2006年05月25日

やれやれ

村上春樹の小説の登場人物はよく「やれやれ」という言葉を口にします。

あるいは僕の印象に強く残っているだけでそんなに多くないのかもしれないけど、とにかくいろんな状況に対して、やれやれ、という言葉が用いられていたように思います。
だいたいは会話の終わり際にぽつんと。

何か困った状況になったときに「やれやれ・・・」って感じとか、
相手の言ったことに苦笑いで「やれやれ・・・」って感じとか、
何かにあきれて、でも何か感覚的な情のある「やれやれ」って感じとか。

一般的な意味での"不満の感情の吐露"というような使われ方の面はあまりなく、自分に向けて放たれているような使われ方の面が強い感じ。
あるいは、彼の小説ではいろいろと風変わりなことが起きたり、身に降り掛かってきたりするんだけど、そういった事態を受け入れることを"ポジティヴでもネガティヴでもなく"諦めたり、妥協したりといった容認の意味での「やれやれ」。
そう考えると(上で書いた)"苦笑い"という表現が一番近いのかな...。

だから、もしこの言葉を使う時に誰か相手がいるならば、それは相手を突き放すような感じはなくて、事態に対して自分の中で消化して了解している、受け入れている、受け止めている、とかそういう感じ。
それは自分に対して、相手に対して、事態に対して、もっと言うと世界に対して、自分の価値観を越えたものでさえ許容する態度があればこそ、なんだろうなと思います。


・・・って、やっぱりどうにもうまく表現できないなぁ...。

小説を読んだらこの雰囲気が一発で伝わる、と思うのだけどそれはあまりに身も蓋もない...。


んで、まあ僕この言葉を気に入っていまして、小説のように誰かに向けて使うということは(意識している限りでは)ないと思うんだけど、いつのまにかけっこう1人言で使うようになっていることを最近自覚しました。

1日の終わりにいろんなことを考えてみて、とか、
誰かと話し込んだ後に振り返ってみて、とか。

この言葉を口にすると、沈み込みそうになる気持ちが少し軽くなるような気がします。

いろいろと絡み合ったり、もやもやしている何やかやをそのままで受け入れられそうだからね。


って書くとなんか意味深だな...。


まあいいや。

とにかく、おまじないみたいでいい言葉だなと思うのです。

planke at 23:18│Comments(2)TrackBack(0) なんとなく思う 

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この記事へのコメント

1. Posted by mitsuo   2006年05月30日 23:59
ずっと読んでなかった部分、ちゃんと読みましたよ 笑
4月18日まではどうやら読んでたみたいです。申し訳ない。

んで、僕がコメントを書くとしたらここかなと。
自分が村上春樹ファンとは思わないけどね。
やれやれ
僕も独り言(一人じゃないときも多々・・・)で多用していた時期がありました 笑
春樹ファンと思われてはいかんとやめましたが。
彼の小説を一言で表現するもっとも適切な"言葉"かも、なんてね。
ちなみに、全く貶してないです。一片も。

ところで昨日、とても大きな出来事がありました。
僕の人生のターニングポイントかもしれません。ってのは大げさですが、教授に自分のやりたい研究を直談判したところ、ちゃんとプランを練り上げるならいいよとのことでした。

詳しいことは、そのうちまた飲みながらでも。
というわけで、誘ってくださいね。
2. Posted by oki   2006年05月31日 00:36
>mitsuo

コメントありがとう。
貴重な読者が帰ってきたなぁ(笑)。

>僕も独り言(一人じゃないときも多々・・・)で多用していた時期がありました 笑
(笑)です。

>彼の小説を一言で表現するもっとも適切な"言葉"かも、なんてね。
うん。確かに、かなり世界を表していると僕も思います。
たくさん読んでいる人にこのこと確認してもらえてよかったよ。

なんか昨日たまたま会って、その日がターニングポイントになったかもっていうのは何とも言えず不思議な感じ。何よりです。

近いうちに飲みまっしょい。

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