やっぱり竜が好き

野球(主に中日ドラゴンズ)についてあれこれ語ります

今回からはあと10日を切ったドラフトについて。

今回は補強ポイントの確認をして、次から高校生投手、高校生野手、大学生投手、大学生野手、社会人、独立リーグ、まとめの全8回を予定しています。

予定通りに記事を上げていっても1日も更新を欠かすことができない(最悪1日2回の更新もあるかもしれません)タイトなスケジュールになってしまいましたが、なるべく質にもこだわった記事を書いていけるよう頑張ります。


前置きはこのくらいにして本題の補強ポイントについて。

今の中日の選手を見回してみると、2桁勝利が2年続けて出ないなど計算できる選手はいないものの期待の若手は複数いる投手陣に対して、ある程度レギュラーメンバーは固まりつつあるものの怪我が多かったり25歳以下の選手がほとんどいない野手陣といった陣容で、正直どこから手を付けたらいいのかが分からない(逆に言えば誰を獲っても補強にはなる)状態です。

「先発で苦労したんだから即戦力先発を補強しろ」
「そもそも育成する若手がいないんだから高校生野手を獲れ」

どちらの意見もごもっともで、できるなら両方を重視したドラフトをしたいのですが、今年の候補を見るかぎりそれは難しくどちらかをより重視したドラフトにせざるを得ないでしょう。


それではどちらを重視するべきなのか。
個人的には今年は若い野手を重視してもらいたいと考えています。

最大の理由は二軍野手の高齢化。
特に外野手は顕著で、最も若い外野手が来年大卒3年目となる渡辺(育成)という非常事態。
本当なら去年1人くらい獲ってもよかったのですが今さらそんなことを言ってもどうしようもないので、今年は確実に補強してもらいたいですね。

キャッチャーも2012年から4年連続で大学、社会人を指名し年齢層が被ってしまっています。
谷繁の意向があったり編成の問題は今指摘しても仕方がないのでそれは置いといて、できれば高校生キャッチャーの補強も検討したいところ。


森繁はセカンドも補強ポイントだと考えているようです。
溝脇がおり周平や石垣を回す構想もあるようなので相対的に高齢化が進んでいるポジションではありませんが、絶対的な選手がいないという意味では補強ポイントであることに違いはありません。
セカンドの候補には右打ちの選手が多いので、できれば左打ち、そして亀澤や溝脇とタイプが被らない選手が理想なのかなと。

また、高齢化というよりそもそも層の薄い若い長距離砲も補強ポイントのひとつ。
特に古本の戦力外によって周平のみと言ってもいい状態になってしまった左打ちの長距離砲の獲得は検討するべきでしょう。


投手に関する補強ポイントは先発もリリーフもと言いたいところですが、今のチームに足りていない右の速球派先発と左のリリーフが最優先補強ポイントになると考えています。
選手層的に即戦力になるのであれば左の技巧派先発であろうが右投げのリリーフであろうが獲得したいというのも間違いないので、このあたりはスカウトの眼力を信じたいところ。


以上までに挙げた6つが私の考える主な補強ポイントになります。
しかし、1度のドラフトでこのすべてを埋められるとも思えないので優先順位をつけると

若い外野手>高卒捕手>(左打ちの)若い長距離砲>右の速球派先発>セカンド>左のリリーフ

こんな感じなのかなと。

層が薄い若い外野手、捕手、長距離砲を優先的に考え、その中で誰もいないと言ってもいい若い外野手が最優先。
次いで一応藤吉がいるもののその次に若いのが来年大卒4年目になる加藤になる捕手。
そして去年石垣を獲得した為外野と捕手よりは優先度が下がるもののその石垣と周平くらいしかいない若い長距離砲という順番にしてみました。

日本人の候補がいない右の速球派先発は長距離砲よりも優先順位を上げようかとも考えましたが、外国人での補強が可能であることと速球派がいないだけで右の先発候補だけで言えばそれなりにいることを踏まえて4番目に。

逆に外国人での補強は難しいものの日本人の候補はそれなりにいるセカンドは今いる候補の競争を煽ってもいいのかなと考えて5番目にしてみました。
ただ、シーズン序盤の怪我を今に至るまで引きずってしまっている溝脇の怪我の具合と未知数と言える周平、溝脇のセカンド守備の具合がそんなによくないのであれば若手の候補がいなくなってしまうのでもう少し優先順位を上げる必要があるポジションかもしれません。

左のリリーフは今シーズン岡田と福の怪我と小川の不調があって層が薄いポジションになってしまいましたが、彼らの復活や岩瀬を含めた運用、そして独立リーグやフェニックスリーグで素晴らしい結果を残している浜田智博に期待をしてこの中での優先順位は低いのかなと考えました。
とはいえ福の怪我が肩の関節唇ということや岡田の回復具合、岩瀬の年齢など不安な要素は大きいポジションなのでできれば大学、社会人、独立の中からの指名は検討するべきでしょう。


この順番はあくまでも補強が必要なポジションの優先順位であって「高卒外野手を1位で指名しろ」と言いたいわけではありません。
個人的な理想の指名は最後のまとめで書くつもりですが、先に少しだけ書いてしまうと高卒外野手は3位以降、他球団の動向や1位で指名した選手、3位に残りそうな選手を考慮して2位で獲るのも悔しいけどありかなと考えています。


具体的な指名候補は次回以降から。
去年のドラフト記事で「京田の打撃は1年目からは厳しいのではないか」と書いていた私の考えなんて何の参考にもなりませんが、どうかお付き合いください。


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前回に引き続いて今回はリリーフ陣について。

今年のリリーフ陣の成績は


救援登板数 救援投球回 救援勝利数 救援敗戦数 ホールド セーブ
田島慎二 63 62.2 2 5 6 34
岩瀬仁紀 50 35.2 3 6 26 2
又吉克樹 41 48.1 5 3 21 0
祖父江大輔 35 42.0 2 2 9 1
伊藤準規 35 46.0 0 2 9 0
三ツ間卓也 34 32.2 2 1 11 0
福谷浩司 25 26.2 1 1 2 0
小川龍也 18 12.1 0 0 3 0
谷元圭介 18 18.0 0 1 6 0
佐藤優 13 13.1 2 0 2 0
岡田俊哉 9 7.0 0 2 2 0
丸山泰資 8 12.0 0 0 0 0
ジョーダン          7 10.2 0 1 0 0
アラウホ 6 8.1 1 0 0 0
福敬登 5 5.2 0 0 0 0
浅尾拓也 4 3.0 0 0 1 0
ロンドン 4 4.2 0 0 0 0


本当はリリーフ登板をしたピッチャー全員の成績を載せるべきなのでしょうが、私の独断で笠原、柳、小笠原、鈴木、阿知羅、大野、小熊を除いた表にしてみました。


今年のリリーフ陣はまずアラウホとロンドンが期待外れに終わってしまったところからケチが付き始め、WBCの影響なのか岡田も調子が上がり切らず血胸障害の手術、去年プチブレイクした福と佐藤も肩を故障するなど怪我人にも悩まされてしまいましたね。

昨年40試合以上の登板を果たした小川はピッチングが安定せず登板数が半分以下になり、祖父江も二軍で過ごす期間が多くなるなど期待を裏切る結果に。
ただ、小川は不可解なタイミングで登録を抹消されたり、二軍で結果を残し続けた祖父江が3ヶ月弱一軍再昇格できなかった起用法にも問題はあったのかもしれません。

小川は結果ではなく内容を見て、祖父江はマイナーチェンジしたフォームを固める為の措置だったのかもしれませんし、降格後の小川の不調や昇格後の祖父江の安定感を見ているとあながち間違った判断と言いにくいのも事実なのでしょう。
ですが、何の事情も知らない私はちょっとモヤモヤしてしまいました。


ある程度計算していた選手が躓いて苦しくなったブルペン事情を支えたのは先発から転向してきた伊藤、育成から這い上がってきた三ツ間、そして超ベテランの岩瀬。

伊藤は二軍ではほとんど先発登板で、なおかつさほど結果を残していた訳ではなかったのに一軍に昇格してきてどうなることかと思っていたら中日特有と言っていい中継ぎからのお試し登板で結果を残し一軍に定着した形に。

ランナーを背負ってからの投球に課題を持っている伊藤にリリーフは難しいと考えていましたが、短いイニングを全力で投げる投球スタイルと今年覚えたツーシームが上手くハマってくれました。

フォアボールが劇的に減った訳ではありませんし、来年の成績への不安はありますが、まずは祖父江との競争の中でロングリリーフだったり6回くらいから投げる準勝ちパターンとしての信用を勝ち取ってもらいたいですね。

吉見、鈴木、柳、若松、小熊と右の先発に速球派がいないチーム事情と、リリーフで得た自信とツーシームという新しい武器を得た成長を踏まえてシーズンの終盤に先発への再転向を試した意図は分からないでもありません。
ほとんど結果を残せなかったので4度も試す必要があったのかという疑問はありますが、これで本人が納得して来年もリリーフでの起用を基本線にできるのであれば収穫になり得るでしょう。

フェニックスリーグでも今のところリリーフでの登板のみ。
伊藤は珍しく? 中日の投手起用の方針がハマったピッチャーですし、先発への未練があるにしても、まずはリリーフとして結果を出してからだと割り切ってもらいたいですね。


延長戦が多かった前半戦のブルペンを支えたのは三ツ間。
オープン戦でチャンスをつかみ結果を残し続け、他のリリーフの不安定さや又吉の先発転向も手伝って4月中盤くらいには勝ちパターンにまで上り詰めました。

酷使もたたってか6月には登録を抹消されてしまいましたが、指にかかったボールは充分一軍でも通用すると言う自信が持てたシーズンになったと思います。
それと同時に対右で言えばシュート回転したボールがデッドボールになってしまうこと、対左で言えば決め球が無く粘られた末フォアボールを出してしまうことなど多くの課題も見えたシーズンだったとも思います。

彼の起用法に関しては「もう少し慎重に起用していたら……」とも「当時の試合展開を考えればある程度の酷使は仕方がなかった」とも感じました。
何が悪かったのかを断定することはできませんが、ひとつ言えることは6月くらいからの不調は彼自身以外にも原因があるということ。
来年は起用法なり他のピッチャーのカバー(もっと言えば野手の援護も)で三ツ間の負担は減らしてもらいたいですね。

ただ、ある程度リフレッシュができていたはずのシーズン終盤の投球がイマイチだったこともあり、あらゆる面でもうワンランクレベルを上げなければならないという危機感も持ってもらいたいことも事実。

球種を増やしたり、ボールの質を上げたり、もっと馬力を付けたりやれることは色々ありそうで来年が楽しみなピッチャーです。


進退を賭けていたであろうシーズンで50試合登板とチーム最多のホールド、そして歴代1位となる通算950試合登板を記録した岩瀬には改めて頭が下がる思いです。
月間MVPを取った6月の安定した投球は勝ちパターンと言って差し支えないものだったのではないでしょうか。

とはいえ、今年43歳になる岩瀬に勝ちパターンとして1年戦い抜く体力は残っていなかったようで、7月からは少しずつ調子を落とし8月末に登録抹消。一軍復帰後の登板でも失点してしまいました。

年齢の問題だけでなくコーチを兼任するという噂もある岩瀬に「来年は1年間投げ続けられる体力を付けてきてもらいたい」なんてことを言えるはずがありません。
調子を落としたら登録を外したり、年間30試合くらいに登板数を留められるように他のリリーフに台頭してもらったり、本人以上に周りのサポートがどれだけ望めるかが来年の岩瀬の成績を決定付けるのかなと。


田島が1年間クローザーを務めてくれたことは収穫でしょう。

敗戦数の多さ、セーブ成功率の低さなどを見ると最高の働きをしてくれたとは言いにくいのですが、それは高いレベルの結果を要求するがゆえのこと。
今年の中日投手陣の中では数少ない計算通りの働きをしてくれたピッチャーでした。

しかし、忘れてはいけないのは巨人戦、特に東京ドームでの酷さ。
去年からずっと打ち込まれ続け、今シーズンは4度の登板で2度逆転を許し、1度同点に追いつかれた後岩瀬に交代、そして1度同点になる前に岩瀬に交代。
何とセーブ成功率0%というやられっぷり。
結局弱点を克服できないままシーズンは終わってしまいました。

あまりネガティブに考えてもいけませんが、もっと言えば奪三振率の低下やFIPなどを見ていると来年成績が急降下してもおかしくはありません。

森繁は来年の外国人投手は先発ができるピッチャーを考えているとのこと。
先発陣の成績を見ると正しい判断でしょうし私もその方針で行ってもらいたいと思っていますが、大事を取るなら1人クローザー候補の外国人を連れてきてもよさそうですし、日本人の中での競争は煽るべきでしょう。


シーズン中盤あたりから中継ぎに固定された又吉も期待通りの働きを見せてくれました。
田島と同じような不安も、しばらく先発登板をしていたのに50試合登板を果たしオフも侍ジャパンに召集されるなどの疲労への不安もありますが、やはり心配し過ぎても仕方がないので来年も投手陣を支える活躍に期待したいですね。

何でも、本人も奪三振率の低下と対左への弱さを克服するべくチェンジアップの習得を目指しているとのこと。
自分で足りないものを考えて行動に移す力は今の中日に足りていないようにも感じていたので、この向上心を他の選手も持てるようになった時がチーム全体に力がついてくる時なのかなとふと感じました。


7月の末にトレードで加入した谷元は中日では大活躍したとは言えず。

日本ハムで残した36試合登板、0勝2敗、21ホールド、1セーブという成績も踏まえて、本人が環境に慣れてきたりキャッチャーが谷元の投球を覚えてくれば成績も安定してくると考えるべきか、シーズン途中から衰えが出始めていると考えるべきか……

彼に関してはFAへの対応が待っています。
非常に難しい交渉になりそうですが、現状維持の単年契約で出て行かれてしまうならFAの交渉というよりトレードの決断に問題があったということなのかなと。

谷元が加入したのはもうほとんどAクラス入りの可能性が断たれた時期でした。
谷元が来年以降も中日に所属しチームに貢献してくれるのであれば補強だと言えるものの、彼に今オフ出て行かれるようではただただ金銭を失うだけだったという話になってしまいます。

2ヶ月足らずの短い期間ながら若いリリーフ陣にいい影響を残してくれた可能性や人的補償でいい選手が獲れる可能性もあるだけに損ばかりとも言い切れませんが、まずは条件面以外の部分で誠意ある残留交渉はしてもらいたいですね。


一時的にリリーフ起用されたジョーダンは短いイニングだと力み過ぎてしまう印象を受けました。
岡田と福の怪我でパワータイプのサウスポーがブルペンに不足していましたし、ハマってくれたら強力な武器になり得たのでしょうが、来年は先発としての起用を中心に考えた方がいいのかなと。

あまり器用なタイプには見えないので、もしシーズン途中からリリーフに転向するのであれば二軍での調整はしっかりするべきでしょう。


ルーキーの丸山は去年までの状態を考えれば上々とも言える結果、無理矢理ながら通算200ホールドを達成した浅尾は1年間投げ続けることができたという収穫はありました。
この2人に関しては今年の成績よりも来年どういう成績を残せるかが大事になると思うので、来年成長、あるいは復活した姿を見せてもらいたいですね。


最後に福谷について。
大活躍した2014年をピークに大きな怪我があった訳でもないのに年々成績を落としてしまっています。
150キロを越えるボールは投げられているので身体のどこかが悪いということはないのでしょうが、出口の見えない迷路に迷い込んで抜け出せなくなってしまっているような印象が拭えません。

今の中日リリーフ陣の中において持っているポテンシャルは高いと感じますし、何かきっかけをつかんでくれたらまだまだ輝けると信じています。


リリーフ全体を通じて言えるのは、田島(あと又吉もでしょうか)を固定できただけ先発よりはマシとはいえ岩瀬に50試合も投げてもらうなどそれ以外のピッチャーのやり繰りに苦労したということ。

岡田を始めとした怪我人の発生、怪我人をカバーできなかった選手層、三ツ間の使い方や結局金子の一軍登板が無かったことなどが象徴的な一部に負担が偏る起用法、期待外れだった新外国人、外国人の補強が不調だったにもかかわらずシーズン中の新外国人の補強ができなかったフロント……

起用法なんかは当時を振り返ると「仕方が無かった」とも考えられますし、二軍からの昇格が無かったことにも理由はあるのでしょうが、それを踏まえても上記のすべてが悪くてこの結果になってしまったのだと思います。

もちろん程度の大小はあるはずなので、どこかを重点的に見直す方が効率はよいのでしょう。
しかし、このすべてを今年よりも改善していかなければ優勝はおろかAクラス入りなんて夢のまた夢。
中継ぎに限った話ではありませんが選手、首脳陣、フロントが一丸となってより高いレベルを目指してもらいたいですね。


次回はキャッチャーについて書くつもりでしたが、想像以上に時間がかかってしまった(前回、今回と1つの記事が長すぎますね)為、次回からはドラフトについての記事を書く予定です。


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シーズンも終わり、今回から今シーズンの中日ドラゴンズを私なりに振り返ってみようと思います。

その第1弾は先発投手について。

今シーズンの先発は


先発登板数 救援登板数 先発投球回 救援投球回 先発勝利数 QS率
バルデス 23 0 146.0 0.0 6 60.9%
大野雄大 22 2 146.0 1.2 7 54.5%
小笠原慎之介 19 3 115.1 3.2 5 47.4%
吉見一起 14 0 75.2 0.0 3 28.6%
鈴木翔太 12 3 65.0 4.0 5 41.7%
ジョーダン 11 7 63.2 10.2 6 63.6%
又吉克樹 9 41 61.2 48.1 3 77.8%
柳裕也 7 4 43.1 7.0 1 42.9%
若松駿太 7 0 35.2 0.0 1 28.6%
笠原祥太郎 5 13 32.0 16.2 1 60.0%
伊藤準規 4 35 16.2 46.0 0 50.0%
八木智哉 3 0 11.0 0.0 1 33.3%
小熊凌祐 3 1 14.0 3.0 0 0.0%
山井大介 2 0 15.2 0.0 2 100.0%
阿知羅拓馬 1 3 7.0 6.0 0 100.0%
三ツ間卓也 1 34 5.0 32.2 0 0.0%


このような感じの成績に終わってしまいました。

年間通じてローテを守るピッチャーがおらず、バルデス、大野が規定に到達したものの本当にギリギリ。
怪我人が多く出てしまったという理由もありますが、1年で16人ものピッチャーが先発登板をしたところからもローテのやり繰りに苦労したことがうかがえます。

そして何より2年連続で2桁勝利投手無しという屈辱は忘れてはいけません。


まず何よりも目立つのが大野、吉見という開幕前に両輪として期待されていたピッチャーの不甲斐なさ。

大野は序盤はボールの精度に苦しみ、中継ぎ登板なども経験し交流戦あたりから巻き返してきたとはいえ10点差逆転負けのきっかけを作ってしまったり勝ち切れない投球は相変わらず。

吉見は前半戦こそ援護の無さや味方のミスに苦しめられる登板が続いたものの、交流戦初戦で炎上してからは試合を作ることができなくなり、結局腰痛の悪化で早期降板を2度繰り返しそのままシーズン終了。


厳しいことを言えばこの2人が中日先発事情で苦しんだ最大の原因でしょう。

効果があったのかがよく分からない登録を抹消しながらの一軍帯同や中継ぎ登板があった大野、圧倒的な実績があるとはいえ本人の希望を言われるがままに飲んで投球ができなくなる程までに腰痛を悪化させてしまった吉見の起用法に関しては首脳陣にも問題があったのかもしれません。

しかし、自立して当たり前くらいのキャリアを積んできた彼らの不出来は指導者というより本人によるところが大きいのかなと。

森繁は開幕前にこの2人で24勝を期待していましたが、蓋を開けてみれば2人合わせて10勝。
森繁の過大評価が過ぎたと見るか、2人の投球が期待を裏切りすぎたと見るかは意見が分かれそうですが、私は後者だと感じる1年でした。


今年の中日先発陣を語る上で欠かすことができない話題はやはり又吉の起用法。

参考記録程度の先発回数だった山井と阿知羅を除きQS率はチームトップ。
平均で7イニング弱のイニングを投げ、結果論ではあるものの先発での負けは無し。
チームで最初の完封を記録するなど序盤の先発陣をバルデスと共に引っ張ってくれました。

しかし、左の好打者が多いチームとの対戦をできるだけ避けるようにローテを回したり、先発時の奪三振率が5を切っていたり、被打率が2割5分を超えてしまっていたりとあのまま先発を続けて好成績を残し続けることができていたかと言われれば微妙なところなのかなと。

今になって思い返してみると、又吉を中継ぎに戻した時期は大野、小笠原、鈴木、柳、バルデス、ジョーダンでローテを回す算段が立っていましたし、ジョーダンのリリーフ起用がハマり切らず勝ちパターンが伊藤と岩瀬という状況だったので、この判断は間違ってはいなかったのでしょう。

ただ、今シーズン中に「先発又吉」への評価をある程度定めておいてもらいたかったことも事実で、アラウホ、ロンドンを筆頭にしたリリーフ陣の不甲斐なさや、三ツ間を使い過ぎた感のある起用は残念でした。

又吉本人は先発への意欲が強いようですが、若い先発候補はそれなりにいるものの中継ぎは又吉頼りという今のチーム事情を鑑みると、彼を先発に再転向させる為には福谷や祖父江、岡田、谷元(残留なら)あたりの奮起やドラフトやFA、外国人等でのリリーフの補強という又吉以外のピッチャーがどれだけ頑張れるかどうかがカギになりそうですね。

個人的には又吉の先発での成績と中継ぎでの成績を比べて「中継ぎ又吉」の方が戦力として上だと考えています。

しかし、先発が試合を作れなければそもそもリリーフに仕事がやってこないことは今年嫌と言うほど味わったはずですし、そろそろ勤続疲労も気になるので、来年も無理が無い程度に先発ができるような準備はしてもらいたいところ。


柱は折れてしまいましたが、今年は若い先発が複数台頭の気配を見せたという点で例年以上に収穫がある年だったとも思います。

苦しい時期を乗り越えてカーブでストライクを取れるようになってから安定して試合を作れるようになった高卒2年目の小笠原。

地元での初勝利を皮切りに不安定ながらも5勝を挙げた高卒4年目の鈴木。

怪我で登板こそ少なく防御率もパッとしないものの見ていて感じる印象やセイバー指標は良かった大卒1年目の柳。

シーズン終盤に勝ち取った一軍での先発機会で結果を出し、8回までの参考記録ながら完投も達成した同じく大卒1年目の笠原。

そして、二軍で2冠王を獲得し消化試合の1度だけだったものの7回2失点という結果を残した高卒社会人4年目の阿知羅。

来年へ期待値や不安に差はありますが、5人の(三ツ間を入れて6人と言ってもいいかもしれませんね)新しい先発候補が出てきてくれたことは来年に活かしたい、というより活かさなければならないところです。

彼らにも効果があったのかがよく分からない中継ぎ登板がありました。
よく分からなかったので批判ばかりをするつもりはありませんが、来年はこの5人を先発1本で起用し続けてもらいたいと思っています。

中日では怪我明けの若手ピッチャーをまずはリリーフで慣らす登板がまま見られます。
それはそれで意図は分かりますが、仮に彼らが(特に小笠原、柳、鈴木は)来年怪我をしてしまったとしても短いイニングでの調整は二軍で終わらせて一軍では最初から先発登板をさせるくらいの徹底をしてもいいのかなと。


若手の台頭と反比例するようにある程度キャリアを積んできた若松、小熊、八木、山井にとっては苦しいシーズンに。

ストレートの球速が130キロ行くか行かないかでしかも精度が落ちてしまった若松。

安定感が無くなり強みが出せなかった小熊。

得意の広島戦で打ち込まれ二軍でもイマイチ、そして戦力外通告を突きつけられてしまった八木。

2戦2勝で来季の契約を勝ち取ったものの夏場くらいまでは二軍でも打ち込まれ1億円プレイヤーとして寂しすぎる成績だった山井。

先述したように先発陣の苦しさは大野、吉見の両輪の機能不全が最大の原因なのでしょうが、この4人。特に若松、小熊の出来の悪さも痛かったですね。

どうにもここ最近の中日先発陣は複数年に渡って結果を出し続けることができません。
それゆえに今年頑張った若手先発が来年も活躍できるのかというところを根拠も無いのに過剰に心配してしまいます。

この1年で先発としての優先順位が入れ替わってしまった様子もうかがえます。
年齢や結果を考慮すれば当然の措置ではありますが、このまま簡単に先発のポジションを奪われないように頑張ってもらいたいですね。


終盤に伊藤の先発復帰もありましたが、中継ぎとしてのハマり具合を見ても先発での結果を見ても来年優先して先発に回す理由はないと言っていいでしょう。


バルデスとジョーダンの外国人組は良くも悪くも計算通り。

バルデスを序盤から中6日で回したら夏場にバテることはなかったのか、ジョーダンをもう少し大事に起用していたら肩痛は出なかったのだろうか、という疑問はありますが、昨年までの印象で言えば大して変わることは無かったと思っています。

まだ正式な発表はありませんが様々な報道を見るかぎりバルデスとの契約は今期まで、ジョーダンとの契約は延長する予定なんだそうです。

今シーズン大野と並んで先発陣を支えたバルデスが抜けると計算できる先発が減ってしまうことは間違いありません。

しかし、高齢かつ通年で規定ギリギリのイニング数で7勝前後の勝ち星くらいの期待値のバルデスを使い続けるよりも若い先発陣を優先して使ったり、新しい外国人を連れてくる方がチームの将来ににつながるとも考えられますし、この方針には賛意を示したいと思います。


かなり長くなってしまったのでこれまでの内容をまとめると、今年は大なり小なり計算をしていた先発陣が軒並みこけて、(それゆえ試された結果とも言えますが)替わりに若い先発がある程度出てきた1年だと言っていいでしょう。

ただ、その若い先発陣は通年で結果を出した訳ではない上に、彼らには心技体どの面においても少なからず穴があり、来年も確信を持って言い切れないのが苦しいところ。

来年はまず期待を裏切ってしまった中堅どころにしっかりと柱になってもらい、かつ若い先発陣に1人でも多く計算できるところまで成長してもらう年にしてもらいたいですね。

その為にフロント、首脳陣、そして選手自身が一丸となって課題の解決に取り組める組織作りが大切になると考えています。

身体の土台はできているように見える小笠原とまだ線の細さが気になる鈴木とでは身体作りのアプローチも変わってくるでしょう。
もちろん最も大切なのは本人の意識ですが、身体作りに限らず選手ごとに指導を変え、それをコーチ個人に任せきるのではなくチーム単位で共有してもらいたいところ。


ここ数年もそうですが、今年の低迷も先発の不出来が大きく響いてのものでした。

野球というスポーツの性質上、中日再建の為には先発投手の何段階ものレベルアップが必要不可欠。
首脳陣含めて近年苦しみ続けている先発陣には来年こそ奮起してもらいたいですね。


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甲子園球場で行われた阪神との25回戦は1-6で阪神の勝利。


先発のジョーダンが相変わらずボールは荒れ気味ながら4イニングを投げられ怪我からの順調な回復をアピールできたこと。
石川と阿部がバッティングでいいところを見せられたところ。
小川が1イニングをしっかり抑えられたところ。

細かいところにフォーカスして見て行けば収穫はありましたが、結局消化試合という大きなくくりの中で出場機会を得たメンバーの中に「来シーズンも一軍で見たい」という大活躍をしてくれた選手は出てきませんでした。


今日のメッセンジャーは相手が広島打線であっても攻略は難しいのではないかというような快投。
悔しさはありますが、今の中日打線が彼を打てないのは仕方がないでしょう。

ただ、凡退にも質というものがあり、あれだけストレートに合わせられない様を見ていると「例えメッセンジャーの調子がイマイチだったとしてもストレートの質さえ一定のレベルを確保できれば抑え込まれてしまうのではないか」という不安を覚えました。

メッセンジャーに限らず石崎や才木のストレートにも苦戦してしまいましたし、威力のあるストレートへの対応はいくつもある中日打線の課題の中でもかなり重要だと言ってもいいかもしれません。

リリーフ陣を筆頭に強いボールを軸に攻めてくるピッチャーが多い阪神投手陣はいろいろな指標を見ても分かるように優秀だと思います。
しかし、それにしても25試合で60点、つまり1試合当たりの得点が3点を切ってしまっているのはさすがに酷すぎます。
怪我人が多く出る前から点が取れていないので、これはチーム全体で解決法を模索しなければならない課題でしょう。

まずは今日たびたび見られた高めの釣り球への反応を減らし、甘く入ってきたストレートを一発で仕留められるようになってもらいたいですね。


三ツ間と福谷にとっては残念な最終戦になってしまいました。

三ツ間は左バッターのインコースに投げ切れず、決め球になるような変化球も無いので粘り負けてしまいましたね。
同じようなフォームの石崎を見ているとストレートの質と威力に差があるように見えました。
今シーズン序盤フル回転した疲れもあったのでしょうが、三ツ間がもうワンランク上を目指すにあたって石崎はとても参考になるかもしれません。

福谷は150キロを越えるストレートが投げられるにもかかわらず年々成績が悪くなってきています。

「一、二の三」のタイミングでバットを出してストレートだろうが変化球だろうが対応できてしまうように見えるのは気のせいでしょうか。
大活躍した2014年のピッチングと比べるとストレートのスピードも落ちているようですが、あの頃よりフォームのタメが足りないような……

また、常に100%に近い投球をしているような感じがするのも気になります。
もう少しいい意味での余裕が出てくると投球の幅も増えるかもしれませんね。


この試合の2017年の中日ドラゴンズの戦いは終了しました。

143試合戦って59勝79敗5分

去年のように最終戦までその年までの契約だったエルナンデスを使ったり(あれは最低限のレベルの試合をする為に必要な措置だったのかもしれませんが)せず順位が決まってからは中日の中では若い選手を起用したり、京田や若い先発が台頭の気配を見せてくれ例年よりも若手の育成ができたシーズンだとは思いますが、結局60勝はできず。

最下位から順位は上げましたが、去年よりも3位との差は広がってしまいました。

何が悪かったのか私の思うところはこれから少しずつ書いていく予定ですが、ひとつ言えることは球団、首脳陣、選手それぞれがこの悔しさを忘れてしまったら強くはなれないということ。

今年で5年連続のBクラス。
「負けに慣れてしまっている」と言われても否定できない長さです。

中日ファンとしてはもちろん「来年こそは優勝」と思って応援していく所存ですが、お試し起用された若手の年齢や実力を見たら優勝どころかAクラス入りも難しそうだと言わざるを得ません。

個人的には球団や首脳陣には補強と並行して地に足を付けて若い選手を時間と手間をかけて育ててもらいたいと思っています。
他の球団では当たり前の話なのでしょうが、その為に育成のプランをしっかりと練ったり、球団単位で育成のノウハウを蓄積していく作業をしっかりとやって数年かけて本当の意味で強い組織を構築していく必要があるでしょう。

出遅れてしまったことは間違いありませんが、だからと言って諦めていい理由にはなりません。
根性論になってしまいますが、遅れを取り戻すだけの努力をして、来年以降は観ていてもっと楽しい球団になってくれるといいですね。


最後に、改めまして今シーズン1年間、良いことも悪いことも書いてきた試合の感想に関する記事を読んでくれた方、そしてコメントをくださった方には厚く御礼申し上げます。


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まさかの雨天試合中止で火曜日に最終戦が順延した為、この試合の感想も記事にすることができそうです。
個人的には嬉しいのですが、中日球団としてはフェニックスリーグの日程との兼ね合いがあり頭の痛い問題になってしまいましたね。

今回はそんなフェニックスリーグ先日発表されたフェニックスリーグへの派遣選手を見た感想を書いていこうと思います。


本日までの発表された今シーズンの派遣選手は

投手
佐藤、柳、鈴木、阿知羅、笠原、岸本、伊藤、木下、浜田智博、吉田、マルティネス

捕手
木下、杉山、赤田、藤吉

内野手
高橋、石垣、三ツ俣

外野手
井領、近藤、ウルへエス、渡辺


捕手が多く内野手が4人に満たないのは一軍の日程との兼ね合いでしょう。

恐らく9日、10日、あるいは11日くらいまでの試合はファーストを赤田、セカンドで石垣か周平を起用、一軍公式戦が終了し次第阿部、石川、友永、遠藤あたりが合流すると予想しています。

石岡は二軍での試合で怪我をしてしまったようで、残念ながら治療を優先するのかなと。
はっきりと断定はできませんがここ最近復帰の報が無いあたり溝脇や桂の秋までの実戦復帰も難しそうで、そこも残念です。


※追記
石岡は怪我の程度によっては途中からの合流もありそうですね。
ジョルディ様、ご指摘ありがとうございました。


「そもそもこういうところに派遣するような若い選手が少なすぎる」という編成上の問題は今すぐどうにかできることではないので、現場としてはこれが精いっぱいでしょう。


投手陣は丸山、金子、西浜あたりが漏れてしまいました。
一軍の日程が終了したら三ツ間が合流しそうなので人数が少なすぎるということはないのですが、来季に向けてアピールしてもらいたい彼らが漏れているのを見るとと怪我を疑ってしまうのは気にしすぎでしょうか。

中継ぎでかなり長い期間一軍に帯同し、そこまで若くもない伊藤も派遣されているのはまだ先発としてのテストを続けるからかもしれません。
というより、最初の1か月を除きずっと一軍に登録され続けた彼をリリーフとして起用するのであれば派遣する意味がそこまでないでしょう。

怪我等がなければ先発は柳、鈴木、阿知羅、笠原、そして三ツ間である程度回して、谷間のようなタイミングで佐藤が投げられればと考えていましたが、怪我明けの佐藤の先発登板はまだ難しいということであれば伊藤を先発起用するしかないですね。

ただ、どうしても先発が足りないのであれば今シーズンほとんど結果を残せなかった若松を派遣してもよかったとも思います。

今の若松にとって実戦よりも身体作りやフォームの作り直しの方が大切だという判断なのか、知らない間に怪我をしてしまっていたのか、あるいは他に理由があるのか……

選手の事情や育成プランの詳細が分からないので批判をするつもりはありませんが、シーズン最終盤の伊藤を見てしまうと若松を差し置いてフェニックスリーグに派遣させてまで先発起用にこだわる理由があるのだろうかとも思ってしまいます。


実戦で投げておきたいというようなことを言っていた岡田がリーグ終盤に合流することは考えられるでしょう。
無事に投げられたという安心感を持ってオフに入ってもらいたかったので、結果は問わず回復具合の確認に当てる登板ができたらいいですね。


昨年支配下登録された三ツ間と岸本はフェニックスリーグでの結果が決め手だったとも言っていいでしょう。
二軍でそこそこの経験を積めた木下と派遣された独立リーグで最高の成績を残した浜田智博にとっては大きなチャンス。どうにか支配下登録を勝ち取ってもらいたいですね。


キューバからの派遣選手がこの時期にも日本に留まってフェニックスリーグにも参加するのはお国柄なのでしょうか。
様々な可能性を考えると、マルティネスやウルへエスが大成しても去就がキューバ政府に委ねられてしまっている状態であればという仮定を前提に、その分日本人の育成を重視するべきなのかもしれません。

しかし、またも編成の話になってしまいますが彼らよりも優先して起用したい若手もおらず、現場としてはマルティネスやウルへエスの育成にも力を入れるのは妥当なのかなと。


今シーズンの実践の機会もこのフェニックスリーグとウィンターリーグくらい。
この貴重な実戦の機会をうまく使ってレベルアップしてもらいたいですね。


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