旧友からの電話【読書ノート】 『人間の大地』 犬養道子著 中公文庫

2011年06月12日

母を送りました

5月末、入院中の母の容態が急変しました。緊急治療が必要な状態になり、専門医のいる同じ市内の病院に転院しました。老年者に多く見られる「誤嚥性肺炎」でした。

自力での呼吸が困難となり、酸素を口から注入するものの、もはや二酸化炭素を吐き出す力もなく、6月4日の午後1時30分、静かに逝きました。享年88。

それからは、慌ただしく、実にあっけなく事が運びました。その日のうちに通夜。翌日にはごく限られた身内だけのささやかな葬儀、火葬を済ませ、お骨を自宅に持ち帰りました。

年には不足はありませんが、つい先日まであれほど元気で、近々、信州原村から戻ってくる姉夫婦のことを楽しみにしていた矢先のことでした。

初七日を迎えた昨日、ようやく市役所に出向き、年金、後期高齢者医療、介護保険の資格喪失届などの手続きをしました。我が家では次の順番となった私の「その時」のために、カミさんにもこうした手続きを一緒に体験して貰いました。

どうやら1週間が経ってみると、私の気持も幾分変化したような気がします。明らかに自由になった気がするのです。しかしこの自由は、私がこれまで考えていたような自由とは少し違います。

これまで私が考えていた自由とは、私にとって足りない何かを身につけながら、少しずつ獲得していくものでした。そのようにずっと考えていたのです。

ところが、母の死を体験して感じたのは、必ずしもそうではなく、自分にとって大切なもの(といってもこれには名状しがたいほど複雑な事情だってあるのですが)を失って初めて感じる自由もある、ということなのです。

これは、自由になったとは云わずに、お前も確実に年を取ったということなのでしょうか?

plaisir874 at 04:42│ 日記 
旧友からの電話【読書ノート】 『人間の大地』 犬養道子著 中公文庫