていく。
その過程で保守的に性格を帯びていった。
民謡というカテゴリーで、フォークとカントリーミュージックはかぶっているが、
フォークミュージック=左翼 革新 vs カントリーミュージック=保守
という図式が生まれる。

90年代以降の研究動向
昔から、白人がブルースを、黒人がカントリーを演奏することが多々あったと明らかに。
音楽に沁みついていた政治性が少しずつ剥がれている。
カントリーミュージックは「ダサい」という意識があったが
今は、バンジョーの音色が入るとオーガニックな印象、ポジティブに捉えられている。

ナタリー・デセイ&フィリップ・カサール デュオ・リサイタル
2017年4月19日(水)19時開演 21時15分終演
@東京オペラシティ コンサートホール

ナタリー・デセイ(ソプラノ)
フィリップ・カサール(ピアノ)

<Portraits de femmes>

モーツァルト:歌劇≪フィガロの結婚≫よりスザンナのレチタティーヴォとアリア
 「とうとうその時が来た~恋人よ、早くここへ」

シューベルト:ひめごと D719
シューベルト:若き尼 D828
シューベルト:ミニョンの歌 D877  Nr.4
シューベルト:ズライカⅠ D720
シューベルト:糸を紡ぐグレートヒェン D118

モーツァルト:歌劇≪魔笛≫よりバミーナのアリア「愛の喜びは消え」

ブフィッツナー:歌曲集≪古い歌≫ op.33
Ⅰ私の眼が輝く Ⅱ私はお化けが怖くない Ⅲうぶな子のあなた Ⅳ朝霧の中をあてどなく歩くと Ⅴ愛しい人が雀のように歌うなら Ⅵ少女がリンゴを齧ったら Ⅶ入り来たれ、高貴なる戦士よ Ⅷ明るい月があんなにも冷たく遠くに輝いている

~休憩~

ショーソン:終わりなき歌 op.37

ビゼー:別れを告げるアラビアの女主人

ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女(ピアノ・ソロ)
ドビュッシー:水の精(ピアノ・ソロ)
ドビュッシー:未練
ドビュッシー:死化粧

グノー:歌劇≪ファウスト≫より宝石の歌「何と美しいこの姿」

(アンコール)
・ドリーブ:カディスの娘たち
・R.シュトラウス:僕の頭上に広げておくれ op.19-2
・ドビュッシー:歌劇『ペレアスとメリザンド』第3幕より
・ドリーブ:歌劇『ラクメ』より「美しい夢をくださったあなた」

*****************

素晴らしいデュオ。
歌も、ピアノも、この二人ならではの、他に振替不可能な完成度。
歌を聴いてこんなに感動したのは初めてでした。

女性の肖像、というテーマにぴったりのナタリーの美声に
それを温かくしっかり支えるピアノの掛け合いの見事なこと。
また、観客サービス、お茶目な演出も多々あって実に楽しいコンサート。
歌曲伴奏ならぬモーツァルトのピアノソロ曲を弾き始めたカサール氏に、ナタリーが拗ねてみせるという最初の出だしから、ぐぐっと惹きつけられました。
コケティッシュなモーツァルトから、暗く冷たいシューベルトへの転換も見事なら、
伴奏譜すべてを最初から譜面台に立て、ささっと片付けるだけ、
えっちらおっちら楽譜を広げる所作皆無、というというピアノ側の配慮もあっぱれ。

この場、この時に居合わせることができた幸せ感いっぱいになりました。

アンコール曲の数からも、会場の熱狂ぶりがわかりますが、
その楽譜を、ある時はカサール氏が、ある時はナタリーが隠し持って舞台に登場し、マジックよろしくパッと広げて見せる、という仕掛けも小粋でした。
さらには、カサール氏が大きな花束を手に現れ、ナタリーに手渡すや
"Happy birthday to you~♪"と大音量で弾き始めたのにはびっくり。
なんと今日はナタリーの誕生日だったようです。
その後、い ったん会場全体が明るくなり「もうお開きですよ~」と会場側がアピールしたにもかかわらず拍手が鳴りやまず……と思ったら、
今度は、バースデイケーキを抱えて二人が登場。サプライズの4曲目アンコールとなりました。

祝祭感に満ち溢れた、幸せなコンサートでした。

ラジオ講座を聴いての覚え書きです。(ストリーミングはこちら

カルチャーラジオ 芸術その魅力(
ラジオ第2 毎週水曜 午後8時30分 | 再放送 毎週水曜 午前10時)
<シリーズ> アメリカン・ミュージックの系譜

慶応義塾大学教授…大和田俊之
 

第2回【アフリカ系アメリカ人の民謡~ブルースの誕生】(4月12日放送)
ブルースの定義づけ
 形式的には……12小節をひとまとまりとするAB形式で、何度もグルグル繰り返す
 歴史的には……西アフリカから米国に連れてこられた黒人奴隷の労働歌から発生(?)

形式的には、西アフリカの労働歌とブルースは全く似ていない。
「黒人がやってきた音楽実践」という点でつながっているだけ
ブルースについて具体的に語れるのは「どういうメディアに記録されてきたか」という点

1908年に白人によって楽譜化→楽譜の世界でのちょっとしたブーム
 ブルースにまつわる記述は「なんか変な音楽」というものでさえ1880年代になってから
 わずかの間に白人が入ってきている

*最初のブルース録音とされるのは1920年「クレイジーブルース」byメイミー・スミス
 実はAB形式12小節の曲ではない。
 黒人が歌っていて「ブルース」が曲名にあるから←「ブルースという音楽は黒人音楽」
 数万枚売れたことから、レコード会社は黒人コミュニティ特化のレーベルを立ち上げた
 

白人側の先入観・ステレオタイプ

「黒人音楽=簡素な中のノリの良さ」「素朴な中にある躍動感」
→アコースティック・ギターによる男性歌手のカントリー・ブルースを典型と考える
既にエレクトリック・ギターを持って演奏していた黒人歌手が、ボロ着にアコースティック・ギターというスタイルに変更してステージに立つ。「この方が売れるでしょ」

白人と黒人との関係性の中で、ブルースも変容していく
黒人作家ラルフ・エリソンの言葉
「悲劇的でも喜劇的でもあるような抒情を導き出す」
 ストーリーが完結することなく、宙づり状態で解決しないままにグルグル繰り返す
 (=
左手でミを弾き、右手でミ♭を弾く。12小節の繰り返し) 


(このシリーズ第1回の覚え書きby PIO→
(2017年1月~3月のシリーズ「バッハ一族とその音楽」全13回の覚え書きby PIO→

今回、こちらのブログを開設した経緯です。
もともと、ココログで12年もブログを書いていたのですが(ピアノサークル・ホームページ付属の「管理人の日記」が、システム変更によりブログとして独立)、こんな経緯でズルズルと書きためた記事、カテゴライズもうまくいかず、この辺で心機一転したくなったわけです。

せっかくなので、今回、いくつかのブログを体験してみた結果を記録しておきます。

(1)ココログ
記事にタグ付けができない、カテゴリ名も一旦つけてしまうとその後の変更ができない、というのが記事ごちゃごちゃの理由ですね。また、選べるデザインも縮小傾向に。
最近、アップできる写真サイズ制限の緩和、使いやすいアプリ提供といった改善もされていますが。

(2)Wix
サークルホームページ移転候補先(これまたNiftyの方針転換で必要に…)として取得していたWIXのIDを使ってブログを書いてみたものの、やはりWIXはホームページ作成が主体でブログはその付属。
いろいろ使い勝手が悪く頓挫。

(3)アメーバ
これもIDを持っていたので、トライ。
PCでは多様なデザインが選べても、スマホでは何とも殺風景に。これは最近の変更によるようです。有料プランへ誘導したいのかなあ。。。(殺風景スマホデザインを見栄えよく変身させるには……という個人主催の有料講座まで発見)。

(4) ライブドア
で、こちらのライブドアにたどり着いた次第。
決め手は、タグ付け&タグ検索が可能、PCでは広告表示なし、容量無制限、といったところ。
スマホでは広告が出ますが、自作のブログタイトル画像を一番上に置き、ライブドア提供のタイトルを下に移動させることで、タイトル付属の広告を画面下部へ追いやることができました。 

……ここまで苦労したんだから、ちゃんと更新せねば。このブログ。

ピアノ演奏家・愛好家の仲間が10数名、金曜日の午前、都内のとあるマンションに集いました。
今回、私は聴講で参加。
レッスンされたのは、
ブラームスが20歳で書いたソナタ(第3番Op.5)、
シューベルトが20歳で書いたソナタ(D517 Op.164)、
ショパンが20代半ばで書いた練習曲(Op.25-1, Op.25-7)。

ポイントを覚え書きとして残しておきます。
  • 一定のテンポは真珠をつなげるネックレスの紐。これがしっかりしていないと曲は崩壊する。演奏者は体の中に腹時計を持ち、自ら指揮棒を振る感覚を持つこと。曲の中の伸び縮み、ストレッチはこの感覚の中でこそ生きる。
  • オーケストラの楽器を想像して各声部を見ると、曲が見えることが多い。どの楽器が、どんな響きで演奏するパートなのか。フレーズはどこまで続くのか。16分音符が出てきた→速く弾かなきゃ、という考えは大きな間違い。重さが求められる16分音符もある。
  • ハーモニーの感触に敏感に。変化の意味を考えて。作曲家はそこにどんな気持ちを込めたのか。ハーモニーが変わると世界が変わる。雄大な響きならその厚みをちゃんと表現すること。神様が歩いて来たような響き、天国の響きもある。ハーモニーのの引き出しをたくさん持って。
  • 高音部のフォルテシモは難しい。音量だけでない工夫が必要。反対にピアニシモで音が死んでもいけない。薄っぺらくなってはいけない。オペラ歌手をよく見ると、ピアニシモのときのほうが口を大きく動かしている。これ以上ないほどの優しさ、いたわりを表現する気持ちが大切。音量ではない。響き(sonority)が必要な音はどれか、よく見極めて。
  • Pesante「堂々と」とは、「慌てなくていい」という意味でもある。私にはわかっている、感じている、ではなく、聞き手に伝わるような演奏をしなくてはいけない。
  • ペダルは演奏の音を自分でよく聞いて、足りないところを補う役目。いつでも踏めるように準備しておいたほうがいい。前提として、とにかく聴ける耳を。このときもオケの楽器とその音色を感じるイマジネーションが必要。
  • 対比されているものは、はっきり意識化して意味を理解して弾くこと。スラーとスタカート、長調と短調、ピアノとフォルテ。絶望と歓喜。
シューベルトは、転調だらけの曲想に込められた想いを、
ブラームスは、彼らしい濃厚さ 、雄大さを、
ショパンは、歌う楽器となるピアノの語りを、表現しなくてはいけない。
どれもこれも同じような音色で弾くのではダメ。

楽譜に書かれたハーモニー、リズムから、弾き手はどんな感情を呼び起こされたのか。演奏によって、どんな色を、どんな世界を描き出したいのか。意図をもって、それが伝わるように。

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