流星都市

音楽と言葉と心の風景と。

アルチンボルト展
NHKの『日曜美術館』でアルチンボルトの特集を見ても、何とも気持ち悪い絵という印象は拭えず、見に行くことはないだろうな、アルチンボルトについて書くことはないだろうなと思いつつ、上野へ出かけていって今こうして感想を綴っています。
春
たいへん面白い展覧会でした。まず、いちいち解説を読まなくても、そのまま絵を見て、口元はサクランボかとか、あ、ザリガニがいるとか、そういう風にびっくりしていくのがこの人の絵を見る正しい方法のようで、ハプスブルク家の王族達もそうやって彼の絵を楽しんだことでしょう。
それから、アルチンボルトの卓越した技量に舌を巻きます。画面構成や色使い、筆運びなど、国立西洋美術館でぜひ実物をごらんになることをおすすめします。

今年の冬に伊香保へ出かけ、眠れぬままにFMを聞いていました。箭内道彦(やないみちひこ)さんの「風とロック」という番組で、NakamuraEmiさんというミュージシャンの「大人の言うことを聞け」という歌がかかりました。パーソナリティの箭内さんは曲が終わった後に大きなため息をついていました。「大人の言うことを聞け」は番組の最後にもう一度かかりました。


声と小柄な容姿からNakamuraEmiさんをすごく若い人だと思っていたのですが、1982年生まれの35歳、2016年1月20日に「NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST」でメジャーデビューを果たしました。
「子供と大人の真ん中のこの曲も聞いて捨てろ」
NakamuraEmiさんの歌には実(じつ)があります。人に何かを伝えたり、励ましたり慰めたりするのは難しいことですが、僕みたいなおじさんにも彼女の歌はすとんと落ちます。有り難いことです。

昨夜の「風とロック」はディーン・フジオカさんがゲストでした。何故ディーン・フジオカと思いましたが、7月5日リリースの「Permanent Vacation」は良質のロック・ミュージックでした。この人はいい人だと思いました。

出光美術館
都内の美術館では丸の内の帝劇ビルにある『出光美術館』が好きです。家から乗りかえなしで行けること、地下鉄有楽町の駅にほとんど直結していること、それでこれが大事なんですが料金が安いことが理由です。
きのう、『水墨の風 ―長谷川等伯と雪舟』という展覧会を見てきました。出光美術館が他の美術館と比べて秀でていると思うのは、館の収蔵品だけで展覧会が構成できることです。今回も、長谷川等伯と雪舟を中心に、出光美術館所蔵の水墨画の名品をたくさん見ることができました。
水墨の風
日本画とか水墨画とか、これまであまり興味もなかったのですが、出光美術館に通ううちに、だんだん「よいもの」は分かるようになってきた気がします。静かに水墨画を見て、テラスで無料のお茶を飲みながらソファに腰かけて皇居の深い緑を見ていると、「こころのリラクゼーション」という言葉が浮かんできます。


今日はAmazonプライムビデオで『海街diary』を見ています。これから何度もくり返して見る映画になりそうです。広瀬すず演じる浅野すずが男の子の自転車のうしろに乗って桜のトンネルを抜けていく場面で涙が出てきました。これは僕が年を取ったということなのかもしれませんが、やっぱり「リラクゼーション」なんだろうなと思います。

あ、これはマーチンではないですか。
martin


YouTubeでイーグルスの動画を見て、「アメリカはふところ深い国だな」と思いました。“ふところ深い”と思い、オバマ大統領のとなりに年を取ったドン・ヘンリー、ジョー・ウォルシュ、ティモシー・B・シュミットが座っていることに、まさに彼らの曲の“時は流れて”を思いました。ボブ・ディランはノーベル文学賞を受賞し、ロック・ミュージックはすっかり成熟しました。
ジョン・レノンやマイケル・ジャクソンのように早世したミュージシャンの音楽がいきいきと聞こえるのは当然のことなのでしょう。

この映像はイーグルスだけですが、2016年は、マルタ・アルゲリッチ、アル・パチーノ、メイヴィス・ステイプルズ(ステイプル・シンガーズ)、ジェームス・テイラーもケネディ・センター名誉賞を受賞しています。センスとバランスを感じます。

このブログに「Drive My Car」というカテゴリーがあり、2005年5月に車を購入したときのあれこれについて書いています。
LEGACY

・おそらく、子どもたちは、それぞれに自分の生活を送るようになっていて、車には、妻と二人で、あるいは私一人で乗ることが多くなっているでしょう。それならば、車の付加価値ではなく、「走る」「止まる」「曲がる」といった基本性能の優れた車を選択すべきだろうと考えました。

12年が過ぎて、そのときに購入したレガシィ・ツーリングワゴンは、7万5千キロを走りました。いま、12年前に書いたとおりの生活を送っています。レガシィは、こすったりへこませたりということはありましたが、「走る」「止まる」「曲がる」という基本性能には何の問題も無く、しっかりと僕と家族の生活を支えてくれました。
で、リタイアをひかえた今年、レガシィに感謝しつつ、維持費が安く、いまの時代の安全性能を備えたクルマに乗りかえようと思いました。

雑誌『ザ・マイカー』6月号を買ってきて、国産全車を見渡して、「乗りたいクルマがないなあ」と思いました。理想はVWゴルフのGTIなんですが、400万以上しますからね。唯一、HONDAの軽自動車のN-ONEは、発売当時から好印象を持っていたこともあり、「乗ってみたい」と思いました。
honda N-ONE

近くのディーラーで、ターボのついた Premium Tourer ローダウンという、少し車高の低いモデルに試乗させてもらいました。「これはいい」と思いました。
2600回転で104Nm(これニュートンメートルと読むのですね)のターボエンジンのドライブフィールは、フィットと同等だそうです。開発担当は、元F1スタッフです。応対してくれた営業の方も、こちらがなぜN-ONEのようなクルマがよいと思っているかを理解してくれて、何を聞いてもちゃんと答えてくれて(これ、関越で最高速何キロぐらい出ますかね云々)、「この人から買おう」と思いました。

ローダウンでないターボ付きモデル、Premium Tourerのグレー・メタリックを買うことにしました。納車は9月、まだ先です。妻に「おもちゃみたいなクルマね」と言われました。言い得て妙、そうだな、これは、大きなおもちゃを買うようなものだな。

kyv37
約1年間、auオリジナルブランドの『Qua phone』(京セラ製)を使ってきました。『Qua phone』を選んだのは、価格が安かったこと、デザインがシンプルで好印象だったことでした。しかし、実際に使ってみると、カメラを起動するのもメールアプリを立ち上げるのも5秒以上かかったり、Kindleで電子書籍を読みながら音楽を聴いているとページ送りがぎくしゃくしたり音楽が途切れたり、いろいろと不都合がありました。メモリーとCPUの処理速度の問題なのでしょうが、使いにくくてストレスがたまりました。

auショップで機種変更をするとかなりの金額を負担しなければならず、さてどうしようと考えました。この時代なので「白ロム」のことはすぐに思いつきましたが、希望としては、キャリアや契約はそのままで、『Qua phone』で使っているSIMカードをそのまま差し替えて新しい機種を使いたいということでした。いろいろ調べ、auサポートにも問い合わせをして、同じSIMカード(au Nano IC Card 04[VoLTE])を使う機種なら、差し替えだけで使用可であることが分かりました。

「だから私は、Xperia。」
Xperia
『Xperia X Performance』(SOV33)は2016年夏モデルで、現行は『XZ』(SOV34)なので、一代前の機種になります。Amazon.co.jpで32,600円でした。付いてきた保証書を見ると、2017年2月に都内のauショップで販売されたもののようです。
ロック解除の手間もなく、『Qua phone』のSIMカードを挿入するだけで『Xperia』は使えるようになりました。

HIGHCAMPメジャーな機種は、アクセサリーが豊富にそろっているのがうれしいです。迷った末、HIGHCAMP のレザーケースを注文しました。
auの「故障紛失サポート」が効かないので、壊したり無くしたりしないように気をつけて使っていきます。

Shinjuku

6時のターミナルで振り向いたきみは
板に付いた紺色のスーツ
今でも気まぐれに街をゆくぼくは
変わらないよ ああ あの頃のままさ

去りゆく若い時間をひとり止めているようで
うらやましいやつだよと初めて笑ってくれた

For yourself For yourself
そらさないでおくれその瞳を
人は自分を生きてゆくのだから

ネクタイ少しゆるめ寂しげなきみが
馴染みの店に腰すえる夜は
陽焼けした両足を投げ出してぼくも
サイモン&ガーファンクル ああ 久しぶりに聴く

人生のひと節まだ卒業したくないぼくと
他愛ない夢なんかとっくに切り捨てたきみ

For myself For myself
幸せの形にこだわらずに
人は自分を生きてゆくのだから

作詞:呉田軽穂 作曲:呉田軽穂


J-WAVEのホームページでオンエア楽曲を調べたところ、確かに今朝の午前4時17分にかかっていたのですね、ブレッド&バターの『あの頃のまま』。
寝るときにイヤフォンでラジオを聴くのが習慣、というかクセで、たぶん今朝も4時頃に一度目を覚まし、ラジオのスイッチを入れたのだと思います。夢うつつの中、この曲のイントロが流れてきたとたん、頭が覚醒し、ブレッド&バターの歌に聞き入ってしまいました。

人生のひと節まだ卒業したくないぼくと
他愛ない夢なんかとっくに切り捨てたきみ


この年になれば、自分やまわりの人たちの来し方行く末について、実感を持って考えるようになります。しかし考えはじめるのがすでに遅かったとも言えるわけで、さて自分は「ぼく」だったのか「きみ」だったのか。

桜
このブログには「読んだ本読みたい本」というカテゴリーがあり、今までどんな本を読んできたのだろうと振り返ってみました。本はたくさん読んでいますが、ページをめくる手、あるいはタブレットの画面をスワイプする手が止まらない本というのはそう多くはなく、読み終えてぜひブログに感想を書いておきたいと思う本はさらにわずかです。下が、僕がここ10年ぐらいに読んだ本のベスト5、あるいはこれに武田百合子『富士日記』を加えてベスト6です。

・村上春樹『海辺のカフカ』
・サフォン『風の影』
・デュマ『モンテ・クリスト伯』
・ウィンズロウ『犬の力』
・恩田陸『蜜蜂と遠雷』


また、すごい本と出会いました。

『悪童日記』(あくどうにっき、仏: Le Grand Cahier)は、1986年に刊行されたアゴタ・クリストフの小説で、作者のデビュー作。戦時下の混乱を生きる双子の少年の姿を、彼らがノートに書き付けた作文という形式で、即物的な文体を用いて描いている。続編に当たる作品として『ふたりの証拠』(1988年)、『第三の嘘』(1991年)がある。(ウィキペディアより引用)

登場する人物に幸せな人はなく、皆、己の運命を受け止めて、生きていくか、壊れていくか、死んでいくか、どれかです。こういう風に書くと、ヘビーデューティーな小説を想像するでしょうが、それが、そうでなくて、まるで児童文学のように、もしかすると小学生でも読めるのではないかと勘違いしてしまうぐらい、平明達意の文で書かれています。
『悪童日記』と『ふたりの証拠』を読み、今は『第三の嘘』の冒頭です。Amazonで『悪童日記』の映画を見られることを発見しましたが、こちらは、『第三の嘘』を読み終えるまで見ないことにします。
バラ

(写真は、川越の桜と東京ミッドタウンのバラです。今年の春の記憶として。)

草間彌生02
チケットを買うのに並び、展覧会場に入場するのにまた並び、こんなに混んでいるとは思いませんでした。でも、展覧会場というよりもパーティー会場のようで、これはこれでとても良いなと思いました。

草間彌生04
展覧会のはじめに、草間さんの「草間彌生から世界のみなさんへ」というメッセージが掲げられています。これが素晴らしかったので、印象に残った部分を引用させてもらいます。

多くの若い人やこれからの新しい世界をつくっていく方々が何か精神的な悩み、そして人生に対する悩み、そういったものがあった時に、私の生きてきた道のりや、私が唱えてきた世界観や思想を乗り越え、皆で偉大なる世界をつくられていくことこそが絶大なる私の希望であります。それを心より願っております。

さあ、闘いは無限だ
もっと独創的な作品をたくさんつくりたい
その事を考える眠れない夜
創作の思いは未来の神秘への憧れだった
私は前衛芸術家として宇宙の果てまでも闘いたい
倒れてしまうまで

これまで私の芸術の発展に力を貸してくださった多くのみなさまに心からありがとうと申し上げます。

前衛芸術家 草間彌生


草間さんと同じ時期、オノ・ヨーコさんもニューヨークを拠点として活動していたはず。二人の接点というのはあったのでしょうか・・・・・・。

上野の東京都美術館で開催中のティツィアーノ展へ行って来ました。
先週のNHKのEテレ『日曜美術館』で特集されていたので、混雑しているかと思いきや、そうでもなくて、ゆっくりイタリア・ルネッサンスのマスターピース群を鑑賞してくる事ができました。
ティツィアーノ フローラ

本展は、ヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノを中心に、黄金期を築いた多様な芸術家たちの絵画をとおして、ヴェネツィア・ルネサンス美術の特徴とその魅力を紹介します。
(東京都美術館公式HPより)


東京都美術館で、ヴェネツィア派のさまざまな画家たちの作品を見て回って思ったのは、ティツィアーノの「一人勝ち」ということでした。他のヴェネツィア派の画家と比べて、ティツィアーノは、表現の技量が傑出しています。
フィレンツェのウフィツィ美術館から来ている『フローラ』、ナポリのカポディモンテ美術館から来ている『ダナエ』『マグダラのマリア』『教皇パウルス3世の肖像』の4点は大傑作です。混雑してないとは言え、これらの絵の前には大勢の人が集まっていました。
ティツィアーノ ダナエ
特に、若い裸婦の上に金貨が降り注ぐ『ダナエ』にはノックアウトされました。こういう絵を見ると、心穏やかになり元気になります。
(もっとも、ヴェネツィアを訪れたミケランジェロは、このダナエを見て、大変美しいが、残念なことに素描ができていないと指摘したそうです。ミケランジェロに文句を言われては、ティツィアーノも返す言葉がなかったことでしょう。)

東京都美術館は、ティツィアーノ展の次にブリューゲルの『バベルの塔』が控えています。ここの企画展は目が離せません。

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