2007年02月01日

 「献血にご協力ください」
知らない間に公園に来ていた。
モノクロワールドから献血の呼びかけに現実に引き戻された。
「この時期は血液が不足しています」
あいつらいつだって不足してんじゃないか
こんなに政府まで自己中心的に行動して、金を世界から巻き上げてたくさん税金を納めてくれって公言してる時代だぜ
誰が自分の血液を無償で”ある不幸なAさん”にあげようなんて思うんだ?
「あなたがもし不幸な事故に巻き込まれたとき、輸血できないかもしれないんですよ!」
もし自分が被害者だったら?
この論法は正しいようで別に何の意味を持たない。
というか正しいなんて何の意味もない。
”人はいずれ死ぬ”
これは正しい、だけど
だからなんだってんだ?
ニーチェの言うとおり神の死んだ後に善は存在しないさ。
「じゃあてめぇの血でも寄付しろよ」
取りすがりのLDがどなった。
人の振り見て我がフリ直せじゃねぇけどLDの行動を見るとどんだけ自分がクソッタレかがよくわかる。
「あの、こんちわ」
「あっ、献血にご協力いただけるんですか?」
「えっ・・あぁ俺貧血だから・・なんかクソ親父に怒鳴られてかわいそうだと思いまして」
「ははっ、大丈夫ですよもう慣れっこですから、最初のころはきつかったですけど」
「これアルバイトかなんかなんですか?」
「いやボランティアですよ」
「よくやりますねぇ・・こんなご時勢にに献血なんかするやついないでしょ?なんかへんな宗教信者とかじゃなきゃ、あっすいません失礼ですね」
「いいですよ、それが真実ですしね。みんな自分のことで忙しいんですよね」
「じゃあなんでこんなことしてるんですか?」
「・・実は子供の時白血病だったんですよ。でも医者とか看護婦の人とかすごく優しくしてくれて・・輸血もいっぱいしたんですけどそれを見てたらこの血をくれる人がいるんだなぁ、支えてくれる人がいるんだなぁって思って・・すいませんつまんない話してますね」
「全っ然そんなことないです。つづき聞かしてください」
「はぁ・・だから白血病が奇跡的に治ったときに自分も誰かを助ける仕事したいなって思って、医者目指して勉強しながらこんなことしてるんです。僕の血は薬漬けだからまったく献血にはつかいもんになんないんですけどね・・誰かを助けたい!とかおおげさなこと言って結局他人の助けを求めてんですよ、バカみたいですね。」
「バカじゃないですよ、全然バカじゃないです。感動しました、やっぱ献血します!」
「でも低血圧なんですよね?無理しないでいいですよ」
「いやどうせすること何もないんでいいですよ」
「そうですか・・じゃあそこに座ってください・・ところで何型ですか?」
「えっ・・知んないです」
「あぁ、今日検査キットないんでダメですね。血液型わかんないと」
「そうなんですか?じゃあ今度調べてからまた来ます。うちのバカの友達も連れてくるんでグイグイ搾り取ってやってください」
「ははっ♪じゃあまってます」
「じゃあまた今度、さようなら」
「さようなら」


続く


(23:57)

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