やっぱり竜が好き

野球(主に中日ドラゴンズ)についてあれこれ語ります

タグ:土田龍空

今回は今年のドラフトの2位、3位について。


ドラフト2位 森博人(日本体育大学) 右投手


1位が高橋宏斗だった以上、2位では大学生・社会人の投手の指名になるだろうなとは予想していました。

チームに少ない左投手を狙うなら藤井聖(ENEOS)、右投手でも大道温貴(八戸学院大)という選択肢もありなのかなと思っていた中、中日が指名したのは森。


森も地元出身の選手ではありますが、事前に1位指名もありえるとまで評価されていた投手。高橋同様出身地を理由に下駄を履かせたというイメージはありません。

彼の指名は「即戦力投手を狙うべき指名順でその順位に相応しい即戦力投手を無難に指名することができた」と見るべきでしょう。



森はスリークォーター気味のフォームから最速155キロのストレートとカットボール、スライダー、ツーシーム、それにカーブも投げます。


投球の軸はストレートとカットボール。

もちろんカーブをカウント球にしたり、スライダーやツーシームで空振りを狙ったりもしていますが、左打者の内角に食い込むような球質のストレートでカウントを整え、カットボールで空振りを奪ったりゴロを打たせるのが彼の投球の基本線なのでしょう。


コントロールは良くはないけど破綻も無いといった印象。

この秋も19イニング投げて与四死球が4つだったようなのでフォアボールで自滅するタイプではありません。

しかし、彼の投球を実際に見てみると割とボールが暴れており、大学の先輩でもある西武の松本のようにプロの一軍を相手にすると与四球が増えてしまうタイプなのかもしれません。


1年目からストレートとカットボールが通用するようならある程度の成績は残せるけど、どちらか1球種でも見切られてしまえば四球がかさんだり甘く入った球を痛打されたりで苦しいピッチングになる。

いずれにせよ、来年は極端な成績が残るのかなぁと。


森は指名の経緯やリリーフとして考えられていることを踏まえるとどうしても1年目からの活躍を期待したくなります。
当然、私もそうなればいいなと期待している1人です。

ですが、先発としての可能性を模索しつつ二軍でもうワンランク上を目指す1年にするのも悪くはないはず。

防御率4点台だけど他のリリーフもパッとしないからと敗戦処理として一軍に置き続けて年間登板数が30試合前後……みたいな中途半端な使い方だけは避けてもらいたいと思っています。



最後に森の長所、課題、不安、将来への期待を書くと


【長所】
ほぼ横手投げでストレートが150キロを越えるスピード
140キロを越えるカットボール
奪三振の多さ
与四球の少なさ

【課題】
コマンド
クイック
スタミナ
対左打者への対応

【不安】
故障
コマンドが改善できるのか

【将来への期待】
又吉のようなパワフルでタフなピッチャー


先ほども書いたように1年目から一軍で活躍してくれればそれに越したことはありません。
それこそ又吉のルーキーイヤーに近い数字を残してくれれば万々歳です。

まずはそこを期待しつつ、万が一ダメだったとしてもその時はスパッと切り替えて長い目で見てあげればいいのかなと。

特に近年は1年目の選手が大活躍するのは難しくなってきていますしね。



ドラフト3位 土田龍空(近江高校) 内野手


上位で投手の指名が続いたので3位での野手指名は既定路線。

私は外野手なら今川優馬(JFE東日本)、内野手なら元山飛優(東北福祉大)か中野拓夢(三菱自動車岡崎)だろうと考えていたのですが、いざ土田の名前が読み上げられると「確かにそれもいい指名だ」と得心いきました。


中日の二軍はちょっと怪我人が出るとキャッチャーの大野奨太や石橋がサードを守ることになるほど人員が逼迫しています。

また、高松や根尾が期待していたよりショートとして伸びてこず、石垣もどちらかと言えばサードの選手ですし、彼は来年一軍定着を目指さなければならない選手。

そういうチーム事情を鑑みると二軍のショートを任せられそうな土田の指名はドンピシャと言えるものだったのではないでしょうか。


どうやら土田は阪神も3位で狙っていたようですし、この指名順位外での確保は不可能だったはず。
ドラフト当時セ・リーグ2位だったのもプラスに働きましたね。


しばしば、巨人の3位で指名された中山礼都(中京大中京)が残っていたら中日はどちらを指名していたのかと議論になっているようです。

様々な考え方があるのでしょうが、上記したように中日に必要だったのは「ショート」を守れる高校生。
仮に中山も指名できる状況だったとしても中日は土田を選んでいたと思います。


ここまで書いてきたように、土田の最大の売りはショート守備。

細かなポジショニング、打球への入り方、ただ止めるだけでなく送球動作への移行も意識した捕球、どれをとっても高校生屈指のレベルだと言っていいでしょう。

昨年夏に甲子園で複数エラーをしてしまったので堅実さに疑問を持つ方もいるようですが、本人があのミスが生じた理由をきちんと分析し糧にできているので個人的には問題は無いと考えています。


京田などと比べると足や肩は見劣りしてしまいますが、それは比較相手が凄すぎるだけ。
土田もプロでショートをやっていくのに充分な足や肩を持っています。


課題は打撃。

独自大会や合同練習会での打撃を見た感じでは木製バットへの慣れというよりタイミングの取り方に課題があるように感じました。

とはいえ、土田には高校通算で30本以上のホームランを打った実績もあります。
この夏はちょっと調子が悪かっただけなのかもしれません。

いざプロに入ってみればポンポンヒットが出る……なんてことになっても不思議はないのかなと。


最後に土田の長所、課題、不安、将来への期待を書くと

【長所】
守備力
パンチ力
プロでもショートができるであろう身体能力

【課題】
打撃
スタミナ

【不安】
タイミングの取り方を矯正できるのか
一軍トップレベルのショートと比較した身体能力

【将来への期待】
井端弘和さんのような打てる守備職人


一応一軍トップレベルの身体能力があるのかを不安な点として挙げてみましたが、正直、守備はコーチがよっぽど変な指導をしない限り不安は無いと考えています。

将来京田の牙城を崩せるか否かは打撃力の伸び次第でしょう。

1打席1打席を大切に、3年後には京田といい勝負ができるような選手になってもらいたいですね。


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無事高橋宏斗を一本釣りし、その後も高校生投手を積極的に指名した今年のドラフト。

本指名5人もあり得るし育成はあっても1人だと思っていたのが蓋を開けてみれば本指名で6人、育成指名で3人の交渉権の獲得に動くことになりました。

指名選手は以下の通りです。



名前 ポジション 学校/企業 投/打
1位 高橋宏斗 投手 中京大中京高校 右投右打
2位 森博人 投手 日本体育大学 右投右打
3位 土田龍空 内野手 近江高校 右投左打
4位 福島章太 投手 倉敷工業高校 左投左打
5位 加藤翼 投手 帝京可児高校 右投右打
6位 三好大倫 外野手 JFE西日本 左投左打
育成1位 近藤廉 投手 札幌学院大学 左投左打
育成2位 上田洸太朗 投手 享栄高校 左投左打
育成3位 松木平優太 投手 精華高校 右投右打


まず感じたのは投手指名の多さ。

昨年投手の戦力外通告をほとんど出さなかったとはいえ、それでも中日は投手の割合が多いチーム。
このオフ既存投手陣にはかなり厳しい現実が待ち受けることになるでしょう。


また、育成含め7人指名した投手のうち、高校生が5人というところにも驚かされました。

さすがに高橋宏斗を本気で即戦力だと考えていることはないでしょうし、二軍で彼らにどう出場機会を分配するのかは悩ましいですね。


今年垣越や竹内、松田が投げられていないように高校生や育成入団選手がどれくらい投げられるかはやってみなければ分からない面もあります。

垣越、竹内、松田、そしてリハビリを終えた田島や丸山などが実戦投入可能になり、今回指名した選手もバリバリ投げられるということなら問題ありません。

しかし、今年稼働できなかった投手は調整にもう少し時間が必要で、今年指名した選手は体力を作るところから。その上怪我人まで出てしまうとなれば二軍が回らなくなってしまう可能性も出てきてしまうのかなと。


この件は戦力外通告が告示された時に改めて検証するとして、ここからは指名そのものについて。


1位で高橋宏斗、2位で残っていた大学生・社会人投手のうち最も評価していたであろう森を確保し、3位で米村チーフが惚れ込んでいた高校生ショートの土田を指名したところまでは計算通りだったと思われます。

個人的にも2位までは予想通りで、3位は今川優馬や元山飛優かなと考えつつもここで土田の名前が読み上げられたときは「なるほど」と得心させられました。


驚かされたのは4位で福島、5位で加藤翼を指名したこと。

少し前に若林楽人を指名されてプランを変更した結果なのか、ここも予定通りの指名だったのか。
現状では分かりませんが、この指名には本当にびっくりしました。


今年は大学生の投手が上位でどんどん指名され、上位指名もありえると言われていた社会人投手が何人も指名漏れ、そして野手は総じて指名人数が少ないドラフトになりました。

特に左投手とスラッガータイプの選手はかなり早めに名前が呼ばれたので、4位以降でそういう選手の確保は難しかったと思います。

それでも4位、5位で社会人左腕の池谷蒼大と高校生スラッガー西川僚祐なんて指名も可能だった中、あえて高校生投手の福島と加藤翼に行ったところは賛否分かれそうですね。


個人的には福島は馬力のありそうな左投投手だし福みたいになってくれるかもしれないな、加藤翼は今年のドラフト候補の中でもトップクラスに好みだったし中日との縁があって嬉しいなと思う反面、補強ポイントからズレているという印象は拭えないと考えています。

どういう選択がよりよいものだったのか、答えが出るのは数年後ですがその時が楽しみです。


6位で指名した三好は正直知らない選手でした。

調べてみたところ、彼は三本松高校からJFE西日本に入社して5年目の選手。年齢は小笠原や郡司らと同じですね。
元々は投手をしていたのを昨年から外野手に挑戦しているそうです。

彼の指名は元々決めていたことなのか、若林楽人を指名する予定が先に獲られてしまいプランBとして予定していた選手を指名した結果なのか。

やはり現時点では何も分からないのですが、若林にとっても三好にとってもベストな指名になることを祈りましょう。


育成指名は信頼の八木ルートから強いボールを投げる左腕近藤、地元の左腕上野、そして合同練習会で密かに注目されていたらしい松木平の3名を指名。
彼らの指名も予定通りに行った結果だと思われます。

もしも宮本ジョセフ拳も指名予定だったのだとしたら残念ですが縁がなかったということでしょう。
彼には西武で輝いてもらいたいですね。



今年のドラフトは選手の素質という意味では素晴らしい指名が続きました。

しかし、森はプロに入ってから多少のチューニングが必要にも感じますし、三好も現状ではライトでの出場が多いようなので、補強ポイントを埋めるドラフトにはならなかったと言わざるを得ません。


今年のドラフトが「中途半端に補強ポイントを埋めようとせず大成功した」と言われるのか、「補強ポイントを無視したから……」と言われるかは今後次第。

先ほども書いたように結果が出るのは数年後ですが、どうにか前者になるよう球団、指導者、そして何より選手たち自身に頑張ってもらいたいですね。



この半年ほどはスカウト陣も本当に苦労したと思います。

まだ指名選手の入団交渉をまとめるという大仕事が残っていますが、とりあえず彼らに感謝とねぎらいの言葉を送りたいですね。

そしてなにより、この記事を読んでくださった方々にも本当に感謝しています。

ありがとうございました。

これからは試合の感想記事とボチボチ並行させつつ各指名選手について詳しく書いていく予定なので、そちらにもお付き合いいただければ幸いです。


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