2009年05月29日
心に残る手紙 お地蔵さんの絵手紙
亡くなった祖父の故郷へ行きたい。
生前、祖父は遠く離れたその土地のことを
ほとんど私には教えてくれませんでした。
もしかすると自然の厳しい土地のこと、
辛い思い出が多かったのかも知れません。
祖父が亡くなって何年も経ったある時
祖父の生まれ故郷を目指してドライブしました。
ただ、本籍地住所以外には何も手がかりがなく
近くまでは何とかたどり着いたものの
車を走らせようにも、車を走らせていいのか
迷ってしまうような細い道ばかり。
困り果てていたところに、小さなお寺が目に入りました。
すがるような思いで、お寺に入って事情を話すと
住職さまが、「思い当たるところがある」と言って
何件か電話をかけはじめて下さり、
ついに祖父の生まれた家を見つけて下さったのです。
ドライブから帰って早速、そのお寺の皆さまも含めて
お世話になった方に手紙を書こうとしました。
ところが、字もまずく、手紙のマナーも自信がない私。
四苦八苦しながら、なんとか便箋1枚をしたためるのがやっと。
拙い手紙でしたが、お礼の気持ちを伝えたく勇気を出して投函。
すると数週間後に、ご住職から一枚のはがきが
やさしいお顔のお地蔵さまが手を合わしている絵手紙。
これが、私がもらった中で一番心に残っている手紙です。
でも、その後。私はご住職に手紙を返すことが出来ませんでした。
自分の未熟さ、これは字も手紙のマナーも含めてですが
それをさらけ出しながら、手紙を書き続ける勇気がなかったのです。
いざ、手紙を書こうとしても、どんな紙にどんな書式で書けばいいのか
そんな小さいけれど迷ってしまう悩みにも、手紙マナーの基本が力になるはず。
また、敬語の使い方や敬称などは、ビジネスマナーとして実践してきて
「まだ何とかなる」と思っている人でも、時候のあいさつは咄嗟に出てこないもの。
実用用語集の時候の挨拶例を参照すれば、そんな書き出しに困るときのヒントにもなるはず。
ただ、手紙の良さは、自分自身の気持ちを自分自身の言葉で伝えるところにあると思います。
私は、未熟過ぎて、ご住職とのせっかくの出会いを無駄にしてしまいました。
でも、いつか機会があれば、自分の言葉で改めてお礼の言葉を伝えたい。
例え下手な字でもいいから、いつか手紙は書きたいと思っています。
そのためにも、少しでも手紙マナーから、学ぶべき知識を得たいと思うのです。
