2013年08月

美術会のホームページ開設決まる

女神の絵日記 : pitibo2000のブログ

          愛媛県美術会ホームページのフロー図

美術会HP
























 念願の愛媛県美術会のホームページが誕生することになった。

 第62回秋季県展が10月16日から開催されるが、これに合わせて開設できる
よう本格的な準備に入った。

 世はまさに情報化時代。WEBサイトを通じて情報を発信する必要性を痛感し
ていたが、実現の目途がたち喜びを禁じえない。

 開設の目的は、会員や県展出品者、支援者および潜在的なユーザーを、ソー
シャルメディアを利用して囲い込み、情報の共有と拡散を図ることにある。

 具体的には、美術会の活動、特に作家レベルでのファンの獲得を狙うことで、
県展への出品や入場者の獲得など、全体的な効果の底上げを図りたいと思っ
ている。

 芸術家集団のホームページにふさわしいセンスあふれるビジュアルな構成に
したい。
 トップページには、会員優賞の作品を「イメージスライダー」で紹介し、興味を
惹きつける。

 県展のサイトでは、開催要領・入選者名・受賞者名等をタイムリーに掲載する。
 美術会のサイトには、組織・役員・会則など必要な情報を掲載。
 会員活動状況のサイトでは中央展、グループ展、個展等での活躍を紹介する。

 その他、会員ウェブ・ギャラリー、イベント情報、リンク集など魅力的なサイトを
計画している。

 ブログの愛読者のみなさま、おもしろいアイディアがあれば教えてください。
 
 美術会のホームページ開設を楽しみにお待ちください。

 トップページを飾る予定の会員優賞の作品(イメージスライダーにて紹介)
会員優賞1































会員優賞2

バングラディッシュにありがとう

女神の絵日記 : pitibo2000のブログ

 高松港に出現した「ベンガル島」  (パンフレットより)
ベンガル島
























 8月17日、高松市美術館で開催されている現代美術家・大竹伸朗展を
見に行った。斬新で意欲的な作品がずらりと並び圧倒されたが、美的と
は言い難く、後味の悪さはぬぐえなかった。
(今をときめく時代の寵児に、申し訳ありません)

 美術館のロビーで、ふと目にしたのが上記パンフレット。

 「高松港・アート工房 ベンガル島」って何だろう。開いてみると、瀬戸内
国際芸術祭の特別企画として、バングラディッシュのアーティストや物づく
りの職人、パフォーマーら100人以上が高松港に集結しダッカの市場の
ような活況を呈しているとのこと。

 これは、行かずばなるまい。インド通の私にとって、バングラディッシュは
他国とも思えぬ国である。かてて加えて、最近まで親友が仕事で赴任し、
いろいろと体験談を聞かされていただけに興味は尽きない。

 サリーを着た美女が、猛暑をものともせず、刺繍を続けている
バングラ刺繍




















 バングラディッシュは、17世紀以降のイギリス植民地支配、インド独立に
ともなう東西パキスタンの分割統治を経て、1971年に独立した。
 
 ガンジス川等の三角州地帯に位置し、水と緑豊かな農業国である。日本
の40%の面積に約1億5千万人の人口をかかえ、世界で最も人口密度の
高い国の一つ。頻繁に自然災害に見舞われ、貧困国の一つである。

 多様な民族・歴史・文化的背景を持つ同国は、アートから物づくり、歌・詩
演劇等、豊かでエネルギッシュな表現世界を展開している。

 「スポンジ・ウッド細工」器用な手つきで様々な動物を彫りあげる男性
バングラ職人




















 「ガジール・ポト」(絵巻物)素朴で色彩豊かな絵画は魅力にあふれる バングラ絵画





















 高松港の「ベンガル島・アート工房」では、実に多彩なパフォーマンスが繰
り広げられていた。

 焼物・楽器・織物・クラフト・ペインティング等の工房に分かれて、小さな小
屋が軒を連ねて、猛暑をものともせず作業に熱中していた。
 
 刺繍をする二人の美女に魅かれた。デッサンしたいなと思ったが、何しろ
気温は37度を超えて、汗が滴り落ちる。熱中症になる前に退散した。

 
 高松市美術館の市民ギャラリーでは、「バングラディッシュ絵画の精髄展」
が開催されていた。
 
 1960年代以降、現在まで活躍する現代美術家たちの近作33点を展示。
1980年代までは半抽象的な表現が主流を占めていたが、その後、世界と
ダイレクトにつながる機会が増えて、創造の無限の可能性を求め、より表
現を多様化させている。
 会場には、新鮮でエネルギーあふれる作品が並び、魅了された。

 美術には国境はない。グローバル化はとどまるところを知らない。高松で
遠くて懐かしい国・バングラディッシュの作品が見られるとは思わなかった。

 思わぬ贈り物に、感謝感激!
 
 「ヌハシュとエイリアンー34」 モハンマド・アミルル
ヌハシュ

















  「たくさんの顔ー1」 アブダス・シャクールシャハ
たくさんの顔

背景は背景にあらず!

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 千住 博「ウォーターフォール」(1995年)
千住博滝























 
 「バックの描き方が分からない。どう描けばいいのですか?」

 という質問には、ほとほと困らせられる。自分では十分理解しているつも
りだが、初心者に分かりやすく説明するのは難しい。悩みの種であった。

 この悩みが一挙に解決した。千住 博著「絵を描く悦び」が明快に解きほ
ぐしてくれたのだ。要点を整理してみると、次のようになる。

 そもそも絵には「バック」などというものはない。「背景は背景にあらず」だ。
モチーフ以外の余白、物と物との間にある「アキ」を全部含めて1枚の絵で
あり、切り離して考えるのがそもそも間違いである。

 と、喝破してくれた。快なるかな! 日本画家 千住 博はまさに日本を代
表する一流のアーティストである。改めて尊敬の念を強くした。

 余白を最大限に活かした名作。
 長谷川等伯「松林図屏風」(上)と狩野永徳「花鳥図」
長谷川等伯





















 千住氏 は、そのことを証明する作品として、上の2点を挙げている。

 いずれも、主題と余白は決して切り離すことはできない。
 余白が主題の松や梅を引き立てるとともに、渾然一体となって独自の宇宙
を形成し、見る者をその世界にいざなう。

 余白をこの境地まで追求し、表現した作品は他に見られない。我が国を代
表する名画たる所以だろう。
 
 では、どうすれば余白をここまで表現することができるのだろうか?
 秘訣は、基礎勉強の段階にありそうだ。

 普通の人は、主題の人物や果物は真剣に描くが、余白にはさほど神経を
使わない。実は、徹底的に物と物の関係を追及することが大切なのだ。

 アキの面積には、何もないように見えるが、空気がいっぱい詰まっている。
それが、描いている本人とモチーフを結びつけるとともに、背景も含めて一
つの宇宙を形成していることを知るべきだ。

 物を描くと同時に空気も描く、徹底してこの姿勢を貫くことが上達の早道で
ある。修練すれば表現方法が分かる。観察すれば色が見えてくる。
 空間を描くのは何も難しいことではない。概念を捨て、自分のスタイルで自
らのハートを表現すればいいのだ。

 千住氏は、余白を含めて全体で一枚の絵である。余白の表現の出来、不
出来が作品の価値を左右することを教えてくれた。

 千住 博の原点となった「フラットウォーター」。他1点
千住博2点





























 お知らせ

 私のインタビュー記事が掲載された「月刊インタビュー」9月号が、8月20日
発刊されます。東予地区の書店で販売されますので、興味がある方はぜひ
お買い求めください。

アートといりこの島「伊吹島」

女神の絵日記 : pitibo2000のブログ

 洋上に浮かぶ鯨のような形の伊吹島(パンフレットより)
伊吹島パンフ























 香川県観音寺市の沖合約10kmに浮かぶ小さな島「伊吹島」。
 過疎化が進み訪れる人も少なく、忘れ去られようとしていたが、今年
「瀬戸内国際芸術祭2013」に参加して、アートの島としてよみがえり、
脚光を浴びている。

 8月1日(木)、関西から帰郷した孫3人を連れて、小さな渡廻船に乗
り、島に渡った。約45年ぶりのことで、懐かしさに胸が躍る。

 若き日、伊吹島は私の大切なモチーフであった。3回ほど訪れ、100
号の大作を2点仕上げたが、いずれもよい出来栄えであった。特に、
「夕映えの漁港」は、1970年一水会関西展で最高賞を受賞し、表彰式
で多くの人に祝福されたのを昨日のように思い出す。

 一水会関西展で最高賞を受賞した「夕映えの漁港」(100号)
夕映えの伊吹島


















 記憶にある伊吹島は、鄙びた静かな漁村であった。港の堤防から仰ぎ
見ると、急峻な山腹に古民家が張り付き、生活のにおいがただようようで
これぞ瀬戸内といった風情であった。
 
 この情景をピンク一色でまとめ、夕映えの感じを表した。温かい色調は
今も私の絵に受け継がれ、特色となっている。

 現在の島は、昔日の面影はほとんど残っていない。特産のいりこを作る
工場は新設され、多くの民家は新しく建て替えられ、もはや絵になる風景
ではなかった。これが時代の流れというものか。

 港から、きつい坂道(通称・心臓破りの坂)を上り詰めたところに旧伊吹
小学校がある。この廃校を利用して9人のアーチストとグループが独創的
な作品を創作している。一部を紹介すると…

 「沈まぬ船」 豊福 亮 + Chiba Art School  
 
 釣り道具や生活用品を素材に、魚の群れや海の中をイメージした立体
作品。
沈まぬ船2



















沈まぬ船



















 「大岩島2」 大岩オスカール

 旧体育館にドーム型の島が出現。マーカーで瀬戸内の風景を丹念に描
き上げ、360度パノラマを作り上げた。

 「トイレの家」 石井大五

 伊吹島の持つ空間や時間を重ね合わせ、光や雨といった微妙な事象に
反応するトイレを創作した。
DSC01709






































  

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