2018年03月05日

「counterparts」というバンドがある。
今日はそのバンドのリハーサルなのである。

そもそも「カウンターパーツ」との出会いは、クライフでドラムを叩いていた頃であった。
高円寺HIGHでユウスケ君を介して挨拶をしたことがある。
僕はわりと人見知りをするし緊張するので、その時どんな会話を交わしたか覚えていない。

その後僕は沖野俊太郎さんが立ち上げたバンド「F-A-Rs」に加入することになる。
そこでギターを弾いていたのが「カウンターパーツ」のボーカルギター沢井君である。
今度はご挨拶ではなくメンバーとしての付き合いなので、自分たちが演奏する曲に対する意見を交換したり、お互いの趣味嗜好を語り合ったり、打ち上げの席では砕けた話をしたりすることになった。

「F-A-Rs」としての活動も落ち着いてきたころ、沢井君から連絡が入る。
「もしよければ自分のバンドを手伝ってほしい」
と。
彼らのサウンドは骨太なビートに合わせてスペーシーなギターサウンドがたゆたうというある意味シューゲイザー的アプローチに近く、(ゆえにユウスケ君も沖野さんも高く評価している)僕のドラムサウンドとはマッチしそうなことは僕自身も考えていたので、快く引き受けることにした。

何度かリハーサルを行い、一度本番でライブをやった。
当然沢井君以外のメンバーとはまだ数度しか会っていなかったが、粗削りではあるにせよなかなか勢いのあるよいライブができたと思う。

そして4/2に行われる彼らのライブにまた呼んでいただいたというわけなのである。

久しぶりに会うメンバーに挨拶。
ギターボーカル:サワイ氏
ギター:コダマ氏
ベース:モリ氏
メンバーの名前だけ聞くとえらくオーガニックでエコなバンドなのかと思ってしまいますね(笑)

しかし実際彼らの楽曲はオーガニックとは程遠く、コダマ氏のテレキャスターはかなりケミカルなサウンドで演奏方法も独特。複数のディレイをかけワウやワーミーを駆使して音作りしており、カッティングする手を見ているだけではどのようにして弾いているのかわからなかったりする。
モリ氏はリッケンバッカーベースを操り、パンキッシュでやさぐれたサウンドと独自のビートを演出する。
サワイ氏のテレキャスターはストレートなカッティングやリフを奏で、ノイジーなサウンドで曲の基本的なノリを出しているが、時にはドリーミーなフレーズやシンセっぽい音を使うこともある。

そう考えると音の構造は「クライフ」のそれに似ているのかもしれない。
しかし、おそらくクライフほどシュガーコーティングされておらず、リズムの骨子やサウンドの彩りはよりストレートでプリミティブ。
細かいニュアンスももちろんあるが、リズムの「ドッ」と「タッ」の太さが勝負といった感じなのである。

数曲を演奏してみるが、全く問題らしい問題がない。
まあ、もう出来ている曲に僕がドラムをつけるのだから、そりゃ問題ないのである。
スムーズに進むリハーサル。

ところで沢井君とは普通にお話するのだが、コダマ氏とモリ氏は非常に無口なのでまだほとんど喋ったことがない(苦笑)
本当に純粋に音楽でコンタクトを取っているという状態である。

そうね。音楽があれば僕らに言葉など必要ないのかもしれないね。




2018年03月04日

うまい料理というのはいったいどういうものなのか。
世の中には晩飯一食に数万円を要する超高級料理があるが、僕は多分食べたことがない。(知らないうちにご馳走になったことがあるかもしれないが)
そこには40年以上生きてきた僕が驚愕するような素晴らしい味があるのだろうか。
こればかりは食べてみないとなんともいえないが、想像するにおそらく僕の来たるべき50代以降の生き方が変わってしまうくらいの味に遭遇することはないのではないかという気がする。

人がおいしく料理を食べる条件とは、むろん料理がおいしいのは必須だが、居心地の良さが非常に重要だと思う。どれほど熟成させた肉だろうが、釣りたての新鮮な魚だろうが、旨味には限界がある。
料理の勝負の先にあるのはそのお店のスタンスだ。
高級な内装で豪華な調度品が飾ってあるお店にはそれなりの服装で臨むべきだし、食事のマナーにも少々気を使わなければならないだろう。
逆に気心の知れた居酒屋などでは料理の質を問うというよりは胸襟を開いて語り合うのにはもってこいだ。
自分がどのようにしてその料理と向き合うか、そのお店に溶け込むかを考えると、自ずとうまい料理というのが何かわかってくるような気もする。

話が長くなったが、実はうちの近所に新しくカレー屋さんができたのだ。
駅前のビルの地下のひっそりとした場所にそのお店は人知れず開店した。
ビルの前を通り過ぎる時にふと変わった看板に気づき、何となく腹も減っていたのでふらりと入ってみることにした。
前は中華料理屋さんだったそのお店は内装を変え、多少インドチックになっていたが、くたびれた古いビルだからそんなに本格的ではない。
奥の席に通された。
時間はお昼を少々過ぎたところである。
僕の他にお客さんは二人。
すでにお酒を傍らにテーブルにはたくさんのお皿が広がっている。
とりあえず僕もビールを注文。
店員さんはみんな外国人。顔つきをみるとインド人というよりはネパールとかバングラデシュの人ではないかなと思う(あくまでも印象ですが)

「昼間からすいません」と名も知らぬ誰かに心の中で声をかけてビールをコピリと飲む。
はー、、、この飲み物はいつも僕の期待を裏切らない。安心のクオリティ。

やおらメニューを手に取り、ペラリとめくってみる。
なるほどなかなか面白い。
カレーはインド風でナンと一緒に食べるタイプ。
タンドリーチキンもあるしラッシーもあるからインドといえばインドなのだが、メニューを読み進めていくとベトナムのフォーもあるし、タイのトムヤムクンやガパオライスもあるし、空芯菜の炒め物もあれば、エビチリやシシカバブもある。
つまりは多国籍料理ということなのね。
そもそも優柔不断な僕はメニューを見るだけで何を食べればよいのか悩んでしまって、非常に困ってしまうのだが、ここはひとつ気持ちに忠実に「マトンカレー」を食べることにした。

店内にBGMはなく、大きなテレビが小さな音でついている。
僕の位置からはテレビは見えないので、どんな番組をやっているのかはわからない。
お通し的に出てきた煎餅みたいな食べ物は歯ごたえこそいいがものすごくしょっぱい。
でもだからこそビールが自動的に進んでしまう。
ぬぅ。これはウーロンハイに昇格してしまう予感があるぞ。

かくして「マトンカレーセット」が到着。
店員さんが来たついでにウーロンハイを注文し、さて、カレーである。
銀色のトレイに大きなナン、小さな器にカレー、そしてサラダ。
ルックス的に小さなパーティーをやっているような楽しさがあるのがいいね。

では、いただきます。
と小さく口の中でつぶやき、熱々のナンをちぎり、拭うようにカレーに浸し、こぼさないようにかぶりつく。
むぅ。
うまい。
野菜をすり潰したざらりとした食感とナンのスベフワっとした食感。
最初に優しい甘みが口の中を満たすが、後からきっちりと辛味がやってくる。
マトンはしっかりとした噛みごたえで、ほどよくジビエ的。
つまりは羊を余すことなく感じられるほどのケモノ感あり。
ナン、カレー、ナン、カレー、サラダ、カレー、そしてウーロンハイといった具合に食事は進む。
時々ふぅと息をついて顔を上げてみる。
ゆったりとした時間が流れている。
まるで空間に音符が流れていくようなまろやかな時間。
しかし辛味は後頭部あたりからジワジワと押し寄せてくるから楽しい時間。

ところでメニューをさらに見てみると「パコダ」とか「パパド」とか「アルアチャール」とか「セクワチキン」とかなんだかわからない料理がたくさんある。
気にはなるのだが、これ以上注文して食べれる気がしないのが残念だ。

ナン、カレー、サラダ、ウーロンハイ、ナン、カレー、を繰り返す。
しかし、なんだろう。
カレーはもちろんうまいのだが、この店は妙にくつろげるのだ。
椅子の高さ、テーブルの高さはちょうどいい具合、店の中は静かだが静か過ぎて居心地が悪いという風でもない。店員さんたちはみんな自分の仕事を黙々とこなしているが、呼べば即座に来てくれる。いわば、いい感じで放っておいてくれる。
ウーロンハイを飲んでいるからというせいもあるのだろうけれど、僕は随分といい気分だ。
もう一杯お代わりを頼むと、
「これ、サービスです。」
と、もやしの炒め物を持って来てくれた。
すでにお腹はいっぱいだが、こういう気持ちはとても嬉しいのである。

とても満足のランチとなった。
きっとまた来るだろう。
それにしても、結構長い時間お店にいさせてもらったのだが、お客さんは最初からいた二人組しかいなかった。昼を過ぎたオフの時間だったからだと思うけれど。
あまりワイワイガヤガヤと人が多いと鬱陶しいが、人が少なすぎると潰れちゃうんじゃないかと心配になってしまう。
とてもくつろげるお店だったので是非とも長続きしていただきたい。
そして一品一品のボリュームが結構あるので、今度は大人数で来て色々食べて見たいと思った。

とりあえず帰って寝っころがろう。
はぁ、、お腹いっぱいだー!


2018年03月03日

うちの近所のお宅の庭に梅の木があり、毎年この季節になると美しい赤と白の花を楽しませてくれていたのだが、今年に入って伸びすぎた枝をかなり大胆にカットしたせいで、暖かくなってきても花が咲かなくなってしまった。
もちろんご近所さんには都合があるのだろうが、毎年こっそり愛でさせてもらっていた僕としては少々残念なのである。

昨日に続き本日もほんわかとあったかいので「梅ヶ丘」にでも散歩に行くことにした。
梅ヶ丘は小田急線の駅であり、近くの羽根木公園にはこの時期たくさんの梅が咲くのだ。

そうと決まったらお弁当を作って、いざ出陣。
小田急線はいつも使っている電車なので特に旅に出る気分ではないが、弁当を作るというプロセスを踏んだおかげでちょっとはどこかに出かけてる感覚になれる。だから弁当って大事なんだよな。

あっという間に到着。
駅の前では即売会で瀬戸物をたくさん売っていた。
これは気になるけれど今日は我慢だ。
その横では立派な梅干しを売っている。
まさか梅ヶ丘の梅干しじゃないだろうけれど、やけにうまそうだ。

とりあえず全てをスルーして羽根木公園を目指す。
ディズニーランドやアイドルのコンサートに行くのと違って、花を愛でに行くだけなのでそんなに浮き足立たない。
この「浮き足立たない」というのがよいのだ。
それなりにワクワクしているのだが、キャーキャーいうほどでもない。
信号を渡り、大きな警察署の手前を曲がると住宅地が広がっており、その向こう側に公園の入り口がある。
結構な人が僕と同じように羽根木公園を目指している。
みんなのんびりと歩いている。
いいねぇ。

羽根木公園はまさに「梅ヶ丘」といった感じで小高い丘になっている。
草木に覆われた小さな坂道を登って行くと、たくさんの梅が「時は来た」としゃなりとした可愛らしい花を咲かせている。
僕は梅の花が好きだが、種類については詳しくない。
この公園には様々な梅の花が咲いており、白も赤があるのはもちろん、ボンボンのようにふわふわと咲いているものや、何かの決意を固めたかのように小さく紅色に咲いているものある。
まるで水墨画のようにくっきりと空に伸びる枝ぶりの花があり、しだれ柳のようにだらりと垂れ下がった枝にたわわに咲く花がある。
ひとえに梅の花といっても、実に様々な色や形がある。
空は美しいブルーで統一されており、梅の花とのコントラストが素晴らしい。

頂上まで上がってくると(頂上といっても山ではないのでものの数分で到達する)かなりたくさんの人がいた。主には家族連れやお年寄りが多い。あとは犬を散歩させている人がとても多い。
この街には犬が多いのか、それともわざわざ遠くから犬を連れて来ているのか定かではないが、家族連れの子供の数に負けていないのではないかと思うくらいたくさんの犬が集まっていた。

売店が営業しており(いつもあるのかは知らない)焼きそばや唐揚げなんかを売っている。
その前には簡易的な椅子とテーブルが設置されており、お客さんで賑わっている。
ジャンクな料理にちょっと惹かれたりもするが、僕は弁当を作って来ているのであれを買えないのだ。
まあ、たぶんお弁当の方がおいしいのだろうけれど。
小道の傍らに座り心地の良さそうな平らな石を発見したのでそこを僕の領地とすることにする。
ぺたりと座り、包みをほどいてお弁当開陳。
今日のメニューは鶏肉とポテトのロースト、ほうれん草のオリーブオイルお浸し、洋風玉子焼き。
シンプルでスパイシーな料理の数々。
バッグの中から赤ワインを取り出して、プラスティックカップに注ぐ。
やはりピクニックには赤ワインが必須でしょう。

柔らかい日差しを浴びながら、子供達の嬌声を聞きながら、しっかりと味が馴染んだローストを口に放り込み、ワインで胃の腑へと流しこむ。
うーん。我ながら素晴らしい味わいだこと。
座って目線が低くなったので、立っている人より犬との目線が近くなる。
「こんにちはー。今日は暖かいねぇ。」
と心の中でワンコたちに声をかける。
ついでに飼い主さんなど、可愛い子がいないかなぁとチラチラ見回していたが、心奪われるような女性はいませんでしたね。
そんなに都合よく魅力的な人が現れるわけではないのだ。仮に現れたとして僕はただ見てるだけなんだけど。

素敵なお弁当タイムを終えたら公園をちょっと散歩する。
羽根木公園は入り口あたりに梅の花が咲き誇っているが、奥のあたりは小さな森のようになっており、アスレチック施設のようなものが設置されている。
普段どのようにしてこの公園が運営されているのか知らないけれど、なんだかちょっと冒険心をくすぐられる楽しそうな場所なのである。
樹木にロープが吊るされ、天然のブランコが作ってあったので、ちょっと乗ってみようかと近づいたら、僕と同じように興味を引かれたのか女の子が近づいて来た。
もちろんお嬢ちゃんが乗ればいいよ。
彼女は嬉しそうにブランコにしがみつき、彼女のお母さんは僕に「すいません」と困ったような顔で会釈する。
いやいや、おじさん別にどうしてもブランコに乗りたかったわけでもないですから。
にこりと会釈してさらに散歩を再開する。
樹木が生い茂っているので辺りは木陰になっており、ちょっとミステリアスな雰囲気を醸し出している。日陰に来るとちょっと肌寒いね。そろそろ帰ろうか。

再度梅の花を愛でながら坂道を下り公園から出ると、都会のアスファルトの道があり住宅地がある。
なんだか異世界から帰還したような気がしないでもない。

お弁当の折りとワインの瓶を捨てたので、身軽になった。
というわけで帰りに駅で売っていた大粒の梅干しを買いました。

そういえば今日は「ひな祭り」だった。
ハナがいないからすっかり忘れていたよ。


2018年03月02日

輸入食品店というやつが大好きである。
珍しいオリーブオイルとか世界のナッツとか謎のお茶とか見たこともない香辛料を売っているあのお店である。
スーパーには置いていないマニアックな商品を扱っていることが多いから見るだけでも楽しい。
ただし、マニアックなものってそんなに使わないからどちらかというと陳列された商品を物珍しげに見ているだけで買うことは滅多にないのだが。

中華街とか大久保とか、ちょっと異国情緒漂う場所に行くとそういう店が気になってすらっと入ってしまう。
業務用の食材とかが多いので一般客を歓迎している雰囲気ではなく、店員も外人さんであることが多いのでなんとなく疎ましい目で見られているような気がしないでもないが、かまいやしない。
ふんふんふんと沢山並ぶ商品を見てから、
「このプアール茶よりもう少し小さい箱ってないですか?」
とか店員さんに聞いてみると、案外あわあわと一生懸命探してくれたりする。
外人さんって一見顔つきが怖そうに見える人もいるけど、商売やってるんだから大体話してみると優しいです。それは日本人も同じか。

そういう意味で考えると、雰囲気は古本屋に似てなくもない。
所狭しと陳列された少々マニアックな商品。
店の奥では眼鏡をかけた気難しそうな店主がこちらをちらりと見ている。
店内には独特の匂いがあり、独特の静けさがある。
なんだか似ているような気がする。
僕はそういう雰囲気が多分好きなのだ。

高円寺とか西荻窪とかにもそういう店があって(輸入食材店も古本屋も両方あります)リハやライブがあるたびになんとなくついででチェックしている。稀に気に入ったオリーブオイルとかナッツがあると買ってしまう時もある。楽器が重いのにね。本も買うしな。

ところで、最近一番お手軽に輸入食材を楽しめるのは「KALDI」かなと思う。
最近店舗がたくさんできてきて、いろんなところで見るようになった。
うちの近所にもある。
多分元々はコーヒー屋さんだと思うが、なかなかマニアックな充実のラインナップを展開しているから、散歩するときなどはふらりと寄ってみたりするのが楽しい。(残念ながら僕はコーヒーは飲まないのだけれど)
各国のちょっと珍しい調味料とか、ハムソーセージとかワインとか、見てるだけでもワクワクしてくるのである。

ふう、というわけで散歩終わり。
楽しかった。
散歩ついでに自分の倉庫に寄ってちょっと整理もしてきました。
天気はのどかだし、子供達は公園で無心に遊んでいるし、春の花は少しずつうずうずしている。
いい季節だね。

そして件のカルディで「パクチー焼きそば」なるものを売っていたので、なんとなく購入してみた。
いわゆるインスタントものなのだが、SNSでおいしいと誰かが喧伝していたので気になっていたのである。
無論、この僕がただただ普通にインスタントの焼きそばをそのまま作るわけがないので、ラム肉を買ってきて香ばしく炒め、もやしを茹で、それらをトッピングしてからいただきます。

なるほど、お味は確かにパクチーの香りがしてうまい。ちょっとしょっぱい感じもしたが、茹でたもやしがそれをうまく中和してくれた。そしてラム肉とパクチーの相性がとてつもなくいい。

例えばいい匂いの粒子がまん丸だとして。
ラム肉もパクチーも独特な香りを持つから粒子はそれぞれギザギザだとして。(あくまでも例えです)
その独特なふたつの香りがまるでジグゾーパズルのようにパチリとハマったらとてもいい匂いのまん丸な粒子になったという感じ。
わかりにくいですかね(苦笑)

今月のスケジュールってどうだったけなとか思いながら、焼きそばをゾゾゾとすする。
こうしてゆっくりとどうでもいいようなことをして遊んでいると、忙しい時のことを忘れてしまいがちなのである。




2018年03月01日

たまにふと気になって、財布の中に多少ゆとりがあるとき、宝くじを買ってみることがある。
連番とバラを10枚ずつとか。
まあ、基本的に当たるわけがないから当選結果が出るまでの夢を買ったと思っているが、何事にも万一ということがある。

友人に変わったのがいて、彼はジャンボ宝くじが発売されるたびに1枚だけ買う。
300円で1枚だけである。
彼に言わせれば、
「100枚買っても1枚だけでも、当選確率は大して変わらないじゃないですか。だから本当に夢を買うイメージなんですよ。」
とのことだが、それにしても1枚だけってのは逆に買うときに勇気がいりそうだ。

僕が20枚買うのはおそらく母親の影響であろう。
連番はマジ1等賞狙い。前後賞合わせて一獲千金コースである。
そしてバラはランダムな当たりを呼び込みたいというもの。
楽しみ方としては利にかなってるともいえる。

その昔、もしも2億円とか当たったらどうしようかとウキウキで計画を立ててみたことがある。
お家を買って、スタジオを作って、楽器をたくさん買って、飲食店でも出すか、うーんこれじゃ2億じゃ足りないなとか言いながら。
しかし、考えているとだんだん怖くなって来る。
お金持ちはお金の使い方を知っているからお金持ちになれるのである。
つまりはそれを流用してさらに利を得る。
僕が考えているのはただの「でかい買い物」だ。こんなんじゃ毎晩遊び呆けてすぐに金が底をつくだろう。
得たお金をどういう風に使うかというのはある種の責任も兼ねているということか。カネだけに。

まあそのようにして真剣に考えたところで、まず当たりはしないのだから夢見がちに楽しく考えたほうがよさそうだ。
それよりも今まで買った宝くじの当たり券を交換しにいかなくちゃな。
10枚セットで買えば必ず300円は当たる仕組みになっているけど、なかなか面倒で交換しに行かない。
我ながら怠慢なのである。

かつて若かりし頃、
「宝くじを買って高額当選する確率よりも、君にとってはバンドで一発当てる方が近道だ。だって君はなかなか品の良い作詞、作曲、演奏ができるのだから。」
と誰かに言われたことがあって、とても嬉しかったのだが、今はちょっと遠ざかってるかなぁ(苦笑)

さて、3月が始まります。


2018年02月28日

2月最後の日。
今日は健康診断に行く日だ。
昔はそんなのどうでもよかったが、だいぶ体を酷使していることだし、一応どこからか案内が来たら観念していくことにしている(ちなみに僕は不健康診断と呼んでいる。健康ではないことを確認するのだと思いながら行けば少し気が楽だ)

夜になってからは何も食べず、ビールも飲まず、水だけで我慢した。
僕は去年盲腸のひどいやつをやったからバリウムを飲めない。
(腸に負担をかける可能性があるからやめときましょうとなったのである)
だからあまり関係ないのかもしれないが、僕は割と生真面目なところがあるので、健康診断の案内文に「○○時以降は飲食は控えてください」と書かれているとちゃんと守ってしまう。

というわけでお腹を空かせながら指定された病院に入り3階へ。
カウンターで受付を済ませ、ソファに座って待っていると名前を呼ばれる。
そしたら靴を脱いで更衣室に入り、スーパー銭湯の洋風浴衣みたいなやつに着替える。
これで準備オーケーである。

最初に来たときは勝手がわからなくて怯えたものだが、すでにここには何度か来たことがあるので今は堂々としたものなのである。

身長体重を計り、視力聴力を計り、血圧を測る。
感覚的にそれほど劣化しているわけでもなさそうだ。
その後採血をし、レントゲンや心電図を取り、内科医の問診を受ける。

ところで我々男に気を使ってか、係の人はみんな女性なんだよね。
もちろん内科医も女性。
中にはちょっとかわいい人もいるのでドキドキしてしまうのである。
血圧が上がってなきゃいいけど。

検査と検査の合間はそれぞれの検査場の前の待合室で待機するのだが、暇つぶし用に雑誌なんかが置いてある。
大体はゴルフの本とか、おいしいものを紹介した本とか(僕は平気だけどお腹を空かせた他の人たちはこういうの見て大丈夫だろうか)雑貨の本とか健康についての本が多いが、採血の手前にある待合所の本は「宇宙のはじまり」とか「生命誕生」とかやたらと気になる本がたくさん置いてあって、こんなの待っているちょっとした時間じゃ読み切れないよと思いながら歯がゆい思いをしたりした。

内科医の先生からは、
「次からはカメラを入れましょうか。バリウムは腸に傷がついたら怖いから今日はやめておくけれど、それでは健康診断の意味がないものね。」
と言われた。
僕は、
「わかりました。」
と素直にうなずいた。

なんにしてもバリウムを飲まなくていいのはとても嬉しい。
時代は21世紀だというのになんであんなヨーグルトみたいなのを一気飲みして(まずくはないけど)激しく動くベッドの上にしがみつくように乗って撮影されなきゃならんのだ。
そして下剤を飲んでバリウムを強制排泄する。
まったくナンセンスだし僕の性に合わない。

カメラはカメラで問題がないわけではないのだけれど。

というわけで、割とあっさり不健康診断終了。

なんといってもお腹が空いたのである。
帰りに何を食べるかが当面の悩みなのである。




2018年02月27日

今日は久しぶりにブロークンTVのリハーサルです。
寒い中スタジオに集まってごそごそと練習するのです。

ところでブロークンTVはメンバーそれぞれにボーカルを取る曲がある。
基本的にはリカチャンネルとタイチャンネルがメインを取るが、タマチャンネルには「こだまの街」などの素晴らしいレパートリーがあり、ユカリチャンネルは「マリー」などの愛くるしいレパートリーがある。
しかし、最後に加入した僕にはボーカルを取る曲がないのである。

いくつかの曲でメインパートを取るように言われたりもしたが、僕はあいまいに断った。なぜなら加入して早々のことだったので知り合ったばかりのメンバーの前で歌うのが恥ずかしかったのだ。
それから随分と時間が経ち、メンバーたちともある程度打ち解け、コーラスなんかは積極的に取れるようになってきた。

そしたら本日タイチャンネルがミッキーチャンネルの曲を作って持ってきてくれたのである。
おー!とメンバー一同歓声を上げる。
これで正式にメンバー全員が歌うバンドとして世に紹介できるというわけだ。

それではその新曲を聴いてみようやってみよう。

かくして新曲はラップなのであった。
そして仮の歌詞の内容はイタリアンレストランについて。
うむ、確かに僕が食について歌うというのは面白いかも知らん。
しかし、ラップというのはこれいかに。

歌を歌うというのも大変なことだが、ラップというのも非常に大変なのだ。
言葉がたくさん入るから覚えるのが至難の技だし、ラップのスタイルというのもかなり広範囲に及ぶ。
80年代のワム!のようにかっこよくキメているのもあれば、ビースティボーイズのようにぶっ壊れ気味なのもあるし、レッチリのアンソニーのような脱力系もあれば、吉幾三のようなハリキリ系もある。

曲の雰囲気からするとちょっとけだるいダウナーな感じが合いそうだが、あまり暗い声で「ようこそミキヤのレストランへ」とラップしてもなんだかふてくされた店員みたいで間が悪い。

何度か繰り返し練習したが僕がちょっと悩んでしまい、本日は途中までで止めていったん寝かせることになった。

続いて他の楽曲を演奏するのだが、ドラムは割と簡単にイメージ通り演奏できる。
「そこもうちょっとこうした方がいいんじゃない?」
などと軽口を叩くこともできる。

むーん、やっぱりボーカル(ラップ)っていうのは実に難しいものなのですねぇ。。。



2018年02月26日

平昌オリンピックが非常に盛り上がっているので、おうちにいる時はテレビでずっとそれを見ております。
日本勢の活躍もさることながら、他の国の選手も実に素晴らしい。

ちなみにアルバンの2デイズを終え、本日は家でゆっくりできるのですが、ちょっと作ってみたい料理があったのでのんびりとお米を炊きます。
お米が炊けたら次はスパゲッティを茹でます。
え?!ごはんとスパゲッティ?!ええ、そうなんです。

スパゲッティは1.6mmを使いますが、20分くらい茹でます。
え?!茹ですぎじゃない?!ええ、そうなんですよ。

茹でている間にフライパンで薄切りにした玉ねぎと小さく切ったウインナーを炒めます。
良い感じに焦げ目がついてきたらケチャップを投入。
ケチャップも焦がすようにさらに炒めます。
茹ですぎたスパゲッティーが茹であがりすぎたら、ざるに取って一度水で洗ってからフライパンに入れます。
あとは塩コショウや追いケチャップなどで微調整して、最後に温泉卵をパカッと落としたら「みきっちんのスパゲティナポリタン」の完成。
さらに玉ねぎでシンプルなみそ汁も作りました。

さてテーブルにナポリタンとご飯を盛った茶碗とみそ汁を並べて「ナポリタン定食」の完成です。
スパゲティナポリタンをおかずにご飯を食べるのです。
SNSかなんかでちらっと見て自分もやってみたくなったのでした。
「炭水化物に炭水化物を重ねる」といういかにも奇抜な定食のようにも思えますが、なんということはない。

「餃子定食」はというのがあります。
餃子の皮は小麦粉でできているからある意味パスタと言えなくもない。

「コロッケ定食」というのがあります。
コロッケやとんかつはパン粉で包まれているのでパンとご飯を一緒に食べているようなものです。

ラーメンライスも同じような感じですよね。

だから「ナポリタン定食」も別に変な食べ方ではないのです。
世の中には「お好み焼き定食」とか「ピザ定食」などもあるそうですから。

しかしひとつ問題があった。
作りたくて作ったはいいが、パスタをおかずにご飯を食べるなどというお腹が爆発しそうなボリュームを僕が全部食べられるわけがないのだ。
そもそも「餃子定食」も「コロッケ定食」も僕はあまり好んで注文しない(興味本位で頼んだことはあるが人生で1〜2回くらいしかない。)
ラーメン餃子やラーメンライスは憧れこそするが絶対残すことになるので基本的にラーメンは単品で頼む。

一応作った記念に写真を撮りましたがご飯は炊飯器に戻し、ナポリタンを単品で食べることにしました。
うーん茹ですぎたパスタがまろやかな食感で悪くはないが、やっぱり普通に茹でたほうがおいしいかな。
とりあえず、粉チーズとタバスコをたくさん振りかけて、温泉卵をぐちゃぐちゃに崩して食べるとなかなか乙な味わいでありました。どちらかというとビールが飲みたいな。

ちなみに同じような定食でもなぜか「とんかつ定食」と「シュウマイ定食」は好んで注文します(シュウマイ定食はあまり見かけないけれど)
「麻婆豆腐定食」はあまり注文しません。

なにか決まり事でもあるのでしょうか。
自分でもよくわかりません。






2018年02月25日

轟音による無音の夢を見る。
あの植物に名前をつけたのはあなた?

よし、目覚めた。
しかしなんだってよくわからない樹木に「めまい」なんて名前をつけるんだ。
我ながら夢の意味がわからないが、まあ夢というのはそういうものか。

なんというか体調がよろしい。
やはり駅の階段を昇り降りするよりドラムを叩いていた方が僕にとっては楽みたいだ。
というわけで本日「Al Van She's Coming」の2日め。

勝手知ったる高円寺「HIGH」に到着。
出演者、スタッフの皆様に挨拶。(こういう慣れ親しんだ場所だと僕は割と饒舌になったりもします)
アルバンのサカタ(ナリタ)とコトちゃんもすでに会場入りしている。よろしくと挨拶。

ところでアルバンの「サカタ」は本名を「ナリタ」という。
なぜ「ナリタ」は「サカタ」と呼ばれるようになったのか。
かつて「クライフインザベッドルーム」が(僕が以前所属していたバンドです)初めて旭川を訪れる時に、ボーカルのゆうすけ君は現地の「サカタさん」とスケジュールの詳細を詰めてくださいとスタッフにいわれたそうだ。
遠く離れた東京と旭川で電話のやりとりが行われる。
しかし実際に対応したのは「サカタさん」ではなく成田だった。
ゆうすけ君は電話の向こう側にいるのが「サカタさん」だとばかり思っているので、
「それでサカタさん、日程なんですけど。」
などと「サカタさん」を連呼する。
しかし成田はクライフインザベッドルームの大ファンだったので、
「ゆうすけさん、僕はサカタではなくナリタです。」
と訂正できず(気が弱い(苦笑))そのままクライフのライブ当日を迎えてしまった。

そして旭川で二人は初めて出会う。
ゆうすけ君が成田のことを「サカタさん」と連呼するのを誰かが見かねて、
「あのーこいつナリタっていうんですけど。」
といい、ゆうすけ君が、
「えー!?でももうその声聞いてナリタさんって訂正できないよ俺。というわけでサカタで。」
といったのかどうか僕は知らない。

なぜなら、一方僕はその頃、東京のお家でのんびりとパスタを茹でていたからだ。
「明日はクライフの旭川ツアーだから頑張るぞー。今日のパスタにはちょっとバターを多めに入れちゃおうかしら。」
などとやっているうちに僕の携帯電話には50件以上のメールが届いていた。
「みんな集合しています。どこにいるの?」
「飛行機の出発の時間が近づいています。何してるの?」
「もう間に合わないよ。メンバーは飛びます。連絡つかなくなるから私に電話ちょうだい!」
「どうするの!?どうしたの!?」

切羽詰まったメールが来ている間、僕はバター多めのリッチなスパゲティーを満足げに食べていた。
そう、僕がスケジュール帳に記載していたツアーの日にちが根こそぎずれていたのである。
しかしあの時直前まで、
「明後日はツアー頑張ろう!」
とか、具体的な日にちの情報をいう人がいなかったのかもしれない。
だから本気で気づかなかった。
しかも携帯電話は別の部屋で充電されていたのである。

メールを見て僕は青ざめ、わけのわからない状態でタクシーと電車を乗り継ぎ、羽田で東京→旭川の飛行機のチケットを買い(割引なしで普通に買うとものすごく高い)大した感慨もなく初めて旭川に降り立つとものすごく寒く(上着とか準備してないし)そして僕を心配して慌てて迎えに来てくれたのがナリタ(のちのサカタ)だったのである。

とにかく、成田はその後サカタという名前を気に入ったようで、ある種の芸名のようにサカタと名乗っているというわけなのです。

はあ、、そういうことでその件については今でも考えると胃が痛くなるが(もちろんライブはきちんとやりました)ところで今日はアルバンとクライフが対バンなのである。
昨日に続きまたもや轟音の日々。楽しみ。

しかし今日は対バンの質がとても良い。
HIGHの定番イベント「トータルフィードバック」はシューゲイザーバンドが集結することで知られている。
そもそもシューゲイザーとは数ある音楽ジャンルの中でもどちらかというと隅っこの方に位置するのだが、他のジャンルに比べて境界線が曖昧なことを強みに様々な音楽のエッセンスを巧妙に取り入れ、王道の音楽に負けないメロディやハーモニーを作り出すバンドも少なくない。

アルバンも降り積もる雪のようなノイズのサウンドを持って、スノウゲイザーと称されることがあるが、音楽的骨子はティーンエイジファンクラブやブルーハーツなどのシンプルで朴訥なストレートさにある。(と僕は思っている)

クライフは「ジャパニーズキングオブシューゲイザー」と呼ばれた時期もあったが、僕が加入した時期からハウスマナーを取り入れたり、日本語歌詞にこだわり始めたりと独自の進化を遂げて来た。

ハッピーバレイにはいつも新鮮な風が吹いているのだ。

ところで「イガメンチ」という食べ物はどういう食べ物なのだろうか。
なんだかドラクエの呪文のような食べ物だな。

本番。
アルバンは昨日より弾けたステージを展開した。
やっぱり慣れ親しんだHIGHの景色の方がいろんな意味でやりやすいのかもしれない。

対バンの「Bertoia」というバンドがとてもよかった。
内省的でありながらどこか解放された音楽。
2010年代に入って久しいが、ここに来て90年代という音楽がいよいよ確立されて来たように思える。
「Bertoia」の90年代感がとても心地よい。
しかしなんだろうね90年代ミュージックって。
聴けばわかるが言葉にするのはまだ難しい。

クライフは相変わらずのスターっぷりを見せつけていた。
シューゲイザーのくせに(失礼)やたらとステージ映えするメンバー。
重厚な轟音を奏でる彼らだが、90年代にほとんどアイドルのようにして音楽界にデビューした人たちだから、見栄えがいいのはそりゃそうか。
一挙一動がかっこいい。
加えて僕は全ての楽曲を知っているから楽しい。

今日も良いイベントであった。

クライフのメンバー、ボーカルのゆうすけ君やギターのさんちゃんには割と頻繁に会っているが、ベースのヒデちゃんには久しぶりに会った。
ヒデちゃんはうちの猫が亡くなったことを本当に悲しんでくれた。
ヒデちゃんも数年前愛猫「うに」を失ったが、今は3匹の子猫と楽しく暮らしている。
打ち上げでお互い目に涙を浮かべながら、猫について語る我々はどこか滑稽に見えただろうか(苦笑)

バンドにも猫にも愛着のある歴史がある。
僕もそれなりに長く生きているのだ。
そう考えると、名も無い樹木に「めまい」と名付けた誰かのことを賞賛したくもなる。

あ、朝の夢の話ね。




2018年02月24日

朝目が覚めて。
十分に身体を休めたつもりではあったが、昨日の作戦はなかなか難儀だったらしく関節や筋肉が少々疲れている。僕は普段から駅でもビルでも駅ビルでも、エスカレーターやエレベーターはあまり使わず階段で移動するから慣れっこだと思っていたが、やはり昇り降りを繰り返していると身体に「来る」ものがあるらしい。
しかしだからといってこのまま惰眠をむさぼるわけにはいかないのだ。

本日はAl Van She's Comingのライブ。
しかも2デイズなのである。
アルバンといえば、北海道は旭川のシューゲイザーバンド。
マニアックなファンからはスノウゲイザーとも呼ばれている。
もちろん北海道でライブをやる時にはサポートのドラマーがいるのだが、東京でライブをやる時は僕が叩かせてもらっているのだ。

彼らは今頃空の上。
僕も支度をするとしよう。

そういえば昨日のガンダムスタンプラリー作戦は旭川のマリさんと回ったから、僕にとってはフロム旭川3デイズということになる。マリ中尉は本日「ミライ・ヤシマ」のスタンプをゲットし、その後友人たちに会う予定だが、夜は空いているのでお忍びでアルバンのライブを観に来るとのこと。もちろんアルバンのメンバーは知らない。なんかドッキリみたいでワクワクするね(笑)

舞台は高円寺。
ライブハウスの名前は「Roots」というのだそうだが、僕は聞いたことこそあれどこにあるどんなライブハウスなのか全然知らなかった。
勝手知ったる高円寺駅に到着しGoogle Mapの「みち子」に従いながら道を行くと、なんだ昔ユタスター(キュマバロウの敏腕ギタリストです)と行った沖縄料理屋の地下なのね。こんなところにライブハウスがあったのか。

エレベーターで地下に降りてライブハウスの扉を開けてみる。
なるほど、黒を基調としたいわゆるライブハウスらしい箱である。結構歴史があるのかしらん。それなりに時代を感じる雰囲気だ。
すでに対バンの方達がリハーサルを行なっていたので、邪魔にならないように所在無く挨拶しながら端っこの方に荷物をまとめて座る。

楽器を持った若者たちがリハーサルを行っている。
暗くてヘビーで耽美的でテクニカルな曲だ。
彼らは一体どんな音楽を聴き、なぜそれに心を奪われ、どのようにしてこのステージに立つに至ったのだろうか。
世の中にはヒットチャートには容易に上がってこないであろうマニアックな音楽があまたあり、それを信仰する人たちがいる。同じギターやベースやドラムを使って演奏してもこんなにも世界観は違うのだ。

例えば、街を歩いていて仲睦まじげなカップルとすれ違う時、僕はなぜ二人が付き合うことになったのかをよく考える。どちらが惚れてどのように「告白」して付き合い始めたのか。
しかし妄想を最大に働かせても、その想像を完結することはなかなか難しい。カップルの数だけ恋愛の形と告白の形があるし、僕はミュージシャンとしての恋愛以外は漫画や小説の中でしか知らないのだ。
結局、そういったカップルの馴れ初めを知りたい場合は「新婚さんいらっしゃい」のような番組を見れば満足できるのかもしれない。

まあそういう話は置いといて(苦笑)この暗くてヘビーで耽美でテクニカルな音楽を志すメンバーがその辺に都合よく何人もいるわけがないから、おそらく誰かがその音楽の良さを雄弁に語って世界に引き込んだか、あるいはメンバー募集なんかでマニアックな人たちが集まったのか、僕にはよくわからない。よくわからないが、なにはともあれ音がめちゃくちゃでかい。

全ての音が音に飲み込まれている。
だから音楽以外は全て無音である。
人は無音でウイスキーを飲み、無音で歓声をあげ、無音で誰かとキスをするのである。
本番は。多分。

そのようなどうでもいい思考をあれこれと巡らせているとアルバンのメンバー、ボーカルギターのサカタ(ナリタ)とボーカルベースのコトちゃんが到着。
「おお!長旅お疲れ様!久しぶり!トラブルなく無事に到着できてよかった!」とか再会早々色々言いたいことはあるが、案外口下手な僕は、
「いらっしゃい、今回もよろしく。」
とリハーサルの轟音の合間に挨拶。
するとこちらも口下手なサカタが、
「幹也さんに頼まれたもの持ってきました。」
と袋に包まれた箱をくれた。

そう、これはお土産ではありません。
僕が旭川「蜂屋」のラーメンを買ってきてくれとお願いしていたのです。
旭川ツアーに出かけていた頃は必ずお店で食べていたのですが、最近はめっきり訪ねる機会がなくなったのでねぇ。
東京に旨いラーメンは多々あれど、あまり暖簾をくぐることをしない僕としてはラーメンランキングを語るなんておこがましいことだが、「蜂屋」のラーメンはとてもおいしくて大好きなのです。

もちろんお金を払おうとしたが、サカタから丁寧にお断りされた。
それじゃあ僕がまるで焼きそばパンを買わせに走らせたいじめっ子みたいじゃんかよ(苦笑)
ありがとうございます。ありがたく賞味させていただきます。

というわけで、我々もリハーサルを行い、音楽を調整。

ステージ上でのリハーサルはサウンドチェックが主なので、細かいところを練習する場ではない。(アンサンブルが不安な部分はちょこっと練習したりもしますが)
なので、リハーサルが終わったらスタジオに移動してさらにリハーサル(練習)を行います。

リハをやってリハをやっているとあっという間に時間が過ぎる。
もう本番は目の前なのである。
ライブハウスに戻ってくると、やはりすこぶる轟音が鳴り響いていた。
そういえばこの圧倒的な音のでかさは、札幌のライブハウス「スピリチュアルラウンジ」に似ているかもしれない。
そのようにしてこの地下の暗闇の中で凄まじい轟音を聴いていると、もしかしたら外に出たら雪景色が広がっているんじゃないかという錯覚にとらわれてしまう。
もちろん今日の東京は晴れです。あくまでも雪は降っていない。

しかし「Al Van She's Coming」はライブで素敵な雪景色を眼前に出現させました。
ライブハウスが地下にあるというのはそういうことなのかしら。
景色がなくても音楽があればどこにでも行ける。
スノウゲイザー。誰がその名をつけたのか知らないが、とてもいいじゃない。

ライブが終わって打ち上げ。
一日限りのライブだと、アルバンの二人は慌ただしくホテルに引き上げてしまうのでなかなかゆっくりすることもないのですが、今回は2デイズなのでがっつり打ち上げもできるというわけなのです。
もしかしたら東京でこうしてゆっくり飲みながら話すのって初めてかもしれない。

居酒屋さんで乾杯しよいライブだったと談笑していたら「カツオの叩き」と「地鶏の叩き」がテーブルに到着した。まあ、僕が頼んだんだけど。

つまり今日は「叩きまくり」の日だったということなのである。

明日も楽しく叩きまくりますのでよろしくお願いします。

閑話休題。
マリ中尉はアルバンの本番直前にふらりと会場に現れた。
そして彼女は客席の中程で我々の演奏を(あるいは雪景色を)眺めていた。
それを見たサカタとコトちゃんは自分たちが一体今どこで演奏しているのか一瞬わからなくなったそうだ。
ライブハウスというのは結局そういうところなのかもしれない。
暗闇の中で不思議な夢を見る。

ライブが終わって打ち上げでその話を聞いた時僕はニコリと笑った。
ドッキリ大成功だね(笑)