2010年08月

2010年08月29日

秋を見つけに 高原へ

もうじき8月も終わりというのに、相変わらず厳しい暑さが続いています。日中は、まだまだ日差しも強く、出来れば外出は極力避け、エアコンの効いた室内でじっとしていたい──この夏、例年になく、このような感想を持ったのは私だけでしょうか?

今、まさに夏休みが終わろうとしているこの時期、仕事や勉強で慌ただしく毎日を送っている、とりわけ大きな都会に住んでいる人たちにとって、夏から秋への季節の移ろいは、一体どのようなかたちで訪れるのでしょうか?

私の場合、それは、あれほど執拗に繰り返された蝉の大合唱の中に、ふと秋の虫の声を聞いたからなのですが、地方(別府市)に住んでいるお陰で、その気になりさえすれば、少し車を走らせると、季節を先取りして〈早い秋〉を実感することも出来るのです。

初秋の志高湖2初秋の志高湖             




(大分県別府市)
初秋の〔奥別府〕
志高湖。野生の秋の花々が美しく湖畔に彩りを添えています。(左・右)

湖畔をゆっくり1周すると約25分。野生の草花を楽しみ、鳥や虫の声を愛でながら、春・夏・秋・冬、私はここを訪れ、季節の移ろいを感じています。

ここにも仲良し白鳥の親子





この春、誕生した白鳥のヒナは順調に生育中(左)  アヒルの夫婦はとても仲良し(右)

志高湖には大量の鯉が放流され、白鳥やアヒルなども生息しています。いずれもここを訪れる人たちを楽しませていますが、季節ごとに様々な野鳥たちもここを訪れます。

タデ原湿原2長者原ビジターセンターから




(大分県九重町)
長者原ビジターセンターから
タデ原湿原を臨む(左)  タデ原湿原の遊歩道を歩く(右)

つい3週間前に訪れた時の様子とは違って、ここはもうすっかり秋の装いです。この日は特に風が強く、まるで海原のように湿原の草花が大きく波打っていました。

自然研究路ヒゴタイ 





    タデ原湿原を吹き渡る秋の風に揺れるヒゴタイ(左)   自然研究路の木道(右)

タデ原湿原から坊ガツルまでは人気のトレッキングコースですが、それなりに時間と労力を要します。私はいつも坊ガツルとの分岐点を右に、自然研究路の方に進路を取ります。

チーズケーキシェ・タニ瀬の本高原店 





            瀬の本高原近くのシェ・タニ(左)  お薦めのチーズケーキセット(右)

さて、適当に小腹も空いてきたので、以前、人から教えて貰ったことのある評判のパティシエール(ケーキ屋)でコーヒーブレイクすることにしました。周囲の風景に見事にマッチした外観の店の窓からは、遠く阿蘇の外輪山や瀬の本高原を望むことができます。

初秋の高原ドライブ、あなたも楽しんではいかがですか?

plaisir874 at 05:48|Permalink日記 

2010年08月20日

早朝散歩

「ねぇ、夜明けの空気がとっても気持ちいいわよ、あなたも一緒に歩こうよ」
数日前から、運動不足と中性脂肪の除去を目指して、散歩を再開したばかりのカミさんの言葉に誘われて、とうとう私も、早朝散歩に付き合うことになりました。

早起きすることに関しては、以前から、何の苦痛も感じませんが、私には毎朝、ベランダのテーブルに持ち出したパソコンで、夜が白々と明けるのを感じながら、入浴時刻と決めている午前6時まで、新聞各紙(Web版)をざっとチェックする大切な日課があるのです。

工事中夜明け前(左)マンションのベランダから見る別府湾の夜明け
(右)人工海浜の沖合工事の様子(7月下旬)

毎朝、ベランダから、決まったように海岸を散歩する人たちの姿を見ていると、やはり私もあのように少しは身体にいいことをしなければと思います。そんなわけで、今日はカミさんの散歩に(カメラを携帯して)付き合ってみることにしました。

フェリー出航フェリー出航前(左)四国行きフェリー就航前の様子      (右)フェリー出航は、ちょうど日の出の時刻   


港の夜明け暁のサギ(左)「暁のサギ」本日の傑作です。
(右)別府国際観光港の夜明け ─
新しい活力が甦ってくるようです。

オブジェ1上人ヶ浜公園
(左)上人ヶ浜公園
(右)別府国際観光港玄関前の意味不明のオブジェ


別府市内では、ここ上人ヶ浜公園は、早朝散歩のメッカです。毎朝、夜明け前から三々五々、多くの人々が集まってきます。こうした早朝散歩をする人々は、高年者が圧倒的のようです。やはり、十分な時間持ちでなければ難しいのでしょうか?

夫婦連れ、女性の2人連れが多く、顔馴染みらしき男性の2・3人連れにも会いました。  「おはようございます」と気楽に行き交う人同士で挨拶を交わせば、お互いすぐに〔仲間〕になった感じがします。


plaisir874 at 16:28|Permalink日記 

2010年08月14日

【読書ノート】『ムッシュー・テスト』ポール・ヴァレリー(清水徹訳:岩波文庫)

遠い昔、この私を大いに悩ませ、魅了した1冊の本がありました。ポール・ヴァレリーの『テスト氏との一夜』 がそれです。多くの本を乱読していた学生の頃、小林秀雄訳、そして粟津則雄訳のこの本は、(分かっても分からなくても)避けては通れない、いわば〈必読の書〉でした。

とはいえ、当時の私にとって、手にはしたものの、いくら真面目に読んでも到底理解できない…そのような代物でした。それでも、以下にも引用する、「だれが知ろう?数世紀このかた…」で始まる「怪物観念」のくだりには、まるで雷に打たれたような衝撃を覚えました。

それから長い間、この本に対して、ことさら深入りすることはなくても、妙に気にかかる…そのような感情がずっと続いていましたが、先日、図書館の書棚で、偶然、『ムッシュー・テスト』という表題の文庫本を見つけました。それが本日紹介する清水徹による新訳なのです。(2004年4月第1刷発行)

この作品は、ムッシュー・テストをめぐる10の短編集で、「私」とテスト氏との会話からなる『テスト氏との一夜』 (清水徹訳では 『ムッシュー・テストと劇場で』 と改題)をはじめ、テスト夫人からの手紙、テスト氏のアフォリズムなど、バラエティに富んだ構成になっています。
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 わたしは正確をめざすという急性の病に冒されていた。理解への気違いじみた欲望の極限をめざして、みずからのうちに、注意力の臨界点を探っていた。(7頁)
 だれが知ろう?数世紀このかた、多くの偉人たち、そして無数の小人物たちが苦しい努力を捧げてきたあの数々の驚くべき思想の大部分が、じつは、心理的奇形に他ならない、―─わたしたちが質問能力を無邪気にふりかざし、ほとんどいたるところに適用して、──わたしたちは、分別をわきまえて、真に答えてくれるもののみに対して問いを発するべきなのだということに気づかずに──産みだしてしまう「怪物観念」に他ならないということを。(12頁)
 「成熟サセルコト!」(21頁)
 「知者らしく死んでゆく…分類シツツ過ギ去ルヌ」(92頁)
 「このわたしを他の連中とくらべないでいただきたい。第一に、きみはわたしという人間をよく知っていないし、つぎに、きみは他の連中のことも知らないのだから」(126頁)
 彼はまた哲学者でもなく、そうしたたぐいの何ものでもなく、文士でさえない。そしてだからこそ、彼は多くを考えた、―─というのも、ひとは多くを書けば書くほど、考えなくなるものである。(121頁)
 ムッシュー・テストについて、確実な像はない。どんな肖像もたがいに異なっている。(130頁)
 ムッシュー・テストは証人である。(131頁)
 あるいはむしろ彼は、「だれか」を必要とするしかじかの光景に対する反作用に他ならぬ人物なのだ。(134頁)
 ――彼は(完璧な鍛錬と天性と化した習慣とによって)どんなときも、どんな状況においても、検討をへた与件と定義とに従って、思考する人物である。─すべてのものが自己へと、そしてまた、自己のなかでは厳密へと結びつけられて。精密さと─活き活きとした識別力を備えた人物。(137頁)
 わたしは世界のほうへは向いていない。わたしは顔を壁のほうに向けている。壁の表面の何ひとつとして、わたしに未知なものはない。(151頁)
 ――そして、デーモンは彼に言う。おれに証拠を見せろ。おまえが、いまでもなお、おまえみずからが、こうだと思ったとおりの人間に他ならぬことを証明してみろ。(153頁)
 ことはつまり、ゼロからゼロへの移行だ。―─そして、それが人生なのだ。―─無意識にして無感覚から、無意識にして無感覚へ。(155頁)
 この世でもっともぼくを驚かせたのは、だれひとりとして極限にまで行ったことがないという事実だ。(176頁)
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私が初めてこの本を読んだとき、 ポール・ヴァレリーといえば、フランス的知性を代表する堂々たる「大家」でした。明晰な文体、絢爛たる詩句、成熟した精神…。すっかりそれにだまされた私は、この書物を、老成した、ヴァレリー晩年の作とばかり思っていました。

ところが、改めて彼の年譜をみると、ヴァレリーは、 『ムッシュー・テストと劇場で』 を何と25歳そこそこで脱稿しているのです。勿論、その時点では、作品は現在の姿ではなく、彼が自らの分身として創造した人物 「ムッシュー・テスト」 にまつわる様々な思索やエピソードは、その後の彼の中で、長い時間をかけて醸成され、付加されていったのですが。

巻末の訳者による行き届いた解説を読み、もう少しヴァレリーに深入りしたくなりました。折よく、本年3月、岩波新書 『ヴァレリー 知性と感性の相克』(清水徹著)が刊行され、そこでは、徹頭徹尾 《知性のひと》 と目されていたあのヴァレリーが、生涯に幾度も大恋愛にのめり込み、愛欲に惑い続けた 《感性のひと》 でもあったことを知ることができます。



plaisir874 at 13:42|Permalink読書ノート 

2010年08月07日

くじゅうのオーベルジュ

金曜日(6日)、高原の涼気を求めて、やまなみハイウエィを、一路くじゅう方面へドライブしました。平日の10時前だったせいか、土日ならば少々渋滞を覚悟しなければならない湯布院の町並み付近も、難なく通り過ぎて、途中、長者原で一息入れることにしました。
                          
三股山を臨む長者原ビジターセンター                                                                           






やまなみハイウェイいつもなら、長者原ビジターセンターのテラスを借りて、持参した弁当を広げることが多いのですが、この日はもう少し足を伸ばして、くじゅう高原のどこかで、美味しいランチに巡り会うというのが趣旨なのです。

タデ原湿原タデ原湿原(左)に吹く風はとても涼しく、ここに生息する草木、生物のすべてが真夏を謳歌しているようです。
  
久住高原の牛たち
阿蘇・くじゅう国立公園の雄大な山々を背景に、竹田市久住町の牧場では、豊後牛(黒毛和種)がのんびりと草を食べていました。
(「ワァー、美味しそう!」とカミさんが叫びました。)

さて、そろそろランチタイムです。どこか近くで美味しそうな店を探さなければなりません。そこで、カーナビで当てずっぽうに、付近の店を検索して、偶然、訪れたのが本日ご紹介する『オーベルジュ・コヤマ』なのです。(予約なしで本当に申し訳ありませんでした)

南仏の家?オーベルジュ・コヤマオーナーのこだわりでしょうか、建物はどこから見ても南仏(プロヴァンス地方)の家を思わせる佇まいです。              
                                                                                                                      
中庭から窓を見ると窓からの眺め案内されたテーブルの窓からはまるで額縁のように久住山が望めます。右は逆に、中庭から見た窓の様子。

天窓の飾りは平和の鳩料理を待ちながら注文したのは、フレンチコース(3,500円)。料理を待つ間、この店のマダムが見せてくれた店を紹介した月刊誌や写真集を見て過ごしました。ふと、食堂の天窓を見上げると、日除け用の布に、とても美しい〈平和の鳩〉の飾りがしてありました。レモングラスのグラスホッパー

さらに、驚いたことには、テーブルの上に、急遽、店のスタッフ(?)がレモングラスを使って製作したバッタ(グラスホッパー)が登場しました。長い長い触角が、ゆらゆらと風にそよいで、とてもリアルです。
 

カボチャの冷製ポタージュ生ハムのオードブルいよいよ料理が供されます。まずは生ハムとフルーツのオードブル。次に、カボチャの冷製ポタージュ。

ホワイトチョコレートのデザートフランス鴨の料理メインは鴨料理。これもオーナーシェフこだわりの本場、フランス鴨を使っているとか。そして、初めて口にした、彩り鮮やかなホワイトチョコレートのデザート。デミタスコーヒー。
いずれも結構な味でした。

私は、このように今回初めて訪れたのですが、「南フランスの田舎」のイメージで建てられた家々やその中の見事に調和した調度品の数々、そして選び抜かれた食材などからも、オーナーご夫妻のしっかりとしたこだわりが心地よく伝わってきました。

帰宅後、『オーベルジュ・コヤマ』には、立派なホームページがあることを知りました。 何と、ここは、多くの熱心なファンを有する評判のオーヴェルジュなのです。
このような店こそ、大切な「文化」であり、それゆえ「地域の宝」であると私は思います。     



plaisir874 at 21:13|Permalink日記 

2010年08月01日

暑中お見舞い・岳切渓谷から

暑中お見舞い申し上げます。
連日、厳しい暑さが続きますがいかがお過ごしでしょうか?
こうした猛暑をしのぐ方法は、人それぞれにお持ちでしょうが、私にとっての必殺技の一つが、本日ご紹介する、岳切渓谷 (たっきりけいこく) の沢歩きなのです。

岳切渓谷6岳切渓谷5









             
岳切渓谷は、大分県宇佐市院内町の温見川上流にある渓谷。延長約2kmに渡り一枚岩の岩盤の上を清流が流れています。下流の最奥部には、落差27mの大飛の滝(おおとびのたき)があり、渓谷の入口から滝までは、遊歩道も整備されています。水深は、せいぜいくるぶし程度(5~10cm)と浅く、夏場は、涼味満点の沢歩きが楽しめます。

岳切渓谷1岳切渓谷7






毎年、夏になると、1度は出掛けたくなる岳切渓谷。ここでの散歩は、遊歩道を使ってではなく、ほんの僅かでも、サンダルのまま沢歩きをしてみることをお薦めします。キャンプをしなければ、入場料などはなく、夏のシーズンのみ駐車料300円が徴収されます。

岳切渓谷2
この日は、日曜日。まだ10時前だったせいか比較的ここを訪れる客も少なく、延々と続く樹木のトンネルの中を、のんびりとマイペースで沢歩きを楽しむことが出来ました。


岳切渓谷3
途中、幼児や子供を連れた何組かの家族に出会いました。下流からジャブジャブ歩いてくるのは、キャンプ場でキャンプをしていた人たちでしょうか、行き交う人たちもみんな沢歩きが気持ちよさそうです。


岳切渓谷4
歩くこと約20分。ようやく最奥部の立入禁止の標示のところまで到着しました。この先に落差27mの大飛の滝があり、(その気になればですが)左手の遊歩道を使うと滝を望むことが出来ます。







plaisir874 at 17:03|Permalink日記