遊びやすい流行り神




2014-08-27-16-55-37


PS3とPSVITAのテキストアドベンチャーゲーム。開発は日本一ソフトウェア。

システムが大幅に変わった流行り神。
何がどう変わったって言うと、端的に言えばかまいたちの夜みたいになっていた。一つの物語が軸にあり、特定の分岐を選ぶと別のストーリーに入れ替わっているという、チュンソフトお得意のあれが今作には採用されている。
これによって登場キャラクターの扱いが面白いことになっていた。普通ならキャラの性格は一貫性を持たせる必要があるが、このゲームはそれぞれの物語が違う世界線で行われているという体なので、ストーリー毎にキャラが全く違う顔を見せてくるし、メインキャラでも平気で死んだり、簡単に裏切ってきたりするので、予測が付かない驚きに満ちた展開になっている。

更に過去作と比べて随分遊びやすくなった。各ストーリーは短くまとめられており、フローチャートで細分化されているのでやり直しが楽。一つの章がクソ長い上にゲームオーバーになってもフローチャートがないのでセーブした地点からやり直さなければならなかった1、2とは大違いだ。
物語の分岐もチュンソフトのそれと比べるとかなりシンプルで簡単に新規ストーリーを発見できる。逆に言うとあまり手応えがないが、流行り神は推理ロジックという項目で考えさせられるところがあるから分岐はこれくらい楽でも良いかな。正直チュンソフトのゲームはややこしすぎて毎回攻略サイト見ながらやってるしね。

そして、今作の最大の特徴である、対象年齢18歳以上にしてまで拘ったエグみのあるストーリー。
確かに結構グロい。絵はそこまででもないが、表現が気持ち悪い。目を伏せたくなる場面は一度や二度では済まない。
でもグロいだけで怖くはない。18禁にしたくらいだから今作はかなりホラーに寄っているのかと思ったが、過去作の方がまだ怖かった気がする。
用意されているストーリーは9つで、面白い話とつまらない話が半々と言ったところ。
都市伝説をモチーフにしているこのシリーズは、前作までは一つのストーリーにオカルト的な要素を前面に出したルートと割と現実的なルートの二種類が用意されていて、どっち付かずな中途半端さはあったがそれがまた現実なのか虚構なのか分かりにくい都市伝説特有の曖昧さを加速させる効果があった。
対して今作は各話一つのルートにまとめられており、オカルトならオカルト、現実路線なら現実路線とはっきりしているので、都市伝説の醍醐味はいくぶんか薄まった。俺としては元々マルチエンディング方式があまり好きじゃないので別に良かったがこれは意見が別れるところかもしれない。

微妙なのは新システムのライアーズアート。
一対一の討論で相手を打ち負かすという趣旨の仕組みだが、矛盾を付いたり相手の嘘を暴いたりといったものでなく、どの言葉なら相手に響くかという答えが極めて不明瞭な中で考えなければならないので殆ど運試しのようなものだし、考える時間もほんの数秒しか与えられないしと、かなり面倒なことになっている。
それだけならまだ良いが、このライアーズアートは分岐にも関わってくるので周回する上で相当に邪魔。ルート進行を妨害してきて鬱陶しかった。

そのライアーズアートを除けば過去作よりも随分遊びやすく作られているので入り込みやすかった。ストーリーの質は落ちているが、かまいたち方式を採用したことでキャラの扱いが思い切っていてそこは面白かった。
ただホラーが全然だなぁ。そこに期待していた身分としては今作は期待外れと言わざるを得ない。