2017年09月14日

待望の朝ごはん。
笹かまぼこ、切り干し大根煮付け、紫蘇の実漬け、小松菜のみそ汁、牛乳。
昨日の朝ごはんもそうだったが、一日の始まりはライトな食事にしているようだ。
笹かまぼこはツルリとしていて、あまりモクモクと食べる感じに向いていない。

しかし切り干し大根っておいしいのね。どちらかというと庶民的というか貧乏臭い食材というイメージがあって自分で買ったことはないが、こうして改めて食べてみると実に優しく日なたのようなあたたかい味がする。高野豆腐もとても味わいがあってよい。退院したら是非買って料理してみようと思う。

病院のロビーを通って外に向かう。いつもの散歩の時間。
たくさんの人が椅子に腰掛けて診察を待っている。
ここは東京なのだから有名人のひとりくらいいるかなと思って見回してみるが、そういう人はいないようだ。なんとなく残念。
外に出て庭をひととおり散歩して、病院の入り口にあるベンチに座る。
まもなく退院だ。
しっかり静養することが大事だったから、来る日も来る日も空調の効いたベッドに寝転がり、時間がやって来たらご飯を出してもらって、夜は眠る。それがこの場所での僕の日常であった。
考えてみればそれはいってみれば少々贅沢な生活だったのかもしれない。看護師さんたちはみな若く、僕に優しく接してくれた。それもまた贅沢なことだ。
しかし僕はやっぱり早く日常生活に戻りたいと思う。
清々しい風が吹いている。
なんとなく切ない気分になる。
入院しているうちに秋が来ちゃったんだなと思う。

昼ご飯から五分粥が全粥になった。
少しはご飯らしくなったわけだが、やはりお粥はお粥なのである(苦笑)
カレイの煮付け、ピーマンと茄子の味噌炒め、なます、リンゴ。
「ピーマン!」
ここに来て最大の難関が訪れる。
僕はピーマンが苦手なのである。
入院する時にアンケートを書いたが、食材にアレルギーなどありますか、という質問にないと書いた後、「ピーマンが苦手です」と小さく書いておいたのだが、効果はなかったようだ。
やれやれ、大人だから残すのもかっこ悪いし、ここは我慢して食べてみようと、覚悟を決めて口にしてみた。
ん?意外といけるぞ。
いつもなら、「うえー」っとなってしまうのだが、茄子と味噌とのコンビネーションがよかったのか、ピーマンそのものもちゃんと食べれた。まあ、やっぱりそんなにおいしいとは思わなかったけど、それでもこれは立派な進歩だ。
入院したことで僕は大人の階段をひとつ昇った(笑)

午後を通して「猫のゆりかご」を読み終えた。怒濤のエンディングでこれでもかというくらい悲惨な終わり方だったが、なんとなく間の抜けた感もあって不思議な物語だなぁと思った。小説そのものの構造の美しさというよりはディテイルが面白く、シニカルなセリフがちりばめられていて、なんともニヤリとしてしまう。
この小説はたくさんの章によって構成されており、その数はなんと127まであるが、そのタイトルがいちいちかっこよくて、退院して曲でも作る時には是非参考にしたいと思った。

待望の(笑)夕ご飯はなんと豚肉生姜焼き!それに野菜スープ、里芋冬瓜煮物、白菜と蕪のサラダ。
久しぶりに食べた肉はパワーそのものという感じがする。味も比較的しっかりついていて、病院でこんなの食べてもいいのかしらとちょっと気が引けるくらいなのであった。もちろん野菜たちもしみじみとおいしかったです。

最後の夜を過ごす。
明日は本当に退院できるのかしら。
病院の外はどんな景色だったっけ。
iPhoneで動画を見ながら眠ろうと思ったが、データの残量が0になったので、なにをするにも非常に重くなってしまった。
要するにこれは潮時ってやつなのだな。

潔く眠りにつくとしよう。
おやすみなさい。




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