●獣電戦隊キョウリュウジャー ブレイブ33

33話時点で放置状態または注目のテーマまとめ
doc wn min
皆さんこんばんは。
台風一過、と思いきや、今度は同じような場所で
27号が発生とか。
取り急ぎ、今回被災された地域の方々には謹んで
お見舞い申し上げます。
一刻も早い復旧を願っております。

さて、獣電戦隊キョウリュウジャーのレビューも33話
を終えまして、残すところは17話前後となりました。
来週には最後の獣電竜・ブラギガスが登場、との
事ですので、三条氏的には、いまから新たに全体制
を組み変えることはないだろうと推測します。

ところで、このサイトはキョウリュウジャーに特化して
多角的にレビューすることを趣旨として来ましたが、
依然として謎のまま、またはこのまま最後まで放置
されるであろうテーマがいくつか散見されますので
ここでしっかりと記録しておきたいと思います。

それでは順序だてて・・・

【最も大きな問題・・・・メンバーの住居と仕事】
ネタバレで、スピリットベースはどうやらブラギガスの
内部にある、ということはわかってきました。
しかし、一番肝要な、キョウリュウジャーのメンバー
たちがどこにすんでいるのか、というテーマが全員
明らかにはされていません。
初期設定で明確にされているのは、

アミィ=財閥邸宅
ソウジ=立風館
ノッさん=妹の前夫宅

だけで、
イアン、ダイゴ、空蝉丸については、
どこに住んでいて何を生業にしているのかさっぱり
描写がありません。
これは見逃す事なく、目を光らせておくべきテーマ
です。

(ダイゴ)
ダイゴは、テレマガ付録DVDの演出では、スピリット
ベースに寝泊りしている可能性がかなり高そうです

が、仕事はノッさん宅の手伝い程度で、まともな
仕事をしているようにはみえません。
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(空蝉丸)
空蝉丸も、朝稽古をしている、という描写、洗濯もの
を届けたり、柏餅を作ったりという「生活」をしている
はずですが、いまだにどこに住んでいるのかさっぱり
です
ましてや、現金収入はどこから得ているのか、という
のも大きな謎です。

(イアン)
最後にイアンですが、彼もプライベートが一切謎です。
最初に、喫茶店で作業をしているメンバーに向かって
「労働者諸君!」みたいなセリフを吐いていますから、
有産階級であることはかなり可能性が高いと思われ
ます。
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親の残した財産で食べている、または家賃収入などが

ある。と。
一切生活臭がないところから、ひょっとして預金または
収入は潤沢にあるけれどもガールフレンドのところを
渡り歩いている、またはホテル住まいという「非定住型」
の人生なのかもしれません。


【プレズオンラボ問題】
プレズオンラボは一旦破壊された後、第二ラボ、として
復旧、新たな製品を開発していますが、ラボそのもの
の描写が一切なくなりました。
21注水開始・発進体制

これは前回の破壊で、セットはおじゃんにしたもの、と
思って間違いないと思われます。
第二ラボを新しく作ったなら、プレズオンの発進シーン
のシークエンスを作るはずですので、それもないという
ことは、もう「ラボそのものはない」のです。
無題

もし新しいラボが出現したらこれは見物ですので、注視
して行きたいと思います。

【少女コズミック問題】
これは最近、ちょっとだけ顔見世程度に出ますが、どう
やらもう死に設定になったようです。
ネタとしての使命は終えたので、コズミックネタでもう一
度ラッキューロやアミィが「芸」をする、ということはなさ
そうですね。
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【ダンテツ問題】
ダンテツがスピリットなのか、それともトリンのような「神」
なのか、生きているけれども超能力者なのかについては
ペンディング状態です。
しかし彼の仕事というか使命については秘石集め、という
のが明らかになりましたし、トリンと知り合い、ということで
すので、トリンのエージェント的な存在、なのだと考えても
差し支えないかと思われます。
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【キョウリュウシルバー問題】
これはトリン説、が有力そうです。
カオスの傀儡でマッドトリン、というのが対抗馬で出る、と
いう風の噂がありますので、シルバーがトリンであるという
可能性はかなり高いかと思われます。
gigagabrevolver


【戦力比問題】
デーボス復活時に、ゾーリ魔が異常にパワーアップしたの
に比較すると、今のデーボス軍は(戦隊が一方的に強化
したとはいえ)復活後どのように戦力アップしたのか描写
が弱いように思えます。
現状、戦闘状況での双方の戦力比は、ストーリー前半と
ほとんど変わらない印象となっており、デーボス側でパワ
ーアップのプロセスがやや欠けているように思います。

【デーボス劣化問題】
アイガロンが劣化していたり、ドゴルドがエンドルフを内在
させることでデーボス内部に「時限爆弾」的なフラグがたっ
ているのも注視すべき点です。
さらにややこしいことに、今回キャンデリラとアイガロンの
恋愛フラグも立ちましたので、デーボス軍内部での混乱
が一層大きくなるものと予測されます。
復活後のカオスが大きな戦略的動きを見せないのもやや
不気味ではあります。
ここで一発逆転の、かくし玉を持ってくるのかどうか、これ
また注目点ではあります。
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【トリン問題】
結局、あれだけ大騒ぎした割には、トリンは全く元通りに
なっているどころか、最近おかしな事に、「戦い続けても
石化しない」状態にまで戻っており、大変不自然な状態
になりました。
結局、一度「死んでから」というもの、トリンは新しく生まれ
変わった、というかリセットされたような感さえ受けます。
そのための28話29話だったのでしょうか。
こういう演出であれば、「賢神は再生すると強くなって
蘇る」というひとことまたは設定が欲しかったところです。
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【秘石または獣電竜の歴史問題】
かつてデーボスと戦って破れ、世界中に飛び散ったと
いわれている獣電竜たちとガーディアンズの秘石、です
が、この描写が全くないのは気がかりです。
そもそもデーボスはゼツメイツによって恐竜達を絶滅さ
せた、と言っていますが、その後、トリンが獣電竜を開発
して第二ラウンドに入った事になっています。
第二ラウンドに入ってからの描写のほうが大事だと思う
のですが、これがすっぽり抜けています。
獣電竜と戦った時は、まずキョウリュウジャーはいなかった
わけですから、デーボス軍はカオスとゾーリ魔とゼツメイ
ツ、そして地球側はトリンと10大獣電竜+ガーディアンズと
いうことになるはずですが、これは戦力バランス的に考
えてデーボス軍の物量が弱いように感じます。
ゼツメイツは機械である獣電竜にも作用するようですが、
これが獣電竜が世界中に散った原因、というのは解せま
せん。
yuyokurui

仮にデーボス自身がカオスとともに戦ったとしても、敵の
トップはたった2名?ですから、「核兵器」のようなもので
一瞬に地球を焼き尽くす、ようなとんでもない攻撃をしない
限り、戦闘は局地戦であったはずで、ならばトリンはそれ
ぞれの獣電竜の戦いと敗北の現場をモニターしていて然
るべきだと考えるのが妥当です。
だから、居場所を知らないというのがそもそも不自然です。
また、当時見失った、としても、現在に至るまでモニター
の技術を開発できなかったというのもにわかに信じがたい
話です。
なんといっても「神」なのですから。

是非、この辺りの説明は、多少は欲しいと思います。

【デーボスのメタ的な解釈】
井上仮説☞物語世界について
を採用するとすると、

●デーボス       =アメリカのコングロマリット
●トリン         =フランスの権威
●キョウリュウジャー =日本

ということらしいですが、
この物語世界を更に拡張すると、

デーボスの各メンバーのキャラクターは、
それぞれこういった感じになるのではないかと推測
して見ました。
これはキャラクターデザイン、組織内の関係性から
記号論的井上理論に基づいて割り出したものです。
ただし井上さんも言う通り、これは物語の表面には
出ない、みえない部分です。
kaossan

●カオス     →  アメリカのコングロマリットを支える支配階層
              硬貨の両面、自由の女神+鷲、で出来ている
●ラッキューロ →  アメリカの軍事力を税金で維持させられている都市部中間階層
              無邪気で楽天的な典型的小市民
●キャンデリラ →  権力の正当性を喧伝するハリウッド(国家的宣伝機関)
              「鳴りもので権力を増大させる」
              という行為で端的に形象化されている。        
●アイガロン  →  同じく納税で軍事を支えるWASP以外の欧州移民層、労働者階層
              なんらかのハンディ、コンプレックス
              意識下にありつつ国家を形成してきた層
●ドゴルド    →  二次大戦などで実際に戦った在米日系人
              アメリカ人から見た日本人。
              立派な鎧はあるが中味を借りてこないと
              いけない、というのは日本人が西洋
              から文明をパロった、という皮肉とも
              解釈できる。
              全体が雷神の姿であり、物部氏の七支刀
              で武装しているのがあまりにも明快な
              記号化。

ただし、以上の図式はあまりにも単純化、様式化され
すぎています。
実際の米国の権力構造は、非常に入り組んだカルチャー
コンプレックス(文化の複合した状態)の中にあり、こういう
説明では不完全にも程があるのは自明です。
しかし、この単純なイメージ化を東映が、というかテレビ
朝日が思いついたものであるとするならば、これは一つ
間違えるとストレートな反米表現ともとられかねず、大
変きわどいキャラクター設定をしたものだと思わざるを
得ません。

一方では、井上説そのものが、説明できない現実が
あることも事実です。
デーボスがアメリカの軍事的覇権である、と解釈する
と、「侵略しようとする相手の姿になる」というデーボス
の行動様式が、実際のアメリカの軍事的覇権のあり方
と大きな矛盾を発生してしまいます。
アメリカの軍事的ヘゲモニーは、常に自由、民主主義
といった高尚な価値観で相手側を「同化」することで達
成されてきたからです。
いわば押付け、の論理であり、そこには相手の姿を
取り込む、というフレキシビリティはないように思います。

いずれにせよ、今後、キョウリュウジャーがどのように
進展してゆくのか、興味と関心を持って見守って行き
たいと思います。