前半の静かで落ち着いた演出がとても良い。これって高畑 勲の演出だ。

後半の地獄めぐり・・・・・は「ポニョ」とか「ハウル」とか「千と千尋」のいつものパターンで驚く程の事は無い。"グロテスク"だの"気持ち悪い"だのと言われていたから少し期待したがこれも大した事はない「キモ可愛い」の範囲内だろう。私の基準がおかしいのかもしれないが。

それにしても臨終の席に皆が集まったら、寝ていた当人が突然飛び起きて大暴れし始めたからそりゃもう現場は大パニック——— みたいな映画だ。世論の評価もまっぷたつの大騒ぎで製作側の思うツボだ。この戦略は大当たりだろう。

例として正しいかどうかはわからないが、「新世紀エヴァンゲリオン」のTV版の最終回みたいだ。あの最終回があったから、「エヴァンゲリオン」は伝説となり、神話となり得たのだし。

それで私がこの「君たちはどう生きるか」という映画に、キャッチ・コピーをつけるとしたら、こうだ。

最後だし やりたい放題 やりました

言い忘れた。もちろんメチャクチャ面白かったです。

高橋葉介
2023.8/3