愛媛県立美術館設立50周年記念展(フライヤー)
R2県美50周年





































美術の秋、時を同じくして愛媛県で3つの記念展が開催されている。

「愛媛県立美術館設立50周年記念展」「真鍋博没後20周年記念展」
そして「高畠華宵大正ロマン館30周年記念展」である。

10月4日、欲張ってこの3展を駆け足で巡ってきた。

愛媛県立美術館設立50周年記念展は、私にとっても関係が深く、思
い出が一杯詰まった展覧会である。

愛媛県立美術館(現在の南館)は、1970年(昭和45年)に開館し、
今年で50周年を迎えた。設立に関しては、愛媛県美術会を中心とし
た多くの美術関係者の長年にわたる運動が大きな原動力となった。

昭和45年といえば私は30歳前の“紅顔の美青年”。この年、美術会会
員になったばかりで青雲の志に燃えていた。第19回秋季県展が新装
なった新美術館で開催され、渾身の力作を発表した。

それから40年を経て、私が県展を主催する美術会の会長に就任する
とは想像だにしなかったが、苦労が大きかっただけに感無量である。

本展は、第1章 県立美術館設立への道、第2章 愛媛野外美術展の
時代、第3章 県立美術館の開館と開館記念「郷土作家展」、第4章
愛媛県立美術館の初期コレクションの4部構成にて展示されている。

愛媛美術の黎明期を支えた先達の記念すべき作品、美術館設立に向
けて奔走した先輩の懐かしい作品がずらりと並び、思わず目頭が熱
くなった。

本展を見るにつけ、過去から現在へと引き継いできた遺産を継承し、
未来へと発展させる契機にしたいとの思いを強くした次第である。

 愛媛美術を支えた先達の思い出深い作品に感動
R2県美50作品
























10月1日、同美術館で「真鍋博 没後20年記念展」が開幕した。

真鍋博さんは、私が卒業した県立新居浜西高等学校の先輩である。
在学当時、美術部のアトリエで毎日熱心に石膏デッサンをした。
室内の壁には真鍋先輩のデッサンが貼っていて、その上手さに驚き
会ったことのない先輩に憧れたものだ。

その後折にふれて、真鍋さんの作品を数多く見てきたが、今回の記
念展でその全容を知ることができ、改めて畏敬の念を強くした。

本展は没後20年という節目の年に開催された大規模な回顧展である。

愛媛県宇摩郡別子山村(現・新居浜市)に生まれた真鍋さんは、父
親の配慮で新居浜市に移り住み、新居浜西高を卒業、多摩美大に進
学した。

本展には、大学在籍中の油絵から、星新一や筒井康隆などの装幀の
原画に至るまで、約800点の作品群が展示されている。

東京オリンピックや大阪万博など、わが国の高度経済成長と呼応し
つつ新しいデザインを切り拓いた才能には驚きを禁じ得ない。

ただ、余りにも沢山、精緻を極めたデザイン作品を見せつけられる
と、少々息が詰まる思いがした。

私が感動したのは、むしろ初期の絵画作品だ。発想豊かな抽象作品
は、半世紀を経た現在見ても新しく新鮮である。62歳、若くして逝
去された偉大な先輩のご冥福を祈り、深く頭を垂れる。

  没後20年記念「真鍋博2020展」(同館フライヤー)
R2真鍋博展



























 









東温市の山間部にある「高畠華宵大正ロマン館」は、今年開館30年
を迎えた。

高畠華宵の挿絵は、私も幼い頃「少年倶楽部」などでよく見たもの
だ。その美しさに感動し、真似をして描いたこともある。

しかし、長じて絵の道を志し、改めて華宵を見直すと、私が求めて
いるものとは全く異なる気がして、興味を無くしていた。

30年前、東温市に同館が誕生したのを知り、近くを通行したことも
多々あるが、訪れたことはなかった。

数日前、読売新聞に、同館の30周年記念展として「とうおん・獅子
頭大集合展」開催の記事が掲載されているのを見て興味を魅かれ、
初めて訪問した。

同展が開催されることになったいきさつは下記のとおり。

新型コロナウイルスの影響で、獅子舞の奉納が中止となり、関係者
一同落胆した。この現状を知った市民団体「とうおんアート・ラボ」
のメンバーが展示会を提案し、例年競演会に出場している9保存区
が快諾し実現した。

会場には、獅子頭18体のほか、担い手の子供がまとう着物や番傘、
ひょっとこなどの面といった道具類が並び、珍しくて面白い。

隣の展示場に飾られている華宵の絵画を久しぶりに見せてもらった。
まさに大正ロマン! 昨年、岡山の竹久夢二美術館を訪れたが、両
者の絵を比べつつ、古き良き時代に想いを馳せた。

現代はアニメ全盛の時代。おどろおどろしい映像があふれ、多少辟
易している。華宵の上品な女性像に救われた思いがした。

 高畠華宵大正ロマン館の30周年を記念して特別展開催
R2高畠華宵獅子





























 東温市の獅子頭18体が勢ぞろい
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 担い手の子供が着る装束の可愛いいこと
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