2009年06月29日

生きている間に出来ること 治験のお話

先日、臓器移植法の改正案が衆議院を通過しました。
その前後にも同居人と話をしたのですが、時々二人の間で行われる定番の会話があります。
「もしも先に死んだらどうして欲しい?」

この「どうして欲しい?」というのには、いろいろな意味があるのですが
まずは脳死状態であれば臓器移植に応じていいのかいう意思確認を日頃からしています。
もちろん臓器提供意思表示カードも常に携帯しているのですが、本当にそれで大丈夫?と
お互い折にふれ尋ねているのですが、お互いに答えは一度も答えは変わっていません。

「使えるものは全部使っていいよ。」「そろそろ献体登録も考えなくてはね」
死んでしまえば残された身体に執着しても仕方がない。
また、医学・科学の進歩に残された材料(身体)が少しでも役に立つのであれば
使えるものはどんどん使ってほしい。
彼も私も幸いなことに、その価値観は一致しているよう。

ところが私の親は「脳死が人の死とは感情的には受け入れられない」と言います。
これはこれで当然だと思うのですが「臓器移植なんて親不孝」と言われ続けている始末。
話の次元があまりに違うのですが、ピアスをしたときでさえ「親不孝」を連呼した親ですから
例え亡骸になった後だとしても身体の中から臓器がまるごと1つ抜けてしまうなんて、
想像しただけで卒倒ものなのでしょう。

でも、医学・科学のために出来ること。しかも生きている間に出来ることがあります。
治験ボランティア、より有効な薬を開発するためになくてはならない存在です。
治験という言葉は知っていたものの、その為のボランティア募集の窓口については
知識不足のため、何も知らずに今まで過ごしてきました。

インクロムは「医学のために出来ることなら役に立ちたい」気持ちのある人と
「安全で有効な新しい薬」を生み出すために努力している研究者をつなぐ
日本の治験のリーディングカンパニーとも言える企業。
このインクロム治験ボランティアのサイトを見て、まずは治験について
より確かな知識を得ていきたいと思いました。

そもそも治験とは何なのか。
薬が私たちの手元に届くまでの間に必ず通る大切なプロセス。
安全性も有効性も、机上の理論研究や動物実験だけでは
確認できないことが多々あることでしょう。
ボランティアの人たちの協力を得て安全性と有効性を確かめていく
治療薬の試験、これが治験。

健康な人を対象にした安全性を確認する目的のフェーズ1から
基本的な安全性を確認した上で、病気に対する効果を検証するフェーズ2及びフェーズ3へと
段階を経て薬の安全性と有効性を確認し新薬が誕生していくのです。
そして1つの薬が生まれるまでに10年以上もの年月がかかっているのです。

試験である以上、適切な投薬は必須となるのは想像がつくところ。
それ以外にも、激しい運動を避けたり、試験によっては食事制限が課せられたり
思わぬ条件がついてくる可能性もあるようです。

そして、サイトを見る前から素朴な疑問として持っていたのですがやはり。
プラセボ(偽薬)を投与される可能性もあるのです。
ただ「プラセボ効果」という言葉があるくらいです。
思わぬよい結果が身体に生じることもあるのかも。

私が一番不安に感じているのは「医学の役に立ちたい」という純粋な気持ちを
踏みにじるような実験が研究者の一方的な思惑で進められてしまうこと。
ボランティアの人の不安や疑問に答える場があるのか
副作用に関する説明など、詳細な説明は受けられるのか気になりました。


ボランティア登録説明会にまず参加してみるといいのかも知れません。
実際に治験に携わる方から詳細な説明を受けることが出来ますし
本当に責任を持ってボランティアとして参加出来るのか
判断出来る機会にもなると思うのです。

実際、ボランティア登録をして、いざ治験に参加する段階になっても
詳細な説明を受ける場はきちんと用意されいます。治験説明会があるのです。



※治験説明会の様子。


治験に関する内容について口頭で説明を受けることが出来、
詳細が記載されている説明文書も受け取ることが出来ます。
何よりも、その場で参加・不参加を判断しなくてもいいというのが心強い。
本当に治験の趣旨やメリット・デメリットを理解し判断した上で判断していいのです。
疑問点があれば、どんどん問い質す姿勢を持って臨みたいもの。

もちろん、各過程ごとに必要な検診は受けていくのですが
いざ、治験が開始された際、やはり副作用が出た時の対応が不安です。
副作用についての説明も事前に受けているので心の準備が出来ていたとしても
フォローは受けられるのか…

副作用は薬が排出されてしまえば収まるものなのでしょうけれど
もちろん、フォロー体制も万全とのこと。
担当医師や医療スタッフが24時間体制で検査と適切な処置をして下さるというのは
心強い限りです。

少し前向きに「治験ボランティア」をとらえ始めたところですが
現在、東京と大阪で糖尿病に関する治験のボランティアが募集されているとのこと。
募集条件をサイトから確認させて頂いたのですが、あいにく合致しませんでした。

糖尿病は生活の質を保つ為には本人の強い意志と
周囲の協力が必要な病気だと私は思います。
食事制限やインスリン療法など、普通の生活と治療を並行して行うのは
並大抵なことではないと想像しています。

また、どんな病気にも言えることですが、本当の苦しさは
その病気を経験した人でないと結局は分からないもの。
ですから、軽々しい気持ちで言葉をつづることは難しいのですが

少しでも有効な薬が生まれて、一人でも多くの人が
毎日を楽しく生きていければ、素敵なことだと思います。
その為に、生きている間に出来ることがあれば参加したい。
少なくても、機会の有無だけは常日頃からチェックしたいと思ったのです。

そして参加するのであれば、自分の身体に責任を持って
また身体に起きた変化を冷静に観察して報告出来る理性を持って参加したい。
新しい薬を開発する研究者の方の思いを踏みにじったり
その病気で苦しんでいる人たちへの思いを忘れてしまっては参加できない。

それが治験ボランティアだと思いました。

※治験に興味のある方は治験ボランティアのサイトをチェック。
治験に関する知識も現在募集中の治験についても、情報を得ることが出来ました。


planetgreen at 19:40│Comments(0)TrackBack(0) プレスブログ 

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