コロナ禍を克服し明るい年にしよう!

 高知市の五台山竹林寺へ初詣。管主様の講話を拝聴
R3竹林寺1







 











令和3年の正月である。例年なら“希望に満ちた新しい年の幕開け”
と、国民こぞって寿ぎたいところだが、今年は到底そんな心境には
なれない。

コロナ禍は終息に向かうどころか拡大の一途をたどり、本日7日、
東京都と周辺3県を対象に2度目の緊急事態宣言が発出されること
とになった。由々しき事態である。

地元愛媛県でもじわじわと増加し、感染者は540名を超えた。対岸
の火事では済まされない。県民の英知と団結力を“全集中”して、こ
の難局を乗り越えなければならない。

今年の正月は、子供や孫たちが高齢のじじ、ばばを気遣って帰省し
なかったため、夫婦水入らずで静かに過ごした。

二人だけの正月も乙なものである。子供たちが贈ってくれた銘酒を
嗜み、家内手作りのおせち料理に舌鼓を打つ。過ぎし日に想いを馳
せ、楽しかりし老後について語り合う。貴重なひとときであった。

 地元の氏神様・西条市の伊曾乃神社に初詣
R3伊曾乃神社2



















孫たちの思い出話で盛り上がっているうち、5人いる孫の1人が高
校受験であることを思い出し、合格祈願の初詣に出かけることにし
た。
わが家では、学問に関することは高知市にある五台山竹林寺にお願
いすることにしている。2日、参拝客の密を避けて早朝に出発し、
山中の冷気に身を委ねながら頭を垂れ合格を祈った。

明くる3日、地元の氏神様・伊曾乃神社にもお願いしなければ叱ら
れると思い、お賽銭をはずんで念入りに祈願した。

さらに、学問の神様といえば天神様、こちらもないがしろにするわ
けにはいかない。今治市の綱敷天満宮まで足を伸ばした。

これで万全、合格間違いなし。三社のお守りを握りしめ、意気揚々
と帰宅した。メールで次男に報告したら、あきれ果て、「年明け早
々年寄りはウロウロするんじゃない」と叱られた。

“爺婆バカ”、ここに極まれり!

 今治市桜井の綱敷天満宮にて孫の高校受験の合格祈願
R3綱敷天満宮


















 高松市の香川県立ミュージアムで日本伝統工芸展を鑑賞
R3伝統工芸展





























「年寄りがウロウロするな」と子供に叱られたが、こればかりは見
逃せない。

1月4日、高松市の香川県立ミュージアムで開催されている第67回
日本伝統工芸展を見に行った。

同展は、昨年東京にて開催された本展の作品のうち、受賞作品を中
心に7部門合計200点が展示されている。

陶芸・染織・漆芸・金工・木竹工・人形・諸工芸、いずれも素材の
特色を生かし、作家の持てる技術のすべてを駆使し、心血を注いで
制作した物ばかりで見ごたえがあった。

なかでも私が注目したのは、乾漆平文蒔絵漆箱「氷壁」 須藤靖典
(日本工芸会総裁賞) 上記写真。自然の滝が凍り、生み出した氷
の文様が変化に富み、大胆にして繊細。不思議な暖かみがあり、作
者の胸の鼓動が伝わってくるような名品。

もう1点。私は金工が好きで、見るのを楽しみにしているが、今回
特に感動したのは象嵌花器「連樹」村上浩堂(日本工芸会奨励賞)
黒褐色の表面に刻まれた樹木を象徴する明るい文様がモダンで気品
がある。(下記写真・受賞作品2の2段目左)

その他、人形の木彫彩色「時」松崎幸一光(日本工芸会奨励賞)等
魅力あふれる作品揃いで、時間をかけて鑑賞した。

今年私は、順調に行けば80歳の大台に乗る。これからの人生は、未
知の道なき道を歩むことになるだろう。恐れはない。今までと同じ
ように、着実に一歩一歩進むだけである。

 日本伝統工芸展。名品揃いの受賞作品(1)
R3伝統工芸展2








































 受賞作品(2)
R3伝統工芸展3












































令和2年私の5大ニュース発表!

 愛媛県教育文化賞授賞式。記念写真(11月3日)
R2受賞記念写真


















令和2年、コロナ禍に翻弄された1年も残すところ4日となった。
来年以降も苦しく長い戦いが続きそうだが、今こそ日本の英知を
結集して、何とか明るい未来を築きたいものである。

私の1年を振り返ってみると、今年ほど見えない敵に怯えて動きが
束縛され、行きたい所へ行けず、したいことを我慢して過ごした年
はなかった。

では、ステイホームが苦痛だったかというと、そうでもない。好き
な絵を描き、読書にいそしみ、ブログを書き、下手な俳句をひねり、
落ち着いて過ごすことができたのは、人生において得難い機会だっ
たと言えなくもない。

静かに過ごした反面、様々な慶事や思い出深い出来事があり、約80
年の人生で忘れることのできない特別な年であった。後年のために、
今年の5大ニュースとしてまとめ、記憶に留めたいと思っている。

 第1位 愛媛県教育文化賞受賞(11月3日)

 第2位 数え年80歳。めでたく「傘寿」を迎える(6月29日)

 第3位 南あわじ市に自作油絵「日本生誕・自凝島」を寄贈
                      (7月28日)
 第4位 第61回グループどんぐり展を開催(7月)

 第5位 ライフワーク、「霊峰石鎚36景」制作に着手

以下、順を追って、概要と感想を述べたい。

 愛媛県教育文化賞授賞式会場。式典が終わり、ホッと一息
R2教育文化賞受賞式


















第1位 愛媛県教育文化賞受賞(11月3日)

「愛媛県教育文化賞」は、愛媛県の教育文化部門における最高の栄
誉ある賞である。

教育関係とは縁のない民間企業出身の私が受賞できる賞ではないが、
美術文化部門では長年様々な役職につき、特に愛媛県美術会の会長
を3期6年間務めた功績が認められて授与されることとなった。

私は、小学3年生のとき絵画の道を志して約70年間、一度も中断す
ることなく精進することができたのは、美しい自然に恵まれ文化の
香り豊かな郷土・愛媛県に育まれ、加えて友人・知人・家族の温か
い支援を受けたおかげであると深く感謝している。

20年前、60歳の還暦を迎え会社を定年退職した時、これからは大恩
ある愛媛県のため、また美術文化発展のために微力を尽くしたいと
考え、ひたすら尽くしてきた。

その結果、このようなご褒美をいただけるとは予想だにしなかった。
まさに“情けは人の為ならず”である。

第一線から身を引いた今、現職の時のように表立った活動はできな
いが、生涯現役の志を持ち、絵画制作を続けたいと思っているので、
今後とも出来る限りの努力は惜しまないつもりである。

 今年は数え年80歳、めでたく傘寿を迎えた
R2栗林公園一夫

























第2位 数え年80歳、めでたく傘寿を迎える

今年、めでたく傘寿を迎えた。私自身80歳になったという意識は
さほどなかったが、遠くに住む長男・次男から傘寿祝いの日本酒
が届き、彼らの嫁さんや孫たちから祝いのメール、電話がかかっ
てきて、感激し、つい涙腺が緩んでしまった。

誕生日の6月29日、家内が祝いの膳をしつらえてくれたので、二
人でささやかな祝宴を催し、思い出を語り合った。

私は、幼児の頃は虚弱児で、両親は「この子は長生きできないの
では・・・」と心配したそうだが、成長するにつれて元気になり、こ
の年になるまで病気らしい病気はしたことがない。

才能も財産も力もない私は、出来ることといえば、長生きして絵
を描き続けることだけである。

かの有名な葛飾北斎が、いまわの際に、「天我をして5年の命を
保たしめれば、真正の画工となるを得べし」と慨嘆したとのこと。
世界の巨匠と比較するのもおこがましいが、この言葉を励みとし
て、ひたすら努力するつもりである。

 南あわじ市に、自作「日本生誕・自凝島」(50号)を寄贈
R2南あわじ寄贈

 
















第3位 南あわじ市に自作油絵「日本生誕・自凝島」を寄贈

私は、自作を寄贈するという行為は好きでなく、過去数点しか贈っ
たことがない。しかし、このたびは特に縁があって、全く見ず知ら
ずの兵庫県南あわじ市に自作油絵を寄贈する仕儀となり、思わぬい
きさつに自分でも驚いている。

今年度5大ニュースの第3位にランクアップした所以である。

昨年、令和という元号の新しい年が誕生した。私はこの年を長く記
憶に留めるため、「日本生誕」を題材とした作品を描きたいと思い
立ち、古事記や日本書紀を読み、古画を研究し、伝説の地を訪れた
りして準備を進めた。

昨年元旦の読売新聞に、南あわじ市の沼島にある「オノコロ島」は
イザナミ、イザナギの二神が国生みのために降り立った伝説の島で
あると紹介していたのを思い出し、現地を訪れた。

その時のルポは、昨年7月のブログに詳しく書いたので重複を避け
るが、この経験により構想は一気にまとまり、50号の大作「日本生
誕・自凝島」を描き上げた。

この作品は、昨年の秋季県展および今年7月のグループどんぐり展
に出品し、好評を博した。

作品を見た知人が、「この作品は、展覧会が終わったらどこかに展
示するのですか? ゆかりの地に展示され、多くの人に見てもらっ
たら素晴しいですね」と言ったのがヒントとなり、嫁入り話はトン
トン拍子に進んだ。

7月28日、同市の市長室で贈呈式が行われ、関係者が見守る中、私
から守本市長に絵画を手渡した。その模様は、地元のテレビや新聞、
同市の広報誌等で紹介され、話題となった。

思いがけないことがあるものだ。傘寿の年の嬉しい出来事として、
ほのぼのとした気分に浸っている。

 第61回グループどんぐり展を開催。出品者記念写真
61回記念写真2















第4位 第61回グループどんぐり展を開催(7月)

私が主宰する「グループどんぐり」では、毎年グループ展を開催し
今回で61回を数える。

私としては昨年、60回記念展を開催したのを区切りとして、大々的
に開催するのは止めてもよいと思っていた。しかし、幹部会員たち
は承知しない。「準備・設営、すべて私たちがやります。先生は監
督していてください」と言うので、任せることにした。

当会には約25名の会員がいる。様々な人材が揃っていて、働き盛り
の男性が多いのが特色。黙って見ていると、本当に仕上げてしまっ
た。嬉しいような、寂しいような、複雑な気分であった。

今回は、コロナ禍の影響で会場の「あかがねミュージアム」は2月
以来閉館していて、どんぐり展は再開後初めての展覧会ということ
になる。ぎりぎりまで開展できるかどうか心配したが、何とかオー
プンにこぎ着けた。

結果は大成功であった。コロナ禍にも拘わらず1,000人近い人が訪
れ、久しぶりの展覧会を楽しんでいただいた。

どんぐり展の後、市民ギャラリーの利用が低調だったことを思うと、
どんぐりの行動力を見せつけた結果となり、鼻高々であった。

 ライフワーク、「霊峰石鎚36景」制作に着手
黎明石鎚完成















 




第5位 ライフワーク、「霊峰石鎚36景」制作に着手

最近、葛飾北斎の回顧展を見る機会が多く、いつしかどっぷり浸か
ってしまった。

この夏、ステイホ―ムの無聊を慰めるために「北斎・富嶽三十六景」
(日野原健司編)を買って読み始めると、なおさら深みにはまり、
日本の巨匠・北斎の向うを張って、「霊峰石鎚三十六景」を描いて
みようと思い立った。

考えてみると、私の65年に及ぶ絵画人生の中で、最も多く描いた風
景画のモチーフは石鎚山だろう。

毎年、新年の描き初めは、西条市内から石鎚山を望んで描いてきた。
その他、四国山脈をぐるりと回り、様々な角度から描き続けている。

描きためた作品は50点を下らず、後生大事に保管しているが、引っ
張り出して眺めてみると「よくも下手な絵を描きも描いたり・・・」
と自分ながら呆れ果てている。

こんなことでは風景画家の名がすたる。何とか鑑賞に堪える作品を
描き残したいと一念発起した次第である。

今年描いた石鎚山の作品は、50号2点、小品10点、旧作を手直しし
た作品6点と猛烈な描きぶりだ。

来年以降の制作、請うご期待!





 

令和2年有終の美を飾る二美術展

 愛媛県美術館「エコール・ド・パリの色と形」展
R2エコールド1





























コロナ禍は終息するどころか益々拡大し、年末を迎えて第三波が襲
来、日本中が大きなうねりに翻弄されている。

美術界も被害甚大で、数多くの企画展が中止となり、公募展も開催
できず、作家も美術愛好者も逼塞を余儀なくされた1年であった。

欲求不満で欝々と過ごしていたところ、地元四国で格調高い二つの
展覧会が開催されているのを知り、コロナ予防に万全を期し、恐る
恐る出かけてみた。

その一つ、愛媛県美術館で開催されている「エコールドパリの色と
形」展は予想を上回る充実した内容で、久しぶりに満ち足りた気分
になった。

 荻須高徳作「洗濯場」(写真左)、藤田嗣治「自画像」
R2エコールド4









 







本展は、名古屋市美術館の所蔵作品を中心に愛媛県美術館の代表的
作品を加え、20世紀の初旬から中旬にかけてパリで活動したエコー
ル・ド・パリの作家たちが織り成す夢の世界を現出している。

彼らは、各々の個性が評価される一方で、形よりもむしろ色の中に
表現の可能性を追求したと思われがちだ。しかし、よく観察してみ
ると、彼らは前衛的なキュビスムやアカデミックな古典主義を含む
多種多様なイズムに、時には近づき時には離れて、常に色と形を変
化させていることが分かる。

本展は、この点に注目し、「色」と「形」の2章で構成し、作家の
色と形の特徴を浮かび上がらせるとともに、作家の心境の変化によ
り、色と形が変貌してゆく様を明らかにしているのが興味深い。

私が注目したのは、モディリアーニ、ピカソ、キスリング、ヴァン・
ドンゲン等の代表作家。そして同時代、大望を抱いてパリに渡り活
躍した日本人、藤田嗣治、荻須高徳、安井曽太郎である。

中でも、荻須高徳には改めて畏敬の念を抱いた。本場のスターたち
に負けない格調と力強さ。白と黒を基調にしながら色彩を駆使して
構築したパリの街角風景は、ブラマンクやユトリロを越えていると
感じたのは私だけではないだろう。

評判が評判を呼び、平日にも拘わらず多くの入館者で賑わっていた
のもうなずける。同展は、前期と後期の2部制で、前期は12月20日
で終わり、展示替えを経て後期は22日~1月31日まで開催される。

2021年の正月は1月2日(土)から開館する。新年を希望に満ちた
明るい年にするためにも、縁起の良いエコール・ド・パリの雰囲気
に浸ってみるのも乙なものでは!

 キスリング「ルネ・キスリング夫人の肖像」(左)
 キース・ヴァン・ドンゲン「コルセットの女」

R2エコールド3


















もう一つ必見の展覧会は、第11回高知国際版画トリエンナーレ展で
ある。

高知県いの市にある「紙の博物館」で開催中で、会期は12月26日
まで。もっと早くご紹介しなければと思いながら、雑事に追われて
遅くなったことをお詫びする。

同展は、土佐和紙の普及を目的として1990年から3年に一度開催さ
れている。私は第8回展を見て以降、国内だけでなく世界の国々か
ら応募して展示されるスケールの大きさに驚き、かつ版画の多彩な
表現の面白さ、内容の豊かさ、斬新さに魅了され、毎回欠かさず鑑
賞している。

今回は、新型コロナウイルスの影響で作品の送付が間に合わない等
アクシデントに見舞われ、応募作品は減少した。それでも、国内か
ら588点、国外431点の応募があった。

厳正な審査の結果、入選、入賞作品約100点が選ばれ展示されている。

大賞に選ばれた川村紗耶佳さんの作品「rain  sound Ⅱ」
(写真)は、土佐和紙の質感を生かした透明感や開放感のある色彩表
現、ゆったりとした時間の流れを感じさせる作風が評価された。

高知県内からは徳広秀光さんの「シンドロームX 閉ざされた世界」
が土佐和紙賞に選ばれた。(写真参照)

その他、ポーランド・メキシコ・タイ・インドネシア等、海外出品
にも入賞作品が多く、日本人とは感性の違いを見せつけられ、楽し
ませてもらった。

来たるべき年は、びくびくせず、ゆったりと展覧会を楽しみたいも
のと願いつつ、今年の見納めとした。

 高知県いの市にある「紙の博物館」
DSC00487


















 高知国際版画トリエンナーレ展の大賞受賞作品
R2いの版画1


























 凖大賞受賞作品(左)、土佐和紙賞受賞作品
R2いの版画2

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